【更年期の生理トラブル知恵袋】生理が終わらない・鮮血が続く原因と受診の目安

生理がなかなか終わらない、いつまでも鮮血が続く——。
40〜50代でこうした変化に気づくと、「更年期だから？」「それとも病気？」と不安に感じる方が多いです。

本記事は、そのような不安を抱える方のための「更年期の生理トラブル知恵袋」です。
次のポイントを中心に、できるだけわかりやすく整理いたします。

• 更年期に起こりやすい生理の変化

• 「様子見でもよい可能性があるケース」と「受診を急いだほうがよいケース」

• 婦人科で行われる検査の概要

• ネットの知恵袋に多い質問へのQ&A

最終的な診断は必ず医師が行う必要がありますが、「今の自分の状況を整理する」ための参考としてご活用ください。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

更年期の生理トラブル知恵袋：まず知っておきたい基礎知識

更年期とは？いつからいつまで続くのか

一般的に、更年期とは閉経をはさんだ前後約10年間（おおよそ45〜55歳前後）を指します。
この時期は、卵巣の働きが徐々に低下し、女性ホルモン（エストロゲンなど）の分泌量が大きく揺れ動きます。

• 生理周期の乱れ

• 出血量が多くなったり少なくなったりする

• 生理が突然止まったかと思えば、また再開する

といった変化が現れやすく、「それまでの規則的な生理」とは様子が変わってきます。

なぜ更年期になると生理が不安定になりやすいのか

生理（＝月経）は、女性ホルモンの働きによって子宮内膜が厚くなり、その後はがれ落ちる現象です。
更年期ではホルモン分泌が安定しないため、次のような状態が起こりやすくなります。

• 内膜が厚くなりすぎて、出血量が多くなる

• うまくはがれ落ちず、ダラダラ出血が続く

• 排卵が起こらず、内膜だけが不規則に出血する（無排卵性出血）

この結果、「生理が終わらない」「鮮血が続く」と感じることがあります。

生理が「終わらない」「鮮血が続く」ときに考えられること

更年期によるホルモンバランスの乱れで起こる変化

更年期のホルモン変化だけでも、次のような症状はあり得ます。

• いつもより生理が長引く（1週間以上続くことがある）

• 出血が止まりかけてはまた少量出る

• 鮮血〜茶色っぽい出血が続く

これだけで必ずしも病気とは限りません。ただし、「自己判断で大丈夫」と決めつけるのは危険です。

正常な変化と「要注意なサイン」の違い

あくまで一つの目安ですが、次のような場合は「“よくある更年期の変化”の範囲かもしれない」と考えられます。

• 出血期間が多少長くなっても、量は徐々に減っている

• 日常生活に支障が出るほどの大量出血ではない

• 強い痛みや貧血症状を伴っていない

一方、以下のような場合は「何らかの疾患が隠れている可能性」を考え、慎重な対応が必要です。

• 鮮血がダラダラと続き、ナプキンがすぐいっぱいになるほどの出血が続く

• 生理とは別のタイミング（周期外・性交後など）に出血する

• 1度止まっても、数日〜数週間で何度も出血をくり返す

更年期の不正出血・鮮血の主な原因知恵袋

良性の原因：子宮筋腫・ポリープ・萎縮性腟炎 など

更年期の不正出血の背景には、比較的良性の病気が関与していることも多いです。

• 子宮筋腫

  • 子宮の筋肉にできる良性のこぶ

  • 生理量が増える、期間が長くなる、貧血になりやすい など

• 子宮内膜ポリープ

  • 子宮内膜が一部盛り上がった良性の突起

  • 生理以外のときに少量の鮮血が出ることも

• 萎縮性腟炎

  • 更年期で女性ホルモンが減少し、腟の粘膜が薄く・弱くなる

  • 少しの刺激（性交・内診・便秘など）で出血しやすくなる

これらは基本的に「命に直結する」ものではありませんが、放置すると貧血や不快症状の原因になることがあります。

悪性の可能性：子宮体がん・子宮頸がん など

より注意が必要なのが、以下のような悪性疾患です。

• 子宮体がん

  • 特に更年期〜閉経後の不正出血は重要なサインになり得ます。

• 子宮頸がん

  • 性交後の出血、接触出血などがきっかけで見つかることがあります。

必ずしも「不正出血＝がん」ではありませんが、更年期以降の出血は慎重に扱うべきです。

出血の色・量・期間・タイミングからわかる危険サイン

チェックしやすいよう、ポイントを一覧にまとめます。

上記のようなサインが複数当てはまる場合、自己判断での様子見は推奨できません。

「様子見でよいケース」と「すぐ婦人科へ行くべきケース」チェックリスト

様子見も一応許容されるケース

下記は一時的に様子を見てもよい可能性がある一例です（ただし不安が強い場合は、受診をためらう必要はありません）。

• 出血期間は少し長めだが、日ごとに量が減っている

• 出血量は普段の生理＋α程度で、ナプキン交換も通常ペース

• 強い痛みや発熱、貧血症状はない

• ここ最近、強いストレスや生活リズムの変化が重なっている

早めの受診が望ましいケース

• ここ数ヶ月、生理周期や出血パターンが大きく変化している

• 40代後半以降で、生理とは思えないタイミングに出血が増えている

• 生理のたびに出血量が増えている、または期間が長引く一方

こうした場合、「更年期だから」で片付けず、一度は婦人科で状態を確認しておくのが安心です。

すぐ受診・救急受診を検討すべきケース

• ナプキンを頻繁に替えても追いつかないほどの大量出血

• 立っていられないほどのめまい・ふらつき・息切れがある

• 強い下腹部痛や発熱を伴う

• 閉経したはずなのに、鮮血の出血がくり返し起こる

このような状態は、緊急性が高い可能性があります。迷ったら、早めに医療機関へご相談ください。

婦人科受診の知恵袋：診察の流れとよくある検査

受診前にメモしておくとよいポイント

診察時にスムーズに状況を伝えるため、次の項目をメモしておくと便利です。

• 出血が始まった日・終わった日（または継続中かどうか）

• 出血の量の変化（多い日・少ない日）

• 出血の色（鮮血／茶色／黒っぽい など）

• いつもの生理との違い（周期・量・痛み）

• 服用中の薬、持病の有無

婦人科で実際に行われる主な検査

代表的な検査には次のようなものがあります。

• 内診・経腟エコー

  • 子宮や卵巣の大きさ・形・筋腫・ポリープの有無を確認

• 子宮頸がん検診（細胞診）

  • 子宮頸部の細胞をこすり取って検査

• 子宮体がん検査（内膜細胞診・組織診）

  • 子宮内膜を少量採取し、異常細胞の有無を確認

• 血液検査

  • 貧血の有無、ホルモンバランスなどを確認

どの検査が必要かは、症状や年齢、問診結果によって医師が判断します。

費用や痛みが心配な方へのアドバイス

• 検査の一部では、軽い痛みや違和感を伴うことがありますが、多くは短時間で終了します。

• 費用は、保険診療かどうか、どの検査を行うかによって異なります。受診前に「だいたいどのくらいかかるか」を電話で確認しておくと安心です。

• 「痛みが不安」「怖い」と感じていること自体も、遠慮なく医師に伝えて問題ありません。

よくある質問（更年期の生理トラブルQ&A知恵袋）

ちょっとだけ鮮血が続くが、病院に行くべき？

少量の鮮血が数日続く程度であれば、更年期のホルモン変化や軽い炎症が原因のこともあります。
ただし、

• 2週間以上ダラダラ続く

• 何度もくり返す

• 下腹部痛や違和感を伴う

といった場合は、「少量だから大丈夫」と決めつけず、一度は婦人科で相談されることをおすすめいたします。

一度止まったのに、数日後にまた出血した

更年期では、子宮内膜が一度にきれいにはがれ落ちず、数回に分かれて出血することがあります。
しかし、「毎回そうなる」「頻繁に再発する」「量が多い」といった場合は、ポリープなどの病変が隠れている可能性もあるため、検査を受けておくと安心です。

閉経したと思っていたのに、また出血があった

「1年以上生理がなかったのに、出血が再開した」場合、年齢にもよりますが子宮体がんなどを早めに除外しておくべきケースがあります。
閉経後の出血は、たとえ少量でも「放置してよい」とは言えません。
早めの受診を強く推奨いたします。

「がん検診」をどのくらいの頻度ですべき？

一般的には、子宮頸がん検診は2年に1回程度が推奨されています。
子宮体がんについては、症状（不正出血など）があれば、その時点で検査を考えることが多いです。
年齢や個々のリスクによっても異なりますので、かかりつけ医と相談しながら決めていくのが現実的です。