コストコのおしりふきは、大判で使いやすくコスパにも優れているため、多くのご家庭で高く支持されております。しかし近年、「コストコおしりふき 危ない」という情報がSNSを中心に広まり、不安を感じて検索された方も多いのではないでしょうか。とくに、アメリカで話題となったPFAS(有機フッ素化合物)の検出報道や、過去に問題視された防腐剤の存在を耳にすると、「本当に使い続けて大丈夫なのか」「今あるストックを捨てるべきか」など、判断に迷われる方も少なくありません。
本記事では、こうした不安に対して、感情ではなく事実に基づいて安心して判断いただけるよう、最新の安全性情報、日本向け製品と海外製品の違い、成分の解説、国産品との比較、さらに肌トラブル発生時の対処方法まで体系的に整理いたします。読後には、「自分の家庭ではどう選ぶべきか」が明確になるよう構成しておりますので、気がかりな点をひとつずつ確認しながら読み進めていただければ幸いです。
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日本向けの現行製品は化粧品基準および業界の自主基準に沿って製造されており、通常使用の範囲では重大な健康リスクは想定されておりません。
しかしながら、お子さまの肌質やアレルギー体質によっては、特定の成分に反応する可能性があることも事実です。そのため、成分表示の確認、使用後の肌状態の観察、必要に応じた国産品との使い分けが重要となります。また、不安が強い場合には無理に使用を続ける必要はなく、心理的な安心感も含めてご家庭に合った選択をしていただくことが最良の判断となります。
コストコおしりふきが「危ない」と言われる2つの理由
理由① アメリカでのPFAS検出と集団訴訟のニュース
「危ない」というイメージの中心には、アメリカでのPFAS検出と集団訴訟があります。
2024年前後、アメリカで販売されていたコストコのカークランドシグネチャー・ベビーワイプに、PFASと呼ばれる有機フッ素化合物が含まれていた可能性があるとして、消費者が訴訟を起こしました。
PFASは非常に分解されにくく、環境や体内に蓄積しやすい物質として世界的に問題視されています。日本でも、公的機関がPFASの健康影響や長期的なリスクについて評価を進めています。
このニュースがSNSやメディアで拡散され、「コストコのおしりふき=危ない」というイメージが強まったと考えられます。ただし、訴訟の対象となったのはアメリカで販売されていた特定ロットであり、日本で流通している商品とは製造国・時期が異なります。この点は後ほど詳しく整理いたします。
理由② 旧製品で問題視された防腐剤(メチルイソチアゾリノン)
もう一つの理由は、過去に一部のおしりふきやウェットティッシュで使用されていた防腐剤「メチルイソチアゾリノン(MIT)」に関する問題です。
メチルイソチアゾリノンは防腐効果が高い一方で、接触性皮膚炎(かぶれ)などの原因となることが分かっており、世界各国でアレルギー事例が報告されてきました。その結果、欧州では洗い流さない化粧品への使用が禁止されるなど、規制が強化されています。
数年前、日本でも一部のウェットティッシュでMITの使用が問題視され、「赤ちゃんに使うには不安」という声が上がりました。この流れの中で、「コストコのおしりふきにもMITが入っているのでは?」という噂が出た経緯があります。
しかし、現在日本のコストコで販売されているカークランドシグネチャー赤ちゃん用おしりふきやRICOなどについては、成分表示やメーカーの情報から、MITを含まない処方に切り替わっていることが確認されています。
日本のコストコで売られているおしりふきは同じなのか?
現行品の製造国・ブランド(韓国製カークランド・RICOなど)
アメリカで訴訟対象となった製品は、アメリカ国内向けの製造ラインのものです。一方、日本のコストコで現在販売されている主なおしりふきは、次のようなラインナップです。
カークランドシグネチャー 赤ちゃん用 おしりふき(Kirkland Signature Baby Wipes)
原産国:韓国
特徴:大判・厚手・無香料、パラベン・アルコール・フタル酸エステル類・染料など不使用
RICO ベビーワイプ(RICO Baby Wipes)
原産国:韓国
特徴:厚手でエンボス加工、水分たっぷり、アルコール・香料・パラベン不使用
複数のレビューや比較情報によると、日本のコストコでは2023年頃から、問題となったアメリカ製造品ではなく韓国製の製品に切り替えられているとされています。また、日本で販売されているベビーワイプからPFASが検出されたという公式な報告は、現時点では確認されていません。
日本の安全基準と「赤ちゃんのおしりふき」の位置づけ
日本で販売される「赤ちゃんのおしりふき」は、薬機法上「化粧品」に分類されます。そのため、厚生労働省が定める化粧品基準に適合した成分のみが使用され、皮膚への安全性に問題がない範囲で配合されます。
さらに、ウェットワイパー類(ウェットティッシュなど)には、業界団体による安全・衛生の自主基準が存在し、使用できる薬品は化粧品原料基準や食品添加物公定書に収載されたものなどに限られるとされています。
こうした基準に適合していることが、日本国内で販売されるコストコのおしりふきについても前提となっており、一般的な使用方法の範囲であれば「直ちに危険」と評価される状況にはありません。
コストコおしりふきの成分と安全性を整理
主な配合成分(水・保湿成分・防腐剤など)の役割
コストコのおしりふき(カークランド・RICO)は、商品ごとに細かな違いはあるものの、概ね次のような成分構成です。
水(基材):シートに含浸される液のメイン成分
保湿成分:グリセリン、アロエベラエキス、ビタミンE(トコフェロール)など
防腐剤:微生物の繁殖を防ぎ、安全に長期間使用できるようにするために少量配合
その他:pH調整剤、肌を保護する成分など
多くの製品で共通している特徴として、
無香料
アルコール(エタノール)不使用
パラベン不使用
などが挙げられ、赤ちゃんや敏感肌への配慮がされた処方になっています。
PFAS・MITは現行日本品に含まれているのか
現行の日本向けコストコおしりふきについては、主に次の点がポイントです。
PFAS(有機フッ素化合物)
日本で販売されているカークランドベビーワイプ等から、PFASが検出されたという公的な報告はありません。
PFASは本来、おしりふきのような製品に意図的に配合される成分ではなく、アメリカ訴訟では「製造工程上の混入」が主な論点とされています。
メチルイソチアゾリノン(MIT)
過去に一部ウェットティッシュで使用されていた防腐剤ですが、アレルギーリスクが指摘され、多くのメーカーが使用を控える方向に転換しています。
現行の日本向けコストコおしりふきでは、MIT不使用の処方になっていることが複数の情報源から確認されています。
このため、「現在、日本のコストコで販売されているおしりふき」がPFASやMITを理由に直ちに危険と評価される状況にはないと考えられます。ただし、PFASについては世界的に評価が進行中の物質であり、今後新たな知見が出る可能性もあるため、必要に応じて公的機関等の最新情報を確認することは重要です。
どんな子どもに注意が必要か(敏感肌・アレルギー体質など)
成分が国内基準を満たしていても、個々の体質によっては肌トラブルが起こり得ます。特に注意が必要なのは、次のようなケースです。
アトピー性皮膚炎や強い乾燥肌がある
食物アレルギーやその他アレルギー疾患があり、皮膚が敏感
以前別のおしりふきや化粧品・シャンプー等でかぶれた経験がある
そのような場合には、次のようなポイントを意識してご使用いただくことをおすすめいたします。
まずは少量を短時間・狭い範囲で試し、赤みやかゆみが出ないか確認する
気になる成分(防腐剤・香料・植物エキスなど)があれば、事前に医師に相談する
不安が強い場合は、成分がよりシンプルな国産製品から優先的に試す
国産おしりふきとの比較|安全性・使い勝手・コスパ
代表的な国産おしりふきとの成分・仕様比較表
以下は、代表的な製品を想定した比較イメージです(価格や枚数は変動するため、購入時点での実際の表示をご確認ください)。
| 商品名(例) | ブランド/原産国 | 主な成分 | アルコール・香料・パラベン | シートサイズ(目安) | 枚数・価格(目安) | 1枚単価(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| カークランド ベビーワイプ | コストコ / 韓国 | 水、保湿成分、低刺激防腐剤など | いずれも不使用 | 大判(約18×20cm) | 900枚 / 約3,500円前後 | 約3.9円 | 大判・厚手で拭き取り力が高い |
| RICO ベビーワイプ | RICO / 韓国 | 水、アロエ等、低刺激防腐剤 | いずれも不使用 | 大判 | 900〜2,000枚(構成多様) | 3〜4円台目安 | エンボス加工で汚れを絡めとりやすい |
| 国産A社 おしりふき(敏感肌用) | 国産 / 日本 | 水、保湿成分少量、防腐剤 | 無香料・ノンアルコール | やや小さめ | 60枚×複数パック | 4〜6円目安 | 成分がシンプルで肌にやさしい設計 |
| 国産B社 水99%タイプ | 国産 / 日本 | 水、極少量の防腐剤 | 無香料・ノンアルコール | 薄め・普通サイズ | 80枚×複数パック | 4〜6円目安 | 「水分ほぼのみ」で心理的安心感 |
※上記はあくまで比較の考え方を示すための例です。
価格・1枚あたり単価・サイズ・厚さの比較
コストコおしりふきの強み
シートが大判で厚手のため、1枚でしっかり拭きやすい
まとめ買いにより1枚あたり単価が比較的安い
汚れが多いときに頼りやすいボリューム感
国産おしりふきの強み
小さめで軽く、持ち歩きやすい
「日本製」「水99%」など、表示上の安心感を得やすい
スーパーやドラッグストアで1パック単位から気軽に購入できる
「どちらが絶対に安全」というよりも、コスト・使い勝手・心理的安心感を総合して、ご家庭に合ったバランスを選ぶことが現実的です。
コストコおしりふきを安全に使うためのチェックリスト
購入前に確認したいポイント(成分表示・原産国・ロット)
購入前チェックリスト
原産国がどこかを確認した(韓国製の現行品であるか等)
香料・アルコール(エタノール)・着色料の有無を確認した
防腐剤の種類を確認し、自分が避けたい成分が含まれていないかをチェックした
使用期限・ロットが極端に古くないことを確認した
これらを確認することで、「成分をよく見ずに購入して後から不安になる」といった状況を減らせます。
使用時の注意点チェックリスト(保管・使用部位・期限)
使用時チェックリスト
直射日光や高温の場所で保管していない
開封後、何か月も放置せず、目安期間内に使い切るようにしている
同じ部位を強くこすらず、やさしく押さえるように拭いている
使用後に赤み・かゆみ・湿疹が出ていないか観察している
おしり以外(顔まわりなど)に使う場合は、少量で様子を見てから使っている
特に、開封後長期間放置すると中身が乾燥したり、防腐効果が弱まり、衛生面のリスクが高まる可能性があります。適切な管理と早めの使い切りが大切です。
肌トラブルが出たときの対処法と受診の目安
すぐに使用を中止すべき症状
次のような症状が出た場合は、おしりふきの使用を中止し、様子をよく観察してください。
おしりや股に強い赤みが出た
ブツブツした発疹や湿疹が出ている
じゅくじゅくして液体がにじむような状態になっている
子どもが強くかゆがったり、触られるのを嫌がる
おしりふきだけでなく、うんちそのものやおむつ、石けんなどが原因のこともありますが、まずは疑わしい製品の使用を止めることが重要です。
小児科・皮膚科を受診するタイミングと伝えるべき情報
次のような場合は、小児科や皮膚科の受診をご検討ください。
数日たっても症状が改善しない
むしろ悪化して範囲が広がっている
ぐっすり眠れないほどかゆみや痛みが強い
受診の際には、次の情報をメモして医師に伝えると、原因の特定に役立ちます。
使用していたおしりふきの製品名・メーカー名
成分表示の写真(スマートフォンで撮影しておくと便利です)
いつ頃から、どの部位に、どの程度の頻度で使用していたか
他に使用しているスキンケア用品やおむつの種類
必要に応じて、特定の成分に対するアレルギー検査やパッチテストが行われる場合もあります。
こんな使い方も|コストコおしりふきの応用例と、あえて別製品を使う場面
テーブル・床・アウトドアなど「からだ以外」での活用
「やはり体に使うのは少し不安が残る」という場合でも、コストコおしりふきの大判・厚手という特性は、日常生活のさまざまな場面で活用できます。
食べこぼしで汚れたテーブルや床のふき取り
車内の簡易的な掃除
アウトドアやキャンプでの手・道具周りのクリーニング
靴やベビーカーのちょっとした汚れ落とし
このように、からだ以外の用途に回すことで、コスパを生かしつつ心理的な不安も軽減できます。ペットに使用する場合は、ペットの皮膚・粘膜に対する安全性も考え、心配であれば専用品をお使いください。
新生児期や重度の敏感肌で、よりマイルドな製品を優先すべきケース
新生児期(生後すぐ~数か月)は特に皮膚が薄くデリケートなため、より成分のシンプルな国産おしりふきを優先するご家庭も多くあります。
すでにアトピー性皮膚炎などの診断を受けている場合は、医師推奨の製品や、極力添加物の少ない製品を選択した方が安心です。
「普段はコストコのおしりふき、肌が荒れている時期は国産の敏感肌向けに切り替える」など、時期や肌状態に応じて使い分けるという考え方も、現実的な選択肢の一つです。
よくある質問(FAQ)
アメリカ製と日本のコストコおしりふきはどう見分ける?
最も簡単な確認方法は、パッケージの「原産国」表記を見ることです。
日本のコストコで販売されているカークランドベビーワイプは、現在は「韓国製」と表記されています。
アメリカで訴訟対象となったのは米国製のロットであり、現在日本に正規流通している商品とは製造ラインが異なります。並行輸入品などをネット通販で購入する場合は、出品者情報や原産国表示を特に注意してご確認ください。
今ストックが大量にある場合、全部捨てた方がよい?
現時点で、日本のコストコで販売されている現行品について、PFASやMITが原因で「直ちに健康被害が出る」といった科学的な根拠は示されていません。
そのため、科学的リスクだけを見れば、すべてを廃棄する必要性は高くないと考えられます。ただし、
SNS上の情報を見て強い不安を感じている
子どもが敏感肌・アレルギー体質である
といった場合には、以下のような折衷案も一つの方法です。
体(おしり)には、成分がよりシンプルな国産おしりふきを使用する
コストコのおしりふきは、テーブル・床・アウトドアなど生活雑貨用途に回す
ご家族で話し合いながら、科学的リスクと心理的安心感のバランスをとって判断されることをおすすめいたします。
どのおしりふきなら「絶対に安全」と言えるのか?
残念ながら、「絶対に安全」と言い切れる製品は存在しません。どの製品も、
ある程度の防腐剤や保湿成分を含んでいる
個々の体質・アレルギーの違いがある
という前提があるためです。
重要なのは、次のポイントです。
成分表示を確認し、ご家庭として許容できる範囲かどうか判断する
子どもの肌状態をよく観察し、「合わない」と感じたら無理に使い続けない
不安が強い場合やトラブルが続く場合は、小児科・皮膚科に相談する
コストコおしりふきも国産おしりふきも、「日本の基準に基づいて製造された選択肢の一つ」として捉え、ご家庭の価値観とお子さまの肌状態に合うものを選ぶことが大切です。
まとめ|不安と上手に付き合いながら、おしりふきを選ぶポイント
最後に、本記事の要点を整理いたします。
「コストコおしりふきが危ない」と言われる主な理由は、
アメリカでのPFAS検出と集団訴訟
旧製品に関連した防腐剤(メチルイソチアゾリノン/MIT)問題
にあります。
一方で、日本のコストコで現在販売されているおしりふきは韓国製が中心であり、PFAS検出の公式報告はなく、MITも不使用とされています。
日本の赤ちゃん用おしりふきは化粧品に分類され、化粧品基準や業界の自主基準に基づいて製造されており、通常の使用範囲では「直ちに重大な健康リスクがある」と評価される状況にはありません。
それでも、敏感肌やアレルギー体質のお子さまでは、個々の成分に反応することがあります。成分表示の確認と、日々の肌状態の観察が重要です。
不安が強い場合には、
国産の成分シンプルな製品を主体にする
コストコおしりふきは生活雑貨用として活用する
など、用途や時期で使い分けることも現実的な選択肢です。
本記事の内容は、執筆時点で公開されている情報をもとにまとめたものです。PFASなど環境物質に関する科学的知見は今後も更新されていく可能性があります。おしりふきを選ぶ際には、
成分表示と原産国を確認する
子どもの肌の状態をよく観察する
必要に応じて、小児科・皮膚科や公的機関の情報も参照する
といった点を意識し、ご家族が納得できる形で、お子さまに合った製品を選んでいただければ幸いです。