「いつもどおりSteamを開こうとしたら、なぜか起動しない」「プレイを押してもゲームが立ち上がらない」──そんなトラブルは、多くのPCゲーマーが一度は経験します。
本記事では、Windows 10/11環境でSteam本体が起動しない場合と、Steamは開くがゲームだけ起動しない場合の両方について、原因と対処法を優先度順に整理して解説します。
セーブデータをできるだけ守りながら、安全に復旧することを目的としています。
まず確認したいポイント:あなたの症状はどのパターンか?
この節では、読者の状況を次の4つのパターンに切り分けます。自分がどれに当てはまるかを最初に確認してください。
パターンA:Steamクライアントがまったく起動しない
- デスクトップやスタートメニューからSteamを起動しても、ウィンドウが表示されない
- タスクバーやタスクマネージャーには「steam.exe」が表示されている/いないが、とにかく画面が出てこない
- エラーメッセージは特に表示されない
→ 本文中の「パターンA:Steamクライアントが起動しない場合の対処法」を中心に確認してください。
パターンB:Steamは開くが、特定ゲームだけ起動しない
- Steamのライブラリは開くが、特定のゲームの「プレイ」を押しても何も起きない
- 「起動準備を行っています」と出たまま先に進まない
- あるゲームだけ、突然起動しなくなった
→ 「パターンB:ゲームだけが起動しない場合の対処法」を参照してください。
パターンC:エラーメッセージが表示されて起動しない
- 「アプリケーションの起動エラー」が表示される
- 「実行ファイルが見つかりません」などのエラーが出る
- DirectX や D3D 関連のエラーが表示される
→ 「パターンC:エラーメッセージ別の原因と対処」を参照してください。
パターンD:以前は動いていたのに、ある日を境に起動しない
- きっかけとして、Windowsアップデート・GPUドライバ更新・新しいソフトのインストールなどがある
- 複数のゲームが同時に起動しなくなった
→ まずは共通の基本対処を行ったうえで、「パターンA/B/C」の該当箇所で原因を絞り込みます。
【最初の3分】共通して試すべき基本対処
ここからは、どのパターンでも最初の3分で試してほしい基本対処を紹介します。これだけで解決するケースも多いため、順番に確認してください。
1. PCとSteamクライアントを再起動する
もっともシンプルですが、公式サポートでも最初に推奨される手順です。
Steamを完全に終了する
- 画面右下の通知領域(▲マーク付近)のSteamアイコンを右クリックし、「終了」を選択します。
- タスクマネージャー(Ctrl + Shift + Esc)を開き、「プロセス」タブで
Steam関連が残っていないか確認し、残っていれば「タスクの終了」をクリックします。
Windowsを再起動する
- スタートメニュー → 電源アイコン → 「再起動」を選択します。
再起動後、再度Steamを起動して症状が改善したか確認します。
2. Steamサーバーやネットワーク障害がないか確認する
自分のPCが問題ではなく、一時的なサーバー障害やネットワーク不調の可能性もあります。
- 他のウェブサイトに正常にアクセスできるか確認する
- 別のオンラインサービス(ブラウザゲームなど)が動作しているか確認する
- ルーターやONU(モデム)を電源オフ→数十秒待ってオンにし直す
- 可能であれば、有線LANや別のWi-Fiに切り替えて動作を確認する
3. 管理者権限でSteamを起動してみる
権限不足が原因で、必要なファイルにアクセスできず起動しない場合があります。
- デスクトップやスタートメニューの「Steam」ショートカットを右クリック
- 「その他」→「管理者として実行」を選択
- UAC(ユーザーアカウント制御)が出たら「はい」を選択
これで起動する場合は、以降も安定して動作するか確認してください。毎回の操作が面倒な場合は、ショートカットのプロパティから「常に管理者として実行」にチェックを入れることもできます。
4. Windows Updateと再起動の有無をチェックする
- 設定 → 「Windows Update」
- 保留中の更新プログラムや再起動が必要な状態になっていないか確認
- 溜まっている更新があれば適用し、再起動したうえで再度Steamを試します
パターンA:Steamクライアントが起動しない場合の対処法
ここからは、「Steam自体が立ち上がらない」場合の対処を詳しく解説します。
1. タスクマネージャーでSteam関連プロセスを完全終了する
Steamがバックグラウンドで固まっていると、新しく起動できないことがあります。
- Ctrl + Shift + Esc キーを押して「タスクマネージャー」を開く
- 「プロセス」タブから以下のようなプロセスを探します
Steam Client Bootstrappersteam.exeなど
- 該当プロセスを選択し、「タスクの終了」をクリック
- すべてのSteam関連プロセスが消えたことを確認してから、再度Steamを起動します
2. セキュリティソフト・常駐ソフトの一時停止と例外設定
ウイルス対策ソフトやファイアウォール、ゲームオーバーレイ(Discord、GeForce Experience、Radeon Software など)が、Steamの起動を妨げている場合があります。
- 一時的にウイルス対策ソフトを停止する
- ファイアウォールでSteamの通信がブロックされていないか確認する
- ゲームオーバーレイ機能(Discordのオーバーレイ等)をオフにする
- 停止後にSteamを起動し、症状が改善するか確認する
改善する場合は、セキュリティソフト側でSteamフォルダ(C:\Program Files (x86)\Steam など)を例外(除外)設定に追加してください。
※セキュリティソフトの設定変更は自己責任で行ってください。不明な場合は利用中のソフトのサポート窓口に確認することをおすすめします。
3. Steamのダウンロードキャッシュ・設定をクリアする
キャッシュが破損していると起動できないことがあります。通常は、クライアントから「設定 → ダウンロード → ダウンロードキャッシュをクリア」で対応しますが、そもそも起動しない場合は、次のようなアプローチが取れます。
- 可能であれば、別のWindowsユーザーアカウントを作成し、そのユーザーでSteamをインストールして起動を確認する
- もしくは、既存インストールを残したままSteamクライアントのみ再インストール(次項)を行う
4. インストールフォルダを残したまま、Steamクライアントだけ再インストールする
ゲームデータを消さずにSteamクライアントだけ入れ直す方法です。
ゲームフォルダの場所を確認しておく
- 既定では:
C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common - 必要であれば、このフォルダを別ドライブなどにバックアップします。
- コントロールパネル → 「プログラムのアンインストール」から「Steam」をアンインストール
- 公式サイトから最新のSteamインストーラーをダウンロードし、再インストール
- 再インストール後にSteamを起動し、「ライブラリ」からゲームが認識されているか確認
- 認識されない場合は、「ゲームの追加」→「非Steamゲームを追加」ではなく、ライブラリで該当ゲームを選択し、インストール先に既存フォルダを指定することで、再ダウンロードを省略できる場合があります。
※アンインストール前に必ずゲームデータ・セーブデータをバックアップしてください。クラウドセーブに対応していないタイトルはローカルの保存場所を確認する必要があります。
5. 別ユーザーアカウントや別PCでのログインテスト
- Windowsで新しいローカルユーザーアカウントを作成し、そのアカウントでSteamをインストールして起動を試す
- 可能であれば、別のPCで同じSteamアカウントにログインして問題が再現するか確認
別環境では問題なく起動する場合は、元のPC環境(Windowsプロファイル、ドライバ、常駐ソフトなど)が原因の可能性が高くなります。
パターンB:ゲームだけが起動しない場合の対処法
Steamは開くのに、特定のゲームだけ起動しない場合の対処を解説します。
1. ゲームファイルの整合性を確認する手順
ゲームの一部ファイルが壊れている/不足していると起動に失敗します。Steamにはこれを自動チェックする機能があります。
- Steamクライアントを開く
- 「ライブラリ」から該当ゲームを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「インストール済みファイル」または「ローカルファイル」タブを開く
- 「ゲームファイルの整合性を確認」をクリック
- チェックが完了するまで待ち、完了後に再度起動を試す
2. ゲームの再インストールとセーブデータのバックアップ
整合性チェックでも改善しない場合は、再インストールを検討します。その前にセーブデータを確認しましょう。
- そのゲームがクラウドセーブ対応かどうかを、ストアページで確認
- クラウド非対応・不安な場合は、以下の場所を目安にセーブデータを探してバックアップ
C:\Users\ユーザー名\Documents\My Games\ゲーム名
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\ゲーム名
Steam\userdata\(数字)\ゲームID\ など - バックアップ後、ライブラリでゲームを右クリック → 「管理」→「アンインストール」
- もう一度インストールし、セーブデータを必要に応じて戻したうえで起動を確認
3. グラフィックドライバ・DirectX・Visual C++などミドルウェアの確認
3Dゲームは、GPUドライバやDirectX、Visual C++再頒布可能パッケージなどのミドルウェアに依存しています。更新や破損が原因で起動しないケースもあります。
- GPUドライバの更新
- NVIDIA / AMD / Intel の公式サイトから、最新のドライバをインストール
- DirectXの更新
- Microsoft公式からDirectXエンドユーザーランタイムをインストール
- Visual C++再頒布可能パッケージの修復
- 「アプリと機能」から各Visual C++を選択し、「変更」→「修復」を実行
これらの操作に不安がある場合は、PCメーカーやゲームメーカーの公式サポートガイドに従ってください。
4. 起動オプションやオーバーレイ機能を無効化する
過去に設定した起動オプションや、オーバーレイ機能が原因で起動しないこともあります。
- 起動オプションの削除
- 該当ゲームを右クリック → 「プロパティ」
- 「一般」タブの「起動オプション」欄を空にする
- 再度ゲームを起動して確認
- Steamオーバーレイの無効化
- Steamメニュー → 「設定」 → 「ゲーム中」
- 「ゲーム中にSteamオーバーレイを有効にする」のチェックを外す
- 該当ゲームを起動して確認
5. ゲームごとの公式FAQ・動作環境の再確認
- 該当ゲームのSteamストアページや公式サイトで、必要動作環境を確認
- 最低スペックを大きく下回っている場合、そもそも起動が難しい場合があります
- メーカー公式FAQに「起動しない場合の対処」が用意されていることも多いため、そちらも必ず確認してください
パターンC:エラーメッセージ別の原因と対処
代表的なメッセージごとに、原因と基本的な対処をまとめます。
「起動準備を行っています」から先に進まない場合
よくある原因:
- バックグラウンドで前回のプロセスが残っている
- セキュリティソフトが起動をブロックしている
- 必要なミドルウェア(DirectX、Visual C++など)のインストールが完了していない
対処の流れ:
- タスクマネージャーで該当ゲームや
steam.exeをすべて終了 - PCを再起動し、再度起動を試す
- セキュリティソフトを一時停止または例外設定し、起動テスト
- それでもダメな場合は、前述の「ゲームファイルの整合性確認」「ミドルウェア確認」を順に実施
「アプリケーションの起動エラー」が表示される場合
多くはファイル不足・ファイル破損・権限問題が原因です。
- 管理者権限でSteam・ゲームを起動
- ゲームファイルの整合性確認
- 必要に応じてゲームの再インストール
特定のエラーコードが表示される場合は、そのコード名で検索すると、ゲームメーカーやコミュニティによる詳細な情報が見つかることがあります。
黒い画面のまま固まる/すぐ落ちる場合
- 最初のウィンドウまでは出るが、真っ黒なままで何も起きない
- 起動直後にクラッシュし、デスクトップに戻される
よくある原因:
- 解像度やフルスクリーン設定が現在のモニターと合っていない
- グラフィックドライバやOSの更新直後で不整合が生じている
- 以前のMODや設定ファイルが悪さをしている
対処:
- ウィンドウモードで起動できる起動オプション(
-windowedなど)を一時的に指定 - 設定ファイル(config.ini 等)を初期化またはリネームして、デフォルト設定で起動できないか確認
- グラフィックドライバを最新または安定版に変更
「実行ファイルが見つかりません」などファイル関連エラーの場合
- ゲームファイルの整合性確認を実行
- 別のウイルス対策ソフトがゲームの実行ファイルを誤検知して隔離していないか確認
- 必要であれば、ゲームをアンインストール → 再インストール
それでも直らない時に行う切り分けと相談先
ここまでの対処でも改善しない場合は、原因が複雑な可能性があります。次の観点で切り分けてみてください。
1. 新規Windowsユーザープロファイルでの動作確認
- 設定 → 「アカウント」 → 「家族とその他のユーザー」から新しいローカルユーザーを作成
- そのユーザーでサインインし、Steamをインストールして起動
- 正常に動作する場合、元のユーザープロファイルの設定や環境に問題がある可能性が高いです
2. 他の3Dゲームやベンチマークの動作確認(ハードウェア切り分け)
- 別の3Dゲーム(Steam以外でも可)やベンチマークソフトを実行
- それらも不安定な場合、GPU・電源・メモリなどハードウェア起因の可能性があります
3. SSD/HDDの空き容量・健康状態のチェック
- CドライブおよびSteamライブラリのあるドライブの空き容量が十分か確認(目安として最低でも数十GB以上)
- 不良セクタや異常が疑われる場合は、ディスク診断ツールやPCメーカーのツールでチェック
4. 公式Steamサポート・ゲームメーカー・PCメーカーへの問い合わせポイント
問い合わせの際は、以下を整理して伝えるとスムーズです。
- 発生している症状(いつから・どの操作で・どの頻度で起きるか)
- 表示されるエラーメッセージ(スクリーンショットがあれば尚可)
- 使用しているPC環境(OSバージョン・CPU・GPU・メモリ・ストレージ等)
- すでに試した対処方法の一覧
再発防止のためにできること
最後に、同じトラブルを繰り返さないためのポイントをまとめます。
1. Windows・GPUドライバ・Steamクライアントをこまめに更新する
- Windows Updateを定期的に実施
- GPUドライバは、PCメーカーまたはGPUメーカーが推奨する安定版を利用
- Steamクライアントは、自動更新をオンにしておく
2. ストレージ容量と温度管理に気を付ける
- ゲームインストール先ドライブの空き容量を常に余裕のある状態(目安:容量の15〜20%以上)に保つ
- ケース内のエアフローや埃の掃除など、ハードウェアの冷却にも注意する
3. 不要な常駐ソフト・オーバーレイを整理する
- 常駐させるソフトは必要最小限に絞る
- ゲーム中は不要なオーバーレイ機能をオフにしておく
4. トラブル時に備えたバックアップ(セーブデータ・設定)の取り方
- よく遊ぶタイトルは、セーブデータの場所をメモしておき、定期的にバックアップ
- クラウドセーブ対応かどうかも確認し、できるだけクラウドセーブを有効にする
まとめ:あわてずに「優先度順」に試していけば大丈夫です
Steamやゲームが起動しなくなると不安になりますが、多くのケースは、
- 再起動や権限の問題
- セキュリティソフトや常駐ソフトとの競合
- ファイル破損やミドルウェアの不整合
といった、手順を追っていけば解決できる内容です。
本記事で紹介した
- 【最初の3分】共通対処
- パターンA:Steamクライアントが起動しない
- パターンB:ゲームだけが起動しない
- パターンC:エラーメッセージ別対処
の順に落ち着いて試していけば、原因の絞り込みと復旧に大きく近づけます。
どうしても直らない場合は、無理に自己流で操作を続けず、早めに公式サポートやPCメーカーに相談することも大切です。セーブデータのバックアップを習慣化しつつ、安心してSteamライフを楽しんでください。