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うつ病の生活保護は打ち切りされる?停止・廃止の条件と回避策を整理

「ケースワーカーから就労の話をされた」「連絡が取れないと困ると言われた」「通院が途切れてしまった」——うつ病で生活保護を受けていると、こうした出来事をきっかけに“打ち切り”への不安が一気に膨らみやすくなります。
しかし、生活保護の「打ち切り」と一言で言っても、実際には減額(変更)・停止・廃止など複数の扱いがあり、理由や手続きも異なります。焦って自己判断すると、必要以上に状況が悪化してしまうこともあります。

本記事では、まず「打ち切り」の正体を制度用語で整理し、うつ病で連絡や通院が難しい日がある前提で、揉めやすいポイントと回避の最低ラインを具体化します。さらに、通知が届いたときに最初に確認すべきこと、記録の残し方、相談の進め方までを時系列でまとめます。
いま最も大切なのは、ひとりで抱え込まず、「今日からできる形」に整えることです。

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目次

うつ病の生活保護で言われる打ち切りを制度用語で整理する

「打ち切り」と言われたときに最初にやるべきことは、相手の言葉をそのまま受け取らず、処分の種類を特定することです。生活保護の世界では、口頭では「打ち切り」と言われても、通知書の上では別の処分名になっていることがあります。

打ち切りは変更と停止と廃止と返還と費用徴収に分かれる

生活保護で「打ち切り」と呼ばれがちなものは、主に次の5つです。

  • 保護の変更:保護費が増減する(減額を含む)。収入や世帯状況の変化で起こりやすい。

  • 保護の停止:一時的に支給を止める。状況が整えば再開し得る(観察期間を置く性格もある)。

  • 保護の廃止:保護決定そのものが終了する。必要なら再申請の検討が必要。

  • 返還(生活保護法63条):資力があるのに保護を受けた等、一定の場合に返す扱い。

  • 費用徴収(生活保護法78条):不正な手段で受給した場合などに徴収され得る扱い。

ここで押さえたいのは、停止・廃止のような重大な処分は、法令上、書面で通知する枠組みが明確に置かれている点です。少なくとも「通知書に何と書かれているか」を確認しない限り、次の行動が決まりません。

打ち切りの正体比較表

俗に言う「打ち切り」 通知書の処分名の例 何が起きるか まず確認すること 典型例 次の一手
減額された 保護の変更 支給額が減る 収入認定・最低生活費・控除の計算 短期収入、年金受給開始 計算根拠の確認、必要なら訂正申出
一時的に止まる 保護の停止 支給が一時停止 停止理由と期間、再開条件 臨時収入、状況観察 収入の継続性や生活状況を説明
受給が終わる 保護の廃止 原則支給終了 廃止理由、開始日、再申請の可否 就労で安定収入、転出等 書面確認→必要なら不服申立て検討
返せと言われる 返還(63条) 受給額の返還請求 根拠条文、対象期間、算定 遡及で資力が判明 期間・算定の確認、分割相談
不正と扱われた 費用徴収(78条) 徴収決定が出る可能性 事実認定、証拠、対象期間 収入申告の重大な不備等 早期相談(法的支援含む)、証拠整理

※表のうち、停止・廃止の「書面通知」は生活保護法26条の枠組みが前提になります。

停止と廃止は書面通知が前提になっている

うつ病の方が最も怖いのは「ある日突然ゼロになるのでは」という感覚です。しかし停止・廃止は、少なくとも法律上は、決定した場合に書面で通知することが位置づけられています。
実際に、居所不明等を理由にした停・廃止が生命の危機につながり得るため、慎重な判断と適正手続が求められるという趣旨の公的資料もあります。

このため、口頭で強い言い方をされても、まずは次の順で落ち着いてください。

  1. 「処分名が書かれた書面(決定通知書)をください」

  2. 「理由と開始日(いつから)を確認します」

  3. 「こちらの事情(通院・連絡困難)を、書面と記録で整えます」


うつ病でも生活保護が打ち切りになりやすい原因と根本パターン

打ち切りに至る道筋は、細かい事情は違っても、根本のパターンは大きく分けると次の5つに整理できます。

収入や資産が増えたと判断される

収入が増えると、まずは保護の変更(減額)につながりやすく、継続的に最低生活費を上回ると「保護を必要としない」と判断されて廃止方向になる可能性があります。
ただし、短期の収入や一時的な給付は「恒常的に自立できる収入」とは性質が違うことも多く、停止(観察期間)という扱いが問題になるケースもあります。停止の考え方に関しては、運用上の留意が自治体の答申等でも示されています。

うつ病の方が詰まりやすい点は、収入の話をすると「もう終わりだ」と思って報告を避けてしまい、結果的に「隠した」と誤解されることです。
現実的なコツは、収入が出たら完璧に説明しようとせず、まず短文で「事実だけ」伝え、証拠は後追いにすることです(テンプレは後述)。

連絡不通や居所不明と扱われる

うつ病では、電話が怖い、郵便を開けられない、外出できないなどが重なり、連絡が途絶えやすくなります。
しかし連絡不通は、福祉事務所側から見ると「状況が確認できない」ため、リスク判断が厳しくなりがちです。居所不明による停・廃止は生命の危機につながり得るため慎重な判断が求められる一方、連絡が取れない状態が続くと、手続が進んでしまう危険もあります。

ここは精神論ではなく、仕組みで回避します。

  • 連絡手段を「電話以外」に寄せる(メール、郵送、支援者経由)

  • 報告頻度を「月1回の定期報告+必要時の短文」に固定する

  • 体調不良時の代替(同席・代筆)を事前合意する

指導指示に従わないと見なされる

「就労しなさい」「通院しなさい」と言われること自体がつらく、反射的に拒否してしまうと摩擦が増えます。
ただし、指導指示に関しては、厚労省の研修資料で、再度の書面指導指示など運用上の考え方が示されています。つまり、いきなり処分へ飛ぶというより、段階を踏むことが想定されている領域です。

重要なのは、「拒否」ではなく、「医師所見と症状の波を踏まえた代替案」を出すことです。

  • 今は週5の就労は無理

  • しかし、週1回の外出訓練や短時間作業なら検討できる

  • 次回受診で就労可否の意見を医師に確認する
    こうした形で“対話の材料”を用意すると、対立よりも調整に寄せられます。

申告漏れや不正を疑われる

うつ病では、通帳記帳・レシート整理・書類提出が破綻しやすい一方で、制度は「申告」を前提に動きます。
そのため、意図がなくても「隠している」と見られ、返還や費用徴収といった話に発展するリスクがあります(特に78条の話が出る場合は早期相談が安全です)。

対策はシンプルで、申告の型を固定し、負担を減らすことです。

  • 毎月の締め日に「今月の収入は0/あり(○円)」を短文で送る

  • 証拠は「写真でOK」にする(通帳アプリ画面、給与明細の写真など)

  • 出せない月があったら「出せなかった理由+いつ出すか」をセットで送る

辞退届を書いてと言われる

最も注意が必要なのが、辞退届です。辞退届は「任意の意思」に基づくべきで、強要や誤信による提出は問題になります。過去には厚労省方針として「申請権侵害や辞退届の強要があってはならない」といった趣旨が示された資料もあります。

原則:その場で書かない。持ち帰って確認する。支援者に相談する。
辞退届は一度出すと、後から覆す負担が一気に増えます。怖くても、まずは「確認してから」と一言で止めてください。


うつ病の人が特に詰まりやすい場面と回避の最低ライン

ここからは、うつ病の特性(気力低下・希死念慮・対人不安・認知の落ち込み)を前提に、「理想」ではなく続けられる最低ラインで設計します。

電話ができない日がある人のための連絡設計

電話が難しいことを責めるのではなく、ルールを作って摩擦を減らします。おすすめは次の“3点セット”です。

  1. 定期報告は月1回に固定

  • 「今月の収入」「通院の有無」「次回予定」「困っていること」を短文でまとめる

  1. イベント報告は短文で即時

  • 収入が出た、入院した、転居が決まった等は、まず事実だけ送る(証拠は後日)

  1. 代替連絡の合意

  • 支援者(家族、支援団体、病院のPSW等)が代連絡できるようにする

  • 郵送でも受け取れるように「郵便を開けるのが難しい時期がある」と共有する

短文テンプレ(コピペ用)

  • 定期報告:
    「○月分の報告です。収入:0円(または○円)。通院:○/○受診、次回○/○予定。体調:波があり電話が難しい日があります。連絡はメール(または郵送)でお願いします。」

  • 収入が出た:
    「本日○○の収入がありました。金額は○円です。明細は後日提出します。」

  • 受診できなかった:
    「体調不良で受診できませんでした。次回予約は○/○に入れ直します。必要なら予約票を提出します。」

“完璧な説明”ではなく、“事実の共有”を優先すると、制度側の誤解が減ります。

通院が途切れそうなときの「誤解を防ぐ証拠」

通院が途切れるのは、怠けではありません。予約が取れない、外出できない、薬が合わないなど現実の壁があります。
ただ制度運用上は「治療継続の意思が見えない」と誤解されやすいので、証拠を軽量化して残します。

  • 予約票・予約画面のスクショ

  • 領収書・お薬手帳の写真

  • 受診できなかった日のメモ(睡眠・食事・希死念慮の有無などは簡単でOK)

  • 医療機関に電話した履歴(日時メモで可)

これらは、「受診できなかった=治療放棄」ではないことを示す材料になります。

就労の話がつらいときの“対立しない伝え方”

就労の話は、それ自体が症状を悪化させることがあります。そこで、言い方を“型”にします。

  1. 医師の見立てを最優先

  2. 症状の波を具体化(できる日/できない日)

  3. できる範囲の代替案(外出訓練、短時間、支援機関の面談など)

  4. 次回までの約束を小さく(例:受診で意見確認、支援機関に1回相談)

厚労省の研修資料でも、指導指示の運用は段階を踏む趣旨が読み取れます。対立より調整に寄せるためにも、「ゼロか100か」ではなく「小さく前進」を置く方が安全です。


打ち切りを回避するためのチェックリストと提出物テンプレ

ここは実務ではなく、生活の防波堤です。できる範囲で「印を付けるだけ」で自己点検できる形にします。

連絡・通院・申告の最低ラインチェックリスト

  • 連絡手段を電話以外(メール/郵送/支援者経由)で合意できている

  • 月1回の定期報告(収入・通院・予定)を送れる設計にしている

  • 収入が出たら、まず短文で事実だけ報告する

  • 通院が途切れそうなら、予約票・スクショ・メモなど“軽い証拠”を残す

  • 書類が出せないときは「出せない理由+いつ出すか」をセットで送る

  • 辞退届はその場で書かない(持ち帰り・相談)

提出物チェック表

項目 目的 今ある 後日出す 難しい 代替案
受診の証拠(領収書/予約票) 治療継続の確認 予約スクショ、メモ
収入の証拠(明細/通帳) 収入認定の確認 写真で提出
生活状況メモ 状況説明 1週間だけでも可
支援者同席の可否 手続支援 代筆・代連絡
医師の意見(診断書等) 就労可否の根拠 次回受診で相談

収入が出たときに揉めないための考え方

収入が出ること自体は悪ではありません。問題は「報告が遅れること」と「継続性が誤解されること」です。
短期バイトや単発の収入、給付金などは性質がさまざまなので、まずは次の3点を揃えると誤解が減ります。

  • いつ入ったか(入金日)

  • いくらか(総額)

  • 継続する見込みがあるか(単発/不明/継続)

停止・廃止の判断では、状況観察や確実性が論点になることもあるため、継続性の説明は特に重要です。


停止や廃止の通知が来たときの対処手順

ここから先は「通知が来た」前提で、行動をタイムラインに落とします。ポイントは、当日〜48時間にやることを小さく確定させることです。

まず書面で処分名と理由と開始日を特定する

停止・廃止は、決定した場合に書面通知が位置づけられています。まず通知書の以下を確認します。

  • 処分名:変更/停止/廃止/返還/徴収のどれか

  • 理由:収入、居所不明、指導指示、申告漏れ等

  • 開始日:いつから適用されるか

  • 不服申立ての案内:期限・宛先の記載(自治体ごとに案内がある)

通知後ToDoタイムライン表

期限 やること 目的 できないときの代替
当日〜48時間 通知書を撮影/保管、処分名・理由・開始日をメモ 状況把握 支援者に写真を送る
当日〜48時間 直近1か月の通院・連絡・収入を箇条書き 反証材料 1週間分だけでも作る
1週間以内 福祉事務所へ「書面内容の確認」と「事情説明」を連絡 誤解修正 メール/郵送、同席
1週間以内 証拠を揃える(予約票、明細、メモ) 根拠補強 写真提出で軽量化
期限内(通知書の案内に従う) 必要なら審査請求等を検討 是正ルート 法的支援へ相談

やってはいけないこと(被害拡大を防ぐ)

  • 辞退届をその場で書く(持ち帰り・相談が原則)

  • 連絡を放置する(体調不良でも“代替連絡”を使う)

  • 「どうせ無理」と証拠を捨てる(写真で残すだけでも価値がある)


不服申立てを考える前に押さえるポイント

不服申立ては、やみくもに提出すると消耗します。うつ病の方ほど、先に「勝ち筋」を整理して負担を減らすことが重要です。

審査請求は通知書と自治体案内を一次情報として確認する

不服申立ての期限や宛先は、まず通知書の案内が一次情報です。そのうえで、自治体の案内ページでは「処分を知った日の翌日から3か月以内」といった形で説明されている例があります。
また、行政不服審査法の施行に伴う生活保護法関連の説明として、裁決期間などが示されている資料もあります。

ここで大切なのは、次の3点です。

  • 期限(いつまで)

  • 宛先(どこへ)

  • 添付(何を添えると主張が通りやすいか:通院・連絡・収入の証拠)

主張は「事実→根拠→求める対応」の順に短く

うつ病のときに長文は負担になります。主張は短く固定します。

  • 事実:いつから体調が悪化し、何ができなかったか(連絡・受診等)

  • 根拠:通院の証拠、予約票、収入明細、連絡履歴

  • 求める対応:停止/廃止の見直し、再調査、説明の機会など

早めに第三者の支援を使う

不服申立てや徴収の話が出たときは、体調を守るためにも一人で抱えない方が安全です。自治体案内、法的支援、支援団体等、状況に合う窓口を検討してください(地域により案内・窓口は異なります)。


よくある質問

うつ病で就労指導を断ると廃止されますか

「断った」事実だけで判断されるというより、制度運用上は、状況確認や段階的なやり取りが重視されます。重要なのは、拒否の言い方ではなく、医師所見・症状の波・代替案を提示し、対話の材料を作ることです。

入院や転居で連絡が遅れたらどうなりますか

入院や転居は連絡が遅れやすい典型です。可能なら「分かった時点の一報」だけでも入れると、居所不明扱いのリスクが下がります。居所不明による停・廃止は生命の危機につながり得るため慎重な判断が必要だとする公的資料もあります。

辞退届を書いてと言われたらどうすればよいですか

その場で書かず、持ち帰って確認し、支援者に相談してください。辞退届の強要があってはならないという趣旨の資料も示されています。

通院が途切れてしまいました。もう終わりですか

終わりと決めつける必要はありません。うつ病では受診できない時期が起こり得ます。予約の取り直し、相談の履歴、簡単なメモなど「治療を再開する意思」が見える材料を整え、連絡手段を負担の少ない形に切り替えてください。

収入が出たら即打ち切りになりますか

即時に廃止と決まるとは限りません。収入の継続性や生活状況を踏まえて判断されます。まずは事実(入金日・金額・継続見込み)を短文で報告し、証拠は写真等で提出して誤解を避けましょう。


参考にした情報源