「ガバナンスって、結局なにを指しているんだろう?」
社内資料やニュース、上司との会話の中でよく聞くものの、いざ「簡単に説明して」と言われると、言葉に詰まってしまう――そんなモヤモヤをお持ちではないでしょうか。
本記事では、「ガバナンスとは 簡単に 知恵袋」で検索する方が抱きがちな素朴な疑問に寄り添いながら、難しい専門用語をできるだけ使わずに、「ガバナンスとは何か」をスッキリ理解できるように解説いたします。コンプライアンスとの違いはもちろん、「上場企業だけの話ではないのか」「中小企業では何から始めればよいのか」といった現場目線の疑問にもお答えします。
読み終えるころには、上司や同僚から「ガバナンスって簡単にいうと?」と聞かれても、一言で説明できるフレーズと、自社で活かせる具体的なイメージを持てるようになるはずです。若手ビジネスパーソンの方も、中小企業の経営者・管理職の方も、「知恵袋より少し本格的に」ガバナンスを理解する第一歩として、ぜひお役立てください。
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ガバナンスとは?
→ 企業が不祥事や暴走を防ぎ、公正な経営を行うための「ルールと見張りの仕組み」のこと。なぜ今ガバナンスが重要?
→ 不祥事・情報漏えいが大きなダメージにつながる時代になり、予防としての仕組みづくりが求められているため。似た言葉との違い
→ ガバナンス=枠組み、コンプライアンス=守るべきルール、リスクマネジメント=リスク対策のプロセス、内部統制=現場レベルの仕組み。中小企業でも必要?
→ 規模に合わせた“シンプルなガバナンス”はどの会社にも必要。最低限のルールとチェックが会社を守る。
明日からすべてを変える必要はありません。
まずは次の1〜3個から取り組んでみてください。
自社の「お金・人・情報」の重要な意思決定の流れを紙1枚に描き出す
「1人だけで決めてはいけないこと」を3つ決める
不正やハラスメントを相談できる窓口(社内/社外)を明確にして周知する
これだけでも、ガバナンスの「土台」を一歩前に進めることができます。
ガバナンスとは?簡単にいうと「組織を正しく動かす仕組み」
ガバナンスの言葉の意味(統治・支配・管理)
「ガバナンス(governance)」は、もともと英語で「統治」「支配」「管理」といった意味を持つ言葉です。
国家や自治体の運営に使われることもあれば、企業や学校、NPOなど、あらゆる組織の「運営のされ方」を指す場合もあります。
ビジネスの場面では、
企業が不正や不祥事を防ぎ、公正で透明性の高い経営を行うための管理・監視の仕組み
という意味で使われることが一般的です。
いわゆる「企業統治(コーポレートガバナンス)」という言葉も、ほぼ同じ文脈だと考えて差し支えありません。
会社でいうガバナンスを一言で表すと?
会社で使う「ガバナンス」を、できるだけ簡単に一言で言うと、次のように表せます。
ガバナンス=会社が“暴走しないように”するための、ルールと見張りの仕組み
ルール … 就業規則、社内規程、マニュアルなど
見張り … 取締役会、監査役、内部監査、社外取締役など
この「ルール」と「見張り」がセットになって機能すると、経営者や一部の社員が独断で会社に不利益なことをするリスクを小さくできます。
Yahoo!知恵袋でよくある質問と、ざっくり回答イメージ
「ガバナンスとは 簡単に」「ガバナンスとは 知恵袋」などで検索すると、Yahoo!知恵袋には次のような素朴な質問が並びます。
「ガバナンスって、コンプライアンスと何が違うんですか?」
「ガバナンスって上場企業だけの話ですか?」
「普通の社員にも関係あるんでしょうか?」
本記事では、こうした「知恵袋レベルの疑問」に答えるイメージで、
まず一言でざっくり回答
続いて少し詳しく解説
最後に自社でどう活かすかのヒント
という順番で解説していきます。
ガバナンスが注目される背景と目的
不祥事・情報漏えいが増えた時代背景
ガバナンスが強く求められるようになった背景には、2000年代以降に相次いだ企業の不祥事や情報漏えいがあります。
大企業での粉飾決算やデータ改ざん、SNS炎上などが社会問題となり、「会社の中で一体何が起きているのか」「なぜ止められなかったのか」が厳しく問われるようになりました。
SNSやネットニュースで情報がすぐ広まる時代では、ひとたび不祥事が起きると、売上・株価・採用・ブランドイメージに大きなダメージを与えます。
そのため、「問題が起きてから対処する」のではなく、「問題が起きないように仕組みで予防する」考え方がより重視されているのです。
ガバナンスの2つの目的:不正防止と企業価値向上
企業ガバナンスの大きな目的は、次の2つにまとめられます。
不正・不祥事を防ぐこと
粉飾決算、横領、ハラスメント、情報漏えいなどを未然に防ぐ
問題が起きた場合も早期に発見し、被害を最小限に抑える
企業の価値を高めること
経営の透明性を高め、株主・取引先・従業員からの信頼を得る
中長期的に安定した収益・成長を実現する
「ガバナンス=会社を守る防御システム」と捉えると、イメージしやすくなります。
上場企業だけでなく中小企業にも必要な理由
「ガバナンスって、上場企業だけの話でしょ?」と思われがちですが、実際には中小企業や非上場企業でもガバナンスの重要性は高まっています。
銀行・取引先から「ガバナンス体制」の有無を問われることがある
従業員の採用・定着においても「安心して働ける会社か」が重視される
社長の高齢化・事業承継の場面では、ガバナンスが弱いとトラブルの原因になる
規模が小さくても、「最低限のルールとチェックの仕組み」を整えておくことは、会社を守るうえで非常に重要です。
ガバナンスとコンプライアンスなど似た言葉の違いを簡単に整理
ガバナンスとコンプライアンスの違い
よく混同されるのが、「ガバナンス」と「コンプライアンス」です。
コンプライアンス:法律や社内ルール、社会の倫理・常識を「守ること」
ガバナンス:コンプライアンスを含むさまざまなルールが「守られるようにする仕組み」
つまり、
ガバナンス(枠組み・仕組み)の中に、コンプライアンス(守るべきルール)が含まれている
と考えると分かりやすいでしょう。
ガバナンスとリスクマネジメントの違い
リスクマネジメントは、
会社にとってのリスク(危険)の洗い出し → 優先順位付け → 対策を考え実行するプロセス
のことです。
ガバナンスは、そのリスクマネジメントがきちんと回るように、組織としての枠組みや監視の仕組みを整えることです。
リスクマネジメント:「何が危ないか」「どう防ぐか」を考えて動くこと
ガバナンス:それを忘れず・続けて・形骸化しないようにする“仕組みづくり”
と整理できます。
ガバナンスと内部統制・内部監査の関係
内部統制とは、業務を正確・効率的に行い、不正を防ぎ、法令を守るための「現場レベルの仕組み」を指します。
承認フローや職務分掌、マニュアル整備などが代表例です。
内部監査は、その内部統制やガバナンスがきちんと機能しているかをチェックする役割です。
関係性をまとめると、次のようなイメージになります。
ガバナンス … 全体の「統治の枠組み」
内部統制 … 各業務プロセスにおける具体的な「仕組み」
内部監査 … 枠組みと仕組みがうまく働いているかを点検する「検査役」
【比較表】4つの用語を一気に整理
以下の表で、「ガバナンス」と似た用語の違いをまとめます。
| 用語 | 一言でいうと | 主な目的 | 主な担い手 | イメージ例 |
|---|---|---|---|---|
| ガバナンス | 組織を暴走させないためのルールと見張りの仕組み | 不正防止・企業価値向上 | 取締役会、経営陣、社外取締役など | 会社全体の「統治のしくみ」 |
| コンプライアンス | 法律・ルール・倫理を守ること | 違法行為・不適切行為の防止 | すべての役員・社員 | 法令遵守、ハラスメント防止 |
| リスクマネジメント | リスクを洗い出し、優先順位をつけて対策すること | 損失やトラブルの最小化 | 経営陣、各部門の責任者 | 災害対策、情報漏えい対策、BCP など |
| 内部統制(+内部監査含む) | 業務の正確性・効率性・不正防止のための業務プロセス | ミス・不正の予防と早期発見 | 管理部門、各部署、内部監査部門 | 承認フロー、権限分掌、内部監査チェック |
企業ガバナンスの主な仕組みと具体例
取締役会・社外取締役など“見張る仕組み”
企業のガバナンスを支える「見張り役」として、代表的なものは次の通りです。
取締役会:経営の重要事項を決めると同時に、経営陣同士で牽制し合う場
社外取締役・社外監査役:社内の論理に偏らないよう、外部の目線でチェックする役割
監査役・監査委員会:取締役の職務執行を監査する機能
内部監査部門:現場の業務がルール通りに運用されているかを検証する部門
重要なのは、「社長だけが好きなように決める」のではなく、複数の視点で意見・チェックが入る場をきちんと設けることです。
ルール・権限分担・チェックの流れ
ガバナンスは、「ルール」「権限分担」「チェック」の3つの要素が揃ってはじめて機能します。
ルール(何をどうするか)
就業規則・各種規程(人事、経理、情報セキュリティなど)
マニュアル・手順書
権限分担(誰が決めるか)
どの金額まで誰が承認するか
どの範囲をどの部署・役職が担当するか
チェック(守られているか)
ダブルチェック・上長承認
内部監査・外部監査
この3つがバランス良く設計されていると、「ルールはあるけれど誰も守っていない」「チェックはあるが形だけ」といった状態を避けやすくなります。
中小企業でもできるシンプルなガバナンス例
中小企業や小規模組織であっても、次のようなシンプルな取り組みでガバナンスを強化できます。
20万円以上の支払いは、必ず複数人の承認を必要とする
重要な契約書は、社長ともう1名(経理・総務など)のチェックを義務付ける
経費精算にレシート添付を必須化し、月次でランダムチェックする
ハラスメント・不正の相談窓口として、社外の専門機関(社労士・弁護士)も案内する
「完璧な体制」を目指す必要はありません。
自社の規模に合った“最低限のルールとチェック”を整えることが、現実的で効果的なガバナンス強化につながります。
自社のガバナンスが弱いときのチェックリスト
ガバナンスが弱い会社の危険サイン
次の項目にいくつ当てはまるか、チェックしてみてください。
社長またはごく一部の人だけが、重要な情報と決定権を握っている
大きなお金や契約が「1人の判断」で承認されている
社内ルールが文書化されておらず、「前からそうしている」で済ませている
不正やハラスメントを相談できる窓口がない、あるいは知られていない
残業時間や休日出勤が、現場任せでしっかり把握されていない
重要なシステムのID・パスワードを複数人で共有している
取引先からの「お願い」「値引き」などを、1人の担当者が独断で判断できてしまう
問題が起きたとき、「誰が決めたのか」「どういう経緯か」が振り返れない
3つ以上当てはまる場合は、ガバナンスが弱く、将来のトラブルリスクが高い状態と言えます。
すぐに着手できる改善アクション
すべてを一度に変える必要はありません。次のような「小さな一歩」から始めると、現場の負担も少なく進めやすくなります。
承認フローを紙1枚(または1枚の図)にまとめる
いま誰が何を承認しているかを洗い出す
金額や重要度に応じた承認ステップを簡単に整理する
「1人で決めてはいけないこと」を決める
一定額以上の支出
新規取引先の決定
顧客情報の持ち出し など
相談・通報ルートを明確にする
「何かおかしいと思ったら、ここに相談してほしい」という窓口を周知
社外専門家の連絡先を記載するのも有効
ガバナンスを強化する5つのステップ(中小企業向け)
ステップ1:現状を“見える化”する
まずは、今の自社の意思決定や承認の流れを「見える化」します。
誰が、どんな内容を、どのように決めているか
お金・人・情報に関する重要な判断が、どのルートで行われているか
紙やホワイトボード、簡単な図で構いません。
「いまの状態をそのまま描き出す」ことが、改善の出発点になります。
ステップ2:ルールと権限を整理する
見える化した内容をもとに、ルールと権限を整理します。
金額に応じた承認者(例:10万円までは課長、50万円までは部長、それ以上は社長など)
どの部署が何を担当するか(職務分掌)
細かすぎるルールは作らず、「守ってほしいポイント」に絞る
この段階では、完璧さよりも「守りやすさ」を優先することがポイントです。
ステップ3:チェック・通報の仕組みをつくる
ルールがあっても、守られなければ意味がありません。
承認を二重化・三重化する(特にお金と情報の管理)
月に一度、ランダムに帳票やログをチェックする
不正・ハラスメント・コンプライアンス違反を相談できる窓口を設ける
「誰かがおかしいと感じたときに、声を上げやすい環境」を整えることが重要です。
ステップ4:教育・周知で「形骸化」を防ぐ
ガバナンスは、作って終わりではなく、現場の一人ひとりに伝わって初めて意味を持ちます。
年に1回程度、社内説明会やミニ研修を実施
実際に起きた不祥事事例やニュースを共有し、「なぜ問題なのか」を一緒に考える
マニュアルや規程の要点を、スライド1〜2枚でまとめて配布
「難しい法律の話」ではなく、「自分の仕事にどう影響するか」を中心に伝えると浸透しやすくなります。
ステップ5:定期的に振り返り・改善する
最後に、ガバナンスの仕組みを定期的に見直すサイクルを決めておきます。
年1回、経営会議や役員会でガバナンスの状況を振り返る
ヒヤリハットや小さなトラブルも含めて共有し、対策を話し合う
実態に合わなくなったルールは柔軟に修正する
「変わる会社」に合わせてガバナンスも変えていくことが、形骸化を防ぐポイントです。
よくある質問(Q&A)〜知恵袋風にやさしく回答〜
Q1:ガバナンスとコンプライアンス、どっちが上位の概念?
A:ガバナンスが“枠組み”、コンプライアンスが“中身”というイメージです。
ガバナンスは、会社全体をどう統治・管理するかという「枠組み・仕組み」です。
その中で、守るべきルールの一つとして「コンプライアンス(法令・倫理遵守)」があります。
ガバナンス … ルールを守らせるための仕組み
コンプライアンス … 守るべきルールそのもの
と整理しておくと、説明しやすくなります。
Q2:従業員数10人の会社にもガバナンスは必要?
A:必要です。ただし、やり方の“レベル感”は会社の規模に合わせれば十分です。
従業員が少なくても、
お金を1人の判断で動かさない
契約書を複数人で確認する
不正やハラスメントを相談できる窓口を決めておく
といった最低限のルールとチェックは欠かせません。
大企業のような複雑な委員会や分厚い規程をまねる必要はなく、「小さくても実効性のある仕組み」を目指すことが大切です。
Q3:ガバナンスを強くすると、意思決定が遅くなりませんか?
A:やり方次第です。ガバナンスは“ブレーキ”ですが、適切に設計すればスピードも両立できます。
ガバナンスを強化すると、承認ステップが増えて意思決定が遅くなるリスクは確かにあります。
しかし、次のような工夫でバランスを取ることができます。
金額やリスクの大きさに応じて承認の段階を変える
日常的な少額業務は簡略化し、例外的な案件だけ慎重に扱う
事前に「この範囲なら現場判断でOK」というルールを明確にしておく
「何でもかんでも厳しくチェックする」のではなく、「大きなリスクがあるところに重点的にブレーキをかける」のが上手なガバナンスです。
Q4:ITガバナンス・データガバナンスとの関係は?
A:ITやデータの分野に特化した“個別のガバナンス”だと考えると分かりやすいです。
ITガバナンス:システム投資や情報システム部門を、会社の方針に沿って適切にコントロールする仕組み
データガバナンス:データの扱い方・品質・アクセス権限などをルール化し、正しく運用する仕組み
どちらも、会社全体のガバナンスの一部として位置づけられます。
本記事では概要にとどめ、詳細な設計は別テーマとして検討するのが適切です。