「Excelでカレンダーを作りたい」と思っても、テンプレートを使うべきか、自分で作って自動更新できるようにすべきかで迷いやすいものです。さらに、土日祝の色分け、祝日の反映、A4で印刷したときの見切れやレイアウト崩れなど、完成後に困るポイントも少なくありません。
本記事では、Excelカレンダーを最短で作るテンプレ活用と、年月を変えるだけで回せる万年カレンダーの自作手順を、目的別にわかりやすく整理いたします。加えて、土日祝を自動で目立たせる設定、祝日リストの扱い、印刷で失敗しない最終チェック、よくあるズレや反映漏れの直し方まで、運用目線で丁寧に解説いたします。
「毎月の作り直しを終わらせたい」「配布しても崩れない予定表を作りたい」という方は、この記事の手順どおりに進めるだけで、迷わず形にできます。
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Excelカレンダーはテンプレと自作のどちらが早い
テンプレが向くケース
テンプレートが向くのは、「正確に動く形」を最短で手に入れたいときです。次の条件に当てはまるほど、テンプレのメリットが大きくなります。
時間がない:今日中に配布・掲示したい、会議で使う必要がある
体裁を安定させたい:A4に収めたい、見切れや崩れを避けたい
大きく作り変える予定がない:メモ欄の増減程度で十分
Excelが苦手な人が触る:関数や条件付き書式のメンテが難しい
まず完成形が欲しい:そこから自社向けに少しずつ直したい
テンプレの良い点は、最初から「曜日の並び」「日付配置」「罫線」「印刷向けのレイアウト」がある程度整っていることです。カレンダー作成で一番事故が起きやすいのは「月初の曜日配置のズレ」ですが、テンプレではこの部分が最初から成立しているため、初手の失敗が激減します。
一方で、テンプレは“自由度”に限界があります。例えば「日付枠の右側に担当者欄を作る」「週ごとに締め処理が必要」「会議室A/B/Cを縦に並べる」といった独自仕様が増えるほど、テンプレの編集が手間になることがあります。テンプレは“完成品としての安定”が魅力である反面、編集が重いと逆に遠回りになりがちです。
自作が向くケース
自作(関数で自動更新する方式)が向くのは、「来月以降も同じ型で回したい」「独自フォーマットを固定したい」といった運用前提があるときです。次の条件に当てはまるほど、自作の効果が出ます。
年月を変えるだけで更新したい:毎月の手入力をなくしたい
独自欄が多い:当番、担当、シフト、ToDo、会議室、来客など
見落とし対策が必要:土日祝の強調、締切日の色分け、注意日表示
印刷ルールが固定:A4横1枚、余白やフォントを固定して運用したい
配布・共有が多い:毎回編集するより“型”を作った方が速い
自作の本質は「型を作り、更新の手間を極小化する」ことです。最初の組み立てはテンプレより時間がかかる場合がありますが、一度完成すれば、翌月は年・月の入力だけで成立するため、長期運用ほど時短効果が膨らみます。
ただし、自作は“最初の設計”が重要です。特に、月初の配置、当月以外の表示(前月末・翌月初)をどう扱うか、祝日をどう反映するか、印刷で崩れない範囲設定をどう固定するか、という設計を曖昧にすると、結局毎月手直しすることになりやすいです。
迷ったときの判断チェックリスト
迷ったときは、次のチェックリストで判断すると失敗しにくくなります。Yesが多い方を優先してください。
テンプレを選びやすい条件
今日・明日中に完成させる必要がある
配布先が多く、まず“崩れない体裁”が最優先
独自欄は少なく、メモ欄程度で足りる
関数や条件付き書式の調整を避けたい
印刷設定を自分で詰めるのが不安
自作を選びやすい条件
毎月同じ作業を繰り返しており、手入力を減らしたい
独自欄(当番/担当/会議室/締切/シフト)が必須
土日祝の強調、注意日の表示など“運用ルール”が決まっている
年月の変更だけで回る仕組みにしたい
A4印刷・余白・フォントなどを固定して継続利用したい
最初はテンプレで着地させ、翌月以降の手間が見えてきた段階で自作に移行するのも現実的です。テンプレで“求める完成像”を先に確認できるため、自作設計で迷いにくくなります。
Excelテンプレートでカレンダーを作る手順
Excel内蔵テンプレの探し方
Excel内蔵テンプレは、最も手軽に始められます。手順は次の通りです。
Excelを起動し、新規作成を開きます
テンプレート検索欄に 「カレンダー」 と入力します
月間・年間・写真入り・学年向けなど、目的に合うものを選びます
作成後、テンプレ内の説明文や入力欄(年・月など)を確認します
必要なら、タイトルやメモ欄、祝日表示の有無、週の開始曜日を確認します
ここで大切なのは、「何を最優先するか」を先に決めることです。例えば社内掲示なら、デザイン性よりも視認性(大きい文字・余白・書き込み欄)を優先した方が運用が楽になります。
テンプレ選びの目安
書き込みが必要:日付セルが大きめ、罫線が薄め、余白が適度
配布して見せる:月タイトルが目立つ、曜日行が見やすい
年間管理:12か月一覧、行事一覧が併設できる構成
学年・年度:4月始まりや13か月構成に近いもの
Microsoft公式テンプレの入手と注意点
公式テンプレは、形式が安定しており、配布時のトラブルが出にくいのが利点です。一方で、テンプレによって「入力するだけで更新できるタイプ」「月ごとにシートが分かれるタイプ」「曜日の開始が固定のタイプ」など仕様が異なります。
入手後に必ず確認したいポイント
更新に必要な入力欄:年だけか、年+月か、年+開始曜日か
週の開始:月曜始まりか、日曜始まりか
印刷単位:1枚完結か、月ごとにページか、複数ページか
当月以外の表示:前月末・翌月初が薄く表示される仕様か、空欄か
編集余地:メモ欄の拡張がしやすいか、罫線が固定しすぎていないか
テンプレは“完成品”であるほど、崩さない編集が重要です。セル結合が多いテンプレは見た目は整いますが、列幅や行高の調整で崩れやすい場合があります。編集するなら、まずコピーを作り、元のテンプレを保管した状態で作業すると安全です。
配布テンプレ利用時の確認ポイント
Web上の配布テンプレは便利ですが、職場利用や長期運用では、次の確認をおすすめします。
1) 祝日が自動か固定か
祝日が「文字として書かれている」だけだと、年が変わるとズレます
自動判定でも、祝日リストが古いままの場合があります
祝日が必要なら、“祝日リストを差し替えられる構造”かを見ます
2) マクロの有無
社内PCでマクロが禁止されている場合、動作しない可能性があります
マクロ依存のテンプレは、利用者が多いほど運用リスクが上がります
3) 印刷設定の保存
印刷範囲、余白、拡大縮小が設定済みか
設定されていても、プリンターや環境によって崩れることがあります
最終的には、配布前に必ずプレビューで確認します
4) フォント・互換性
特殊フォントや図形が多いテンプレは環境差で崩れやすいです
共同編集や別PCで開く場合は、標準的なフォントとシンプルな構成が安全です
Excelで自動更新する万年カレンダーを作る手順
ここでは、「年と月を入力するだけで、その月のカレンダーが自動で並ぶ」万年カレンダーを作る前提で説明いたします。最初から複雑にせず、骨格を安定させることが最重要です。骨格が安定すれば、後からメモ欄や担当欄、祝日名表示などを増やしても崩れにくくなります。
年月セルを用意してDATEで月初日を作る
まず、入力欄を固定します。おすすめは「年」「月」を別セルに分ける方式です。年と月が分かれていると、条件付き書式や判定で使いやすく、事故が減ります。
例(入力欄)
B2:年(例:2026)
C2:月(例:1)
次に、その月の月初日(1日)を作ります。
例(月初日セル:E2)
=DATE($B$2,$C$2,1)
ここでのポイントは、参照を固定($)することです。カレンダー領域に式をコピーする際、参照がずれると一気に破綻します。入力欄は原則固定参照にしておくと安全です。
さらに、表示形式は後で整えるため、まずは「正しい日付の値」を持たせることを優先します。日付は内部的に数値(シリアル値)ですが、Excelが日付として扱える状態なら問題ありません。
WEEKDAYで月初の曜日を求めて配置を決める
カレンダー作成で最も重要なのは「1日がどこに入るか」です。つまり、月初日の曜日を求めて、表示開始日(カレンダー左上の日付)を決めます。
ここでは、運用で多い「日曜始まり」の例で説明します(後半のFAQで月曜始まりの考え方も扱います)。
月初日:
DATE($B$2,$C$2,1)月初日の曜日番号:
WEEKDAY(DATE($B$2,$C$2,1))日曜=1、月曜=2、…、土曜=7(標準の返り方)
日曜始まりのカレンダーで左上に入れたいのは、「その週の日曜日」です。
月初日が水曜日なら、その週の日曜日は3日前です。
月初日が日曜日なら、その週の日曜日は当日です。
したがって、表示開始日(左上)は次のように作れます。
例(カレンダー左上:B5)
=DATE($B$2,$C$2,1) - (WEEKDAY(DATE($B$2,$C$2,1)) - 1)
この式の意味は、
「月初日 -(月初日の曜日番号-1)」=その週の日曜
ということです。
次に、日付を並べる規則を固定します。
右へ1日ずつ増える:隣セルは
=左セル+1下へ7日ずつ増える:次の週の同じ曜日は
=上の週+7
例(並べ方)
B5:表示開始日
C5:
=B5+1(右へ)D5:
=C5+1…というように1週分を作るB6:
=B5+7(次の週)C6:
=C5+7…というように週を下へ増やす
この型ができると、年と月を変えるだけで、前月末〜翌月初を含む形で必ず埋まります。ここが“骨格の安定”です。
当月以外の日付を空欄にする(見た目を整える)
前月末や翌月初が表示されると見づらい場合は、「当月以外は空欄」にするのが一般的です。考え方は次の通りです。
表示している日付セル(例:B5)が当月なら表示
当月以外なら空欄
判定は MONTH(日付)=入力月 を使えます。
ただし、単に空欄にするとカレンダー枠が崩れたように見えることもあるため、「薄いグレーで表示する」などの運用もあります。ここは用途に合わせて決めます。
空欄にする例(B5に入れる考え方)
骨格用の日付(表示開始日)を別セルで作り、表示セルはIFで包む
直接同じセルに入れると管理が難しいため、可能なら「骨格」と「表示」を分けます
表示形式で日付と曜日を整える
日付の値を作れたら、見た目を整えます。カレンダーは特に「見た目の読みやすさ」が運用に直結します。
おすすめの整え方
日付セル:表示形式を「d」(日だけ)にする
曜日行:上段に「日 月 火 水 木 金 土」を固定で置く
月タイトル:
=TEXT(DATE($B$2,$C$2,1),"yyyy年m月")のように表示(好みで)文字位置:日付は左上寄せ、メモ欄は左上寄せ(書き込みやすい)
よくある失敗
日付が「46022」のような数字になる:表示形式が日付ではない
日付が文字列になる:
"2026/1/1"のように文字として入力している曜日がズレる:週の開始とWEEKDAYの扱いが一致していない
この段階では、まず「日付の値が正しい」ことが大前提です。そのうえで表示形式や配置を整えれば、見た目の調整で壊れにくくなります。
Excelカレンダーの土日祝を自動で目立たせる方法
土日祝の強調は、予定の見落としを減らすために非常に効果があります。特に社内掲示・配布では、見る人が短時間で情報を拾えることが重要なので、色や太字などで視認性を上げておくと運用が楽になります。
WEEKDAYで土日を判定して条件付き書式を設定する
土日の色分けは、条件付き書式で自動化できます。ポイントは「曜日の文字」ではなく、日付セルをWEEKDAYで判定することです。文字で判定すると、表示形式の変更や入力ミスで崩れやすくなります。
手順(基本)
カレンダーの日付セル範囲(例:B5:H10)を選択
条件付き書式 → 新しいルール
「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選ぶ
土曜日用の数式、日曜日用の数式を作る
書式(塗りつぶし、フォントなど)を設定する
数式の考え方(例)
日曜:
=WEEKDAY(B5)=1土曜:
=WEEKDAY(B5)=7
※ここでの「B5」は範囲選択の左上セルに合わせます。範囲を選んだ状態でルールを作ると、Excelが自動的に相対参照として各セルに適用します。
事故を防ぐコツ
ルールは「日曜」「土曜」の2つに分ける(優先順位が管理しやすい)
祝日も赤にする場合は、祝日ルールを日曜より上にするか、同じ色に統一する
日付セルが空欄になる設計なら、空欄に対してWEEKDAYがエラーにならないようにする(IFで空欄時は判定しない等)
祝日リストを用意して祝日を判定する
祝日を自動化したいなら、「祝日リスト」を別シートで持つのが最も堅実です。祝日が固定文字だと、年が変わったときにズレやすく、また祝日法改正や移動祝日が絡むと手作業の修正が必要になります。
祝日リストの作り方(おすすめ構成)
シート名:祝日
A列:祝日の日付(Excelの日付の値で入力)
B列:祝日名(文字)
次に、カレンダー側で「祝日リストにその日付が存在するか」を判定します。最も簡単なのはCOUNTIFです。
判定の考え方(例)
COUNTIF(祝日!$A:$A, 日付セル) > 0なら祝日
これを条件付き書式の数式として使えば、祝日を自動で色分けできます。
重要:日付の型を揃える
祝日リストのA列が「文字列」だと、カレンダーの日付(数値)と一致せず、判定が外れます。見た目が同じ「2026/1/1」でも、片方が文字列だと一致しません。祝日リストは、必ず日付として入力・貼り付けし、表示形式で見せ方を整えます。
祝日名を表示したい場合の考え方
祝日名もカレンダー内に表示したい場合は、祝日リスト(A列:日付、B列:祝日名)を参照して、該当する祝日名を取り出します。
おすすめの配置
日付セルの下に小さめの文字で祝日名
もしくは日付セルとは別に、同じマス内の右下に祝日名欄(セルを分ける)
取り出しの考え方
日付に一致する祝日名を探し、見つかれば表示
見つからなければ空欄
関数の選び方はExcelのバージョンや運用環境によりますが、発想は同じです。運用で重要なのは、祝日名を詰め込みすぎて予定の書き込みスペースを潰さないことです。掲示用なら「祝日は色+下部に祝日一覧」を置くなど、レイアウトで逃がす方が読みやすい場合もあります。
ExcelカレンダーをA4で印刷して崩さない設定
カレンダーは「作れた」だけでは半分で、印刷して初めて完成するケースが多いです。印刷で崩れると、配布・掲示のやり直しが発生し、最も時間が溶けます。ここは手順化して、毎回同じチェックで潰すのがコツです。
印刷範囲とページ設定で見切れを防ぐ
まず、印刷の事故は大きく分けて次の3つです。
見切れ:右端・下端が切れる
分割:2ページに分かれてしまう
縮小しすぎ:1ページに収めたら文字が小さく読めない
これを防ぐために、印刷範囲とページ設定を先に固めます。
基本手順
印刷したい範囲(カレンダー全体)を選択
ページレイアウト → 印刷範囲の設定
用紙サイズをA4、向きを縦/横で決める(カレンダーは横が多い)
余白(上下左右)を「狭い」などに調整し、書き込み欄を確保
拡大縮小を「次のページ数に合わせて印刷」で1ページに収めるか検討
印刷プレビューで必ず確認し、見切れや分割がないか見る
おすすめの考え方
まず「1ページに収める」より、文字の読みやすさを優先します
収まらないなら、セル幅を少し縮める、余白を調整する、タイトル行を短くするなど、“縮小率を上げずに収める”方向で調整します
どうしても収まらない場合のみ、縮小印刷を使います
セルサイズの目安とレイアウト調整
A4横1枚で月間カレンダーを作る場合、セルサイズの調整が要になります。特に、次の要素をバランスさせる必要があります。
日付と予定が読める文字サイズ
書き込みスペース(セルの高さ)
1ページに収める横幅(列幅)
罫線や余白で圧迫しない
調整の順番(おすすめ)
フォントサイズを決める(例:日付は11、メモは10など)
曜日行の高さを控えめにする(主役は日付枠)
日付枠の高さを、最低限の書き込みができる高さにする
列幅を揃え、左右の余白を見て微調整する
罫線の太さ・見え方をプレビューで確認する
運用で効く工夫
予定を書き込む運用なら、日付は小さめで左上、メモ欄を広く
掲示で見せる運用なら、日付は太め・大きめで視認性重視
モノクロ印刷が多いなら、色より太字・網掛け・枠線の太さで区別する
印刷前チェックリスト
印刷前は、毎回このチェックリストだけ確認すれば事故が減ります。
印刷範囲がカレンダー全体になっている
1ページに収まっている(勝手に2ページになっていない)
右端・下端が切れていない
余白が広すぎず、書き込みスペースが確保できている
タイトル(年月)や曜日行が読みやすい
土日祝がモノクロでも判別できる(太字、網掛けなど)
プレビューで罫線が薄すぎない/濃すぎない
印刷するプリンターでレイアウトが変わらないか(可能ならテスト1枚)
このチェックをルーチン化するだけで、「配布直前の印刷事故」が激減します。
Excelカレンダーでよくある失敗と直し方
日付が数字になる場合の直し方
症状:日付のはずが「46022」などの数字になる。
原因:日付の値は入っているが、セルの表示形式が「標準」「数値」になっている。
直し方
該当セル(または範囲)を選択
右クリック → セルの書式設定
表示形式を「日付」または「ユーザー定義」に変更
カレンダーなら「d」(日だけ)や「m/d」など、用途に合う形式を選ぶ
ポイント
数字になっても慌てず、まず表示形式を疑います
逆に、文字列で入力してしまうと、表示形式では直らないため要注意です(次の項目に関連)
曜日や配置がずれる場合の見直しポイント
症状:1日が違う曜日に入る、月が変わると配置が崩れる、空欄がズレる。
この問題の原因は、ほぼ次のどれかです。
1) 週の開始が混在している
見出しは月曜始まりなのに、計算は日曜始まり
逆も同様
→ 見出し(曜日)と計算ロジックを完全に一致させます。
2) 表示開始日の計算が合っていない
表示開始日(左上)を月初日にしてしまい、空欄処理が複雑になっている
→ 左上は「その週の開始日」に寄せると安定します(右へ+1、下へ+7で崩れません)。
3) 参照固定($)が崩れている
年月セルの参照がコピーでずれる
条件付き書式の参照がズレて、意図しないセルを見ている
→ 入力欄は固定参照、カレンダーの並びは相対参照、という役割分担を徹底します。
4) 当月以外の空欄処理が強すぎる
空欄にした結果、条件付き書式や参照がエラーになる
→ 空欄のときは判定しない、または骨格セルと表示セルを分けて管理します。
「一見正しそうに見えるのにズレる」ときは、月初日(DATEの結果)と曜日番号(WEEKDAYの結果)を別セルに表示して、値を目視確認すると原因が見つかりやすいです。
祝日が反映されない場合の確認点
症状:祝日の色が付かない、祝日名が出ない。
祝日まわりは“日付の型”が揃っていないことが原因になりがちです。以下を順に確認します。
1) 祝日リストの日付が日付の値になっているか
見た目が日付でも、実態が文字列だと一致しません
祝日シートのA列を選び、表示形式が日付でも、値が文字列の可能性があります
→ 必要なら、文字列→日付への変換(区切り位置の指定など)を行います。
2) カレンダー側の日付セルが日付の値か
カレンダー側が
TEXT()で文字列化されていると、祝日判定が失敗します日付は“値”で持ち、表示は書式設定で行うのが安全です。
3) 判定式の参照範囲が正しいか
祝日!$A:$Aのように列全体参照でもよいですが、別用途のデータが混ざるなら範囲を絞る方が安全です祝日リストがA2から始まるなら
祝日!$A$2:$A$500のように管理しやすくするのも手です。
4) 祝日ルールの優先順位
条件付き書式のルール順で、土日ルールが上にあると祝日表示が負ける場合があります
→ 祝日を最優先にする、または同色に統一して衝突を避けます。
Excelカレンダーのよくある質問
月曜始まりにしたい
月曜始まりにしたい場合、やることはシンプルで、次の2点を必ずセットで変えます。
見出し(曜日)を月〜日にする
表示開始日(左上)を“その週の月曜日”に合わせる
日曜始まりでは「その週の日曜」を左上にしましたが、月曜始まりでは「その週の月曜」を左上にします。ここを一致させないと、見出しと日付が噛み合わず、必ずズレます。
運用のコツは、月曜始まりでも「右へ+1、下へ+7」の骨格を守ることです。骨格が同じなら、あとは表示開始日の計算だけが変わるため、崩れにくい設計になります。
4月始まりにしたい
4月始まり(年度・学年)にしたい場合、月間カレンダーそのものは同じでも、運用上は「年度単位の一覧」や「学期単位の管理」が必要になることが多いです。
テンプレで早いケース
4月始まりに近いテンプレ(学年用、年度用)がある
12か月を1枚で俯瞰できる形式が欲しい
まずは配布用・掲示用に整ったものが欲しい
自作で安定するケース
月間カレンダーをベースに、年度の入力だけで4月〜翌3月までを扱いたい
当番や締切、行事など独自欄が多い
年度の切り替えを最小入力で済ませたい
自作の場合は、「年度(例:2026年度)」と「開始月(4)」を固定し、表示月を1〜12で切り替えて4月起点で計算する設計にすると運用しやすくなります。年度管理は“月番号のずれ”が起きやすいので、ラベル(例:4月=1として扱うなど)を明確にしておくとミスが減ります。
共有用に編集されない形で配りたい
共有時の悩みは「誤って上書きされる」「意図せず崩される」「配布先でレイアウトが変わる」の3つが多いです。目的別に対策を選びます。
1) 完成形を配布する(編集不要)
最も安全なのはPDF配布です
レイアウトが固定され、印刷も安定します
掲示・配布・提出用途ならPDFが強いです
2) 予定を書き込んでもらう(編集は必要)
入力セルだけ編集可能にし、他は保護する方法が有効です
予定入力欄だけロック解除し、シート保護をかけます
これにより、日付や罫線、書式を壊されにくくなります
3) 共同編集する
共同編集では“セル結合が多いテンプレ”が崩れやすいことがあります
可能な範囲でセル結合を減らし、表として成立する設計に寄せると安定します
ルール(編集箇所、入力形式、色の使い方)を決めておくと混乱が減ります
共有の基本は「壊されない形にする」だけでなく、「壊れても戻せるようにする」ことです。配布前に原本をコピーして保管し、更新は原本から毎回派生させる運用にすると、事故が起きても復旧が速くなります。