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飲み会に行きたくない人へ|罪悪感を減らす伝え方と角が立たない断り方で今後の対策

仕事終わりの飲み会に誘われた瞬間、「正直行きたくない」と思ってしまう。けれど、断ると角が立ちそうで怖い。参加しないと評価が下がるのでは、と不安になる。そんな気持ちを抱えていませんか。

飲み会が苦手な理由は、人それぞれです。お酒が得意ではない、会話に気を遣って疲れる、プライベートの時間を守りたい、出費が痛い――どれも自然な感覚です。問題は「行きたくない」ことではなく、断り方や線引きが曖昧なまま、罪悪感だけが積み上がってしまうことにあります。

本記事では、上司・同僚・幹事それぞれに使える角が立たない断り方の型と例文、行く会と行かない会の線引きの作り方、一次会だけで帰るなど負担を減らす参加術まで、すぐ実践できる形で整理しました。さらに、しつこい誘いや飲酒の強要など「これはつらい」と感じる状況で自分を守るための考え方と、記録・相談の手順も解説します。

読み終えた頃には、次に誘われても迷わず、罪悪感を最小限にしながら自分の時間と心身を守れるはずです。

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飲み会に行きたくないと感じるのは普通のこと

よくある理由とモヤモヤの正体

「飲み会に行きたくない」と思うのは、決してわがままでも、協調性がないわけでもありません。そもそも飲み会は、勤務時間外に行われることが多く、参加すれば時間も体力もお金も消費します。仕事とは別にエネルギーが必要な場面だからこそ、負担を感じて当然です。

よくある理由を整理すると、次のように大きく分けられます。

  • 体力・気力が持たない:仕事終わりはすでに疲れていて、会話や気遣いを追加で求められると消耗が激しい

  • お酒が苦手/飲みたくない:体質的に弱い、頭痛や眠気が出る、翌日に残る、服薬や体調管理の都合がある

  • 会話や場のノリがしんどい:大人数の雑談、騒がしさ、下品な話題、愚痴や悪口の空気に巻き込まれる

  • プライベートを優先したい:家族との時間、趣味、休息、自己研鑽、家事など「夜の時間」に目的がある

  • 費用が痛い:参加費が高い、二次会・三次会まで流れができる、タクシー帰りになる

  • 断りにくい空気が苦しい:誘いが半ば義務のようになっており、断るだけで気まずさが生まれる

ここで見落としがちなのが、「飲み会が嫌」という感情の中身が、実は飲み会そのものよりも、飲み会に付随する「気遣い」と「同調圧力」に向いていることです。つまり、モヤモヤの正体は「行きたくない」そのものではなく、「行きたくないと言いづらい」「断った後の空気が怖い」「評価が下がるかも」という不安であることが多いのです。

さらに厄介なのは、飲み会が“人間関係の潤滑油”として語られやすい点です。表面上は「親睦」「交流」と言われても、実際は参加者のテンションや会話の質が合わず、むしろストレスが増えることもあります。そうなると、「参加しても得るものが少ないのに、断ると損をする」という理不尽さを感じやすくなります。

まずは、「行きたくない」と感じる自分を否定しないことが大切です。否定すると、断る場面で必要以上に弱気になり、説明を盛りすぎたり、相手の圧に流されたりしやすくなります。飲み会に対する自分の感覚は、生活や体調、価値観を守るための自然な反応だと捉えてください。

行かないと評価が下がる不安への考え方

飲み会を断るとき、最大の心理的ハードルは「評価が下がるのでは」という不安です。この不安があると、断ること自体が怖くなり、結果として無理に参加して疲弊します。ここでは、不安を現実的に扱うために、考え方を整理します。

まず、評価への不安は次の3つに分解できます。

  1. 事実:飲み会に誘われた。参加者が多そう。上司が来る。欠席者が少ない。

  2. 予測:「断ると悪く思われる」「付き合いが悪いと思われる」「今後の仕事がやりづらくなる」

  3. 対策:断り方を工夫する。普段の仕事で信頼を積む。別の形でコミュニケーションを取る。

このうち、変えられるのは主に3の「対策」です。事実は変えにくく、予測は当たることも外れることもあります。だからこそ、最も効果が出るのは「対策」を具体化することです。

評価を守るうえで重要なのは、飲み会の参加回数よりも、次のような日常の要素です。

  • 返事が早い、報連相が丁寧

  • 期限を守る、約束を守る

  • 困っている人を助ける、協力する

  • ミスの再発防止を行う

  • 感謝や挨拶ができる

飲み会に出ない代わりに、こうした「仕事上の信頼」を厚くすることは十分可能です。むしろ、飲み会で疲れ切って翌日にパフォーマンスが落ちるなら、出ないほうが結果的に評価にプラスになる場合もあります。

もう一つ大事なのは、「評価が下がるかもしれない」という不安をゼロにするのではなく、不安があっても行動できる状態を作ることです。飲み会は職場文化の影響を受けるため、どんなに丁寧に断っても、ゼロリスクにはなりません。ただし、リスクを最小化する方法はあります。具体的には、次の2点です。

  • 断り方を“角が立たない型”に乗せる

  • 「行く会と行かない会」の線引きを作り、重要回だけは顔を出す運用にする

この先で、その型と運用を具体的に示します。重要なのは、「飲み会に行く/行かない」を根性で決めるのではなく、仕組みで迷いを減らすことです。迷いが減ると、罪悪感も薄れ、断るときの姿勢も自然に安定します。


飲み会を角が立たずに断る基本ルール

断り方の型は感謝→結論→短い理由→代案

飲み会を断るときに最も安全で、どんな相手にも通用しやすいのが「型」を使う方法です。型とは、感情や場の空気に左右されず、一定の礼儀と一貫性を保ったまま断れるテンプレートのことです。型があると、断る側も迷いが減り、相手も受け止めやすくなります。

基本の順序は、次のとおりです。

  1. 感謝:誘ってくれたことへのお礼

  2. 結論:参加できないことを先に言う

  3. 短い理由:深掘りされにくい範囲で短く

  4. 代案:次回、別の形、短時間参加などの逃げ道

例として、最も無難なのは次の形です。

  • 「お誘いありがとうございます。申し訳ないのですが、今回は参加できません。私用がありまして。また次回ぜひお願いします。」

この型のポイントは「結論を先に言う」ことです。理由から入ると、相手は「調整できるか」「じゃあこうしたら?」と交渉モードに入りやすくなります。最初に結論があると、相手の頭が「不参加を前提に」整理されるため、余計な押し問答が起きにくくなります。

さらに、代案は必須ではありません。相手が上司で、角を立てたくない場合には「また次回ぜひ」で十分です。無理に「別日なら」などと提示すると、自分の首を絞めることもあります。代案は、状況に応じて使い分けてください。

理由は言いすぎない、嘘は整合性が命

断り方で多くの人がつまずくのが「理由をどこまで言うか」です。丁寧に説明したい気持ちが強いほど、理由が長くなり、結果的に断りづらくなることがあります。

理由を言いすぎるデメリットは次のとおりです。

  • 相手が「じゃあ終わってから来れば?」など代替案を出しやすくなる

  • 具体的すぎると、次回以降に矛盾が出やすい

  • こちらが“許可を求めている”空気になり、押し切られやすい

  • 断るたびに説明コストが増え、精神的負担が重くなる

そのため、理由は「短く」「抽象度を上げる」のが基本です。たとえば、次のような理由は扱いやすいです。

  • 先約がある

  • 家庭の都合がある

  • 体調管理を優先したい

  • 翌日早い予定がある

  • 私用がある

ここで問題になりやすいのが「嘘をついてもいいのか」です。理想論では正直が良いのですが、現実には「飲み会が苦手」「疲れるので休みたい」と言いづらい場合もあります。その場合、完全な作り話ではなく、整合性が取れる“言い換え”に留めるのが安全です。

例えば、「疲れているから休みたい」は「体調管理を優先したい」に言い換えられます。「家でやりたいことがある」は「私用がある」にまとめられます。こうした言い換えは、嘘というよりプライバシーの範囲を守る表現です。

また、理由を聞かれても詳細を言う義務はありません。押し問答になりそうなら、次のように“繰り返し”で締めます。

  • 「すみません、どうしても外せない用事がありまして」

  • 「申し訳ないのですが、今回は難しいです」

  • 「また次回お願いします」

ここで重要なのは、声量や態度で負けないことです。攻撃的になる必要はありませんが、語尾を濁して弱気になると、相手は「押せば来る」と学習します。丁寧に、しかし言い切る。このバランスが、長期的に自分を守ります。

LINE・口頭それぞれのポイント

断り方は、連絡手段によって注意点が変わります。LINEやチャットは便利ですが、文章が長いほど誤解が生まれやすく、やり取りが増えます。口頭は空気感を伝えられますが、押し切られやすいという弱点もあります。

LINE・チャットのポイント

  • 文章を短くする(長文の説明は不要)

  • 感謝と結論を最初に置く

  • 返信の回数を減らす(相手に交渉の余地を与えない)

  • “また次回”で締める(次のやり取りを生みにくい)

例:
「お誘いありがとうございます。申し訳ないのですが、今回は参加できません。また次回よろしくお願いします。」

これで十分です。気を遣って「本当は行きたいのですが…」などを付け足すと、相手は「じゃあ来られるように調整しよう」と善意で踏み込んでくることがあります。

口頭のポイント

  • 先に結論を言う(理由は後)

  • 表情は柔らかく、姿勢は落ち着いて

  • 相手が詰めてきたら同じ文を繰り返す

  • その場で決めにくいときは「確認して後で返します」と一旦切る

口頭で押し切られやすい人は、「その場で即決しない」を徹底すると改善します。特に上司相手では、反射的に「行きます」と言ってしまいがちです。判断に時間を取るだけでも、自分の選択肢を守りやすくなります。


そのまま使える断り方例文集 相手別

上司への例文

上司への断り方は、礼儀と一貫性が重要です。目的は「欠席すること」だけではなく、「仕事上の関係を崩さないこと」です。そのため、感謝と結論を明確にし、理由は短く、代案は控えめにすると安定します。

  • 「お誘いありがとうございます。申し訳ありませんが、今回は都合がつかず参加できません。また次回よろしくお願いいたします。」

  • 「ありがとうございます。明日早い予定があり、体調管理も兼ねて今回は見送らせてください。また次の機会にお願いいたします。」

  • 「ありがとうございます。長時間は難しいのですが、一次会だけ参加して途中で失礼してもよろしいでしょうか。」

上司は「参加させたい」より「チームとしてまとまっているか」を気にする場合があります。その場合、欠席でも誠実な言い方をしておけば、大きな問題になりにくいです。逆に、曖昧な返事で引き延ばすと「管理ができない人」という印象になりかねません。欠席すると決めたら早めに伝えるのが得策です。

同僚・先輩への例文

同僚や先輩相手は、距離感が職場ごとに違います。フランクに断れる文化なら軽めで構いませんが、軽すぎて角が立つ職場もあります。迷う場合は、フランクすぎず固すぎない中間を選ぶと安全です。

  • 「誘ってくれてありがとう!ごめん、その日は都合があって行けない。次回また誘って!」

  • 「ありがとう。最近ちょっと立て込んでて、今回は見送るね。また落ち着いたら!」

  • 「ありがとう!夜は難しいから、今度ランチならどう?短い時間なら行けそう。」

同僚との関係は、飲み会以外でも作れます。たとえば、昼休みに少し雑談をする、ちょっとしたお菓子を配る、仕事で助けてもらったら早めにお礼を言う。こうした小さな積み重ねがあると、飲み会を断っても人間関係のダメージは小さくなります。

幹事への例文

幹事に対して重要なのは、幹事のタスクを増やさないことです。人数確定、予約、集金など、幹事は段取りで忙しいため、欠席連絡が遅いほど迷惑になります。断る場合は、早く、明確に、短くが基本です。

  • 「お誘いありがとうございます。人数調整の前にお伝えしたく、今回は欠席でお願いします。また次回の機会があれば参加したいです。」

  • 「ご連絡ありがとうございます。申し訳ないのですが今回は参加できません。お手数をおかけしますが欠席でお願いいたします。」

もし締切後に欠席する必要が出た場合は、謝罪を強めにしつつ、理由は短くします。

  • 「直前で申し訳ありません。体調が優れず、今回は欠席させてください。ご迷惑をおかけしてすみません。」

幹事に好印象を残すコツは、「早めに伝える」「返信が早い」「必要事項だけ書く」の3つです。長文の言い訳は、幹事にとっては読む負担になります。

一度OKした後のキャンセル例文

一度参加を表明したあとにキャンセルするのは、心理的にハードルが高いものです。ただ、無理に参加して体調を崩したり、当日ドタキャンになったりするほうがダメージが大きい場合もあります。キャンセルすると決めたら、早めに伝え、短く謝るのが最善です。

  • 「先日は参加とお返事したのですが、急に都合がつかなくなり今回は欠席させてください。本当に申し訳ありません。次回はぜひ参加したいです。」

  • 「参加予定でしたが、体調が思わしくなく今回は欠席します。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」

ここで重要なのは「後ろめたさから説明を盛らない」ことです。説明を盛るほど矛盾が出やすく、さらに次のやり取りが増えます。謝罪と欠席の意思をはっきり伝え、次回に前向きな姿勢を添える程度で十分です。


行く会と行かない会の線引きで迷わなくする

参加優先度が高い飲み会の目安

飲み会に行きたくない人が一番疲れるのは、「誘われるたびに迷う」ことです。迷いが続くと、断るときの罪悪感が増え、結局流されて参加しがちになります。そこで有効なのが、飲み会を“種類で分ける”線引きです。

参加優先度が比較的高いのは、次のような会です。

  • 歓送迎会(主役がいて、欠席が目立ちやすい)

  • 異動や昇進、プロジェクト完了などの節目

  • 取引先を含む会(業務要素が強い)

  • 部署全体の公式行事(会社の慣習として位置づけが強い)

一方で、優先度が低くなりやすいのは次のような会です。

  • 目的が曖昧な「とりあえず飲もう」

  • 毎週のように開催される集まり

  • 二次会・三次会が常態化している会

  • 特定メンバーだけが盛り上がり、他は置いていかれる会

ここで大切なのは、「全部行く」「全部断る」ではなく、重要回に寄せることです。重要回だけ顔を出すスタンスが作れると、飲み会文化が強い職場でも摩擦を減らしやすくなります。

参加頻度を落とす現実的な運用

線引きを作ったら、次は運用です。運用とは、毎回の判断をルールに置き換えて、迷いを減らすことです。例として、次のような運用が現実的です。

  • 月1回まで:毎回は無理でも、月1なら許容できる人は多い

  • 節目の会だけ出る:歓送迎会、打ち上げなどに限定する

  • 一次会だけで帰る:参加姿勢は見せつつ、消耗を抑える

  • 翌日が大事な日は必ず断る:プレゼン、締切、出張、早朝対応などを優先する

  • 費用の上限を決める:参加費が高い会は断るなど、金銭面のストレスを軽減する

運用があると、断るときに「自分ルール」を根拠にできます。例えば「最近は体調管理のため、夜の予定を増やさないようにしています」「翌日のパフォーマンスを優先しています」と伝えると、相手も理解しやすいです。

さらに、運用のコツは「例外を作りすぎない」ことです。例外が多いと、周囲は「結局来られる」と判断し、誘いが減りません。重要回だけ例外にする、と決めたら、その枠の中で一貫して運用するほうが、長期的には楽になります。

誘われにくくする事前布石の作り方

断り方だけ上手くなっても、誘いが多ければ疲れます。そこで効果が大きいのが「事前布石」です。事前布石とは、誘われる前から周囲に自分のスタンスを伝え、誘う側が配慮しやすい状態を作ることです。

布石の作り方は、強い宣言ではなく、日常会話の中で自然に混ぜるのがポイントです。

  • 「最近、体調管理をしっかりしたくて、夜は早めに休むようにしています」

  • 「家の都合で夜は予定が読めないことが多いんです」

  • 「翌日の集中力が落ちるので、飲み会は控えめにしています」

  • 「お酒が体質的に合わないので、基本ノンアルです」

こうした布石があると、誘う側は「誘っても断られる可能性が高い」「負担になるかも」と感じ、無理に誘わなくなります。特に幹事タイプの人は、参加率が高い人を優先して声をかける傾向があるため、布石が効きやすいです。

また、布石とセットで大事なのが「飲み会以外での関係づくり」です。昼に短く話す、仕事の相談に乗る、感謝を伝える。こうした行動があると、「飲み会に来ない=付き合いが悪い」という短絡的な見方をされにくくなります。


どうしても断れない日の疲れない参加術

一次会だけ参加で帰る手順

どうしても断れない会がある場合、目標を「楽しむ」から「負担を最小化して役目を果たす」に切り替えると、心理的にも体力的にも楽になります。その代表が「一次会だけ参加」です。

一次会だけ参加を成功させる手順は、次の流れです。

  1. 参加前に必ず宣言する
    「明日早いので一次会だけで失礼します」と先に言います。先に言うほど効果があります。途中で帰る宣言をしておくと、帰るタイミングで引き止められにくくなります。

  2. 最初の30分〜1時間で“必要なこと”を終わらせる
    具体的には、主役がいる会なら主役に挨拶、上司がいるなら簡単に挨拶、近い席の人とは一言会話。ここを押さえると「参加した」事実が残りやすくなります。

  3. 帰る時間を固定する
    自分の中で「21時に出る」など明確に決めます。時間が曖昧だと、場の空気に流され、結局長居して疲れます。

  4. 退出の台詞を用意しておく
    「今日はここで失礼します。ありがとうございました。お先に失礼します。」
    退出の台詞は短く明るくが基本です。説明は不要です。

一次会だけ参加は、「顔を出す」という社会的な役割を果たしつつ、夜の時間と体力を守れる現実的な解です。特に飲み会文化が強い職場では、“ゼロか100か”にせず、負担を下げる選択肢として非常に有効です。

飲めない飲みたくない時の守り方

飲めない・飲みたくない人が飲み会で疲れる原因は、アルコールそのものだけではありません。「飲めないと言いづらい」「勧められる」「場を壊したくない」という心理的負担が大きいのです。だからこそ、守り方は“宣言”と“環境づくり”が中心になります。

実践しやすい手順は次のとおりです。

  • 最初に宣言する:「体質的に飲めないので、今日はノンアルでいきます」
    最初に言うと、その後の流れが楽になります。「今日は」は便利な言葉で、毎回固定する必要もありません。

  • 飲み物を常に持つ
    グラスが空だと「注いでいい?」が発生します。ノンアルでもソフトドリンクでも、常に何かを持っているだけで勧められにくくなります。

  • 定型句で断る
    「ありがとうございます、でも今日はノンアルで」
    「お気持ちだけいただきます」
    毎回言い方を変える必要はありません。短く同じ言葉を繰り返すほうが強いです。

  • 注がれそうな位置を避ける
    お酌文化がある場では、上座・下座や席の配置で注がれやすさが変わります。可能なら端の席、動きやすい席に寄せます。

飲酒を強要されたり、断っているのにしつこく勧められたりする場合は、その場の空気に合わせるより、自分の安全を最優先してください。「体質なので本当に無理です」とはっきり言い、必要なら席を外す判断も含めます。無理して飲んで倒れるほうが、周囲にとっても大きな問題になります。

会話が苦手でも回る立ち回り

会話が苦手な人は、「面白い話をしなければ」「盛り上げなければ」と考えるほど苦しくなります。飲み会で求められる役割は、必ずしも“話す側”ではありません。聞き役でも十分に場は回りますし、聞き役のほうが好印象になることも多いです。

具体的な立ち回りは、次の考え方で組み立てます。

  • 質問を用意しておく
    質問は会話の燃料です。自分が話す必要が減ります。
    例:「最近忙しいですか」「年末年始はどう過ごしますか」「今の案件どうですか」

  • 相づち+要約を使う
    「そうなんですね」「たしかに」「それは大変でしたね」
    そして要約:「つまり○○だったんですね」
    これだけで“聞ける人”になります。

  • 短い自己開示だけする
    完全に受け身だと距離が縮みにくいので、短い一言だけ添えます。
    例:「私は最近は家でゆっくりすることが多いです」程度で十分です。

  • 席の位置で負担を減らす
    中央は話題が飛びやすく、回されやすいです。端や壁側だと、聞き役に回りやすく、退避もしやすいです。

  • 離脱ポイントを用意する
    トイレ、電話、飲み物の注文など、短い離脱を挟むと負荷が下がります。

「会話が苦手=飲み会に不向き」と決めつける必要はありません。苦手なままでも回せる形を作れば、必要な会だけを最小ダメージでこなせるようになります。


強要やしつこい誘いがつらいときの守り方

業務の延長線上の飲み会はトラブルになり得る

飲み会は「勤務外だから自己責任」と思われがちですが、実際には職場の人間関係の延長で行われ、上下関係も持ち込まれやすい場です。だからこそ、飲み会の場での言動が、職場の問題として扱われることがあります。

大切なのは、「飲み会だから仕方ない」「冗談だから我慢」という考え方で自分の限界を超えないことです。飲み会が“業務の延長”のように扱われ、断りづらくなっているなら、すでに健全なコミュニケーションから外れています。

まずは自分の中で、線引きを明確にしてください。

  • 断ってよい

  • 理由を詳細に説明する必要はない

  • 飲酒を強要される筋合いはない

  • 嫌な言動を我慢し続ける必要はない

この線引きがあるだけでも、対応の軸ができます。軸があると、相手の圧に流されにくくなります。

しつこい誘いや欠席理由の強要は要注意

断っているのに何度も誘われる、欠席理由を執拗に聞かれる、断ること自体を責められる。こうした状況は、単なる「コミュニケーション」ではなく、圧力になっています。

対処は段階的に強くしていきます。最初から大ごとにする必要はありませんが、我慢し続けるのも危険です。

  1. 短く、同じ文で断る
    「申し訳ありません、今回は参加できません。」
    ここで理由を増やさないことが重要です。

  2. 境界線を言語化する
    「理由の詳細は控えさせてください。」
    「参加できないものは参加できません。」
    丁寧でも、線引きはできます。

  3. 第三者を挟む
    直属の上司が圧力の当事者なら、その上の上司、人事、相談窓口へ。信頼できる人に現状を共有するだけでも、状況が改善することがあります。

  4. 記録を取る
    しつこさが続くなら、後から整理できる形で記録します。感情だけで抱えるより、事実があると相談が進めやすくなります。

「悪者にしたくない」「大げさにしたくない」という気持ちは自然です。ただ、しつこい誘いが続くと、あなたのストレスは積み上がり、仕事にも生活にも影響します。自分を守ることを優先してください。

飲酒強要はアルハラに該当し得る

飲酒の強要は、体質や健康状態に関わるため、特に危険です。「少しだけ」「みんな飲んでる」「ノリで」などと言われても、無理に合わせる必要はありません。飲めない人にとっては、少量でも体調が崩れることがありますし、翌日以降に影響が出る場合もあります。

飲酒強要への対応で大切なのは、次の3点です。

  • 最初に宣言して予防する
    「体質的に飲めないのでノンアルです」
    予防できると、戦う場面が減ります。

  • 断る言葉を固定する
    「ありがとうございます。でも飲めません。」
    曖昧にすると付け込まれます。

  • 危険を感じたら離脱する
    自分の身を守る判断は正当です。トイレに行く、席を移る、一次会で帰るなど、逃げ道を確保します。

職場の飲み会で、健康や安全が脅かされる状況があるなら、それは「我慢で解決する問題」ではありません。必要に応じて相談のルートに切り替えることが大切です。

記録と相談の手順

圧力や強要が続く場合、気持ちだけで抱えると状況が長引きます。記録と相談は、あなたを守るための現実的な手段です。ここでは、具体的に何をすればよいかを整理します。

記録の取り方(できれば当日中)

  • 日時(何月何日、何時頃)

  • 場所(店名、席、二次会の場所など)

  • 相手(誰が、どんな立場で)

  • 発言内容(できるだけ原文に近く)

  • 同席者(周囲に誰がいたか)

  • その結果(体調不良、帰宅困難、精神的負担など)

チャットやLINEがある場合は、スクリーンショットで保存しておくと強いです。口頭の場合も、メモがあるだけで相談が格段に進めやすくなります。

相談の順序

  1. 社内:上司(信頼できる相手)、人事、コンプライアンス窓口、社内相談窓口

  2. 社外:公的な相談窓口や専門家(状況に応じて)

相談時は、「感情」よりも「事実」を中心に伝えると、受け手が動きやすくなります。例えば、「断ったのに毎回誘われてつらい」だけでなく、「断った後に理由を強く求められ、断ると責められる発言があった」「飲めないと伝えているのに、飲むよう促され続けた」など、具体的に言うほうが伝わります。

また、相談は“戦うため”だけではありません。職場の運用を変えてもらう、誘い方を配慮してもらう、席や参加の自由度を担保してもらうなど、負担を下げるための調整にもつながります。「大事にしたくない」人ほど、早めに小さく相談するほうが、結果として穏やかに解決しやすいです。


よくある質問

理由を聞かれたらどこまで言う?

基本は短くで十分です。「私用」「家庭の都合」「体調管理」など、抽象度を上げた理由で問題ありません。詳細を言うほど交渉されやすく、矛盾も生まれやすいです。

どうしても詮索される場合は、次のように線引きします。

  • 「すみません、事情があって詳細は控えさせてください」

  • 「外せない用事なので、今回は難しいです」

ここでポイントは、相手を論破しようとしないことです。丁寧に、しかし結論は変えない。これが最も摩擦が少なく、効果が高い対応です。

断り続けたら評価に響く?

職場文化によって印象の差は出ます。ただし、評価を決めるのは本来、業務の成果と日常の信頼です。飲み会に出ない分、仕事での誠実さと協力姿勢を積み上げれば、影響を小さくできます。

また、「重要回だけ出る」「一次会だけ出る」などの運用にすると、「全く付き合わない人」という見られ方を避けられます。飲み会参加をゼロにするかどうかは、職場の温度感と自分の消耗度を見て調整してください。

一次会だけで帰るのは失礼?

事前に「一次会だけで失礼します」と伝え、退出時にお礼を言えば、失礼になりにくいです。むしろ、黙って消える、引き止められて曖昧に残るほうが印象が悪くなりがちです。

一次会だけ参加のコツは、最初の時間に挨拶と必要な交流を済ませること、退出の台詞を短く明るくすることです。これで「参加した」印象を残しつつ、自分の負担を抑えられます。

飲めないのに注がれる/一気飲みを促される

まずは予防として、開始直後に「体質的に飲めないのでノンアルで」と宣言します。注がれそうになったら、定型句で断ります。

  • 「ありがとうございます。でも飲めないのでノンアルでいきます」

  • 「お気持ちだけいただきます」

それでも続く場合は、席を外す、席を移る、一次会で帰るなど、離脱を優先してください。飲酒は健康と安全の問題です。場の空気よりも自分の身を守ることを優先して構いません。

欠席理由をしつこく詮索される

しつこい詮索は、それ自体がストレスになります。対処は段階的に行います。

  1. 「すみません、外せない用事があって」で繰り返す

  2. 「詳細は控えさせてください」と線引きする

  3. 続くなら記録し、第三者へ相談する

ここで無理に相手を納得させようとすると、あなたの負担が増えます。「相手を納得させる」より「自分の境界線を守る」ことを目標にしてください。


まとめ

飲み会に行きたくない気持ちは自然なものであり、無理に押し殺すほど日常のパフォーマンスや心身の余裕を削ってしまいます。重要なのは、飲み会への参加を根性論で決めるのではなく、断り方の型線引きの運用で、自分の選択を守ることです。

  • 断るときは「感謝→結論→短い理由→代案」の型で、丁寧に言い切る

  • 理由は言いすぎない。言い換えは整合性が取れる範囲に留める

  • 迷いを減らすために「行く会/行かない会」を線引きし、頻度をルール化する

  • 断れない会は一次会だけ参加などで消耗を最小化する

  • しつこい誘い、詮索、飲酒強要があるなら、記録と相談で自分を守る

飲み会の扱いは職場の文化によって変わります。だからこそ、「自分が何を優先したいか」を軸に、無理のない形へ少しずつ整えていくことが現実的です。今日からできる一歩として、まずは断り方のテンプレを決め、次に「重要回だけ参加」の線引きを作ってみてください。これだけでも、次の誘いに対する不安と罪悪感は確実に軽くなります。