iPhoneの設定にある「モーションの調整と距離」を見て、「これは何のための項目なのか」「オフにしても大丈夫なのか」と迷う方は少なくありません。特にApple Watchでワークアウトを計測している場合、オン/オフで距離やペースの精度、さらにはヘルスケア関連データの記録条件に影響する可能性があります。
本記事では、意味、オンにすべき人・オフでも困りにくい人、設定手順、見つからない・効かない時の対処、よくある質問までを、できるだけ具体例と判断基準を添えて詳しく解説いたします。なお、iOSやwatchOSのバージョン差により表記や画面遷移がわずかに異なる場合がありますが、考え方と切り分けの順序は共通して使えます。
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モーションの調整と距離とは何か
どんなデータの精度に関係するか
「モーションの調整と距離」は、端末が取得できる情報(動きの情報や位置に関する情報)を組み合わせ、移動距離や運動計測の推定精度を補助するための設定として扱われます。ここで重要なのは、単純に「GPSを使うかどうか」だけの話ではなく、屋外・屋内、環境、センサーの学習状況などの条件によって、距離推定の安定性が変わり得る点です。
Apple Watchでワークアウト(ウォーキング、ランニングなど)を継続的に計測している方は、同じコースを走っているのに距離が短く出たり、ペースが不自然に上下したりすることがあります。原因は一つではなく、たとえば次のような要素が重なって発生します。
GPS環境の影響:ビル街、樹木が多い場所、山間部、トンネル付近、悪天候などで測位が不安定になる
腕の振りや歩幅の個人差:同じ距離でも身体の動き方は人によって差がある
端末の学習不足:機種変更や初期化直後、あるいは運動フォームが変わった後などは推定が安定しない場合がある
屋内運動の限界:トレッドミルなど屋内ではGPSが効かず、推定に依存しやすい
この設定は、こうした状況で「推定精度を高めるための前提」になり得ます。言い換えると、ワークアウトの距離やペースが重要な方ほど、オンにしておいた方が“精度を上げるための選択肢”を失いにくい、という考え方になります。
また、Apple Watchはワークアウトだけでなく、ヘルスケア関連の一部指標(生活行動の推定に関わるもの)にもつながります。距離や移動の推定が関連するデータは、オン/オフの影響が「計測の信頼性」や「データの欠損」に表れやすいため、ヘルスケアの記録を重視する方も注意が必要です。
なぜ位置情報サービスの中にあるか
この項目が「位置情報サービス」内の「システムサービス」にあることで、「位置情報が常に追跡されるのでは」と不安になる方がいらっしゃいます。しかし、まず理解しておきたいのは、iPhoneの位置情報関連設定には階層があり、個別アプリの許可とは別に、OSレベルの機能(システムサービス)にもスイッチがあるという点です。
アプリごとの位置情報許可:地図、カメラ、SNS、配車アプリなど、個別アプリに対して許可を与えるもの
システムサービス:端末やOS機能が内部的に利用する位置情報関連機能のスイッチ
「モーションの調整と距離」は後者に属します。したがって、アプリの位置情報許可を厳しめにしていても、システムサービスのこの項目がオンである、という状態は起こり得ます。逆に言えば、運動計測の精度を優先してこの項目をオンにしつつ、プライバシーの観点では「アプリごとの許可」を最小化する、という設計も可能です。
また、距離推定や移動の把握が、端末の動きだけでなく「環境に応じた位置情報」の助けを受ける場面があるため、位置情報サービス内に配置されていると捉えるのが自然です。特にApple Watchのワークアウトでは、屋外でGPSが利用できる状況と、屋内や測位が弱い状況が混在します。その差分を吸収するために“学習”や“調整”の概念が出てきますが、そこでこの項目が前提として扱われることがあります。
名称の違いと混同しやすい設定
「モーションの調整と距離」は、検索すると「モーションキャリブレーションと距離」と表現されている場合もあります。英語表記(Motion Calibration & Distance)を直訳した情報が混在しているためで、意味としては同じ対象を指しているケースが大半です。
混同しやすいのは、次の設定や概念です。
位置情報サービス(全体)のオン/オフ:これをオフにすると、システムサービスも含め位置情報関連の機能が広く制限されます
正確な位置情報:アプリごとに「正確な位置情報」を許可するかを決める項目で、地図の精度や近くのお店検索などに影響しやすいです
モーションとフィットネス:別系統の権限で、端末の動きセンサー情報へのアクセスに関係します
Apple Watch側の設定:ワークアウトの自動検出やプライバシー設定など、Watch側にも関連項目が存在する場合があります
「モーションの調整と距離」は、これらの“どれか一つ”を操作すれば解決するというより、精度や記録に関わる要素のうちの一つ、と理解した方が判断を誤りにくくなります。
モーションの調整と距離をオンにするべきケース
Apple Watchのワークアウト計測を重視する場合
Apple Watchを使ってウォーキング・ランニングを記録している方は、オンを基本に考えるのが無難です。理由はシンプルで、距離やペースの推定精度を上げるための“調整(キャリブレーション)”の前提として扱われることがあるためです。
特に次のような方は、オンのメリットが出やすい傾向があります。
距離やペースをトレーニング指標として重視している方
例:ペース走、インターバル、距離目標(5km/10km/ハーフなど)を管理している同じコースで距離の揺れが大きい方
例:3kmのコースが2.6kmや3.4kmになるなど、差が大きい屋外と屋内の運動を併用している方
例:平日はジムのトレッドミル、週末は屋外ランニング機種変更後・初期化後に精度が落ちたと感じる方
端末の学習がリセットされることで、しばらく推定が不安定になる場合があります
ここでのポイントは、「オンにするだけで自動的に完璧になる」と期待しすぎないことです。オンは“条件”であり、精度改善の本命は、後述の「調整」や「比較のしかた」を含めた運用にあります。オンにしておくことで、改善策を実行できる土台が整う、と考えると納得しやすいです。
ヘルスケアの関連データを欠損させたくない場合
Apple WatchやiPhoneのヘルスケアは、日々の行動データを積み上げるほど価値が出ます。一方で、設定変更によってデータが欠損すると、後から埋めることができない場合があります。たとえば、日々の傾向(活動量の推移、運動習慣の継続、外出の増減など)を見ている方は、データの連続性が重要です。
「モーションの調整と距離」が関係するデータのイメージとしては、次のようなものが挙げられます。
移動・運動に関わる推定(距離、ペース、活動の傾向)
行動や環境の推定に関わる指標(Watchの機能により差があります)
このため、ヘルスケア目的でApple Watchを使っている方(健康管理、生活改善、家族の健康サポートなど)は、オンのまま運用しておき、必要に応じて「アプリごとの位置情報許可」や「正確な位置情報」の設定を見直す方が、データ欠損リスクを下げられます。
屋外での調整が必要になる場面
運動計測の精度が課題になったとき、屋外での“調整”は有効な手段になり得ます。一般に、屋外でGPSが安定する環境で一定時間歩く/走ることで、端末やWatchが歩幅や運動パターンを学習し、GPSが使いにくい状況でも推定が安定しやすくなる、という考え方です。
調整が必要になりやすい典型例は次のとおりです。
トレッドミルの距離が明らかに合わない
例:トレッドミル5.0kmに対してWatchが4.2km、あるいは5.8kmなど同じペースのつもりなのにペース表示が乱高下する
歩幅が変わった
例:怪我、シューズ変更、フォーム改善、坂道中心の練習に変更などWatchを付ける腕や付け方が変わった
バンドの締め具合や位置が大きく変わると影響する場合があります
このような状況では、「オンにしたうえで調整し、同一条件で比較する」という流れが最も合理的です。
モーションの調整と距離をオフにしてよいケース
運動計測をほぼ使わない場合
運動計測やヘルスケアの記録をほぼ使っていない場合、オンにしておく必然性は相対的に下がります。たとえば次のような方です。
Apple Watchを持っていない、またはほとんど着けない
ワークアウトアプリを使わず、距離やペースを気にしない
ヘルスケアの記録を積極的に見返していない
そもそも外出や運動が少なく、推定精度の恩恵が出にくい
この場合は、設定をオフにして問題が起きないかを確認し、困ったら戻す、という運用でも実害が出にくいです。重要なのは、オフにした結果として「何が変わる可能性があるか」を理解しておくことです(次項で整理します)。
電池や位置情報アイコンが気になる場合
プライバシーの心理的負担が強い方や、バッテリーの持ちを少しでも改善したい方は、この項目を見直したくなることがあります。ここでの現実的な捉え方は次のとおりです。
この項目をオフにすることで、位置情報関連の動作が減る可能性はあります
ただし、電池改善の効果は利用状況次第で、劇的とは限りません
位置情報の矢印表示が気になる場合、原因はこの項目以外(アプリの常時許可、ウィジェット、バックグラウンド更新など)であることも多いです
したがって、電池やアイコンが目的の場合は、次の順で対処するのがおすすめです。
まずアプリごとの位置情報許可を見直す(常に許可を減らす、不要アプリは許可しない)
正確な位置情報を必要なアプリに限定する
それでも気になる場合に、システムサービス(本項目含む)を見直す
変更後は“数日単位”で体感を比較する(短時間だと判断がぶれます)
このように、単一のスイッチに期待を集中させず、影響が大きいものから順に潰す方が、納得感のある結果になりやすいです。
オフにした場合に起きやすい変化
オフにした場合に想定される変化を、目的別に整理いたします。
Apple Watchのワークアウト精度に影響する可能性
具体的には、距離やペースの推定が不安定になったり、屋内運動での推定が合いにくくなったりする可能性があります。必ず悪化するとは言い切れませんが、「精度改善の打ち手」を狭めることには注意が必要です。ヘルスケア関連データの記録条件に影響する可能性
一部指標が正しく記録されない、または欠損する可能性があり得ます。日々のデータを資産として蓄積している方は、オフにする前に“何が欠けると困るか”を考えておくと安全です。プライバシー面の安心感が増える場合がある
「不要なものはオフにしたい」という方にとっては、心理的メリットが大きいことがあります。電池消費の改善は条件次第
改善する可能性はありますが、他の要因の方が支配的なケースも多いため、過度な期待は禁物です。
結局のところ、オフにしてよいかは「運動計測とヘルスケアの優先度」と「安心感・省電力の優先度」のトレードオフです。次の表を判断材料としてお使いください。
オン推奨/オフ許容の判断表
| 目的・利用状況 | 推奨設定 | 理由 | 補足 |
|---|---|---|---|
| Apple Watchで走る・歩く距離やペースを重視 | オン | 精度改善や調整の前提になり得る | 調整も併せて実施すると効果が出やすいです |
| トレッドミル距離が合わず困っている | オン | 屋内推定の安定化に向けた土台 | 屋外運動で比較・学習を進めるのが有効です |
| ヘルスケアの継続データを欠損させたくない | オン | 一部データの記録条件に関係し得る | アプリ許可を絞ってプライバシー対策も可能です |
| Apple Watchを使わず、運動計測もしない | オフも選択肢 | 体感差が少ない可能性が高い | 困ったらオンへ戻せます |
| 位置情報の矢印が気になり、安心感を優先 | オフも選択肢 | 心理的負担を減らせる場合がある | まずアプリごとの許可見直しが有効です |
モーションの調整と距離の設定手順
iPhoneでオンオフを切り替える手順
基本の導線は次のとおりです。iOSバージョンにより文言が多少異なる場合がありますが、概ね同じ階層で見つかります。
iPhoneで「設定」を開きます
「プライバシーとセキュリティ」を開きます
「位置情報サービス」を開きます
画面下部付近の「システムサービス」を開きます
「モーションの調整と距離」をオン/オフします
あわせて確認したいポイントは以下です。
そもそも「位置情報サービス」がオフになっている場合、本項目の効果以前に位置情報利用全体が制限されます
「システムサービス」はアプリ一覧の中に紛れやすく、見落としがちです(下へスクロールが必要な場合があります)
変更した直後に体感差が出るとは限りません(後述の比較の仕方が重要です)
Apple Watchの調整を行う手順
Apple Watchの“調整(キャリブレーション)”は、距離やペースの推定精度に関係する重要な考え方です。ただし、ユーザー側が「どこを押せば完了」というより、屋外での運動記録を通じて学習が進みやすくなる、という性質があります。
本記事で押さえるべきポイントは次の3点です。
iPhone側の「モーションの調整と距離」をオンにしておくこと
これがオフだと、調整による改善を狙う際に前提を欠く可能性があります。屋外の見通しが良い場所で試すこと
まずはGPSが安定しやすい環境で記録を取り、推定の土台を作ることが重要です。同一条件で比較すること
コース、時間帯、装着位置などを揃えないと、改善したのか偶然なのか判断できません。
実施の具体手順は、watchOSやiOSのバージョン差で表示が変わり得るため、公式手順に沿って進めるのが確実です。操作のポイントは「オンにした上で、屋外で一定時間の運動記録を取る」「その後に屋内・不安定環境でも差分を比較する」という流れになります。
設定後に確認したいポイント
設定を変えた後に「効いたかどうか」を判断するには、観察ポイントを固定することが大切です。おすすめの確認方法を、目的別にまとめます。
ワークアウト精度が目的の場合
同じコース(例:公園周回、河川敷直線、近所の固定ルート)で2〜3回記録を取り、距離のブレ幅を見る
ペース表示が不自然に上下する区間が減るかを見る
屋外→屋内(トレッドミル)へ移行したときに、屋内推定が近づくかを見る
プライバシーや位置情報表示が目的の場合
変更前後で、矢印アイコンの表示頻度が体感で変わるかを見る
位置情報を使うアプリ(地図、カメラ、配車等)の動作に不具合が出ないかを見る
バッテリーの1日あたり減り方が変わるかを見る(少なくとも数日単位)
ここでの注意点は、「短時間のテストで結論を出さない」ことです。GPS状況は日によっても変わるため、最低でも数回の記録を取り、平均的な傾向で判断するのが安全です。
モーションの調整と距離が見つからない・効かない時の対処
表示されない場合の確認チェックリスト
「見つからない」ケースは、原因が限定されることが多いため、以下を順番に確認してください。チェックリスト形式で整理いたします。
「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」まで到達できている
「位置情報サービス」自体がオンになっている
画面を下へスクロールし、「システムサービス」を開いている(アプリ一覧とは別枠)
端末の表示言語が日本語以外の場合、英語表記(Motion Calibration & Distance)で探している
端末が管理対象(MDM等)で、位置情報の制限がかかっていない(会社支給端末、学校端末など)
何らかのスクリーンタイム制限・プロファイルでプライバシー設定が制限されていない
この項目はアプリ設定のように目立つ場所にないため、「位置情報サービスの最下部にあるシステムサービス」に気付けるかどうかで詰まりやすいです。まずは階層を正確に辿っているかを確認すると、解決が早くなります。
距離やペースがずれる場合の改善手順
「オンにしたのに合わない」「オンにしても変わらない」という場合、次のように原因を段階的に切り分けることが重要です。おすすめの手順を番号付きで提示いたします。
iPhoneで「モーションの調整と距離」をオンにする
まず前提条件を整えます。屋外の見通しが良い場所でウォーキング/ランニングを数回記録する
1回で判断せず、同じ条件で複数回行います。同一コースで距離のブレ幅を確認する
例:3.00kmのコースが2.95〜3.05km程度に収まるか、など。屋内運動(トレッドミル)で距離のズレを再確認する
屋外での記録が安定してから試す方が、改善が出やすい傾向があります。装着条件を見直す
バンドが緩すぎる/きつすぎる、装着位置が骨に当たる、運動中にズレる、などがあると影響する場合があります。運動フォームや環境の変化を洗い出す
フォーム改善中、怪我明け、坂道中心など、歩幅が変わる要因があるとズレが増えやすいです。
この流れで重要なのは、(1)設定を整え、(2)屋外での記録を土台にして、(3)屋内推定へ広げる、という順番です。いきなり屋内のズレだけを直そうとすると、比較条件が揃わず、何が原因なのか分からなくなりやすいです。
それでも改善しない場合の次の打ち手
上記を実施しても改善が見られない場合、次の打ち手を順番に試すと、無駄な遠回りを減らせます。
iPhoneとApple Watchを再起動する
まずは基本ですが、状態がこじれている場合に効果が出ることがあります。位置情報関連の設定を全体で点検する
アプリごとの位置情報許可、正確な位置情報、バックグラウンド更新など、周辺要因も含めて整理します。ヘルスケアのデータソースを確認する
複数端末・複数アプリで歩数や距離を計測している場合、どれを優先しているかで見え方が変わることがあります。比較方法を見直す
「地図アプリの距離」「ランニングアプリの距離」「トレッドミル表示」など、比較対象が一致しているかを点検します。OSアップデート状況を確認する
不具合や挙動の差は、OS更新で改善・変化することがあります。
ここまで試しても解決しない場合は、個別の環境要因(利用場所、端末状態、センサーの個体差など)が関係している可能性があります。その場合は、Appleサポートの案内や診断を活用し、端末の状態確認へ進むのが安全です。
モーションの調整と距離に関するよくある質問
オンにするとGPSが常時オンになるのか
「常時オン」と断定して理解するのはおすすめいたしません。実際の挙動は、端末の利用状況(ワークアウト中か、バックグラウンド処理があるか、他の位置情報設定がどうなっているか)により変わり得るためです。
不安が強い場合は、次の方法で“納得できる確認”をしてください。
オンにした状態で、1〜2日普段通り使い、バッテリーの減り方と位置情報アイコンを観察する
アプリごとの位置情報許可を「使用中のみ」「許可しない」に寄せ、システム側だけオンにする運用を試す
どうしても気になる場合はオフにし、ワークアウト計測が必要になったタイミングでオンに戻す
目的が運動精度ならオン維持、目的が安心感ならオフも含めて検討、という整理で迷いが減ります。
バッテリー消費はどれくらい変わるのか
バッテリー影響は「端末の状態」と「生活習慣」に依存するため、一律の数値では説明できません。たとえば、普段から地図・配車・カメラ位置情報を多用する方は、そもそも位置情報利用が多く、本項目だけで劇的に変わるとは限りません。逆に、位置情報をほとんど使わない方は、体感差が出にくいこともあります。
現実的には次の理解が安全です。
省電力が目的なら、まず効果が大きい設定(画面、通知、アプリの常時位置情報など)から見直す
本項目は「運動精度とのトレードオフ」を理解した上で調整する
変更後は数日単位で比較し、体感差がないなら元に戻す(またはオン維持)でも良い
オフでもApple Watchは使えるのか
オフにしてもApple Watch自体が使えなくなるわけではありません。ただし、距離やペースなどの運動指標を重視する場合は、推定精度や改善策に影響が出る可能性があります。
整理すると次のとおりです。
日常利用(通知、時計、軽いアクティビティ確認):大きな支障が出ない場合が多い
ワークアウト計測(距離・ペース重視):影響が出る可能性があるため、オン推奨
ヘルスケアの連続データ:欠損リスクを避けたい方はオン推奨
「使えるか」ではなく、「何をどこまで正確に取りたいか」で判断するのがポイントです。
子どもや家族の端末でも同じか
基本的な考え方は同様ですが、家族の端末では以下の点に注意が必要です。
管理設定が入っている場合がある
学校や会社の端末、または保護者のスクリーンタイム設定により、位置情報やプライバシー設定が制限されることがあります。用途が異なる
子どもは運動計測より見守りや安全が目的になりやすく、位置情報の扱いに関する優先度が変わります。データ欠損の影響が人によって違う
ヘルスケアを本格運用している家族と、そうでない家族では、オン/オフの判断基準が変わります。
家族の端末では、まず「何のためにデータを取りたいのか(運動、健康管理、見守り)」を明確にし、その目的に合わせてオン/オフを決めると、後で後悔しにくいです。
まとめ
「モーションの調整と距離」は、iPhoneの位置情報サービス内にあるシステム設定で、Apple Watchのワークアウト計測精度や一部ヘルスケア関連データの安定性に関係し得る項目です。距離やペースを重視する方、ヘルスケアの継続データを欠損させたくない方は、オンを基本方針にするのが安全です。
一方、Apple Watchを使わない、運動計測をほぼしない、プライバシーの安心感や省電力を優先したい、という方は、オフも現実的な選択肢になります。ただし、電池改善は条件次第であるため、まずアプリごとの位置情報許可の見直しを行い、その上で本項目を調整する手順が合理的です。
次に取るべき行動は、(1)設定階層で「モーションの調整と距離」を確認し、(2)運動精度が課題ならオンにした上で屋外での記録を数回取り、(3)同一条件で比較して傾向を判断する、という流れです。OSの表示や挙動はアップデートで変わることがありますので、設定変更後は数日単位で観察し、必要に応じて見直してください。