ゲームの攻略記事や配信で「まずパッシブ取って」「パッシブが強いキャラは伸びる」と言われても、いざ自分でスキル説明を読むと、常時効果なのか、条件付きで自動発動するのか、切り替え式なのかが混ざって見えて、結局よく分からないまま進めてしまうことはありませんか。
その結果、「取ったのに強くなった実感がない」「思った場面で発動していない」「同じ効果が重複しないせいで無駄になっていた」など、育成やビルドで損をする原因にもなりがちです。
本記事では、パッシブスキルとは何かを短く理解できるように整理したうえで、アクティブスキルとの違い、常時発動と条件付き自動発動の見分け方、さらにツールチップを読んで自力で判断できるチェックポイントまで丁寧に解説いたします。最後まで読めば、どのゲームでもスキル説明を迷わず読み解き、パッシブを活かしたスキル選びができるようになります。
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パッシブスキルとは何か
一言でいう定義
パッシブスキルとは、プレイヤーが「発動ボタンを押す」「対象を選ぶ」「詠唱する」といった能動的な操作をしなくても、効果が自動的に発生する(または維持される)スキルの総称です。
「習得しているだけで常に能力が上がる」「特定条件を満たすと自動で発動する」「装備している間だけ効果が乗る」など、操作を介さずに結果が出るものが基本的にパッシブの範囲に入ります。
ここで重要なのは、“効果があること”そのものより、“効果の出し方(操作の要否)”で分類している点です。たとえば、強力なダメージ増加が付くとしても、ボタンを押して一定時間だけ攻撃力を上げるならアクティブ寄りです。一方、数値が小さく見えても、常時クリティカル率が上がるならパッシブ寄りになります。
つまり、パッシブかどうかは「強い・弱い」ではなく、「押すか・押さないか」「状態・条件に反応するか」で整理すると混乱しにくくなります。
また、ゲームによっては「スキル」という言葉の対象が広く、パッシブが「特性」「パーク」「才能」「天賦」「固有能力」「アビリティ(常時)」など別名で呼ばれることもあります。しかし名称が違っても、プレイヤー操作を要求せず、条件や状態に応じて自動的に効果が働くという核は共通です。
名称に引っ張られず、「発動の操作が必要か」を先に見ると、どのタイトルでも理解が安定します。
なぜ「受動的=操作不要」になるのか(語源)
「パッシブ(passive)」は英語で「受動的」という意味で、反対が「アクティブ(active:能動的)」です。ゲーム用語としてのパッシブは、この語感がかなりそのまま当てはまっています。
ここでいう「受動的」とは、「何もしない」というより、自分の意思で押して起動するのではなく、状況や条件に“反応して”効果が出るというニュアンスです。
たとえば、次の2つを比べると理解が進みます。
「攻撃ボタンとは別に、スキルボタンを押して“発動させる”」=能動
「攻撃していると、一定確率で追加効果が“起きる”」=受動
後者は“トリガー(きっかけ)”が存在しても、そのトリガーを満たした瞬間に自動で処理されます。プレイヤーは「起動操作」をしていないため、分類としてパッシブに置かれやすいわけです。
この「起動操作がない」「状態により自動的に働く」という特徴が、日常語の「受動」と相性が良く、ゲーム用語として定着したと考えると腹落ちします。
ただし、ゲームごとの用語設計には差があり、「条件を満たすと自動で発動するもの」をパッシブに含めるタイトルもあれば、「自動発動でも“スキル枠”だからアクティブ」として扱うタイトルもあります。
この揺れは後半で整理しますが、語源理解をベースにしておくと、例外に出会っても「分類が違うだけだ」と切り分けやすくなります。
アクティブスキルとの対比(最短で理解)
パッシブを理解する最短ルートは、アクティブとセットで見ることです。難しく考えず、まずは次の対比を軸に置いてください。
アクティブスキル:プレイヤーが「使う」と決めて発動する(ボタン、選択、詠唱、狙い、設置など)
パッシブスキル:プレイヤーが発動操作をしなくても、習得・装備・条件のもとで自動的に効く
この対比が成立すると、次のような判断ができるようになります。
スキルアイコンがあるが「押せない」→パッシブの可能性が高い
押せるが、押すとONになって以後ずっと効く(トグル)→境界ケース(後述)
押さないのに効果が出る→パッシブ寄り
押すと派手な演出が出てクールタイムがある→アクティブ寄り
特に初心者が混乱しやすいのは、「自動発動だからパッシブ」と「スキル枠にあるからアクティブ」がぶつかるケースです。ここは“用語ラベル”より“挙動”を優先し、自分の操作が必要なものをアクティブ、不要なものをパッシブと把握するほうが、プレイ上は圧倒的に役に立ちます。
パッシブスキルの種類と発動パターン
常時効果型
常時効果型は、最も分かりやすいパッシブです。取った瞬間から、何もしなくても常に効果が乗り続けるため、扱いも理解も簡単です。
代表例としては、次のようなものがあります。
最大HPが上がる、HP回復量が増える
防御力、被ダメージ軽減、シールド量が上がる
移動速度、ジャンプ力、回避距離などが向上する
攻撃力、会心率、会心ダメージ、命中などが恒常的に伸びる
経験値、通貨、ドロップ率などの獲得効率が上がる
常時効果型のメリットは、発動条件やタイミングを考えなくてよい点です。強化の“取りこぼし”が起こりにくく、特に初心者が成果を感じやすいタイプでもあります。
一方で、数値が小さく見えることが多いため、「本当に強いのか?」と疑問に思われやすい側面もあります。しかし実際には、常時効果は“試行回数”が膨大になりやすく、総合的な期待値が高いことがよくあります。
例として、常時会心率+5%が付くとします。戦闘時間が長いゲームほど、攻撃回数が増え、+5%の恩恵が積み上がります。短時間の派手な強化ではなく、全時間帯にじわじわ効くため、最終的に差が出やすいのです。
常時効果型の見分け方は簡単で、ツールチップに「常時」「常に」「つねに」「恒常的に」「パッシブ効果」などが書かれます。逆に、条件や確率の記載がほとんどないのも特徴です。
条件付き自動発動型
条件付き自動発動型は、常時型の次に多く、同時に混乱の原因にもなりやすいタイプです。
このタイプは、「いつでも効く」のではなく、「条件を満たしたときに自動で効果が発生する」という構造を取ります。
よくある条件には次のようなものがあります。
HPが一定以下になったとき
特定の状態異常を受けたとき/与えたとき
クリティカルが発生したとき
攻撃が命中したとき、回避に成功したとき
敵を倒したとき、被弾したとき
戦闘開始から一定時間が経過したとき
特定距離内に敵がいるとき
パーティー内の誰かが回復したとき、バフを得たとき
ここでのポイントは、「条件」はあっても、プレイヤーは“発動ボタン”を押していないという点です。
たとえば「被弾したとき自動で短時間防御が上がる」は、被弾という出来事に反応して効果が出ています。発動の意思決定が必要ないため、パッシブとして扱われやすいわけです。
このタイプの落とし穴は、次の2つです。
条件を満たさないと“効かない”
取った瞬間から常に強くなるわけではないため、条件が難しいと実感が薄いことがあります。頻度制限がある(内部クールダウンなど)
「一定確率で発動」と書かれていても、実は“〇秒に1回まで”のような制限が隠れていたり、説明文に小さく書かれていたりします。これを見落とすと「思ったより発動しない」と感じます。
条件付きパッシブは、理解できると非常に強力です。なぜなら、プレイが上手くなるほど条件達成率が上がり、効果の稼働率が高まることがあるからです。
たとえば「回避成功で火力アップ」なら、回避が安定するほど強化が常時に近づいていきます。こうした設計があるため、上級者ほど「パッシブが強いキャラ」を評価しがちです。
切替型(トグル)・装備依存型・成長補正型
ここからは“境界ケース”が増えます。どれもパッシブとして扱われることがありますが、ゲーム設計によって分類が変わるため、挙動を中心に整理する必要があります。
切替型(トグル)
切替型は、最初に一度だけONにする操作が必要で、その後は自動で効果が持続します。
例としては、「ONにすると移動速度が上がるが、スタミナを継続消費する」「ON中は周囲にオーラを展開して味方を強化する」などがあります。
このタイプは「押す=アクティブ」「押した後は自動=パッシブ」と両方の性質を持つため、ゲームによって扱いが割れます。
実用上は、次の基準で整理すると迷いません。
短時間で終わる“技”(押した瞬間に効果が出て終わる)→アクティブ寄り
ON中ずっと効く“状態”(維持が本体)→パッシブ寄り
ただし、トグルは消費や解除の判断が必要になるため、「操作不要」という純粋パッシブの定義からは外れることもあります。
この場合は「トグル型」として別枠で覚えると、混乱を減らせます。
装備依存型
「特定武器を装備中のみ効果が出る」「この防具セットを装備している間だけ発動する」「特定属性の武器を持っているときだけ強化される」といったタイプです。
発動操作は不要ですが、前提条件として装備条件があるため、“常時”に見えて実は限定的です。
装備依存型でありがちなミスは、「装備を変えた瞬間に効かなくなっているのに気づかない」ことです。ビルドを試すときは、スキルそのものだけでなく、発動条件(装備条件)が満たされているかまでセットで確認する必要があります。
成長補正型
レベルアップやスキルツリーの段階で「基礎性能が自動で上がる」「スキルの倍率が恒常的に増える」「ステータス成長が補正される」などのタイプです。
これも操作不要なのでパッシブと呼ばれやすいですが、プレイヤーが体感しづらいことがあります。数値が“裏側”に入るため、表示上では分かりにくい場合があるからです。
成長補正型で大事なのは、評価の仕方です。体感に頼ると誤るので、可能であればステータス画面やダメージログ、トレーニングモードなどで変化を確認すると確実です。
ゲームごとの表記ゆれに注意(同じ言葉でも挙動が違う)
パッシブは便利な言葉である一方、ゲームごとに“定義が固定されていない”という弱点があります。
理由は単純で、ゲームのスキル設計には幅があり、「常時効果」「条件付き」「トグル」「自動発動」「装備条件」などが複雑に組み合わさるためです。どこからどこまでをパッシブと呼ぶかは、開発側の設計思想に委ねられます。
したがって、最終判断は次の順番が安全です。
ゲーム内ヘルプ・用語集・チュートリアルの定義(あれば最優先)
スキル説明文(ツールチップ)の記載
実際の挙動(検証)
一般的な用法(押さない=パッシブ)
攻略情報は役立ちますが、アップデートで仕様が変わることがあります。特に対戦ゲームや運営型ゲームでは、パッシブの発動条件や数値が調整され、古い情報が混ざりやすいです。
迷ったら、まずはゲーム内の最新説明に立ち返り、次に自分のプレイで確かめる、という姿勢が“損しない”近道になります。
パッシブスキルとアクティブスキルの違いが一目で分かる表
比較表(発動操作/継続時間/クールタイム/説明文の特徴)
以下の表は、どのゲームにも通用しやすい判断軸を固定したものです。迷ったときは、表の上から順に当てはめてください。
| 判断ポイント | パッシブスキル | アクティブスキル |
|---|---|---|
| 発動操作 | 基本不要。習得・装備・条件で自動 | 必要。押す・選ぶ・狙う・詠唱する |
| 効果の継続 | 常時、または条件時に自動で発生 | 発動後に一定時間、または瞬間的 |
| クールタイム | ないことが多い。あっても内部CDや頻度制限 | あることが多い。UIに明記されやすい |
| リソース消費 | ないことが多い。条件型は消費なしが多い | MP/スタミナ/エネルギー等の消費が起きやすい |
| 説明文の語 | 「常時」「自動」「〇〇のとき」「装備中」 | 「使用する」「発動」「詠唱」「クールタイム」 |
| 役割 | 土台の底上げ、安定性、再現性 | ピーク火力、逆転、コンボ始動、対応力 |
この表の利点は、「押すかどうか」を起点にしつつ、クールタイム・消費・説明文の語を補助線として使える点です。
特に説明文は、そのゲームのUI設計思想が反映されやすく、「使用する」「クールタイム」などがあればアクティブ寄り、「装備中」「常時」ならパッシブ寄りと判断しやすくなります。
迷いやすい境界ケース(自動発動スキル、常時バフ、パーク等)
ここでは、混乱が起きやすい典型例を整理します。
自動発動スキル
「スキル枠にあるが、押す必要がない」「条件を満たすと勝手に発動する」というタイプです。
実用上はパッシブと同じ扱いですが、ゲームによってはUI上アクティブ枠に置かれることがあります。理由としては、スキルの成長やクールタイムがアクティブ枠と同じ仕組みで管理されている、などが考えられます。
この場合、言葉の分類より、実際に操作が要るかどうかを優先してください。
常時バフ
バフアイコンが常に点灯していると、「パッシブが効いている」と思いがちです。しかし、常時バフの原因は次のように多岐にわたります。
パッシブスキル由来
装備効果、セット効果
フィールド効果、ギルド効果
食事、薬、消耗品
味方のオーラや支援効果
したがって、「バフがある=パッシブ」と即断せず、どの効果が何由来かを確認するのが安全です。ゲームによってはバフ詳細に出所が書かれているため、それを見れば判別できます。
パーク、特性、天賦
これらは言葉として“パッシブっぽい”ですが、ゲームによってはアクティブに近いものも混ざります。
たとえば「選択式で一つだけ有効」「条件が満たされないと一切意味がない」「特定アクティブを強化するための前提」などです。
整理のコツは、「それ単体で自動的に効果が出るか」「何かを押す・使うことを要求していないか」を見ることです。単体で効果が成立していればパッシブ寄り、何か別の行動を前提にしているなら補助系として捉えると理解が安定します。
ツールチップでパッシブスキルを見分けるチェックリスト
まず見るべきキーワード(常時、自動、条件、一定確率、装備中)
ツールチップは、パッシブ理解の“最重要情報源”です。攻略情報やSNSの印象よりも、まずは説明文に立ち返ると誤解を避けられます。
パッシブ判定に役立つ代表的キーワードを、意味とセットで整理します。
常時/常に/つねに:発動条件がほぼなく、常に効果がある可能性が高い
自動で/自動的に:操作なしに処理が走る。条件付きパッシブで頻出
〇〇のとき/〇〇中/〇〇状態では:状態依存。条件付きの代表
一定確率で:トリガー(攻撃命中など)があるが、発動はランダム
装備中/所持している間:装備依存型の可能性。条件を外すと無効
最大〇回/最大〇スタック:重複や累積の制限がある可能性
〇秒に1回まで:内部クールダウン(頻度制限)の可能性
逆に、アクティブ寄りの語も併せて覚えると判定精度が上がります。
使用する/発動する(押して使う):ボタン操作が前提
クールタイム/再使用時間:アクティブで明記されやすい
消費する(MP/スタミナ等):アクティブの典型(ただしトグル型は例外あり)
対象/射程/範囲:狙って使う設計が多い
もちろん、文章の癖で例外はありますが、キーワードを入口にすれば「説明文を読むべき場所」が一瞬で分かるようになります。
クールタイム・発動条件・内部CDの読み方
パッシブが難しく感じる理由の多くは、「条件」「確率」「頻度制限」が同時に書かれるからです。
ここでは読み方を手順化します。複雑なツールチップでも、次の順で追うと誤読が減ります。
トリガー(何が起点か)
攻撃命中、被弾、回避成功、HP〇%以下など
発動確率(発動が保証されるか)
一定確率、必ず発動、〇回に1回など
効果内容(何が起きるか)
追加ダメージ、回復、軽減、速度上昇など
持続時間(いつまで続くか)
〇秒間、次の攻撃まで、スタックが消えるまで等
頻度制限(どれくらいの間隔で起きるか)
〇秒に1回まで、内部クールダウン、発動後〇秒間は再発動しない等
例外(重複・上書き・対象制限)
同系統は重複しない、最大〇スタック、ボスには無効等
たとえば「攻撃命中時、20%の確率で追加ダメージ。発動後10秒間は再発動しない」と書かれていれば、確率だけでなく頻度制限が強く効きます。
このようなパッシブは、期待値の計算(発動回数)を誤ると評価が大きくズレます。強弱判断をするなら、確率と頻度制限は必ずセットで読むのが鉄則です。
また、ゲームによっては内部クールダウンが明記されない場合があります。その場合は、発動ログやエフェクトの出現頻度を観察し、「妙に連続しない」「一定間隔でしか出ない」などの傾向から推測します。
ただし推測には限界があるため、検証情報や公式説明があるなら、それを優先してください。
誤解しやすい表現(「発動する」=アクティブとは限らない)
ツールチップでよくある誤解は、「発動する」という言葉を見た瞬間に「押して使うスキルだ」と思い込むことです。
しかし文章上、「条件を満たすと発動する」は自然な日本語であり、パッシブでも頻繁に使われます。重要なのは、“何が発動のきっかけか”です。
「使用すると発動する」→使用=ボタン操作が前提(アクティブ寄り)
「攻撃が命中すると発動する」→命中=行動に反応(条件付きパッシブ寄り)
「HPが一定以下になると発動する」→状態変化に反応(条件付きパッシブ寄り)
さらに、「取得すると〇〇を解放する」という表現にも注意が必要です。解放された先がアクティブであることも多く、「このパッシブはアクティブを強化する前提」になっているケースがあります。
その場合、パッシブ単体の価値を過大評価せず、解放される要素とセットで評価してください。
最後に、判定を安定させるためのチェックリストを、より詳しく使える形で提示します。
発動のために押すボタンがあるか(ある→アクティブ寄り)
常時効果の記載があるか(ある→常時パッシブ)
条件文(〇〇のとき、〇〇中)があるか(ある→条件付きパッシブ候補)
確率があるか(ある→期待値と頻度制限も確認)
クールタイム/再使用時間が明確に表示されるか(ある→アクティブ寄り、ただし内部CD表記の可能性も)
消費(MP等)があるか(ある→アクティブ寄り、トグルは例外)
装備条件・武器種・属性条件があるか(ある→装備依存型)
重複・上書き・スタック上限の記載があるか(ある→運用が重要)
このチェックリストを使うと、「パッシブっぽい」と感じる直感が言語化され、判断の再現性が上がります。
なぜ「パッシブを先に取れ」と言われるのか
火力・耐久の土台になる理由
「まずパッシブを取れ」と言われる最大の理由は、パッシブがプレイ全体の“平均値”を上げる設計になりやすいからです。
アクティブは、上手く押せたときに強い一方で、押し忘れや状況不一致があると価値が落ちます。対してパッシブは、押し忘れがなく、条件さえ満たせば自動で働きます。つまり、再現性が高いのです。
たとえば、次の比較を考えてみてください。
アクティブ:20秒に1回、5秒間だけ攻撃力+30%
パッシブ:常時攻撃力+8%
見た目の派手さではアクティブが勝ちそうですが、戦闘の大半を占める“通常状態”の火力が底上げされるのはパッシブです。さらに、アクティブは押すタイミングを外すと効果が空振りします。
このように、パッシブはゲームが長期戦・周回・対人など“試行回数が増える場面”ほど価値が安定するため、優先されやすいのです。
耐久面も同様で、被ダメ軽減やHP増加は“いつでも効く保険”になります。事故死を減らせれば、結果として火力や攻略速度も上がります。特に初心者ほど、火力より先に耐久パッシブを取ったほうが勝率や安定性が上がるケースが多いです。
チームゲームでの役割補強(例:移動、索敵、被ダメ軽減)
チームゲームでは、パッシブが「個人の強さ」だけでなく「役割の遂行」に直結することがあります。
たとえば、次のようなパッシブは、アクティブ以上に試合全体へ影響します。
移動系:ローテーションが速くなり、合流・撤退が安定する
索敵系:敵位置情報が増え、事故が減り、勝ち筋が作りやすくなる
被ダメ軽減系:前線維持がしやすく、味方の負担が減る
回復・支援系:味方のリソース消耗が減り、継戦能力が上がる
こうした効果は、単発の派手なアクティブより“地味に勝ち続ける力”になりやすいです。
また、チーム戦ではアクティブの使用タイミングが難しく、連携ミスや判断遅れで効果を活かしきれないことがあります。パッシブはその点、発動が自動で、チームの状況が変わっても一定の価値を出し続けます。
そのため、攻略や競技の文脈では「まずパッシブで土台を作り、次にアクティブで伸ばす」という育成思想が生まれやすいのです。
優先度の決め方(初心者向けテンプレ)
「じゃあ結局、どれから取ればいいのか」を迷わないために、初心者でも使える優先順位テンプレを、より具体的に整理します。
生存率が上がるパッシブ
最大HP、防御、被ダメ軽減、回復量、自己回復、バリア
理由:ミスが減り、プレイ時間が増え、結果として成長が早い
操作負担が減るパッシブ
移動速度、回避性能、スタミナ効率、リロード短縮、クールタイム短縮
理由:立ち回りが楽になり、上達が加速する
火力の期待値が伸びるパッシブ
与ダメ増、会心率、会心ダメ、弱点特効、貫通、攻撃速度
理由:周回効率や対戦の押し込みが改善する
条件が厳しい・状況依存が強いパッシブ
HPが極端に低いときだけ、特定敵種にだけ、狭い範囲条件だけ
理由:稼働率が低いと期待値が落ちる。理解が進んでからでも遅くない
さらに、「そのパッシブが何を助けるか」で分類すると選びやすくなります。
事故を減らす(耐久・軽減・回復)
機会を増やす(移動・索敵・リソース改善)
成果を増やす(火力・倍率・スタック)
初心者はまず「事故を減らす」「機会を増やす」を優先し、慣れてきたら「成果を増やす」に寄せると、体感としても失敗が少なくなります。
パッシブスキルでよくある疑問
パッシブは重複する?(スタック・同系統上書き)
パッシブを集めていくと必ずぶつかるのが、「これ全部同時に効くの?」という疑問です。答えはゲーム設計次第ですが、代表的な処理は次の3つに集約されます。
加算・乗算で積み上がる(併用できる)
異なる種類の強化(攻撃+、会心+、速度+など)は同時に効くことが多いです。
ただし同じ種類でも「加算」か「乗算」かで最終値が変わり、体感が変わることがあります。表記があるゲームでは必ず確認してください。同系統は上書き(強いほうだけ)
移動速度、被ダメ軽減、同一カテゴリのバフなどは、重複するとバランスが壊れるため、上書き方式にするゲームが多いです。
この場合、「2つ取っても片方が無駄になる」可能性があります。ツールチップに「同系統効果は重複しない」「最も高い効果のみ適用」などがあれば、それが答えです。スタック(累積)するが上限がある
「攻撃するたびに攻撃力が上がる。最大10スタック」など、積み上げ型のパッシブは上限が設けられます。
重要なのは、スタックの“維持条件”です。戦闘外で消えるのか、時間で減衰するのか、被弾で失うのかで運用が変わります。
スタック型は強い反面、維持できないと期待値が落ちるため、初心者は「維持が簡単なスタック」から試すと失敗が少ないです。
条件を満たしていないのに効かないのはなぜ?
「取ったのに効かない」と感じたときは、次の原因が多いです。ここはトラブルシューティングとして使えるよう、具体的に整理します。
条件を満たしていない
HP割合、距離、状態異常、武器種、属性、ロールなど、前提がある。装備条件が外れている
セット装備、武器カテゴリ、特定アイテム所持など。ONが必要なトグル型
パッシブだと思っていたら切替型で、ONにしていなかった。内部クールダウンや頻度制限
「一定確率」と思っていたが、「〇秒に1回まで」で発動が抑えられている。対象制限がある
雑魚には効くがボスには効かない、対人では倍率が違う、など。表示上反映されない
軽減や内部計算がステータス画面に出ないタイプがある。ログや実測で確認が必要。別効果と競合している
同系統上書きで、別の強化に負けて無効化されている。
確認手順としては、次の順が安全です。
ツールチップで条件・頻度制限・対象制限を読む
発動ログ、エフェクト、バフ欄で発動有無を見る
可能なら訓練場や同条件でダメージ比較をする
それでも不明なら、公式ヘルプや最新パッチノート、信頼できる検証情報を見る
「効かない」はバグの可能性もゼロではありませんが、まずは条件・頻度・競合を疑うのが現実的です。
対義語はポジティブ?アクティブ?(文脈で整理)
この疑問は意外と多いです。「パッシブ」の反対は「ポジティブ」と思い込んでしまうケースがありますが、ゲーム文脈での対義は基本的にアクティブです。
「ポジティブ/ネガティブ」は感情や評価の軸であり、スキル分類の軸(操作の有無)とは別物です。
整理すると次の通りです。
パッシブ/アクティブ:発動が受動か能動か(操作が必要か)
ポジティブ/ネガティブ:前向きか後ろ向きか(評価・感情)
バフ/デバフ:有利効果か不利効果か(効果の方向)
この区別を押さえておくと、攻略会話でも混線しません。
また、ゲームによっては「アクティブ(能動)に近いが自動発動」という中間が存在するため、最終的には「押すか」「自動か」「維持か」を軸に理解するのが実用的です。
まとめ
パッシブスキルとは、発動ボタンを押すなどの操作をしなくても、習得・装備・条件のもとで自動的に効果が働くスキルの総称です。最も分かりやすいのは常時効果型ですが、条件付き自動発動型、装備依存型、成長補正型、切替型など、似た挙動が混在するため、言葉だけで判断すると混乱が起きます。
迷ったら「押して発動するか」を第一基準にし、ツールチップの「常時」「自動」「〇〇のとき」「一定確率」「装備中」などのキーワードと、頻度制限(内部クールダウン)や重複・上書きルールを確認してください。
また、パッシブが優先されやすいのは、平均値を押し上げて再現性が高く、火力・耐久・立ち回りの土台を作るからです。初心者はまず生存系と操作負担軽減系、次に火力期待値系、最後に条件が厳しいもの、という順で取ると失敗が少なくなります。
運営型ゲームではアップデートで挙動が変わることもありますので、違和感がある場合はゲーム内の最新説明を最優先に確認し、条件・頻度・競合まで含めて見直すことが、損をしない最短ルートです。