18歳で「成人」になると、できることが一気に増えます。スマホの契約、一人暮らしの賃貸、クレジットカードの申し込み、サブスクの加入――これまで親の同意が必要だった手続きも、自分の判断で進められるようになります。
一方で見落としがちなのが、18歳・19歳は「未成年者取消権」が基本的に使えないことです。つまり、勢いで契約してしまっても「やっぱり取り消したい」が通りにくく、支払い義務だけが残るリスクが高くなります。
さらに、「成人=何でも18歳からOK」ではありません。飲酒・喫煙など、20歳のままの年齢制限もあります。
この記事では、18歳で成人になって何が変わり、何が変わらないのかを整理したうえで、スマホ・賃貸・クレカ・サブスクといった“起きやすい場面”ごとに、契約前に必ず確認するポイント、断り方のテンプレ、困ったときの相談先(188)まで、迷わず動ける形でまとめます。読み終えたときに、「何をすれば安全か」がはっきり分かるはずです。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
18歳で成人になって変わったことの全体像
18歳で成人になると親の同意なしで契約できる一方、18・19歳は未成年者取消権が基本的に使えず失敗が取り消しにくい。
スマホ・賃貸・カードは料金/期間/解約/自動更新を確認し、困ったら188へ。結局は「急がず確認」が最強です。
成年年齢が18歳になったタイミング
成年年齢は、2022年4月1日から20歳から18歳に引き下げられました。法律の世界での「成年(成人)」は、「一人で有効な契約を結べる年齢」「親権に服さなくなる年齢」という意味を持っています。
ここで大事なのは、成年年齢の引下げは“万能の年齢引下げ”ではないことです。飲酒・喫煙などの年齢制限は別の法律で定められているため、そのまま20歳以上が条件です。
変わったことと変わらないことを先に仕分ける
まずは「できるようになったこと」と「20歳のままのこと」を、生活で困りやすい順に整理します。
| 区分 | 主な例 | ここだけ覚えるポイント |
|---|---|---|
| 18歳で変わったこと | スマホ・賃貸・カードなどの契約、各種申込み | 親の同意なしで契約できる=自分で責任を負う |
| 18歳で特に注意が必要 | 契約トラブル全般 | 18・19歳は未成年者取消権が基本的に使えない |
| 20歳のまま | 飲酒・喫煙など | 成人でも年齢制限は残る |
このあと、特に事故が起きやすい「契約」を中心に、具体的に対策していきます。
18歳で成人になって変わったこと:親の同意なしで契約できる
代表例はスマホ・賃貸・クレジットカード・分割払い
未成年のときは、親の同意が必要だった契約が多くあります。18歳で成人になると、親の同意がなくても自分の意思で契約できる場面が増えます。
-
スマホ回線の契約、機種の分割購入
-
賃貸契約(一人暮らしの部屋)
-
クレジットカードの申込み
-
さまざまなサービスのサブスク契約
-
分割払い(後払い、ローンなど)
「親の同意がいらない」のは自由ですが、裏返せば「自分で内容を理解して、自分で責任を持つ」ということです。契約書や規約を読まずに進める癖がある人ほど、ここで事故りやすくなります。
「契約できる」と「審査に通る」は別
クレジットカードやローンは、法律上は申し込めても、実際に作れるかどうかは審査で決まります。成人だから必ず作れる、必ず借りられる、という仕組みではありません。
もし審査が不安なら、次の考え方が安全です。
-
いきなり上限を大きく求めない
-
毎月の返済(支払い)を“固定費”として見ても耐えられるか確認する
-
分割やリボは、月々の金額だけでなく「総額」「手数料」「支払期間」を見る
-
申込みを短期間に連打しない(落ちた理由を想像で埋めない)
「作れるか」より先に、「使い方を間違えないか」を軸に考えるのが、長い目で一番得です。
契約前に必ず見るべき項目チェックリスト(保存用)
契約で失敗するパターンは、だいたい決まっています。「よく分からないけどOKを押した」「無料だと思った」「解約できると思った」――この3つです。下のチェックリストを、契約前の“儀式”として使ってください。
| 最重要チェック | 見る場所 | 具体的に確認すること |
|---|---|---|
| 料金 | 料金ページ・申込最終画面 | 初月無料でも、2か月目以降はいくらか |
| 契約期間 | 規約・申込画面 | 最低利用期間があるか、途中解約で損しないか |
| 解約方法 | 規約・ヘルプ | 電話のみ/窓口のみ/Webのみ、受付時間、手順の多さ |
| 違約金・解約手数料 | 規約・重要事項 | いくら発生するか、いつ発生するか |
| 自動更新 | 規約 | 例:更新日の7日前までに手続き必須、など条件があるか |
| 支払い方法 | 申込画面 | 分割・リボが混ざっていないか、総額はいくらか |
| 事業者情報 | 特商法表記等 | 会社名・住所・連絡先がはっきりしているか |
| 証拠の保存 | スクショ・メール | 規約、申込画面、料金、解約手順をスクショで残す |
不安が残るなら、その場で決めないのが正解です。「今日だけ」「今すぐ」を迫るものほど、後から困りやすいからです。
18歳で成人になって変わったこと:進学や就職、住む場所を自分で決められる
親権に服さなくなることで起きる変化
成年になると、親権に服さなくなるため、進学・就職・住む場所などを自分の意思で決める範囲が広がります。
これは「親に反抗して自由になる」という話ではなく、「決めた結果を自分が引き受ける」という意味合いが強くなります。たとえば一人暮らしをするなら、家賃、光熱費、通信費、食費、保険、交通費など、毎月の固定費が現実としてのしかかります。
現実には家計支援がある場合の考え方
進学や一人暮らしは、多くの場合、家族の支援や協力が絡みます。法律上は自分で決められても、現実には「誰がいくら負担するか」で揉めやすいポイントです。
話し合いのコツは、感情をぶつけるより数字を置くことです。
-
家賃の上限:いくらまでなら現実的か
-
仕送り:月いくら、いつまで
-
学費:入学金・授業料・教材費・通学費
-
アルバイト:月の見込み収入、テスト期間の減収
-
予備費:急な病気、引っ越し費用、スマホ故障
数字があると、家族も「反対」ではなく「条件提示」に変わりやすくなります。
家族と揉めないための合意の取り方(テンプレ)
家族とぶつからないために、次のテンプレで話すと着地しやすいです。
-
選択肢を3つ出す(A:家から通う、B:寮、C:賃貸)
-
それぞれの費用を並べる(初期費用+月額)
-
メリット・リスクを一言で書く(通学時間、治安、生活力)
-
家族にお願いしたいことを具体化する(仕送り額、保証人など)
-
期限を決める(いつまでに決定するか)
大人になることは、「好きにする」ではなく「説明できる」になることでもあります。説明ができると、結果的に自由度も上がります。
18歳で成人になって変わらないこと:20歳のままの年齢制限
飲酒・喫煙は20歳のまま
成年年齢が18歳になっても、飲酒・喫煙などは20歳以上が条件のままです。ここは誤解が多いので、強めに覚えておくべきポイントです。
「成人なんだからいいでしょ」と誘われても、年齢制限は年齢制限です。学校・就職・資格など、将来に残るリスクになり得るため、軽く扱わない方が安全です。
“成人”と“年齢制限”が混ざると起きる失敗
成人になったことで、できることが増え、周囲の扱いも変わります。その結果、「他の年齢制限も18歳になった」と勘違いしやすくなります。
勘違いを減らすコツはシンプルです。
-
成人=契約の自己決定ができる年齢
-
年齢制限=各制度の法律・規定で決まる年齢
この2つは別物、と覚えることです。
勘違いしやすいポイント早見表
| 勘違い | 実際 |
|---|---|
| 成人だからお酒・たばこもOK | 飲酒・喫煙は20歳以上のまま |
| 困ったら未成年者取消権で取り消せる | 18・19歳は未成年者取消権が基本的に使えない |
| 成人だから契約はすぐ解約できる | 解約条件や違約金は契約次第。先に確認が必要 |
18歳で成人になって増えやすいトラブルと回避策
18・19歳は未成年者取消権が基本的に使えない
18歳・19歳は、未成年者取消権が基本的に認められなくなります。つまり「親が同意していないから取り消したい」が通りにくくなります。
だからこそ、契約前の確認と、証拠を残す習慣が重要になります。ここを押さえておくだけで、危ない契約に引っかかる確率は大きく下がります。
よくある勧誘パターン(断れない人ほど危ない型)
狙われやすいのは、「その場で決めさせる」「判断時間を奪う」型です。
-
「今だけ」「今日だけ」「学生限定」
-
「無料体験」「0円」から始まり、自動で有料化
-
「説明だけ」→ 申込画面に誘導
-
「みんなやってる」→ 断りづらさを利用
-
「簡単に稼げる」「誰でもできる」→ 高額な情報商材・サロン等
危ないのは、内容そのものより「急がせ方」です。良い契約は、急がせません。
断り方テンプレ(そのままコピペで使える)
断り方は、短いほど強いです。理由を長く言うほど、相手はそこを崩してきます。
-
「今は決めません。必要なら自分で調べて申し込みます。」
-
「家で確認します。今日は契約しません。」
-
「連絡先は渡しません。公式サイトを見て判断します。」
-
「急いで決める契約はしないと決めています。」
そして大事な追加ルール:その場で申込画面を開かない。開いた瞬間に流れで進められ、気づいたら申し込み完了、が起きます。
“場面別”トラブル回避ToDo(スマホ・賃貸・カード・サブスク)
ここからは、よくある場面ごとに「最低限これだけやれば安全度が上がる」というToDoをまとめます。
| 場面 | 最低限ToDo | 失敗しやすいポイント |
|---|---|---|
| スマホ契約 | 月額、割引終了後の金額、解約/乗換条件、端末代の総額を確認 | 「2年目から高くなる」「分割が長い」 |
| 賃貸 | 初期費用、更新料、退去費用、違約金、保証会社の条件 | 退去時トラブル、短期解約違約金 |
| クレカ | リボ設定の有無、年会費、支払日、利用枠 | リボが初期設定、使いすぎ |
| サブスク | 自動更新、解約手順、無料期間の終了日 | 解約しづらい、更新を忘れる |
| 進学/就職 | 月の固定費、支援条件、期限を決めて比較 | 勢いで決める、家計が破綻する |
このToDoを“契約前のチェック”として固定化するだけで、事故はかなり減ります。
困ったときの相談先:迷ったら188(いやや)
トラブルに巻き込まれたときは、ひとりで抱えないのが最優先です。消費者ホットライン「188(いやや)」に電話すると、最寄りの消費生活センター等につながります。
相談前にそろえると話が早いものは次です。
-
契約日(いつ申し込んだか)
-
相手(会社名、担当者名、連絡先)
-
金額(総額、毎月、支払方法)
-
証拠(メール、SMS、申込画面のスクショ、規約の該当箇所)
-
困っている点を一文で(例:「解約できない」「高額請求が来た」)
「証拠が足りないから無理かも」と思っても、残っている範囲で大丈夫です。早く相談するほど打ち手が増えます。
18歳で成人になって変わったことに関するよくある質問
18歳の誕生日当日に成人扱いになる?
成年年齢は18歳です。制度の扱いは公的情報(法務省・政府広報等)で整理されています。
ただし、実際の手続きや申込みは、事業者や窓口の運用、必要書類に左右されるため、案内に従って確認してください。
親の同意がなくても本当に何でも契約できる?
親の同意が不要になる範囲は広がりますが、契約内容によって必要書類が異なったり、審査があったりします。特にクレジットカードやローンは「申し込める」と「通る」が別です。
また、契約できるからといって、条件が不利な契約を結ぶ必要はありません。比較して選ぶ余地があります。
取り消せない契約をしてしまったらどうする?
18・19歳は未成年者取消権が基本的に使えないため、まずは状況を整理して早めに相談するのが現実的です。
また、取引の種類によっては別の制度が使える場合もあります。「もう終わり」と決めつけず、契約書・規約・スクショを集めて相談してください。
まとめ:18歳で成人になって変わったことを味方にする
18歳で成人になると、親の同意なしに契約でき、進路や住む場所の決定も自分で進めやすくなります。これは、人生の選択肢が増える大きな変化です。
ただし、18・19歳は未成年者取消権が基本的に使えず、勢いで結んだ契約が取り消しにくい年齢でもあります。だからこそ、次の3つだけは習慣にしてください。
-
契約前に「料金・期間・解約・違約金・自動更新」を必ず確認する
-
急がせる勧誘は、その場で決めない(断り方テンプレを使う)
-
困ったら「188」で早めに相談する(証拠はスクショで残す)
制度や注意点は更新されることがあります。最新情報は公的機関の案内も確認しつつ、焦らず、確認して、納得して決める――これがいちばん安全で賢い進め方です。
参考情報源
-
政府広報オンライン「18歳から“大人”に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと」
https://www.gov-online.go.jp/article/201808/entry-7947.html -
法務省「民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00218.html -
法務省「民法(成年年齢関係)改正 Q&A」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00238.html -
消費者庁「『18歳から大人』特設ページについて」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/consumer_education/lower_the_age_of_adulthood/introduction -
国民生活センター「2022年10月末時点での18歳・19歳の消費者トラブルの状況」(報道発表)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221130_1.html -
消費者庁「消費者ホットライン」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/