5時間勤務なのに休憩がなくて、ずっと立ちっぱなし。水を飲む暇もなく、頭がぼんやりしてミスが怖い——そんな日が続くと、「これって普通なの?」「法律的に大丈夫?」と不安になりますよね。
実は、5時間勤務は“時間だけ”で見ると休憩義務が直ちに発生しない場合があります。ただし、少しの延長で実質6時間を超えていたり、休憩扱いでも呼び出し待機で自由に使えていなかったりすると、話は変わります。
この記事では、まず休憩のルールと違法になりやすい落とし穴をわかりやすく整理し、そのうえで今日のシフトから効く30秒〜3分のミニ回復術、角が立ちにくい伝え方テンプレ、改善しない場合の記録と相談先まで、順番にまとめます。
読み終わる頃には、「自分の状況がどれに当てはまるか」と「次に何をすればいいか」がはっきりするはずです。
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5時間勤務で休憩なしは違法なのか
「休憩がないのは違法では?」と感じたとき、まず確認するべきなのは“1日の労働時間”が何時間かです。法律では、休憩が必要になる条件が明確に決まっています。
休憩が必要になる労働時間の基準
休憩時間は、労働基準法で次のように定められています(詳細は本文末の参考情報源に掲載)。
| 1日の労働時間 | 会社が与えるべき休憩(最低) | 現場で起きやすい注意点 |
|---|---|---|
| 6時間以内 | 義務なし | 「延長で6時間超」になりやすい |
| 6時間を超える〜8時間以内 | 45分以上 | 休憩が“途中”に取れているか |
| 8時間を超える | 1時間以上 | 分割の仕方・一斉付与の扱い |
大切なのは「6時間を超える場合」に義務が発生する点です。
つまり、実働が5時間で確実に終わるのであれば、法律上は休憩が必ず必要とは限りません。
ただし、多くの人がここでつまずきます。現場では「5時間のはずが延びる」「休憩扱いでも呼ばれる」「準備や片付けが勤務時間に入っていない」など、実態がズレやすいからです。次の項目で丁寧に整理します。
休憩の3つの基本ルールと、休憩にならない典型例
「休憩」とは、単に時間が空いていることではありません。休憩の要点は、業務の指示命令から離れて、労働者が自由に使える時間であることです。
現場でよくある「休憩っぽいけど休憩になっていない」例を、まずは一覧で確認してください。
| よくある状況 | 休憩として弱くなる理由 | ありがちな言い訳 |
|---|---|---|
| 休憩中でも電話が鳴ったら出る | 自由に使えず待機に近い | 「鳴ったらお願い」 |
| 休憩中でもお客が来たら対応 | 指示が飛ぶ=拘束される | 「混んだら出て」 |
| 休憩中にバックヤードで立ったまま | 実質的に業務待機になりやすい | 「ここにいて」 |
| 休憩はあるが、毎回潰れる | 休憩が確保されていない | 「後でまとめて」 |
ポイントは「自由利用できるか」です。
休憩の時間帯に、実質的に業務対応が発生するなら、それは休憩として成立しにくくなります。
5時間でも注意したい“落とし穴”は2つ
5時間勤務でも問題になりやすいのは、主に次の2パターンです。
1) 実質的に6時間を超えている(延長・準備片付け・着替え等)
「シフトは5時間」のはずでも、毎回のように次が起きると実質は長くなります。
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出勤前に制服への着替え・開店準備があり、タイムカード前から動いている
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終業後に片付け・締め・引き継ぎがあり、退勤が遅れる
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人手不足で「あと10分」を繰り返し、6時間を超える日が出る
「少し伸びただけ」と思っても、休憩義務は“6時間を超えた瞬間”に発生します。境目が鋭いので注意が必要です。
2) 休憩扱いでも、自由に使えていない(呼び出し・電話番・待機)
休憩はあることになっていても、実際には呼び出し待機なら「休めていない」状態です。
体感がきつい理由がここにある人も多く、改善策は「時間を増やす」だけではなく、自由に使える状態を確保することになります。
5時間勤務でも「きつい」が強くなる原因
同じ5時間でも、きつさには差が出ます。あなたの状況に近いものがどれか、原因を分解してみてください。原因が見えると、対策が当たりやすくなります。
立ち仕事・単純反復・ピーク帯固定は、短時間でも負担が跳ねる
飲食・小売・倉庫・工場などでは、5時間でも次の条件が揃うと疲労が急増します。
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立ちっぱなしで足裏〜ふくらはぎが詰まる
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前かがみが多く、腰・首・肩に負担が集中
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同じ動作の反復で手首・肘・膝が痛む
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ピーク帯(混雑時間)固定で呼吸が浅くなり、回復が起きない
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一瞬も止まれない空気で緊張が切れず、脳が疲れる
きつさは「時間」だけでなく「密度」で決まります。
短い時間でも密度が高いと、体感は長時間に近づきます。
水分だけでなく、糖分・塩分の不足で一気に崩れる
「休憩なしで動き続ける」状況では、補給が後回しになりやすいです。
その結果、次のような不調が起こります。
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頭がぼんやりして、ミスが増える
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立ちくらみ、冷や汗、手の震え
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頭痛、吐き気、気分の落ち込み
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イライラが増えて、人に当たりそうになる
特に、汗をかく環境では塩分、動き回る環境では糖分の不足が起きやすく、「ただ疲れた」ではなく体のエネルギー切れが混ざります。
メンタル疲労は、体感時間を伸ばす
身体の疲れに加えて、精神的な負荷があると一気にきつくなります。
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監視されている感じがする
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怒られやすい、圧が強い
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クレームが多い
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トイレに行きづらい
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人手不足でずっと焦っている
この場合、休憩は「体力回復」だけでなく、気持ちを切り替える時間として重要です。
だからこそ、たとえ長い休憩が取れなくても「数十秒の回復」を入れることに価値があります。
まずは自己診断:実質6時間超・休憩未成立チェックリスト
「法的には大丈夫?」を自分で判定するには、シンプルなチェックが有効です。以下を確認してください。1つでも当てはまるなら、状況整理の価値があります。
実質6時間超のチェック
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□ シフトは5時間でも、ほぼ毎回「あと少し」で延長がある
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□ 開店準備や閉店作業が、勤務時間の外で発生している
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□ 着替え・清掃・準備が“当然”として扱われ、勤怠に入っていない
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□ 引き継ぎやレジ締めで、終業後に待たされることがある
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□ 週のうち何日かは合計で6時間を超える日がある
休憩未成立(自由に使えていない)のチェック
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□ 休憩中でも電話が鳴ったら出るよう言われる
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□ 休憩中でもお客が来たら対応する
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□ バックヤードで「待機」しており、自由に離れられない
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□ 休憩中に作業指示が来る(補充だけ、これだけ等)
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□ 休憩時間があることになっているが、実際は毎回潰れる
このチェックで重要なのは「文句を言うため」ではなく、自分の状況を正確に言語化するためです。言語化できると、交渉も相談も成功率が上がります。
今日のシフトで少しラクにする:30秒〜3分のミニ回復術
「休憩がない」状況をすぐに変えられないこともあります。
その場合でも、回復の隙間を作ることで、体感のきつさは下げられます。
ここでは「忙しい現場でも入れやすい」ものに絞ります。ポイントは、長い休憩を1回ではなく、短い回復を複数回です。
ピーク前:体を“温存”する準備(1分でできる)
ピークに突入してから回復しようとしても難しいので、入る前が大切です。
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水を一口(のどが渇く前に)
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肩を回す(前10回、後ろ10回)
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ふくらはぎポンプ(かかと上げ下げ20回)
これだけで、血流と呼吸が整い、ピーク中の消耗が減ります。
ピーク中:バレずに入れる「30秒回復」
忙しいときほど、止まると罪悪感が出ます。そこで「止まって見えない回復」を使います。
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深呼吸(30秒)
鼻から吸って、口から長く吐く。吐く時間を長くするのがコツです。 -
足の重心入れ替え(20秒)
片足重心を固定しない。左右を意識して変えるだけでも足が楽になります。 -
握る・開く(20秒)
手をグー・パーして前腕の疲労を流します。レジや仕分けで効きます。
ミニ回復は「サボり」ではなく、ミスを減らし、倒れないための安全策です。
ピーク後:2〜3分で回復を“取り戻す”
ピークが落ちた瞬間が勝負です。
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水分+塩分(汗をかくなら特に)
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姿勢リセット(胸を開いて肩甲骨を寄せる)
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腰を伸ばす(軽く反らす・左右にひねる)
可能なら、バックヤードに行く用事(補充・廃棄・伝票など)に合わせて、場所を変えると脳の疲労も落ちます。
補給の設計:5時間を乗り切る「飲む・食べる」の具体策
「水分補給しているのにきつい」人は、補給が“水だけ”になっていることがあります。状況に合わせて組み合わせてください。
飲み物の選び方:水だけで足りない場面がある
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暑い・汗をかく・動き回る
→ 水+塩分(スポーツドリンクや塩飴など) -
頭がぼんやり・冷や汗・震え
→ 低血糖の可能性があるので、糖分を少量(飴、ラムネ、栄養バーなど) -
冷える環境(冷蔵・冷凍・空調強め)
→ 体が硬くなり疲れが抜けないので、温かい飲み物が取れるなら有効
※職場ルールがある場合は従う必要があります。ただし、体調維持のために「飲める場所」「タイミング」を相談する価値は十分にあります。
軽食のコツ:少量で、すぐ戻れるもの
5時間の中でがっつり食べると、眠気や胃の負担が出ることもあります。
「少量」「短時間」「片手」を基準にしてください。
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小さめのおにぎり
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バナナ
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栄養バー(口の水分を持っていかれるので飲み物セット)
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飴・ラムネ(即効性はあるが、頼りすぎない)
タイミング:崩れる前に“先回り”する
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のどが渇く前に一口
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ふらつく前に糖分を少し
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足がパンパンになる前にふくらはぎを動かす
「限界になったら休む」だと間に合わないことがあります。
先回りが、結果的に“楽に働く”近道です。
体の負担を減らす:動き方・装備・小さな工夫
休憩が取れない職場ほど、疲れを減らす工夫の価値が上がります。
ここは改善の即効性が高いので、できるものから試してください。
靴とインソールは、最優先で見直す
立ち仕事の疲れは、足裏から膝・腰に連鎖します。
靴が合わないと、5時間でも痛みが出ます。
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クッション性が落ちていないか
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足幅が合っているか
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かかとが安定するか
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インソールがへたっていないか
「靴が原因」だと気づくと、劇的に楽になる人もいます。
動線の工夫:往復回数を減らす
同じ作業量でも、動線が悪いと疲れます。
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よく使うものを取りやすい場所へ
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まとめて持てるものはまとめる
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取りに行く回数を減らす
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片手作業が多いなら、置き場を固定する
現場のルールがある場合でも「こうすると動きが減ります」と提案しやすい改善です。
姿勢:腰と肩の“固定”を避ける
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片足重心を続けない
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肩をすくめた姿勢を長くしない
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前かがみが続くなら、合間に胸を開く
姿勢は「気合」ではなく、癖と環境で決まります。合間に戻すだけでも変わります。
職場に伝える:角が立ちにくい交渉の順序とテンプレ
「休憩がほしい」と言うのは勇気が要ります。
だからこそ、通りやすい順序で進めるのが大切です。
結論は、相談(ソフト)→提案(代替案)→記録(改善しない場合)です。
まずは事実を整える:3分メモでOK
交渉の成功率は、事実の整理で上がります。
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いつ、何時〜何時のシフトか
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休憩がない日がどれくらい続くか
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途中で水分やトイレに行けるか
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終業後の延長がどれくらい起きるか
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休憩扱いの時間があるなら、呼び出しがあるか
長い文章にする必要はありません。箇条書きで十分です。
角が立ちにくい伝え方テンプレ(そのまま使える)
最初は法律を前面に出すより、安全とミス防止を理由にする方が通りやすい傾向があります。
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「最近、5時間の間ずっと動きっぱなしで体調が不安です。作業の切れ目で2〜3分の回復を入れられるようにしたいです。」
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「ピークが続く日に集中が落ちてミスが怖いです。交代のタイミングを作れないでしょうか。」
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「終業後の片付けで延びる日が多いです。シフトの終わり方を一度見直せると助かります。」
ここで重要なのは「責めない」ことです。
相手が防御的になると、改善が止まります。
代替案を出す:現場が回る形をセットで提示
「休憩ください」だけだと、相手は困ります。代替案を用意しましょう。
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2〜3分のミニ回復を2回入れる(分割の発想)
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ポジションをピーク前後で交代する
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補充や片付けなど、動きの種類を変える(同じ筋肉の酷使を避ける)
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混雑が落ちる時間帯に、交代枠を作る
「回復の時間=現場が止まる」にならない形を提示できると、通りやすくなります。
相手の反応別フロー:ここから先の動き方
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OKが出た
→ 具体化(「いつ」「何分」「誰と交代」)を決める -
渋い(難しいと言われた)
→ まずは試験運用提案(「今週だけ」「ピーク後に2分だけ」) -
拒否(みんな我慢している)
→ 記録を開始し、相談先の選択へ(次章)
改善しないとき:記録の残し方と相談先マップ
「言っても変わらない」状況はつらいです。
ただ、感情だけで押すより、記録と相談で状況が動くこともあります。
記録するべきものチェックリスト(スマホで足りる)
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□ シフト表(写真でもOK)
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□ 勤怠記録(タイムカード・アプリ履歴)
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□ 実際の開始・終了時刻のメモ(毎日)
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□ 休憩が取れなかった日と理由(呼び出し等)
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□ 休憩中に対応した証拠(チャット・メール・通話履歴)
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□ 体調不良がある場合は受診記録(可能なら診断書)
ポイントは「盛る」ことではなく、事実を淡々と残すことです。
相談先の使い分け(どこに行けばいいか迷う人へ)
| 相談先 | 向いている状況 | 期待できること |
|---|---|---|
| 社内(上司・人事) | 円満に改善したい | シフト・配置・ルール調整 |
| 総合労働相談コーナー | どこに相談すべきか分からない | 相談内容の整理、次の案内 |
| 労働基準監督署(労基署) | 法令違反の疑い(実質6時間超で休憩なし等) | 申告・是正の動き |
| 労働組合・ユニオン | 個人で言いにくい | 交渉同席、団体交渉 |
| 弁護士 | 未払い賃金・退職トラブルなど | 法的対応の検討 |
「違法かどうか自信がない」「どこに相談すべきか分からない」段階なら、まずは総合労働相談で整理するのが現実的です(窓口の案内は参考情報源に掲載)。
体調が危ないと感じたら:危険サインと優先順位
休憩がない環境で無理を続けると、体調を崩す人もいます。
「気合で乗り切る」より、まずは安全を優先してください。
危険サインと優先行動(目安)
| 段階 | 例 | 優先行動 |
|---|---|---|
| 軽度 | 足のだるさ、集中しづらい | 水分・姿勢リセット、ミニ回復を増やす |
| 注意 | 頭痛、強い眠気、イライラ、冷や汗 | 糖分・塩分の補給、無理なら早めに申告 |
| 危険 | めまい、動悸、吐き気、意識が遠のく | 休養を最優先、必要なら受診 |
体調は“壊れてから”では取り戻すのが大変です。
休憩が取れない職場ほど、「早めに休む判断」が自分を守ります。
よくある質問
5時間半でも休憩は不要ですか
休憩義務は「6時間を超える場合」に発生します。
ただし、5時間半のつもりでも延びて6時間を超える日があるなら、設計として休憩を確保した方が安全です。
6時間ぴったりなら休憩は0分でもよいですか
法律上は「6時間を超える場合」に義務が発生します。
ただし、現場では数分の延長が起きやすいので、実務上は「延びる前提」で設計する方がトラブルを防げます。
休憩中に呼ばれるのは休憩扱いになりますか
休憩は自由に利用できることが基本です。休憩中に呼び出しが頻繁にある、電話番をさせられるなどの場合は、休憩として成立しにくくなります。
休憩を取れなかった分は賃金で解決できますか
休憩は疲労回復のための時間であり、単純に金銭で置き換える発想はトラブルになりがちです。まずは休憩(またはミニ回復)が確保できる設計に直す方向で考えるのが基本です。
「5時間だから仕方ない」と言われたらどうすればいいですか
まずは「きつい」だけでなく、事実(ピーク帯固定、延長、呼び出し等)と影響(ミスが増える、体調不安)を整理し、短い回復や交代案を提案します。それでも改善しない場合は、記録を取り、相談先で整理して次の手を決めるのが安全です。
まとめ:5時間でもきついのは普通、だから設計で変えられる
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5時間勤務は、時間だけで見れば休憩義務が直ちに発生しない場合があります
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ただし、延長や準備片付けで実質6時間超になったり、休憩中の呼び出しで休憩が成立しないと問題になり得ます
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休憩が取れないときは、30秒〜3分のミニ回復、補給、負荷分散で体感を下げられます
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伝えるときは「相談→提案→記録」の順で、角が立ちにくい形にするのがコツです
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体調が危ないサインが出たら、無理を最優先にしない判断が必要です
状況を変えるのは簡単ではありませんが、「自分の状態を正しく言語化し、回復の隙間を作り、改善の手順を踏む」だけでも、明日が少し楽になることがあります。
参考情報源
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厚生労働省「労働時間・休憩・休日関係」https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken02/jikan.html
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e-Gov法令検索「労働基準法」https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
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厚生労働省「労働時間・休日(休憩時間の基準等)」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/index.html
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厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
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厚生労働省「労働基準行政の相談窓口(労基署・相談先検索等)」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/kijyungaiyou/kijyungaiyou06.html