近年、米国株やFIRE(早期リタイア)がブームとなり、SNSやYouTubeには数多くの「投資インフルエンサー」が登場しています。
その中で知名度が高い人物の一人が、被り物姿でも知られる「ライオン兄さん」(本名:山口貴大)です。
一方で、検索エンジンやSNS上では
「怪しい」「胡散臭い」
「FIRE理論は本当に実現可能なのか?」
「スクールの料金が高すぎるのでは?」
といった声も多数見られます。
本記事では、
公開されている経歴・活動内容
投資スクール(Financial Free College:FFC)の仕組み・料金
「怪しい」と言われる具体的な理由
実際の評判(ポジティブ/ネガティブ両面)
投資初心者がとるべき安全な判断プロセス
を整理し、「良い・悪い」の二元論ではなく、どこにリスクがあり、どこまでが妥当な範囲なのかをできる限り中立的に解説いたします。
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ライオン兄さんは、起業と会社売却を経て資産形成を行い、現在は投資系インフルエンサーとして活動しています。YouTubeや書籍などの無料・低価格コンテンツは、投資初心者にとって理解しやすいとの評価が多く、金融教育や寄付活動など社会的に意義のある取り組みも行っています。
一方で、提供している投資スクール「FFC」は数十万円〜100万円超と高額であり、内容が基礎的である、講師の実績が不透明であるなど、コストパフォーマンスに疑問を呈する声も多く見られます。また、「年収300万円から7年でFIRE」というキャッチコピーと、実際には会社売却益が大きな原資となっているという情報の差異が、期待と現実のギャップを生む要因にもなっています。
さらに、ライオン兄さんの名前や画像を無断利用した「なりすまし詐欺広告」が実在し、LINE登録やFX口座開設を促す被害も報告されています。この点を本人やスクールと混同することで、「怪しい」という印象が広がりやすい状況も確認できます。
ライオン兄さんとは — 経歴と主な活動内容
プロフィールと経歴の概要を詳しく
公開されている情報を整理すると、ライオン兄さん(山口貴大)氏の概要は次の通りです。
本名:山口 貴大(やまぐち たかひろ)
愛称:ライオン兄さん
年代:40代
経歴(概略):
ネット関連企業などで会社員として約8年間勤務
その後、サービス業関連会社を起業
2018年頃にその会社を売却し、まとまった資金を得る
会社売却益を元手に米国株などで運用し、いわゆる「FIRE」を達成したと説明
現在の肩書き:
連続起業家
マネースクール「Financial Free College(FFC)」代表
投資系YouTuber、著者、セミナー講師
一部の調査記事では、「FIRE達成の背景には、投資益だけでなく会社売却による数千万円〜数億円規模の資金がある」と指摘されています。
つまり、「年収300万円・貯金ゼロから7年でFIRE」というキャッチコピーは存在するものの、実際には「会社売却益」という要素をどう評価するかが重要なポイントになります。
メディア発信・書籍・講演活動
ライオン兄さんは、以下のような形で情報発信・活動を行っています。
YouTubeチャンネル
米国株、長期投資、FIRE、資産形成などのテーマを発信
初心者向けの用語解説やマインドセット系の動画が多い
書籍出版
代表的な書籍として
『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』
2022年の出版から約1年半で累計10万部超とされ、一定の読者を獲得している
金融教育・講演活動
地方自治体の中学校や高校での金融授業(逗子市の中学校・都内高校など)
子ども向けマネースクールイベントへのゲスト出演など
こうした活動から、「金融リテラシー教育」という社会的にプラスの側面も持ち合わせていると言えます。
スクールや有料サービス(FFCなど)の実態
FFC(Financial Free College)の概要
運営:株式会社バイアンドホールド(資本金999万円/代表:山口貴大)
コンセプト:
長期投資による経済的自立(Financial Independence)をサポート
米国株を中心とした資産運用
副業や起業、暗号資産等を含む複数の収入源づくり
コース内容と料金の目安
外部の調査サイトによると、FFCのスクール料金はおおよそ以下のレンジとされています。
料金帯:約34.8万円〜149.6万円
講座カテゴリ:
セルフ年金構築講座(長期投資・老後資金づくり)
米国株講座(個別株投資)
トレーディング必勝講座(短期売買向け)
暗号資産・コモディティ講座(インフレ対策・資産防衛)
受講期間:数か月〜1年以上のコースまで複数パターン
また、別媒体では「オンラインサロン」「フリーリッチ」など月額制サービスも存在するとされています。
「怪しい」「胡散臭い」と言われる主な理由を詳しく分解
理由①:FIREストーリーと実態のギャップ
キャッチコピーとしてよく取り上げられるのが、
「年収300万円・貯金ゼロから7年でFIRE」
というフレーズです。
一方で、調査記事では「主な原資は会社売却益であり、投資だけでFIREしたわけではない」と指摘されています。
ここから生まれる問題は、
キャッチコピーだけ見ると「低収入・貯金ゼロでも、少ない元手から投資だけでFIREできる」と誤解しやすい
実際には「起業 → 事業成長 → 会社売却」という高難度ルートが大きな要因となっている可能性が高い
という期待と現実のギャップです。
理由②:投資スクールの高額料金と内容の評価
FFCの料金レンジは34.8万〜149.6万円と、一般的なオンライン講座と比べても高額な部類に入ります。
口コミを見ると、以下のような指摘がみられます。
YouTubeや書籍で話している内容の延長線上で、「特別なノウハウ」というほどではない
投資経験がすでにある人からは「内容が基礎レベル」「応用・検証部分が弱い」との声
一部コースでは、サポート講師が元受講生であり、実務経験・運用実績が不透明
料金の説明が事前に十分でないとの不満(説明会後に突然高額コースが提示される等の証言)
このため、コストパフォーマンスに疑問を抱く声が多く、「怪しい」と感じる人が増えている構図があります。
理由③:本人ではない「なりすまし広告」の存在
ここは重要なポイントです。
2023年末以降、SNS広告等で「ライオン兄さん」を名乗るアカウントが、LINE登録→FX口座開設→入金を促し、資金を騙し取る手口が確認されています。
本人が運営する株式会社バイアンドホールドおよびFFCは、これらの組織とは一切無関係であると公式に表明しています。
本人側は、被害を受けた高齢者から連絡を受け、「私たちのスクールではFXは推奨していない」「動画やランディングページが丸ごとコピーされていた」と警鐘を鳴らしています。
つまり、
「ライオン兄さんの名前を悪用した第三者詐欺」が存在する
その結果、「ライオン兄さん=詐欺」というイメージが一部で拡散している
という構造になっています。
ここを混同すると、本人のビジネスと、完全に別物の詐欺案件が一緒くたに見えてしまうため、切り分けが必要です。
理由④:一部メディアによる「投資詐欺師の疑い」報道
債務整理系や被害相談系のサイトの中には、「投資詐欺師の疑いがある」といった強い表現で批判している記事も存在します。
これらは多くの場合、
受講者・視聴者の不満
高額料金、過度な期待の煽り
実績の不透明さ
といった要素をもとにした「評価・意見」であり、現時点で刑事事件として立件されている情報は確認されていません(2025年12月時点)。ただし、批判的に書かれた記事が拡散し、「怪しい」という印象が一人歩きしている状況は確かにあると言えます。
実際の評判と利用者の声 — ポジティブ vs ネガティブ
ポジティブな評価の傾向
書籍やYouTube動画について
「投資初心者にも分かりやすく、難しい用語をかみ砕いて説明してくれる」
「お金に対する考え方が変わった」「金融リテラシーの入り口として役立った」
金融教育・寄付活動について
地元自治体への寄付(例:逗子市へ500万円寄付)や中学・高校での金融授業実施など、社会的な活動も行っている。
→ 「初心者向けの入口としては良い」「意識改革にはプラス」 という方向のポジティブ評価が多いと考えられます。
ネガティブな評価の傾向
FFCやオンラインサロンなど有料サービスについて
「料金が高すぎる」
「基礎的な内容が多く、すでに投資経験がある人には物足りない」
「講師陣の投資実績・資格などが明確でない」
「説明会の場ではリスクよりもメリットが強調される」
名義を悪用した詐欺広告との混同
「ライオン兄さんの広告だと思ってFX口座開設 → 被害にあった」というケースが、本人が把握しているだけでも存在する。
→ これらが相まって、「怪しい」「胡散臭い」と感じる人が一定数いる状態になっていると考えられます。
評価が割れる構造
まとめると、
無料コンテンツ・書籍・社会貢献 → 比較的好意的な評価
高額スクール・一部のマーケティング手法 → 厳しい批判と不信感
名前を悪用した詐欺広告 → イメージをさらに悪化させる要因
という三層構造になっています。
したがって、「どの範囲のサービスをどう利用するか」によって、満足度もリスクも大きく変わると言えるでしょう。
安全に判断するための具体的チェックポイント
ここからは、投資初心者がライオン兄さんに限らず「投資系インフルエンサー全般」に対してどう向き合うべきか、実務的な観点で整理します。
経歴・実績の確認ポイント
会社売却・起業経験があるのか/どの規模なのか
「投資で億り人」なのか、「事業売却益+投資」でFIREなのかで難易度が全く違います。
投資実績の開示方法
過去数年の運用利回りや、どのようなリスク管理をしているかが具体的に示されているか。
資格・職歴
証券会社や銀行での勤務経験、FP資格など。必須ではありませんが、専門性を判断する一材料になります。
有料サービス検討前に必ず行うべきこと
以下のチェックリストを実施したうえで判断することをおすすめいたします。
有料スクール/講座検討チェックリスト
まずは無料コンテンツを徹底的に見る・読む
YouTubeや書籍、公式ブログで「自分に合うか」を評価する。
料金とカリキュラムを事前に書面で確認する
料金がどこまで含まれるのか、追加料金はないか、返金規定はどうなっているか。
他社スクールとの比較を行う
同価格帯の他スクールや、より安価な選択肢と比較し、あえて選ぶ理由があるか。
「絶対儲かる・短期間で資産○倍」などの表現がないか
もしあれば、金融商品取引法・景品表示法の観点からも慎重な検討が必要です。
生活防衛資金を残せるかどうか
受講料を払っても、半年〜1年分の生活費は確保できるか。借金をしてまで受講しない。
なりすまし広告・詐欺から身を守る方法
必ず公式サイト・公式SNSアカウントを経由する
検索で出てきた怪しいLPからではなく、公式サイトのリンクから申し込む。
LINE登録・DMから投資勧誘されても即決しない
その場で口座開設や送金を求めるメッセージは特に危険です。
「FXで簡単に稼げる」「元本保証」の文言に注意
元本保証をうたう投資話は原則違法または危険です。
不審に思ったら金融庁・消費生活センター等に相談
少額でもおかしいと感じたら、早めに第三者に相談することが被害拡大防止につながります。
まとめ — ライオン兄さんをどう位置付けるか
最後に、本記事の内容を踏まえて整理します。
人物像として
起業→会社売却→投資というキャリアを持つ個人投資家であり、金融教育や寄付活動も行っている。
コンテンツの評価として
書籍・YouTubeなどの「無料〜低価格」の情報は、投資・金融への入口として一定の評価がある一方、
高額スクールに関してはコストパフォーマンスや実績面で厳しい評価も多く、慎重な判断が必要。
「怪しい」と言われる背景として
キャッチコピーと実際のFIREプロセスのギャップ
高額商品×期待煽りのマーケティング
名義を悪用した第三者詐欺広告の存在
投資初心者がとるべき基本姿勢
「インフルエンサー=悪」ではなく、「インフルエンサー=一つの情報源」として利用する。
無料コンテンツで徹底的に見極める → 他の選択肢と比較 → 生活防衛資金を守る というプロセスを必ず踏む。
どんな相手の情報であれ、「鵜呑みにせず、自分で咀嚼し、リスクを理解してから行動する」ことが最重要です。