LoL(League of Legends)でレーン戦におけるゾーニングとは何か、対策と自分がやるときの方法・コツを紹介します。
ゾーニングが出来るとCS、経験値で優位に立つことが出来ますがデメリットもあります。
しっかりゾーニングを理解してレーン戦を戦っていきましょう!
LoLのゾーニングとは
もともと英語の “zoning” は、「区画整理」「用途地域の区分」といった意味を持ちます。
ゲームスラングとしてのゾーニングも、このイメージを引き継ぎ、「自分に有利なエリア・範囲を区切り、その中に相手を入れないようにする」行為を指すことが多いです。
格闘ゲームやFPSなどでも、「この距離を維持して相手を近づけさせない」「この射線を通して相手の行動を制限する」といった文脈で使われます。
LoLにおけるゾーニングを、実務的な定義に落とすと次のようになります。
レーン戦や集団戦において、自分(または味方)が有利な状況を利用し、ポジショニングとスキルの圧力で相手チャンピオンの行動範囲を制限し、CS・経験値・オブジェクトへのアクセスを妨害する行為
具体的には、次のような場面がゾーニングの典型例です。
レーン戦で相手より強くなったチャンピオンが、相手ミニオンの前に立ち、相手が近づくといつでもトレードで勝てる状況を維持する
ドラゴンやバロンを触っている最中に、入口となる狭い通路やブッシュを陣取り、敵が近づこうとするとスキルでプレッシャーをかけて侵入をためらわせる
どちらの場合も、「キルを取ること」そのものが目的ではなく、『相手の行動を制限することで、味方のリソース(CS・経験値・オブジェクト)を安全に確保する』ことが目的です。
ゾーニングと似た概念(ハラス・フリーズ・ポーク)との違い
ゾーニングは、いくつかの関連概念とセットで語られることが多いため、違いを整理しておきます。
ハラス(Harass)
相手のHPを削る目的でスキル・通常攻撃を当てていく行為。
→ ハラスを繰り返すことで、相手が前に出づらくなり、結果としてゾーニングにつながることが多いです。フリーズ(Freeze)
ミニオンウェーブを自陣寄りの安全な位置に止めるテクニック。
→ フリーズ状態の前に立って相手を牽制し、CSを取らせない動きは、「フリーズ+ゾーニング」の組み合わせといえます。ポーク(Poke)
長射程スキルで、相手が戦闘を始める前からHPを削る戦法。
→ ポークで相手のHPを減らし、「ここに入ると危険」と感じさせることで、集団戦前のゾーニングが成立します。
このように、ゾーニングは 「ポジショニング+ハラス・ポーク+ウェーブ管理」 が組み合わさった結果として生まれる状態、と捉えると理解しやすくなります。
なぜゾーニングが重要なのか:メリットとリスク
CS・経験値差を作る仕組み
レーン戦でゾーニングが成立すると、次のような差が生まれます。
自分:安全にCSと経験値を獲得できる
相手:CSを取りに近づくとトレードで負けるため、ミニオンから離れざるを得ない
この状態が続くと、ゴールド差(CS差)+レベル差(経験値差) が同時に広がっていきます。
自分が+10CSを稼ぎ、相手を-10CSに抑えることができれば、実質的には20CS分の差をつけているのと同じです。
スノーボールと試合全体への影響
ゾーニングによるCS・経験値差は、次のような形で試合全体に波及します。
レーンの主導権を持ちやすくなり、タワープレートやタワー破壊につながる
ロームの余裕が生まれ、他レーンを助けることができる
ドラゴン・ヘラルドなどのオブジェクトに先に触れる
結果として、1レーンで作った有利を全体の有利に変えやすくなり、試合を早期に決める「スノーボール」状態 に入りやすくなります。
ガンク・デスリスクとやり過ぎゾーニングの失敗例
一方で、ゾーニングは基本的に 相手側に深く前に出る行為 です。そのため、次のようなリスクがあります。
敵ジャングラーのガンクを受けやすい
相手ミニオンに囲まれやすく、集団でダメージを受ける
タワーとの距離が遠く、逃げ切れずにキルされる
よくある失敗例としては、
HP・マナに余裕がないのに前に立ち続けて、そのままガンクで倒される
相手ジャングラーが見えないのに、ワードも置かずにゾーニングを続ける
といったパターンがあります。「有利だからといって、常にゾーニングすべきとは限らない」 ことを忘れないようにしてください。
ここからは、初心者〜中級者の方が実際の試合で再現しやすいよう、ゾーニングの基本ステップを整理します。
ゾーニングを始めてよい条件(HP差・レベル差・ウェーブ状況)
次の条件が複数そろっているときに、ゾーニングを検討します。
HP差/レベル差で有利を取っている
例:自分のHP80%、相手のHP40%
例:自分レベル6、相手レベル5(自分がRあり)
ミニオンウェーブが自分寄り、もしくは中立付近にある
相手タワーのすぐ近くまで押し込んでいるときは、ガンクリスクが極端に高くなります。
敵ジャングラーの位置が大まかに把握できている
さきほど見えたサイドやファーム位置から、すぐには来ないと判断できるときが理想です。
この3つを満たさない状況で無理にゾーニングをすると、「ゾーニングのつもりが、ただの前出すぎ」で終わりがち ですので注意してください。
基本の立ち位置と「自分のゾーン」の作り方
レーンでゾーニングを行うときの基本は、次のイメージです。
自分の位置:敵ミニオンと味方ミニオンの中間〜やや敵寄り
相手の位置:自陣タワー寄り、経験値がギリギリ入るか入らないかの境界
具体的な動きとしては、
先に有利なトレードを作る(HP差・レベル差)
相手がミニオンに近づこうとするタイミングで、自分も少し前に出てプレッシャーをかける
相手がCSを取りにきたら、AA+スキルなどで即座に攻撃し、「近づくと痛い」ことを繰り返し示す
相手がCSを諦めて後ろに下がるようになったら、相手の経験値がギリギリ入らない位置 までミニオンを維持する
この状態を数ウェーブ続けることができれば、相手はCSだけでなく経験値も失うため、レベル差が大きく広がっていきます。
TOP・MID・BOTそれぞれで意識したいポイント
TOPレーン
レーンが長く、ガンクを受けると逃げにくいため、ワード管理とウェーブ位置 が特に重要です。
序盤強いチャンピオン(ダリウス、パンテオンなど)は、レベル2〜3で有利を作ったら、早めにゾーニングの形を狙うと効果的です。はりぼう記
MIDレーン
レーンが短く、両ジャングルからガンクされやすいので、深追いしすぎないゾーニング を心掛けます。
射程の長いメイジは、ミニオン後ろからのスキルハラスだけでも十分なゾーニング効果を出すことができます。
BOTレーン(ADC+サポート)
2v2の関係で、「どちらのボットレーンが先にレベル2になるか」 がゾーニングのトリガーになることが多いです。
レベル2先行→サポートが前に立つ→相手ADCがCSを取りにくくなる、という流れをイメージしてください。
ロール別のゾーニング思考法
TOPレーナーのゾーニング(例:ダリウス・パンテオンなど)
TOPレーンでは、序盤から強い近接ファイターがゾーニングの主役になりやすいです。
レベル2〜3で有利なトレードに成功する
相手がポーションを使い切る/HPが低くなる
ここで一歩前に出て、「ミニオンに触るなら戦うことになる」位置 をキープする
ポイントは、「キルを狙うために前に出る」のではなく、「CSを取らせないために前に出る」 という意識に切り替えることです。
MIDレーナーのゾーニング(射程とプッシュ力を活かす)
MIDでは、メイジやコントロールメイジがゾーニングの中心になります。
自分のスキル射程の外から相手がCSを取りにくるタイミングを狙ってスキルを当てる
ウェーブを素早く処理してレーン主導権を持ち、川やサイドブッシュを先に取る
相手がロームしようとするときに、その進行方向にスキルを置いて遠回りさせる
このように、MIDのゾーニングは「レーン上でCSを取らせない」というよりも、「動きたい方向を制限する」タイプのゾーニング になることが多いです。
ADC/サポートのゾーニング(2v2レーンと集団戦)
BOTレーンのゾーニングは、レーン戦と集団戦の両方で重要です。
レーン戦では、サポートが前に立ち、ADCが安全な位置からCSとハラスを行う 形を作る
集団戦では、エンゲージサポートやタンクが前に立ち、敵アサシンが味方ADCに触れないようにゾーニングする
特にサポートは、
「自分がどこに立てば味方ADCが安全にダメージを出せるか」
という視点で位置取りを考えると、自然とゾーニングの動きが身についてきます。
ゾーニングへの対策:されて辛いときの具体的な行動
ゾーニングを「する側」だけでなく、「されている側」の行動も理解しておくと、レーン戦でのストレスが大きく減ります。
レーンで押し込まれているときの考え方(土下座の仕方)
相手にゾーニングされてしまったとき、無理にCSを取りに行くのは最悪の選択 です。
デスすると、レーン復帰までの時間+タワーへの圧力+オブジェクトにつながる可能性があり、失われるものが多すぎます。
「多少CSを失ってもデスしない」ことを最優先に考えてください。
具体的には、
タワー下で取れるCSだけに絞る
どうしても届かないCSはきっぱり諦める
可能であれば、タワーの射程にウェーブが到達するまで待つ
といった「土下座ファーム」を選択することも、立派な対策です。
ジャングラーとの連携とウェーブのリセット方法
ゾーニングを解除するには、ウェーブを自陣側に引き戻す(リセットする) ことが効果的です。
自分一人では前に出られない場合、ジャングラーに「ウェーブを押し切るのを手伝ってほしい」とチャットやピングで伝えます。
ジャングラーが来たタイミングで、力を合わせてウェーブを敵タワーまで押し込めば、その戻り波でレーン位置がリセットされます。
このとき、「ガンクだけ期待する」のではなく、
「ウェーブリセットのために一緒に押してもらう」
という発想を持つと、ジャングラーも動きやすくなります。
チャンピオンピック・ビルドでできる予防策
そもそもゾーニングされにくくするために、ピックやビルドでできる工夫もあります。
レーン戦が極端に弱いチャンピオンを先出ししない
レンジ差が大きいマッチアップでは、サステイン(回復)やウェーブクリアがしやすいルーン・ビルド を選ぶ
序盤で大きな差がつく構成が予想されるときは、「無理にレーンを勝ちに行かず、ミニオンを安全に処理する」プランを最初から持っておく
ピック段階で「この組み合わせは序盤つらいから、レベル6までは耐えて、そこから巻き返そう」という計画を立てておくと、ゾーニングされても冷静に対応しやすくなります。
集団戦・オブジェクトでのゾーニング応用編
ドラゴン・バロン前でのゾーニングの基本パターン
オブジェクト前のゾーニングは、レーン戦とは少し考え方が変わります。
味方がドラゴン/バロンを攻撃している間、
敵が入ってくる可能性が高い通路(ジャングル入口・川のブッシュなど)に先回りして陣取る敵が近づいてきたら、範囲スキルやCCを見せて「これ以上近づくと危険」というメッセージを与える
これにより、敵は
無理に入ってきて倒される
もしくは、オブジェクトを諦めて引く
のどちらかの選択を迫られます。どちらに転んでも、味方にとっては有利な展開です。
ポーク構成/エンゲージ構成におけるゾーニング
ポーク構成の場合
長射程のスキルで、敵が入ってこようとするラインにダメージを与え続けます。
「このHPで入ったら即死する」と相手に思わせることで、自然とゾーニングが成立します。
エンゲージ構成の場合
タンクやイニシエーターが前に立ち、「ここより前に出たらすぐに仕掛ける」というラインを作ります。
相手はそのラインを越えづらくなるため、結果として味方の後衛が自由に動きやすくなります。
いずれの場合も、「どこまで前に出ると、いつでも戦闘開始できるか」 をチーム内で共有しておくと、ゾーニングの精度が上がります。
視界確保とゾーニングの組み合わせ
視界は、ゾーニングと非常に相性が良い要素です。
自分たちが陣取っている側のブッシュにワードを置き、敵の動きを常に把握する
敵側のブッシュにはコントロールワードやスイープで視界を消し、「どこから仕掛けられるか分からない」不安を与える
視界で情報差を作り、その上にポジショニングやスキルのプレッシャーを重ねることで、安全かつ強力なゾーニング を実現できます。
今日からできるゾーニング練習メニュー
カスタムゲームでの立ち位置確認ドリル
いきなりランク戦で試すのではなく、カスタムゲームで次のような練習をすると安全です。
フレンドやサブアカウントを使い、1v1のカスタムを設定する
「自分が有利なときの立ち位置」「相手がゾーニングしているときの自分の立ち位置」を交互に試す
ミニオンウェーブとタワーの位置を見ながら、『ここまで前に出たら危ない』ラインを体で覚える
これに慣れると、実戦で「ここはゾーニングできる/できない」の判断が早くなります。
リプレイで見るべきポイント(良いゾーニング・悪いゾーニング)
自分や上手いプレイヤーのリプレイを見るときは、次の点に注目してください。
ゾーニングが始まった「きっかけ」は何か(HP差・レベル差・ジャングラー位置など)
どのタイミングで前に出るのをやめているか(敵の姿が消えた/マナが減った など)
ゾーニングによって、実際にどれだけのCS・経験値差がついたか
単に「前に出ている/出ていない」だけではなく、理由と結果 をセットで観察することが上達への近道です。
ランク戦で意識したい小さなチェックリスト
ランク戦でゾーニングを意識するときは、次のチェックリストを頭の片隅に置いてください。
□ HP・レベル・ウェーブ位置の3条件がそろっているか
□ 敵ジャングラーが今どこにいるか、ある程度予想できているか
□ 無理なゾーニングでデスしてしまわないか
□ ゾーニングで作った有利を、タワー・ローム・オブジェクトのどれにつなげるか決めているか
これらを試合中に1つずつ確認するだけでも、ゾーニングの質と勝率は大きく変わってきます。
まとめ:ゾーニングを身につけてレーン戦を安定させよう
本記事では、LoLにおけるゾーニングについて、次のポイントを中心に解説しました。
ゾーニングとは、有利な状況を活かして相手の行動範囲を制限し、CS・経験値・オブジェクトへのアクセスを妨害する戦術 である
レーン戦では、HP差・レベル差・ウェーブ位置・ジャングラー位置の4要素を見ながら、無理のない範囲で前に立つことが重要
TOP・MID・BOTそれぞれで、ゾーニングの形や意識ポイントは少しずつ異なる
ゾーニングされて辛いときは、デスしないことを最優先にしつつ、ジャングラーとの連携やウェーブリセットで状況を変える
集団戦やオブジェクト前でも、ポジショニングと視界によって強力なゾーニングを作ることができる
ゾーニングは、派手なプレイではありませんが、レーン戦の安定感とレートの伸びを大きく左右する基礎戦術 です。