OBSでVALORANTを配信・録画しようとしたのに、プレビューが真っ黒のまま、ゲームキャプチャが反応しない、録画ファイルが黒画面になる――この手のトラブルは、配信者にとってかなり切実です。特に「昨日までは普通に映っていたのに、今日になって突然映らない」というパターンは、設定ミスではなく、OBSの更新やWindows側の挙動、VALORANTのアンチチート(Vanguard)との相性など、複数要因が絡むことが多いのが厄介な点です。
この記事では、次のような方を主な対象として、原因の切り分けから最短復旧、安定化、再発防止までを一気通貫で解説します。
定期的に配信・録画をしており、今夜の配信に間に合わせたい方
画面キャプチャで妥協はできるが、本当はゲームキャプチャで取り込みたい方
OBSの更新後に映らなくなり、バージョン起因か設定起因かを見極めたい方
一度直して終わりではなく、次のアップデートで同じ事故を起こしたくない方
記事内では「とりあえず映す」ための手順を最優先で示し、その後に「なぜ起きたのか」「どう運用すれば安全か」を整理します。最初に言い切っておくと、配信の現場では“正しい理屈”より“確実に映る手順”が価値を持つ瞬間があります。ですので、まずは最短ルートで配信を成立させ、その後にゲームキャプチャへ戻す・安定化する、という順序で進めるのが失敗しにくい進め方です。
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OBSでVALORANTが映らない主な原因
ゲームキャプチャが真っ黒になるパターン
「ソースはゲームキャプチャにしているのに、プレビューが真っ黒」「ゲーム音は入るのに映像だけ黒い」「VALORANT以外のゲームは映るのにVALORANTだけ映らない」――この代表例が、ゲームキャプチャ特有の“フック”がうまく刺さらないケースです。
ゲームキャプチャは、ざっくり言えば「ゲームの描画に近いところを取りに行く」仕組みです。そのため、以下の条件で失敗しやすくなります。
権限差:OBSが通常起動、ゲームが管理者権限、またはその逆
権限が揃っていないと、取り込み側がゲーム側にアクセスできず、結果として黒画面になることがあります。表示モードとの相性:フルスクリーン(排他)か、ボーダーレス(ウィンドウフルスクリーン)か
環境によってはフルスクリーン排他で取得が不安定になり、ボーダーレスにしたら映る、ということがあります。別オーバーレイや録画機能との競合:GPUドライバの録画機能、Discordオーバーレイ、各種モニタリングツールなど
“描画に介入するもの同士”は競合しやすく、どちらかを切ると映る場合があります。GPUの割り当て不一致:ノートPCや内蔵+外部GPU構成で起きやすい
OBSが内蔵GPUで動き、VALORANTが外部GPUで動いていると、取り込みがうまくいかないことがあります(逆もあります)。
ここで大事なのは、ゲームキャプチャが黒い=必ずしもOBS側の設定が間違いとは限らないという点です。配信者がハマりやすいのは、黒画面を見て「ソース追加し直し」「OBS再インストール」など大手術に走ってしまうことですが、まずは“切り分け”をして、問題の層を特定した方が早いです。
切り分けの基本はシンプルで、次の質問に答えるだけでも方向性が見えてきます。
画面キャプチャなら映るか?
ウィンドウキャプチャなら映るか?
他ゲームはゲームキャプチャで映るか?
OBSの更新直後から起きたか?
VALORANT側の設定(表示モード)を変えると変化があるか?
この質問に対する答えで、原因が「ゲームキャプチャ方式の相性」なのか「そもそもOBS全体の描画取得が壊れているのか」が見えてきます。
OBS更新後に映らない・固まるパターン
「OBSを更新したら急にVALORANTが映らなくなった」「ゲームキャプチャを有効にした瞬間、VALORANTが固まる」「OBSを起動してシーンを開いたらフリーズする」――このパターンは、設定よりもバージョン差分が原因になっていることがあります。
配信ソフトは頻繁に更新され、セキュリティ面や互換性面の都合で、内部の仕組みが変わることがあります。特にゲームキャプチャ周りは、OSの保護機構・アンチチートの挙動・GPUドライバの変化に強く影響されます。そのため、OBSの大きめの更新後に「特定タイトルだけ映らない」「黒画面になる」「固まる」といった現象が出ても不思議ではありません。
ここでのポイントは、“自分の環境だけがおかしい”と決めつけないことです。更新後に現象が発生したなら、まずは「更新による互換性問題かもしれない」という仮説を置くのが合理的です。理由は単純で、設定ミスなら更新前から同じように発生する可能性が高いからです。
この場合、次のような特徴がよく出ます。
それまで安定していたシーンが、更新後に突然黒画面になる
VALORANT以外は映る(あるいはその逆)
ゲームキャプチャの追加・有効化で固まる
画面キャプチャに変えたら映る(=ゲームキャプチャの層だけが怪しい)
この特徴が当てはまるなら、対処の優先順位は「設定をいじり倒す」ではなく、「最短で映る方式に切り替える」「バージョン方針を決める」に寄せた方が、時間を溶かしにくくなります。
表示モードや権限が原因になるパターン
OBS×VALORANTのトラブルは「ゲームキャプチャの仕組み」ばかりが話題になりがちですが、実際には“足元”でつまずいているケースも少なくありません。特に多いのが、表示モードと権限です。
表示モードの典型的な落とし穴
VALORANTの表示設定は環境やモニター構成で変えられますが、次のような相性が出ることがあります。
フルスクリーン(排他)で黒画面 → ボーダーレスにしたら映る
ボーダーレスは映るが、入力遅延が気になる → どこで折り合うか悩む
デュアルモニターでフルスクリーン排他が不安定 → メインモニター固定で改善
配信では「映ること」が最優先の時間帯が必ずあります。大会やコラボ、予定が詰まっている配信ほど、表示モードを一時的にボーダーレスに寄せて安定させ、配信が落ち着いたらフルスクリーンに戻して検証する、という順番が安全です。
権限の典型的な落とし穴
次に権限です。Windows環境では、同じPC内でもアプリごとに権限が異なると、キャプチャ系で不具合が出ることがあります。
OBSが通常起動、VALORANTが管理者権限 → 取り込みが失敗する
逆にOBSが管理者、VALORANTが通常 → 別の挙動をすることもある
そのため、現場での鉄板は「OBSを管理者として起動して試す」です。これであっさり直るケースは意外とあります。もちろん、管理者起動が万能ではありませんが、「試すコストが低い割に当たりが多い」対処として優先度が高いです。
最短で映すための対処手順
まずは画面キャプチャで確実に映す
配信が迫っている状況で一番大事なのは、原因究明よりも配信・録画を成立させることです。その最短ルートが「画面キャプチャに切り替える」です。
画面キャプチャはゲームキャプチャよりも“広い範囲”を取ります。言い換えると、ゲームキャプチャが失敗する原因(フックの相性、権限差、アンチチートとの干渉)をすり抜けて映る可能性が高い方式です。ですので、最短復旧において非常に強力です。
手順:画面キャプチャで即復旧する
OBSとVALORANTをいったん終了します。
途中で設定を切り替えるより、まっさらな状態から再起動した方が安定しやすいです。OBSを起動し、該当シーンを開きます。
ソースに「画面キャプチャ」を追加します。すでにある場合は、いったん非表示→再表示でも構いません。
キャプチャ対象のディスプレイを選びます。迷う場合は、VALORANTを表示するメインモニターを選びます。
VALORANTを起動し、OBSのプレビューに映るか確認します。
映ったら、必要に応じてトリミングし、UIの見せ方を整えます。
画面キャプチャ運用での注意点(事故防止)
画面キャプチャは「映る」代わりに、事故リスクがあります。ここを押さえないと、配信が成立しても別の意味で危険です。
通知が映る:Discord、LINE、Windows通知、ブラウザ通知
→ 配信前に通知を切る、配信中は集中モードを使う、通知が出るアプリを落とす、などが有効です。個人情報が映る:デスクトップ上のファイル名、ブラウザのタブ、メッセージのポップアップ
→ 配信前にデスクトップを整理し、不要ウィンドウを閉じます。配信画面に映してはいけないものが混ざる:管理画面、決済画面、DMなど
→ “配信用デスクトップ”を作る、配信中は別モニターに寄せる、といったルール化が安全です。
ここまでやれば、少なくとも「今夜の配信が真っ黒で終わる」という最悪の事態は回避できます。そのうえで、次にゲームキャプチャ復帰や安定化に移るのが現実的です。
ゲームキャプチャにこだわる場合の優先チェック
画面キャプチャで映る状態を確保したら、次は「ゲームキャプチャに戻せるか」を試します。ただし、やみくもに設定をいじるのではなく、当たりやすい順に試すのがコツです。ここでは、配信者の現場で効果が出やすい順に並べます。
優先チェック1:OBSを管理者として起動する
最初にやるべきはこれです。理由は単純で、手間が少なく、効果が出るケースが多いからです。
OBSを終了
ショートカットやexeを右クリック
「管理者として実行」
これでゲームキャプチャが映るようになったなら、原因は権限差の可能性が高いです。毎回右クリックが面倒なら、ショートカットのプロパティから管理者実行を固定する運用もあります。
優先チェック2:ゲームキャプチャの取り込み対象を明示する
ゲームキャプチャには、ざっくり以下の取り込み方法があります(表現はOBSのUIによって多少異なります)。
フルスクリーンアプリケーションをキャプチャ
特定のウィンドウをキャプチャ
特定の実行ファイルを指定する(環境による)
ここで効果が出やすいのは「特定のウィンドウに固定」する方法です。自動検出に任せると失敗する環境でも、明示指定で映るケースがあります。
VALORANTを起動しておく
ゲームキャプチャのプロパティを開く
対象をVALORANTのウィンドウに指定する
優先チェック3:VALORANTの表示モードをボーダーレスにする
フルスクリーン排他でうまく取れない場合、ボーダーレスで映ることがあります。入力遅延の好みは人によりますが、まずは映る状態を作り、その後に遅延や安定性を見て調整するのが安全です。
フルスクリーン排他 → ボーダーレス
可能なら解像度とリフレッシュレートも合わせる(モニター混在時)
優先チェック4:オーバーレイ・録画系を切って競合を疑う
競合は“犯人が見えにくい”のが特徴です。そこで、原因切り分けとして「一時的に切る」のが有効です。
Discordオーバーレイ
GPUドライバの録画機能(ハイライト録画など)
画面に重なるFPS表示、モニタリングツール
ほかの録画・配信ソフト
全部を永久に切る必要はありません。「切ったら映った」なら、その要素が絡んでいるので、必要なものだけ戻しながら原因を特定します。
優先チェック5:GPUの割り当てを揃える
ノートPCや内蔵+外部GPUの環境では、OBSとVALORANTのGPUがズレることで不具合が出ることがあります。ここは環境依存が強いので、最短でできる範囲としては以下を試します。
Windowsのグラフィック設定で、OBSとVALORANTの使用GPUを揃える
GPUドライバのコントロールパネルで優先GPUを設定する
これで改善する場合は、以後のアップデートでも再発しやすいので、設定をメモしておくのが重要です。
固まる・フリーズする場合の切り分け
「映らない」より厄介なのが「固まる」「フリーズする」です。固まる場合は、次の2つを切り分けるだけで対処が一気に楽になります。
A:OBSだけが固まっているのか
B:VALORANT側(ゲーム)が固まっているのか
まずやること:再現条件を短くする
フリーズは再現条件が長いほど検証が難しくなります。以下のように“最小構成”で再現するかを見ます。
新規シーンを作る
ソースはゲームキャプチャだけにする(余計なフィルタやブラウザソースを外す)
VALORANTを起動し、ゲームキャプチャを有効化した瞬間に固まるか確認する
最小構成で固まるなら、競合やソース構成ではなく「ゲームキャプチャの層」「権限」「バージョン相性」が疑わしいです。
画面キャプチャで安定するかを見る
フリーズの切り分けで強いのは「画面キャプチャに変えると安定するか」です。
画面キャプチャなら安定 → ゲームキャプチャ固有の問題が濃厚
画面キャプチャでも不安定 → OBS全体の設定、GPUドライバ、他ソース負荷の可能性
特に「ゲームキャプチャを触った瞬間だけ固まる」場合は、ゲームキャプチャ側の問題である可能性が高くなります。
更新直後に固まるなら、バージョン相性を疑う
更新直後から固まるなら、設定ミスよりも更新要因の可能性が上がります。この場合、配信者にとって現実的な方針は次のどれかです。
画面キャプチャで当面運用する
互換性の改善が入ったバージョンに乗る
どうしても必要ならロールバックする
原因の正体を突き止める“研究”を始めると時間が溶けがちなので、本番が迫っているなら方針を早めに決めることが大切です。
取り込み方式の選び方(ゲーム・画面・ウィンドウ)
方式別のメリット・デメリット比較表
「結局どれが正解なのか」は、配信者の目的によって変わります。ここでは、配信・録画での実用面に寄せて比較します。
| 方式 | 映りやすさ | 負荷 | 事故リスク(通知等) | 画質/安定 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| ゲームキャプチャ | 環境・相性で左右される | 比較的軽いことが多い | 低い | 安定しやすい傾向 | 本番の安定を最優先したい、通知を絶対映したくない |
| 画面キャプチャ | 強い(困ったらこれ) | 環境次第で重くなることも | 高い | 構成次第 | とにかく今夜映したい、相性問題を回避したい |
| ウィンドウキャプチャ | 中(表示モード依存) | 中 | 中 | 環境次第 | 妥協点が欲しい、ボーダーレス運用で安定させたい |
この表を見て分かる通り、画面キャプチャは“映りやすい”代わりに“事故りやすい”です。ですので、「画面キャプチャで復旧したら終わり」ではなく、事故防止の運用とセットで考える必要があります。
おすすめの選択基準(配信/録画/低負荷)
配信者にとって大事なのは、“自分の状況で迷わず決められる基準”です。ここでは、よくある状況別に推奨をまとめます。
1)今夜の配信が迫っていて、とにかく映したい
画面キャプチャを最優先にします。
通知や個人情報の事故が怖いなら、配信中だけ通知を切る・不要アプリを落とす・デスクトップを整理する、を即実施します。
配信が終わってからゲームキャプチャ復帰の検証をします。
2)通知や個人情報を絶対に映したくない
ゲームキャプチャを優先します。
ただし映らない場合は、権限・表示モード・対象指定を優先順に試し、それでもダメなら“画面キャプチャの事故対策を強化して運用”という現実解も持っておきます。
事故対策の例:配信用ユーザーアカウントを作る、配信用デスクトップを固定する、ブラウザを別プロファイルにする、など。
3)なるべく負荷を抑えたい、PCスペックがギリギリ
基本はゲームキャプチャが有利なことが多いです。
ただし、相性で映らないなら本末転倒なので、画面キャプチャで映る状態を確保し、解像度やFPSを調整して負荷を抑えます。
OBS側の出力解像度、FPS、エンコーダ設定の見直しも同時に行うと安定しやすいです。
4)ボーダーレス運用で妥協してもいい
ウィンドウキャプチャが選択肢になります。
ただし、ウィンドウキャプチャも環境次第で癖があるので、最終的に「安定している方式を固定」するのが重要です。
“毎回設定を変えている”状態が一番事故を呼びます。
OBS 31系とVanguard問題の整理と対策
何が起きていたか(証明書・署名の話を噛み砕く)
VALORANTはVanguardというアンチチートを採用しており、ゲーム内の不正介入を検知・防止する仕組みが強めです。ゲームキャプチャはゲームの描画に近い層へアクセスするため、アンチチートと干渉しやすい領域にあります。
ここでよくある誤解が、「OBSが悪い」「VALORANTが意地悪している」という単純化です。実際には、配信ソフト側もセキュリティ要件やOS側の仕組みに合わせて内部を更新し、アンチチート側も不正対策として監視を強化する――その結果、互換性のズレが一時的に表面化することがあります。
このとき配信者が理解しておくべきポイントは次の通りです。
ゲームキャプチャは“繊細な機能”であり、OS・OBS・アンチチート・GPUドライバの影響を受けやすい
大型アップデート後は、互換性が一時的に崩れることがあり得る
だからこそ、本番運用では「更新の仕方」と「代替手段」を整えておく必要がある
ここを押さえるだけで、「映らない=自分の設定が悪い」と決めつけて迷走する確率が下がります。
直る条件と現実的な運用(31.1系、回避策、ロールバック)
本番を抱える配信者にとって重要なのは、“理屈よりも方針”です。現実的な運用としては、大きく3つの方針に分かれます。
方針1:改善が入ったバージョンで運用する
互換性問題が解消されると、ゲームキャプチャが元通り使える可能性があります。もし改善が入ったバージョンを使うなら、次の点をルール化すると安全です。
本番前に更新しない(少なくとも前日~当日は避ける)
更新したら必ずテスト配信・テスト録画で“VALORANTが映るか”を確認する
シーン・プロファイルをバックアップしておく(戻せる状態を作る)
方針2:当面は画面キャプチャで回避して運用する
最短復旧に強いのが画面キャプチャなので、本番運用としても「当面はこれで回す」という判断は十分ありです。ただし、前述の通り事故リスクがあるので、運用でカバーします。
通知を切る(集中モード、アプリ通知オフ)
配信前にデスクトップを空にする
個人情報が出る作業は配信前後で分離する
可能なら配信用のユーザーアカウントを作る
「画面キャプチャは妥協」という意識が強いと、つい中途半端にゲームキャプチャへ戻してまた壊れます。方針として「当面は画面キャプチャで固定する」と決めると、精神的にも運用的にも安定しやすいです。
方針3:どうしてもゲームキャプチャが必要ならロールバックする
大会配信や、画面キャプチャでは絶対に事故が怖い状況など、「ゲームキャプチャが必須」のケースもあります。その場合はロールバック(前のバージョンへ戻す)という選択肢が出ます。
ただし、ロールバックは万能ではありません。プラグイン互換や設定差分が絡むため、次の手順が安全です。
現在のOBSのプロファイルとシーンコレクションを必ずバックアップ(エクスポート)
可能なら別フォルダ・別プロファイルで検証環境を作る
ロールバック後にVALORANTの映り、音、録画、配信、切り替えの安定性を一通り確認する
“戻したら終わり”ではなく、“戻した状態を本番で使える品質に整える”必要がある点は押さえておきたいところです。
更新前チェックとバックアップ手順
再発防止で一番効くのは、実は「設定テク」ではなく「更新の作法」です。配信者は忙しく、つい「アップデート通知が来たから更新」しがちですが、配信はライブ性が高い分、更新事故が致命傷になりやすいです。ここでは、すぐに取り入れられる更新前ルールをまとめます。
更新前チェックのルール(おすすめ)
本番前日にOBSを更新しない
どうしても更新するなら、テスト時間を確保できる日に行います。更新したら必ずVALORANTでテストする
OBSの起動だけでは不十分です。VALORANTを起動し、ゲームキャプチャ・画面キャプチャ両方で映りを確認します。“映る構成”を1つ固定しておく
画面キャプチャでもいいので、緊急時の保険シーンを常設します。バックアップを取る
シーンコレクションとプロファイルはエクスポートしておくと安心です。プラグインを使っている場合は、そのバージョンもメモします。
バックアップ手順(最低限)
OBSの設定から、プロファイルのエクスポートを行う
シーンコレクションのエクスポートを行う
可能なら、配信設定(ビットレート、エンコーダ、出力解像度、FPS)もスクショで残す
プラグイン導入がある場合は、プラグイン一覧とバージョンを控える
これだけで、「更新したら壊れた」ときに“戻れる”状態が作れます。戻れない環境は、焦りが増えて余計な操作をしがちで、復旧が遠のきやすいです。
よくある質問
画面キャプチャだと重い?遅延は?
画面キャプチャは環境によっては負荷が増えることがあります。ただし「重い=使えない」ではありません。まずは次の順で調整すると、安定しやすいです。
OBSの出力解像度を一段下げる(例:1080p→900pや720p)
FPSを落とす(例:60→30)
余計なフィルタやブラウザソースを減らす
ゲーム内の設定(影や描画距離など)を少し落とす
遅延に関しては、画面キャプチャ自体が必ず遅延を増やすというより、PCの負荷が増えて処理落ちすることで体感遅延につながるケースが多いです。まずは負荷を抑えて安定させ、その上で段階的に品質を上げるのが安全です。
管理者起動は毎回必要?
環境によっては必要になることがあります。特に「管理者起動で映るようになった」なら、以後も同様の条件で安定しやすいです。
毎回右クリックするのが面倒な場合は、OBSのショートカットに管理者実行を固定する方法があります。ただし、会社PCや制限のある環境では管理者権限が使えない場合もあるので、その場合は表示モードや取り込み方式の見直しで対応するのが現実的です。
デュアルモニターや高Hzで不安定になる?
不安定になることはあります。モニターのリフレッシュレートが混在(例:240Hz+60Hz)している場合や、フルスクリーン排他を使っている場合に挙動が怪しくなることがあります。
対処としては、まず“安定側”に寄せて検証します。
メインモニターにVALORANTを固定する
表示モードをボーダーレスにしてみる
OBSのプレビューの負荷を下げる(必要ならプレビュー無効化)
余計なオーバーレイを切る
安定してから段階的に元の構成へ戻すと、原因が特定しやすくなります。
録画は黒いのに配信は映る(逆も)原因は?
この症状は、ソースの映り以前に「出力側の参照」がズレているケースが多いです。たとえば次のようなパターンがあります。
録画は別のシーン/別のソースを参照している
配信中にシーンを切り替えたが、録画側は固定されていた
録画設定(出力先、エンコーダ、フォーマット)で失敗している
フィルタやトランジションの影響で、録画側だけ黒になる挙動が出ている
まず確認すべきは、OBSのプレビューで「録画・配信に出したいシーンが正しく表示されているか」です。次に、録画開始・配信開始をした際に同じシーンが出力されているかを確認します。ここが揃っていないと、ソースが正しくても結果が黒になることがあります。
まとめ
今日やるべきことチェックリスト
最後に、この記事の内容を「今日やること」に落とし込みます。迷ったらこの順で進めると、復旧までの時間を短縮しやすくなります。
画面キャプチャでまず映る状態を作る(今夜の配信・録画を成立させる)
画面キャプチャ運用なら、通知・個人情報の事故対策を先に固める(集中モード、不要アプリ停止、デスクトップ整理)
ゲームキャプチャに戻したい場合は、次の順に試す
OBSを管理者として起動
ゲームキャプチャの対象を明示(特定ウィンドウ指定)
VALORANTをボーダーレスへ
オーバーレイや録画系の競合を切り分け
GPUの割り当てを揃える
固まる・フリーズが絡む場合は、最小構成で再現させ、画面キャプチャで安定するかを確認して原因層を特定する
再発防止として、更新前チェックとバックアップをルール化する(本番前日の更新を避け、テストを必ず行う)
OBSでVALORANTが映らないトラブルは、設定ミスだけでなく、更新・互換性・権限・表示モード・競合などが複合しやすいのが特徴です。だからこそ、まずは“映る方式”で配信を成立させ、次にゲームキャプチャ復帰や安定化、最後に更新運用を整える――この順番で進めるのが、最短で確実な進め方です。