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よもぎ茶は肝臓に悪い?なぜ言われるのかを成分(ツヨン/クマリン)と飲み方で解説【安全な目安つき】

「よもぎ茶は体に良い」と聞いて始めたのに、検索すると「肝臓に悪い」「危険」といった言葉が出てきて不安になった——その感覚は自然です。健康茶は“自然由来”という安心感がある一方で、飲み方(濃さ・量・頻度)や製品形態(茶・粉末・エキス・精油)によって、体への影響が変わることがあります。つまり、問題は「よもぎ茶が悪いのか」ではなく、どんな条件で負担が増えやすいのかを正しく理解できているかどうかです。

本記事では、「よもぎ茶が肝臓に悪いと言われる理由」を、噂の出どころになりやすい成分(クマリン・ツヨン)や過剰摂取の考え方から整理し、避けたほうがよい人・安全側に寄せた飲み方・体調不良時の受診目安まで、判断に使える形でまとめます。読み終えた頃には、必要以上に怖がらず、かつ油断もしない「自分にとっての最適解」を選べるはずです。

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目次

よもぎ茶が肝臓に悪いと言われる“主な理由”は過剰摂取と濃縮形態

まず押さえる前提(通常の茶=即危険ではない/ただし条件次第)

「よもぎ茶が肝臓に悪い」という言い回しは、よもぎ茶を1杯飲んだだけで肝臓が悪化するという意味で語られているケースは多くありません。実際には、次のような状況が重なったときに「肝臓に負担がかかる可能性があるのでは」と不安視され、「肝臓に悪い」という短いフレーズに圧縮されて広まる傾向があります。

  • 体質(代謝の個人差、アレルギー素因など)

  • 持病(肝疾患、脂肪肝、慢性疾患など)

  • 服薬(複数薬、相互作用の懸念)

  • 摂取量(濃い・多い・毎日・長期)

  • 製品形態(茶よりも濃縮された粉末・エキス・精油など)

つまり、ポイントは「よもぎ茶=一律に危険」ではなく、飲み方・量・形態・人の条件でリスクの見え方が変わる点です。本記事では、噂の理由を成分と摂取条件に分解し、実務的に判断できるように整理いたします。
※本記事は一般的な情報提供であり、医療行為の代替ではありません。肝機能異常がある方、妊娠中・授乳中の方、服薬中の方は医師・薬剤師へご相談ください。

リスクが上がりやすいのは「濃い・多い・長期・濃縮」

よもぎ茶に限らず、健康茶やハーブ製品の安全性は「ゼロか100か」ではなく、条件で変動します。特に、次の4つはリスクを上げやすい典型パターンです。

  • 濃い:煮出し時間が長い/茶葉量が多い/粉末を多めに入れる

  • 多い:1日あたりの杯数や総量が多い(例:水代わりに大量)

  • 長期:過剰状態が数週間〜数か月以上継続する

  • 濃縮:エキス、チンキ、精油など成分が濃くなりやすい形態を使う

ここで重要なのは、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、負担がかかっても初期に症状が出にくい点です。体感がないまま習慣化し、気づいたときには倦怠感や食欲低下などで生活の質が落ちていた、というケースもあり得ます。よって、「体感がないから大丈夫」とは言い切れません。

実務上は、次のように考えると整理しやすいです。

  • 通常の薄いお茶を、適量の範囲で飲む:多くの方は大きな問題が起きにくい

  • 濃い煮出しを大量に、毎日、長く続ける:負担が増える可能性が上がる

  • 粉末・エキス・精油など濃縮形態を自己判断で増量:想定外の摂取になりやすい


なぜ「肝臓に悪い」と言われるのか(成分別に整理)

クマリン:高用量で肝毒性が論点(TDIの考え方)

「肝臓に悪い」という話題でしばしば登場するのが、植物に含まれる香り成分として知られるクマリンです。クマリンは食品や植物由来素材にも広く含まれ得る成分で、一般論としては高用量の摂取が続くと肝臓への負担が論点になり得るとされています。

ここで大切なのは、「クマリンが含まれるか否か」ではなく、どの程度の量を、どのくらいの期間、合算で摂取しているかという考え方です。よもぎ茶だけでなく、クマリンを含み得る素材(例:特定のスパイス・ハーブ、サプリメント等)を複数併用すると、意図せず合計量が増える可能性があります。

「TDI(耐容一日摂取量)」で“過剰摂取”を具体化する

健康情報が混乱する大きな理由は、「過剰摂取」と書かれても、どこからが過剰なのかが曖昧な点です。そこで参考になるのが、国際的に用いられるTDI(耐容一日摂取量)という考え方です。TDIは「毎日摂取しても健康への悪影響が通常は生じないと見なされる量」を、体重あたりで示す指標です。

ただし注意点もあります。

  • TDIは「安全を保証する魔法の線」ではなく、リスク管理のための目安です

  • 個人差(代謝、体調、疾患、薬剤)があるため、同じ摂取でも影響は均一ではありません

  • お茶や食品は「成分量が一定」と限らず、抽出条件や製品差があり得ます

したがって実務では、TDIを「自分の摂取が“増えすぎていないか”を点検する枠組み」として使い、あわせて体調変化や検査値も確認する、という運用が現実的です。

ツヨン(thujone):大量摂取で毒性が問題になりうる(特に濃縮品)

もう一つ、よもぎ(Artemisia属)に関連して話題になりやすいのがツヨン(thujone)です。ツヨンは一部のハーブに含まれ得る成分として知られ、一般論として大量摂取では毒性が問題になり得るとされます。

ここでの最大のポイントは、同じ「よもぎ由来」でも、製品形態が違うと摂取の実態が大きく変わることです。

  • よもぎ茶(乾燥葉をお湯で抽出):抽出量には上限があり、濃度は比較的コントロールしやすい

  • 粉末:葉そのものを摂取に近い形で取り込むため、量が増えやすい

  • エキス:成分が濃縮され、用量のミスが影響しやすい

  • 精油:高濃度で、食品的な運用と同列に扱うのは危険側に倒れやすい

「肝臓に悪い」という話が出たとき、実際には“よもぎ茶”ではなく、濃縮形態の利用や過剰摂取を含んで語られている場合があるため、まずは 自分が使っている形態を正確に言語化することが重要です。

“健康茶全般”に共通する落とし穴(体質差・製品差・併用)

「よもぎ茶が悪い」以前に、健康茶・健康食品には共通の落とし穴があります。ここが整理できると、過度に怖がりすぎることも、楽観しすぎることも減ります。

落とし穴1:体質差(同じ量でも反応が違う)

同じお茶を同じ量飲んでも、代謝やアレルギー、体調、腸内環境などで反応が変わることがあります。とくに肝機能が気になる方は、もともとの肝臓の余力が異なるため、「一般的に問題が少ない」という情報だけで判断すると不安が残ります。

落とし穴2:製品差(産地・加工・濃度・抽出条件)

ティーバッグでも、葉の量や刻み方、ブレンド、焙煎、乾燥方法で抽出成分は変わり得ます。煮出しの場合は、茶葉量と時間で濃度が大きく動きます。粉末は計量の誤差が出やすく、結果として想定以上になりがちです。

落とし穴3:併用(複数の健康食品・サプリ・薬)

健康習慣を熱心に行うほど、複数の健康茶、サプリ、プロテイン、機能性食品などを併用してしまうことがあります。この場合、特定成分の合算が増えたり、薬との相互作用が複雑化したりして、「原因が分からない体調不良」が起こりやすくなります。


安全に飲むための実務目安(形態・濃さ・頻度)

ティーバッグ/煮出し/粉末の違い

まずは、形態別に「何が起きやすいか」を表で把握してください。安全対策は、問題が起きてからではなく、起きやすいポイントを事前に潰すことが基本です。

形態メリット注意点(リスクが上がりやすい場面)実務上の対策
ティーバッグ濃さが安定しやすい何杯も飲んで総量が増える1日量の上限を決める
煮出し香りや味が出やすい茶葉量・煮出し時間で濃くなる茶葉量・時間を固定する
粉末手軽で濃さを調整できる計量が曖昧で過量になりやすいスプーン計量を固定、増量しない
エキス等目的成分を取りやすい濃縮で用量ミスが影響しやすい医療者に相談、自己判断で増量しない
精油香り用途が中心高濃度で食品的に扱うのは危険側摂取目的で使わない判断が安全

まずはこの範囲:少量・薄め・休肝日

「具体的にどう飲めばよいか」について、肝機能が気になる方が安全側に寄せる場合は、次の運用が実務的です。ポイントは“急に頑張りすぎない”ことです。

推奨されやすい運用(安全側の設計)

  • 最初の1〜2週間は薄め・少量で様子を見る

  • 毎日飲む前提にしない(週に数回から開始する)

  • 水分補給の全量を置き換えない(他の水分源も確保する)

  • 体調変化が出たら即中止し、原因の切り分けを優先する

実務の目安(例)

  • 1日:1〜2杯程度から開始

  • 連用:毎日ではなく、休肝日を入れる

  • 濃さ:ティーバッグは表示通り、煮出しは時間を短めに固定

※上記は「医療的に安全を保証する量」ではなく、肝機能が気になる方向けのリスク低減の実務目安です。持病や服薬がある場合は、医療者の判断が優先されます。

製品選びのチェックポイント(原材料・濃縮表示・検査・由来)

安全に飲む上で、製品選びは極めて重要です。購入前に最低限チェックしていただきたい項目を、チェックリスト形式で整理いたします。

  • 原材料が明確で、不要なブレンドが少ない(「よもぎのみ」等)

  • 「エキス」「濃縮」「精油」等の表示がない、または用途が明確

  • 摂取目安量(1日量)が明記されている

  • 産地・加工・品質管理(可能なら検査情報)が説明されている

  • 体質・持病・薬との注意事項が書かれている(注意喚起が丁寧)

  • 連絡先が明確で、問い合わせ可能な事業者である

情報が少ない製品ほど、自己判断で「濃くする」「量を増やす」方向に振れやすくなります。肝機能が気になる方ほど、“情報が多い=管理しやすい製品”を選ぶのが合理的です。


飲まない(または医師に相談)を優先すべき人

肝疾患・健診でAST/ALT高値の人

肝炎、肝硬変、肝機能障害などの診断がある方はもちろん、健診でAST/ALTが高めの方、脂肪肝の指摘がある方は、自己判断で健康茶を増やす前に、医師に相談することを優先してください。

理由は明確で、肝機能が気になる方は、すでに肝臓の余力が落ちている可能性があり、そこに「濃い・多い・長期」の習慣が上乗せされると、体調変化が出ても原因が切り分けにくくなるためです。
また、健診値を「短期で改善したい」という心理が働くと、急に濃いものを大量に飲む行動に繋がりやすく、かえってリスク管理が難しくなります。

妊娠中・授乳中・妊活中(子宮収縮等の懸念)

妊娠中・授乳中・妊活中は、一般的にハーブの摂取に慎重になるべき時期です。理由は以下の通りです。

  • 体調変化が大きく、通常時より反応が読みにくい

  • 妊娠期は摂取可否の判断が「自分だけの問題」になりにくい

  • 濃縮形態(エキス・精油等)は用量管理が難しい

このため、安全側に倒すなら、妊娠中・授乳中は常用を避ける、または医療者に確認したうえで判断する運用が適切です。

キク科アレルギー、てんかん体質、腎疾患、服薬中

該当しやすい注意対象を整理いたします。

  • キク科アレルギー:よもぎはキク科に分類されるため、アレルギー症状(かゆみ、蕁麻疹、咳、鼻症状等)が出る場合は中止が基本です。

  • てんかん体質等:特定成分(例:ツヨン)を過量に摂取すると神経系のリスクが論点になる場合があるため、特に濃縮品は避ける判断が安全寄りです。

  • 腎疾患:水分・電解質管理が必要なケースがあるため、お茶を水代わりに大量に飲む運用は避け、医療者へ相談してください。

  • 服薬中:薬との相互作用は個別性が高いため、自己判断での併用・増量は避け、薬剤師に確認するのが確実です。


こんな症状が出たら中止・受診(トラブルシューティング)

受診の目安(黄疸、強い倦怠感、吐き気、褐色尿 等)

肝臓に関する不調は、初期には「なんとなく疲れやすい」程度から始まることもあります。次のような症状がある場合は、よもぎ茶に限らず、健康茶・サプリ類をいったん中止し、医療機関に相談することが望ましいです。

  • 黄疸(白目や皮膚が黄色く見える)

  • 強い倦怠感、動けないほどのだるさ

  • 食欲不振、吐き気、嘔吐

  • 尿が濃い(褐色尿)

  • 右上腹部の痛み、発熱、発疹などが併発する

なお、これらは肝臓以外の原因でも起こり得るため、「よもぎ茶のせい」と決めつけず、医療機関で評価してもらうことが重要です。

医療機関に伝えるべき情報(製品名、量、期間、併用)

体調不良が出た場合、医療機関での判断の精度を上げるには「情報の質」が重要です。以下は、受診時に伝えると役立ちやすい情報です。

  • 製品名、メーカー名、購入形態(通販・店舗)

  • 形態(ティーバッグ、煮出し、粉末、エキス、精油)

  • 1日量(杯数、粉末のグラム数など)、濃さ(煮出し時間、茶葉量)

  • 摂取期間(開始日、増量した日)

  • 併用している健康食品・サプリ(種類と量)

  • 服薬情報(お薬手帳の提示が有用です)

また、体調不良が出た直後は「思い出せない」ことが多いので、日頃から、よく飲む健康茶・サプリはスマホのメモ等に控えておくと実務上有利です。


よくある誤解Q&A(FAQ)

「肝臓に良い」と聞いたが毎日2L飲んでよい?

おすすめいたしません。仮に良い側面が期待できるとしても、「毎日2L」という運用は、一般的に総量が過剰になりやすいためです。健康茶は薬ではなく食品に近い位置づけですが、食品であっても「量が多ければ必ず良い」にはなりません。

実務的には、次のように考えるのが安全です。

  • 目的:香りや嗜好、軽い習慣として楽しむ範囲に留める

  • 量:水代わりに置き換えない

  • 期間:体調を見ながら、連用を前提にしない(休みを入れる)

健康習慣ほど「やり過ぎ」が起きやすいので、まずは少量からが基本です。

サプリ(エキス)や精油の方が危ない?

一般論として、濃縮形態ほど、用量管理の難しさが上がるため注意が必要です。とくに精油は香り成分が濃縮されやすく、摂取目的での使用はリスク評価が難しくなります。
「よもぎ茶」と一括りにせず、自分が摂っているのが「茶」なのか「濃縮」なのかを切り分けてください。

健診前に飲むのは影響する?

「健診前に飲めば数値が良くなるのでは」という発想は、実務上おすすめできません。理由は以下です。

  • 体調や数値に変化が出た場合、原因の切り分けが難しくなる

  • 短期的に濃いものを飲むほど、過剰摂取に寄りやすい

  • 健診値は生活全体(睡眠、食事、飲酒、運動、体重)に強く影響される

健診前後は、普段通りの生活を整えることが基本です。もしよもぎ茶を試すなら、健診のためではなく、生活習慣の一部として無理なく続く設計で行うのが望ましいです。

脂肪肝でも飲める?

脂肪肝の背景はさまざまで、飲酒、肥満、糖代謝、薬剤、体質などによって対策も異なります。よもぎ茶だけで改善を狙うのではなく、主治医の方針(食事、運動、体重管理、飲酒調整)を優先してください。
飲む場合でも、薄め・少量・休肝日を基本にし、体調変化や健診値の推移を見ながら慎重に判断することを推奨いたします。


まとめ:不安がある人ほど“量と形態”で管理する

要点整理

  • 「よもぎ茶が肝臓に悪い」と言われる背景は、主に過剰摂取濃縮形態によってリスクが上がりやすい点にあります。

  • 論点になりやすい成分として、クマリン(高用量で肝毒性が論点)、ツヨン(大量摂取で毒性が問題になり得る)が挙げられます。

  • 健康茶全般の落とし穴として、体質差・製品差・併用があり、ここを無視すると安全設計が崩れます。

次に取るべき行動

最後に、読者の状況別に「次の一手」を明確にいたします。

  • 肝機能が気になる方:薄め・少量・休肝日を基本にし、増量はしない

  • 持病がある方/妊娠中・授乳中の方/服薬中の方:医師・薬剤師へ相談を優先する

  • 濃縮品(エキス・精油等)を検討している方:茶と同列に扱わず、慎重に判断する(自己判断での摂取は避ける)

  • 体調不良が出た方:中止し、製品名・量・期間・併用を整理して受診する