Windows10のままマザーボードを交換したいが、「ライセンス認証はどうなるのか」「再認証できなかったら困る」と不安に感じている方は多いと思います。
本記事では
Windows10の認証がマザーボードとどう結びついているのか
ライセンス種別ごとにマザーボード交換後の扱いがどう変わるのか
交換前・交換後に具体的に何をすればよいのか
認証エラーが出た場合の現実的な対処方法
をまとめて解説していきます。
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交換前チェックリスト
「設定」→「システム」→「ライセンス認証」で、
デジタルライセンスで認証されているか
Microsoftアカウントにリンクされているか
を確認したか
自分のWindows10がDSP版/OEM版/リテール版のどれか把握しているか
プロダクトキーや購入情報を控えているか
今後を見据えた選択肢
リテール版であれば、適切な手順を踏むことでマザーボード交換後も利用できる可能性が高い
DSP版/OEM版の場合は、再認証が通らないリスクを踏まえつつ、必要に応じて新たなライセンス購入やWindows11への移行も検討する
Windows10の認証はマザーボードとどう関係しているのか
デジタルライセンスとプロダクトキーの違い
Windows10では、ライセンス認証の方法として主に次の二つがあります。
プロダクトキーによる認証
25文字のキーを入力して認証する従来方式です。
デジタルライセンスによる認証
プロダクトキーを明示的に入力しなくても、
Windowsの購入時
対象機種のプレインストールPCを初回起動した際
過去のOSからWindows10にアップグレードした際
などに紐づけられた「デジタルライセンス」によって、自動的に認証される仕組みです。
現在は、多くのWindows10がデジタルライセンスで認証されています。
ハードウェア構成(マザーボード)とライセンスの紐づき方
デジタルライセンスは、PCのハードウェア構成情報をもとに「このPCはライセンス済みの同じデバイスかどうか」を判定しています。
特に重要なのがマザーボードで、マザーボードを交換すると「別のPC」とみなされる可能性が高くなります。
そのため、
マザーボード以外の小さな変更(メモリ増設、ストレージ追加など)
→ 通常はそのまま認証状態が維持されるマザーボード交換を伴う大きな変更
→ 認証が外れ、「ライセンス認証が必要です」と表示されることがある
という挙動になります。
Microsoftアカウントとの関連付けで何が変わるか
Windows10のデジタルライセンスは、Microsoftアカウントと紐づけておくことで、ハードウェア変更後の再認証がしやすくなります。
具体的には、
交換前のPCで
「設定」→「システム」→「ライセンス認証」を開く
「Windowsはデジタルライセンスによってライセンス認証されています」と表示されているか確認
ローカルアカウントではなく、Microsoftアカウントでサインインしておく
交換後のPCで
同じMicrosoftアカウントでサインイン
「ライセンス認証のトラブルシューティング ツール」を使って、「このデバイス上のハードウェアを最近変更しました」を選択し、該当デバイスとして再認証を試みる
といった流れになります。
ライセンス種別ごとに異なる「マザーボード交換後」の扱い
Windows10のライセンスには、主に次のような種別があります。
DSP版(自作PC向けバンドル版)
OEM版(メーカー製PCにプレインストール)
リテール版(パッケージ/ダウンロード購入)
それぞれ、マザーボード交換時の扱いが異なります。
DSP版(自作PC向けバンドル版)の特徴と制限
ショップでパーツ(たとえばマザーボードやCPUなど)とセットで販売されるライセンスです。
利用規約上は、同時購入したPC(マザーボード)に紐づく前提であり、別のPCへの移行は原則認められていません。
故障などでやむを得ず交換する場合でも、再認証が通るかどうかはケースバイケースであり、必ず認証されるとは限りません。
OEM版(メーカー製PCに付属)の注意点
メーカー製PC(BTO含む)にプリインストールされたWindows10です。
一般的に、そのPC専用のライセンスとみなされ、マザーボード交換による別PCへの移行は想定されていません。
メーカー側が用意した交換用マザーボードに載せ替える場合は認証されることもありますが、自作マザーボードに乗せ換えるようなケースでは認証が通らない可能性が高くなります。
リテール版(パッケージ/ダウンロード版)の柔軟性
家電量販店やオンラインで単体購入できるWindows10です。
規約上、1つのライセンスを1台分として、PCを乗り換えながら使い続けることが可能です。
旧PCからアンインストールし、新PCでプロダクトキー入力やデジタルライセンス再認証を行うことで、マザーボード交換後も利用しやすいライセンス形態です。
無償アップグレードで得たWindows10の扱い
Windows7/8から無償アップグレードしたWindows10の場合、元のライセンス種別(OEMかリテールか)を引き継いだ扱いになります。
元がOEM版なら、原則としてPC固定
元がリテール版なら、再認証により別PCへ移行できる余地あり
なお、Windows7/8のプロダクトキーを用いた新規インストール・認証については、2023年以降制限が強まり、従来のような運用ができないケースが増えています。
マザーボード交換前に必ず確認しておきたい3つのポイント
マザーボードを交換する前に、最低限次の3点を確認してください。
1. 現在のライセンス状態と種別の確認
「設定」→「システム」→「ライセンス認証」を開く
表示例
「Windows はデジタル ライセンスによってライセンス認証されています」
「Windows はデジタル ライセンスと Microsoft アカウントにリンクされています」
ここで「デジタルライセンス」と表示されていれば、ハードウェア変更後も再認証できる可能性が高まります。
ライセンスの種別(DSP/OEM/リテール)については、
購入時のパッケージ/メール
購入店の履歴
PCメーカーの仕様ページ
などから確認しておくと、後の判断がしやすくなります。
2. Microsoftアカウントへの紐づけ確認と設定
現在ローカルアカウントでサインインしている場合は、Microsoftアカウントへ切り替えます。
「ライセンス認証」画面にて、「アカウントにリンクされています」のような表示になっているか確認します。
これにより、交換後の再認証がトラブルシューティングツールから行いやすくなります。
3. プロダクトキー・購入情報などの控え
プロダクトキーをお持ちの場合は、安全な場所に控えておきます。
オンライン購入の場合は、購入メールやアカウントページを確認し、いつでも参照できるようにしておきます。
マザーボード交換後のWindows10再認証手順
ここでは、代表的なケース別に手順を整理します。
ケース1:デジタルライセンス+Microsoftアカウント紐づけあり
新しいマザーボードでPCを組み直し、既存SSD/HDDからWindows10を起動
インターネットに接続
「設定」→「システム」→「ライセンス認証」を開く
認証されていない場合、「トラブルシューティング」をクリック
「このデバイス上のハードウェアを最近変更しました」を選択
表示されたデバイス一覧から、該当PCを選択して再認証を試みる
ここで認証が通れば、そのまま利用を継続できます。
ケース2:プロダクトキーで再認証を試みる
リテール版のプロダクトキーをお持ちの場合
「設定」→「システム」→「ライセンス認証」
「プロダクトキーを変更する」を選択
所有しているプロダクトキーを入力し、再認証を実行
旧PCで使用していたリテール版の場合は、旧PCでの利用を終了させ、新PCでのみ使用することが前提となります。
ケース3:トラブルシューティングツールでの再認証でも通らない
トラブルシューティングツールやプロダクトキー入力での再認証が通らない場合、次のような可能性があります。
DSP版やOEM版など、ライセンス種別として別PCへの移行が想定されていない
一つのライセンスを複数のPCで使用していると判定されている
過去の無償アップグレードなどによりライセンス状態が複雑になっている
この場合は、Microsoftサポート(電話/チャット)に相談し、状況を説明したうえで判断を仰ぐことになります。
ケース4:どうしても通らない場合に検討すべき選択肢
Windows10の新規ライセンス(主にリテール版)の購入
これを機にWindows11への移行(PC要件を満たす場合)
メーカー製PCであれば、メーカーサポートにマザーボード交換とライセンスの扱いを確認
を検討することになります。
よくあるトラブルとエラー表示別の対処法
「このデバイスではライセンス認証を行えません」と表示される場合
このメッセージは、主に以下のような状況で表示されます。
デバイス一覧に同じPCが見つからない
以前のPCと判断できる情報が不足している
ライセンスの利用可能回数を超えている可能性がある
対処としては、
同じMicrosoftアカウントでサインインしているか再確認
PC名を交換前後で変更していないか確認
どうしても該当デバイスが見つからない場合は、サポート窓口へ相談
という流れになります。
認証サーバー側の一時的な不具合が疑われる場合
しばらく時間を置いて再試行する
別のネットワーク(有線/無線)に切り替えてみる
ことで解消されることもあります。
電話サポート・チャットサポートを利用する際のポイント
サポートへ連絡する場合は、次の情報を事前に整理しておくとスムーズです。
購入形態(DSP/OEM/リテール、無償アップグレードの有無)
マザーボード交換前後の状況(故障か、アップグレード目的か)
現在表示されているエラーメッセージの内容
プロダクトキー(保有している場合)
中古・譲渡PC/複数台自作PCの場合の注意点
友人から譲り受けた自作PCのマザーボードを交換するリスク
元のライセンスがDSP版/OEM版である場合、
譲渡自体がライセンス条項と合わないケース
マザーボード交換によって完全に認証が外れるケース
がありえます。
マザーボード交換をきっかけに、正規のリテール版ライセンスへ移行することも選択肢として検討してください。
一つのライセンスを複数台で使い回すことの問題点
技術的には一時的に認証が通る場合があっても、
利用規約違反になる
将来的に認証が外されるリスクがある
ため、推奨されません。
PCごとに正しくライセンスを用意することが、結果的にトラブルを避ける近道です。
将来のトラブルを避けるためのライセンス管理のコツ
ライセンス種別・プロダクトキー・購入情報を一覧で管理する
自作PCを複数台運用する場合は、ライセンスも台数分用意する
大きなハードウェア変更前には、必ずライセンス状態とアカウント紐づけを確認する