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NSTで赤ちゃんが苦しいサインと言われたら?波形の意味と受診の目安

NST(ノンストレステスト)で「赤ちゃんが苦しいサインかもしれない」「反応が弱いね」と言われた瞬間、頭が真っ白になってしまう方は少なくありません。大切な赤ちゃんのことだからこそ、不安が一気に押し寄せて当然です。
ただ、ここで知っておいてほしいのは、NSTの言葉がそのまま「今すぐ危険」を意味するとは限らないということです。NSTは赤ちゃんの心拍とお腹の張りを見て状態を確認する検査ですが、赤ちゃんの睡眠周期やママの体位、装置の当たり方でも波形は変わります。そのため多くの場合、時間を延長して見直したり、体位を変えたり、必要に応じて超音波などを組み合わせて総合的に判断します。

この記事では、「苦しいサイン」と言われたときに医療者が波形のどこを気にしているのかを、専門用語をできるだけ噛みくだいて整理します。さらに、よくある原因早めに確認したいパターンを切り分け、今日すぐ病院に連絡したい症状のチェックリスト、そして診察で聞くと安心につながる質問例までまとめました。読み終えたときに「何を見て、どう動けばいいか」がはっきりし、不安のまま抱え込まずに次の一歩を選べるようになるはずです。

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目次

NSTで赤ちゃんが苦しいサインと言われたら最初に知っておきたいこと

まず安心のために押さえるポイント

NST(ノンストレステスト)で「赤ちゃんが苦しいサインかも」「反応が弱いね」と言われると、頭の中が真っ白になる方は少なくありません。ですが、ここでいちばん大切なのは、その言葉が“今すぐ危険”を意味するとは限らない、という点です。

NSTは、赤ちゃんの心拍とお腹の張り(子宮収縮)を記録して、赤ちゃんが子宮の中で元気に過ごせているかを確認する検査です。記録は一般に20〜40分ほど行われることが多く、赤ちゃんが寝ている時間帯だと、反応が弱く見えることがあります。だからこそ、時間を延長したり、装置の位置を直したり、体位を変えたりして“条件を整えてから”判断する流れがよく取られます。

つまり、「苦しいサイン」という言葉は、医療者が波形の中に“気になる要素”を見つけた、というサインであることが多く、次にやるべきことは主に2つです。

1つ目は、その言葉が指している具体的な所見(どの波形のことか)を確認すること
2つ目は、今日の状態として急ぐべき状況なのか、再検査や追加評価で確認する段階なのかを整理すること

この2点が整理できると、不安はかなり落ち着きます。

NSTとCTGはどう違うのか

医療現場では「CTG(胎児心拍数陣痛図)」という言い方もよく使われます。CTGは、胎児心拍と子宮収縮の時系列データそのものを指し、NSTはその記録を“陣痛がない(または弱い)状態=ノンストレス”で行う検査として語られることが多い、というイメージです。

分娩中(陣痛が強い状況)のCTGは、医学的には「分娩時胎児管理(波形のレベル分類など)」の文脈で語られます。一方、妊婦健診などのNSTは、睡眠周期などの影響も大きく、“その場の波形だけで結論を出す”よりも、再測定や超音波などを組み合わせた総合評価が中心になります。


NSTで赤ちゃんが苦しいサインと言われる理由は波形のどこにあるのか

CTGで必ず見る5項目を知ると不安が整理しやすい

「苦しいサイン」と言われたとき、読者がまず知りたいのは「波形のどこを見て、そう判断したの?」という点です。ここは、医療者がCTGを読むときに基本としている項目を知っておくと、驚くほど整理しやすくなります。

CTG判読の基本として、少なくとも次の5項目を順にチェックすることが推奨されています。

  • 胎児心拍数の基線(10分間のおおよその心拍数)

  • 基線細変動(心拍の細かな揺れ)

  • 一過性頻脈(短時間の心拍上昇)

  • 一過性徐脈(短時間の心拍低下)

  • 子宮収縮(張り)

医療者が「苦しいサイン」と言うときは、このうち “心拍が下がる”“揺れが少ない”“上がる反応が弱い”“張りと連動して下がる” といった要素を、総合して気にしていることが多いです。

よくある言い回しを波形の言葉に翻訳する

医療者の言葉は、施設や職種で少しずつ違います。そこで、よくある表現を「波形のどの要素に対応するのか」に翻訳しておくと、次に何を確認すべきかが見えてきます。

医療者の言葉→NST/CTG要素→一般的な意味→次に確認すること

医療者の言葉の例 対応しやすい要素 何を心配していることが多いか 次に確認すると安心なこと
「反応が弱い」「元気がない」 一過性頻脈(上がる反応)が少ない 睡眠の可能性、条件が整っていない可能性、追加評価の必要性 記録時間は十分か(20〜40分)、寝ていないか、延長や刺激で再評価したか
「ゆらぎが少ない」 基線細変動 自律神経反応の弱さが疑われる(睡眠でも一時的に減る) 睡眠周期の可能性、継続して低下しているか、他の所見と組み合わさっていないか
「張りのとき下がる」 徐脈と子宮収縮の関係 臍帯圧迫や胎盤機能など、張りで酸素供給が揺らぐ可能性 下がり方の種類、繰り返し、回復、細変動が保たれているか
「戻りが遅い」「長く下がる」 遷延する徐脈/回復遅延 低酸素・酸血症リスクの評価が必要になることがある 追加検査の計画(超音波等)、今日の対応方針(帰宅/再検/入院)

この表の目的は、恐怖を増やすことではなく「言葉の意味を具体化して、医師と同じ地図を持つ」ことです。地図があれば、必要な行動だけを取れるようになります。


NSTで赤ちゃんが苦しいサインになりやすい波形の特徴

基線細変動が少ないときは睡眠の影響も大きい

「ゆらぎ(基線細変動)が少ない」と言われると、最悪の事態を想像してしまう方が多いです。ただ、赤ちゃんは睡眠状態によって波形が変わります。胎児は20〜40分程度で睡眠サイクルを変えるとされ、ノンレム睡眠のときは細変動が減り、心拍が上がる反応が出にくいことがあります。

このため、医療現場では次のような“条件調整”がよく行われます。

  • 記録時間の延長(睡眠から覚めるのを待つ)

  • 刺激で反応を見る(施設方針により)

  • 装着位置の調整(心拍を正確に拾い直す)

大事なのは、細変動が少ないこと“単独”ではなく、他の所見(繰り返す徐脈、回復の遅さなど)との組み合わせで評価される点です。分娩時管理の指針でも、波形を段階的に分類して対応を考える枠組みが提示されています。

心拍が下がるときは「種類」「繰り返し」「回復」「細変動」をセットで見る

NSTで見える心拍低下は一過性徐脈と呼ばれ、15秒以上2分未満の心拍数減少として整理されます。
ここで重要なのは、「下がった」事実だけではなく、下がり方の特徴です。

  • 種類(どんな形で下がるか)

  • 繰り返し(何度も出るか)

  • 回復(戻りが速いか、遅いか)

  • 細変動(ゆらぎ)が保たれているか

この4点がセットになると、医療者が何を心配しているのかが見えやすくなります。

「反応が弱い(non-reactive)」は“即危険”ではなく“追加評価の入口”になりやすい

NSTでは、赤ちゃんが動いたときに心拍が上がる反応(加速)が一定程度見られると「反応がある」と評価されやすいです。反応が乏しい場合(non-reactive)は、睡眠などでも起こり得るため、時間延長や追加評価で確認していく流れが一般的です。

不安なときは、次の質問が役立ちます。

  • 「反応が弱いのは、睡眠の可能性が高いですか?」

  • 「時間延長や体位変更、装着調整で改善しましたか?」

  • 「次はいつ、何で確認しますか(NST再検、超音波など)?」


NSTで赤ちゃんが苦しいサインが出たときに病院で起こりやすい対応

その場でまず行われやすいことは“条件を整えて再評価”すること

医療者が「気になる」と感じたとき、いきなり大きな結論に飛ぶより前に、まずは“測定条件”を整えて波形がどう変わるかを見ます。CTGは、装着位置や体位、赤ちゃんの姿勢でも波形が変わるためです。

NSTでよくある対応(その場→次の一手)

目的 よくある対応 期待していること
睡眠の影響を除く 時間延長(20→40分など) 起きたタイミングで反応が出るか確認
母体の不調を改善 体位調整(左向き、上半身を起こす) 仰臥位低血圧などを避け、測定を安定させる
波形の正確性を上げる 装着位置の調整 心拍を正確に拾い直す
追加評価へ 超音波など(施設により) 胎児の状態を多面的に確認

再検査(後日NST)が選ばれやすいケース

次のような場合は、緊急対応よりも「後日再検」や「NST頻度を増やして見守る」が選ばれることがあります。

  • 反応が乏しいが、睡眠が疑われる

  • 体位や時間延長で改善が見られる

  • 自覚症状(胎動など)が普段どおりに戻る

  • 医師が総合的にリスクが低いと判断する

ここは施設差があるため、「今回の所見名」「次回の確認方法」「帰宅後の注意点」を言語化して持ち帰ることが重要です。


NSTで赤ちゃんが苦しいサインと関係しやすい原因を整理する

胎児の睡眠周期は“よくある原因”の代表

最も多い誤解は、「反応が弱い=赤ちゃんが苦しい」と短絡してしまうことです。赤ちゃんは寝ているとき、反応が弱く出やすく、NSTの時間延長が行われる背景にもなります。

臍帯の圧迫や赤ちゃんの姿勢で一時的に心拍が下がることがある

赤ちゃんの動きや姿勢、臍帯の位置によって、一時的に心拍が下がるような波形が見えることがあります。重要なのは、下がり方がどうか、戻りがどうか、そして細変動が保たれているかです。ここが「よくある範囲」なのか「追加評価が必要」なのかの分かれ目になりやすいです。

胎盤機能が関係する場合は“組み合わせ”で注意が上がりやすい

胎盤を介した酸素供給が厳しくなる状況では、張り(子宮収縮)に伴う変化が繰り返されるなど、複数の所見が重なることがあります。分娩時の指針では、波形を段階分類して対応の方向性を考える枠組みが示されています。
妊婦健診でのNSTでも、背景(妊娠週数、超音波の所見、母体の状況)と合わせて慎重に評価されます。

母体が苦しい場合は仰臥位低血圧症候群の可能性がある

NST中に「自分が苦しい」「気分が悪い」と感じた場合、赤ちゃんの問題ではなく、妊婦さんの体位によって血圧が下がる仰臥位低血圧症候群が関係していることがあります。あお向けで大きくなった子宮が血管を圧迫し、めまい・冷や汗・吐き気などが出ることがあります。体位を変えることで改善することが多いので、我慢せずすぐに伝えてください。


NSTで赤ちゃんが苦しいサインかもと言われたときの線引き早見表

“単独所見”より“組み合わせ”で注意度が上がりやすい

NSTの説明で混乱しやすいのは、「ある所見が出たら即危険」という単純な話ではないことです。実際には、所見の組み合わせと持続、回復、背景で考えます。

ここでは不安を煽らず、行動を整理するために「よくある」と「急いで確認したい」を分けて早見表にします(最終判断は医療者が行います)。

NSTの線引き早見表(目安)

状況(例) まず考えやすいこと 次に起こりやすい対応
反応が乏しいが、時間延長で改善する 睡眠周期の可能性 記録延長/必要なら再検
体位変更で波形が安定する 母体体位・装着の影響 左向き・上半身挙上、装着調整
一時的な低下があるが回復が速く、細変動が保たれている 一時的な影響の可能性 経過観察/追加確認(施設判断)
細変動の低下が続き、低下が繰り返される/回復が遅い 追加評価の必要性が高まりやすい 追加検査、医師の総合判断で対応検討
長く下がる(遷延)ように見える、所見が重なる 緊急度の評価が必要になることがある その場で方針決定(帰宅/再検/入院等)

この表で大切なのは、「怖いから全部危険」でも「大丈夫と言い切る」でもなく、“何を見て次を決めるか”を理解することです。


NST後に自宅でできる確認と受診の目安

胎動はもっとも大切なサインの一つ

NSTの波形よりも、日常での変化として重要なのが胎動です。いつもより明らかに少ない、感じにくい状態が続くときは、自己判断で長く様子を見ず、産院に相談してください。
「気のせいかも」と思っても、相談してよい理由になります。特にNSTで気になる所見があった直後は、遠慮せず連絡するほうが安全です。

張り(お腹の硬さ)が増えるときは“休んで変わるか”も材料になる

張りは妊娠後期に増えることがありますが、休んでも引かない、規則的に強くなる、痛みが増す、という場合は早めに連絡しましょう。NSTで「張りのとき下がる」などと言われた場合も、張りの頻度が増えてきたら相談するほうが安心です。

今日すぐ病院に連絡したい症状チェックリスト

チェック項目 目安
胎動が明らかに少ない/感じない状態が続く 迷ったら連絡
出血がある 量に関わらず連絡(指示を仰ぐ)
破水が疑われる(さらさらした液体が持続的に出る) すぐ連絡
強い腹痛、今までにない痛み すぐ連絡
規則的で強い張りが続く(休んでも収まらない) 連絡
発熱や強い体調不良がある 連絡

「今この程度で電話していいのかな」と悩むときほど、電話で状況を伝えて指示を仰ぐのが安全です。


NSTで赤ちゃんが苦しいサインと言われたときに役立つ質問例

波形で問題になった点を“所見名”に近づけて聞く

医療者は波形を総合的に見ています。こちらも、ふわっとした言葉のまま帰ると不安が残りやすいので、次のように“具体化”して聞くのがおすすめです。

  • 「今日『苦しいサイン』と言われたのは、どの要素ですか?(反応の弱さ、ゆらぎ、心拍低下、張りとの関係など)」

  • 「赤ちゃんが寝ている影響の可能性は高いですか?記録時間は十分でしたか?」

  • 「体位変更や装着調整で改善はありましたか?」

次回までの過ごし方と、次に確認する検査を聞く

  • 「次はいつ再検査ですか?その間に注意する症状は何ですか?」

  • 「胎動が少ない日は、どのタイミングで連絡すればよいですか?」

  • 「張りが増えた場合の連絡目安を教えてください」

分娩方針に影響するかを確認する

  • 「今回の所見は、分娩方法(誘発や帝王切開の可能性)に影響しますか?」

  • 「今後NSTの頻度は増えますか?」

  • 「追加検査が必要なら、何を見て判断しますか?」

聞きたいことをメモにして渡すと、短い診察時間でも確認しやすくなります。


よくある質問:NSTで赤ちゃんが苦しいサインと言われたら

NSTで心拍が一度下がったら必ず危険ですか

必ず危険というわけではありません。一時的な心拍低下は状況により起こり得ます。重要なのは、下がり方の特徴、繰り返し、回復、そして細変動が保たれているか、という組み合わせです。分娩時の指針でも、波形を段階的に評価して対応を考える枠組みが示されています。

NSTで「反応が弱い」と言われました。赤ちゃんは苦しいのですか

睡眠周期の影響で、反応が弱く見えることがあります。NSTが20〜40分程度で行われる背景には、寝たり起きたりの周期があるため、起きているタイミングで評価したいという目的があります。時間延長や再評価の計画があるかを確認すると安心につながります。

NST中に母親が気分不良になります

妊娠後期はあお向けで血圧が下がり、息苦しさやめまいが出ることがあります(仰臥位低血圧症候群)。左向きになったり上半身を起こしたりすると改善することが多いので、すぐにスタッフへ伝えて体位調整してもらってください。


まとめとしての整理:不安を減らしつつ見落とさないために

今日の要点

  • 「苦しいサイン」は“気になる要素がある”という合図で、即危険と限らない

  • CTGでは、基線・細変動・一過性頻脈・一過性徐脈・子宮収縮の5項目を基本に見ていく

  • NSTでは睡眠周期の影響が大きく、時間延長や条件調整で再評価されることがある

  • 急ぎ度は「単独所見」ではなく「組み合わせ・持続・回復・背景」で上がりやすい

  • 胎動減少、出血、破水、強い痛み、規則的で強い張りは迷わず連絡

次に取るべき行動

  • 今日言われた「苦しいサイン」が、表Aのどれに近いかを確認し、所見名に近い形で質問する

  • 帰宅後は胎動と症状を観察し、チェックリストに当てはまるなら早めに産院へ連絡する

  • 次回の再検査・追加評価の計画を必ず言語化して持ち帰る


参考にした情報源