Discordのbotが突然動かない、コマンドに反応しない、スラッシュコマンドだけ失敗する、といったトラブルは、設定・権限・Discord側の障害・外部環境・bot提供元の不具合など、原因が複数層に分かれている点が特徴です。焦って設定を大きく変えると、原因がさらに見えにくくなったり、別の権限事故を誘発したりします。
本記事では、最短で復旧しやすい順に「切り分け→原因特定→対処」を進められるように、確認項目を体系化して解説いたします。対象読者は主にサーバー管理者ですが、一般メンバーの方が「管理者へ何を伝えるべきか」を整理する目的でもご利用いただけます。なお、自作bot(discord.js / discord.py等)の運用者向けのチェックも後半にまとめています。
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【Discord】botが動かない時に最初にやる切り分け
Discord側の障害を確認する
最初に行うべきは「Discord側の障害・不安定化が起きていないか」の確認です。Discord側に障害がある場合、サーバー内の権限やbot設定をいくら触っても復旧しないことがあり、むしろ変更作業が原因特定を遅らせます。
確認の観点は以下です。
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Discord全体の障害:メッセージ送信、ログイン、ボイス、アプリ連携(API)など
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一部機能の障害:スラッシュコマンド、インタラクション、特定リージョンの不安定など
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局所的な不具合:一部ユーザーだけ発生、特定端末だけ発生など(この場合は後述の外部要因も疑います)
障害の可能性があると判断したら、サーバー内で次のように周知しておくと混乱を抑えられます。
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いま起きている現象(例:スラッシュコマンドが失敗する、botが反応しない)
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サーバー側の設定変更は保留すること
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復旧見込みが不明なため、一定時間は待機すること
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代替手段(別botや手動対応)の有無
「原因がDiscord側かもしれない」と早期に共有できるだけで、メンバーからの問い合わせが減り、管理者の作業が進めやすくなります。
botがオフラインかオンラインか確認する
次に、サーバーのメンバー一覧(またはbotのプロフィール表示)でbotがオンラインかどうかを確認します。ここは重要で、オフラインかオンラインかで原因領域が大きく変わるためです。
botがオフラインの場合に疑うこと
オフラインの場合、利用者側でできることは限定的です。代表例は以下です。
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bot提供元の停止・メンテナンス
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botホスティング環境の障害(クラウド停止、支払い遅延、プロセス停止)
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botがBAN・権限制限を受けた
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自作botの場合はトークン失効・環境変数の欠落・デプロイ失敗
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botがサーバーからキック/BANされた(意外と見落とされます)
この場合の基本方針は「提供元の告知確認」または「自作なら稼働環境の復旧」です。Discordサーバー側の権限をいじっても復旧しません。
botがオンラインの場合に疑うこと
オンラインであるのに反応しない場合は、次が濃厚です。
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チャンネル権限(閲覧できない/送信できない/埋め込み不可など)
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ロール階層(ロール付与や管理系が失敗する)
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アプリコマンド権限(スラッシュコマンドだけ制限される)
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bot側の設定(特定チャンネルだけ無視、ブラックリスト、コマンド制限)
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自作botの実装・設定(インテント不足、応答制限、例外で落ちている 等)
つまり、オンライン=Discord側の権限・設定か、bot側の設定・実装が主戦場になります。
その場で復旧しやすい順に試す
ここからは、設定変更の影響が小さく、短時間で確認でき、復旧率が高い順に並べます。基本は「小さい確認→大きい変更」です。
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再現条件を固定する
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どのコマンドが動かないか(例:/helpはOKだが /playだけNG)
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どのチャンネルで起きるか(チャンネル限定か、全チャンネルか)
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誰が実行しているか(管理者だけOK、一般メンバーNGなど)
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いつからか(直前に権限やロールを触ったか)
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入力・操作のミスを除外する
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prefixコマンドなら、記号・スペース・大文字小文字を確認
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スラッシュコマンドなら、候補表示の有無を確認(候補に出ない=権限や導入が怪しい)
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チャンネル権限の不足を疑う
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botがそのチャンネルを閲覧できるか
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botがメッセージを送れるか
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埋め込み・ファイル添付・外部絵文字など用途に必要な権限が許可されているか
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カテゴリ継承・権限上書きを疑う
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カテゴリ側で拒否されていないか
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チャンネル側の上書きが残っていないか
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ロール階層を疑う
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botがロール付与・削除できない、管理操作が失敗する場合は特に優先
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アプリコマンド権限(スラッシュコマンド権限)を疑う
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スラッシュコマンドだけ動かない場合の最重要
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外部要因(クライアント・回線)を疑う
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別端末・別ネットワークで再現するか確認
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自作botの場合は、インテントと応答制限を疑う
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「オンラインだがイベントが来ない」
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「アプリケーションが応答しませんでした」が出る
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この順序で進めると、原因が「どの層」にあるのかが明確になり、無駄な変更を減らせます。
Discord botが反応しない原因になりやすい権限設定
Discordの権限は複雑ですが、botトラブルは整理できます。ポイントは、権限を次の3層に分けて考えることです。
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チャンネル権限(閲覧・送信・埋め込みなど)
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ロール階層(操作可能な対象ロールの上限)
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アプリコマンド権限(スラッシュコマンドの利用可否)
この3層を混同すると、「管理者権限を付けたのに動かない」「送信はできるのにコマンドだけ効かない」といった混乱が起こります。まずは症状から層を当て、該当層を優先して確認してください。
チャンネル権限とカテゴリ継承の落とし穴
典型的な症状
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特定チャンネルでだけbotが反応しない
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botがメッセージを送らない(送れない)
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読み上げ・音楽再生・ログ出力などが特定チャンネルでのみ失敗する
これらはほぼ例外なく「チャンネル権限」か「カテゴリ継承(権限の上書き)」が原因です。
確認の具体手順
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botを使いたいチャンネルを開きます。
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チャンネル設定→権限を開きます。
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次のいずれかが権限対象として入っているか確認します。
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botユーザーそのもの
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bot専用ロール
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botの用途に応じて、最低限必要な権限を確認します。
よくある必要権限の例(用途別)
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一般的なコマンド応答
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チャンネル閲覧(View Channel)
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メッセージ送信(Send Messages)
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メッセージ履歴を読む(Read Message History)
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リッチな表示(埋め込み・ボタン等)
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埋め込みリンク(Embed Links)
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ファイル添付(Attach Files)
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外部絵文字の使用(Use External Emojis)
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スレッドや運用系
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スレッド作成・参加(Create/Send Messages in Threads 等)
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メッセージ管理(Manage Messages:必要な場合のみ)
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用途に対して権限が不足していると、botは「沈黙」する場合があります(エラーがユーザーに見えないこともあります)。そのため、症状が「反応がない」でも、まず権限を疑うのが近道です。
カテゴリ継承と上書きが危険な理由
Discordの権限は、カテゴリ→チャンネルへ継承されることが多く、さらにチャンネル側で個別上書きが可能です。結果として次が起こります。
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カテゴリ側で拒否しているため、チャンネルで許可しても思った通りに動かない
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チャンネル側に古い上書きが残り、新しく作ったロール設定が反映されない
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「全体はOKだが、このチャンネルだけNG」という状況が作られる
対策としては、botを使うチャンネルをカテゴリでまとめ、カテゴリ権限でbotロールを許可し、チャンネル個別の上書きを減らす設計が安定します。
botのロール階層が足りないケース
典型的な症状
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ロール付与・削除のコマンドが失敗する
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モデレーション(ミュート・キック・BAN等)が失敗する
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「権限はあるはずなのに」管理系だけ動かない
この場合は、チャンネル権限よりも「ロール階層」を疑うべきです。
ロール階層で起きていること
Discordでは、ロールは上から順に階層があり、botは自分の最上位ロールより上のロールを操作できません。これは管理者権限が付いていても基本的に変わりません。
つまり、botに「ロール管理」権限があっても、対象ロールがbotより上位にあると付与できない、という状態になります。
対処手順
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サーバー設定→ロールを開きます。
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botロール(またはbotが持つ最上位ロール)を確認します。
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botが操作したいロールより上に、botロールをドラッグして移動します。
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変更後、再度コマンドを実行して挙動を確認します。
※注意点として、botに不用意に高いロールを与えると、想定外の権限範囲が広がります。操作させたい範囲に必要なだけ上げる、という設計が望ましいです。
管理者権限を付ければ良いとは限らない
「管理者を付ければ早い」と考えがちですが、結論として推奨できません。理由は次の通りです。
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セキュリティリスクが最大化:botが侵害された場合、サーバーが完全に乗っ取られる危険があります。
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運用事故が増える:設定変更やモデレーション操作が強すぎて、意図せず大きな変更が入りやすくなります。
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問題の切り分けが難しくなる:管理者を付けてしまうと、権限不足が原因なのか、別原因なのかが見えにくくなります。
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別レイヤーの制御に効かない場合がある:スラッシュコマンドの利用制御など、管理者権限とは別に制御される領域があります。
対策として、botには「必要最小限の権限」を付与し、利用チャンネルを限定し、操作対象ロールも最小に設計することが安全です。復旧のために一時的に権限を上げる場合も、復旧後に必ず元へ戻す運用を推奨いたします。
Discord botのスラッシュコマンドだけ動かない場合
スラッシュコマンドは、従来のメッセージコマンド(prefix)と異なり、Discordの「アプリケーションコマンド」として管理されます。そのため、チャンネル権限が整っていても、スラッシュコマンドだけ制限されることがあります。
よくある状況は以下です。
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/help すら出ない(候補に表示されない)
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コマンドを実行すると「権限がありません」系の表示が出る
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実行すると「アプリケーションが応答しませんでした」になる
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管理者は使えるが一般メンバーは使えない
この場合は、まず「アプリコマンド権限」を疑うのが近道です。
アプリコマンド権限が拒否になっていないか
アプリコマンド権限は、サーバー側で「このアプリのコマンドを誰が使えるか」を制御する仕組みです。ここが拒否になっていると、以下が起きます。
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スラッシュコマンドが候補に表示されない
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実行しても弾かれる
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特定のチャンネルやロールでのみ失敗する
確認の基本方針
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どのロールに許可/拒否が入っているか
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どのチャンネルに上書きが入っているか
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「全体許可」ではなく「特定ロールのみ許可」になっていないか
サーバー運用で「管理者だけ実行可能」にしていたつもりが、設定が行き過ぎて一般メンバーが一切使えない、という事故がよく起きます。
特定ロール・特定チャンネルでの制限確認
スラッシュコマンドのトラブルは、再現条件が限定されるほど解決が早くなります。以下の切り口で整理してください。
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ユーザー差:AさんはOK、BさんはNG → ロール・権限の差
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チャンネル差:雑談はOK、募集はNG → チャンネル上書き or カテゴリ継承
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コマンド差:/helpはOK、/playはNG → コマンド個別の権限 or bot側設定
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端末差:PCはOK、スマホはNG → クライアント不具合の疑い
一般メンバーが管理者に報告する場合は、次のテンプレが有効です。
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いつから:○月○日○時頃から
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どこで:#チャンネル名(カテゴリ名もあるとより良いです)
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誰が:自分のロール(例:一般、モデレーター、運営)
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何が:使えないコマンド(例:/play、/join)
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どうなる:表示文言(例:権限がありません、応答しませんでした)
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直前の変更:新ロール追加、チャンネル新設、権限見直し等
この情報が揃うと、管理者は最短で「見るべき設定箇所」を特定できます。
表示されるエラー別の見方
スラッシュコマンド周りは、表示される文言から原因の方向性をある程度推測できます。以下の表を目安にしてください。
| 表示・症状 | 原因候補 | まず確認すること | 典型的な対処 |
|---|---|---|---|
| コマンド候補に出ない | bot未導入、権限で非表示、導入スコープ不足、同期遅延 | botがサーバーに存在するか、アプリコマンドが許可されているか | 再招待、権限許可、時間を置いて再確認 |
| 権限がありません | アプリコマンド権限、チャンネル権限、コマンド個別制限 | どのロール・チャンネルで拒否か | 許可するロールを追加、チャンネル上書きを解除 |
| アプリケーションが応答しませんでした | Discord側不調、bot側処理遅延、自作botの応答制限 | ほかの人も同様か、時間帯、別端末で再現するか | Discord障害なら待機、自作なら応答設計の見直し |
「権限がありません」は設定側の問題であることが多く、「応答しませんでした」はDiscord側要因とbot側要因の両方があり得ます。まずは「自分だけか、全員か」を切り分けてください。
Discord botが動かない原因がDiscord側や外部要因のとき
権限や設定を確認しても直らない場合、「Discord側」「クライアント側」「ネットワーク側」の外部要因で一時的に失敗している可能性があります。ここを押さえると、不要な再導入や権限変更を回避できます。
Discordの障害と復旧待ちの判断
Discord側の障害が疑われる場合、管理者としてやることは「正確な状況把握」と「待機判断」です。特にbotはAPIを利用するため、APIやインタラクション関連が不安定だと影響を受けやすくなります。
復旧待ちの判断基準(目安)
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公式の障害情報が出ている
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サーバー内で複数人が同時に同じ症状を報告している
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複数サーバーで同じbotが同時に不調(外部SNSなどで報告が増えている)
この状況で大きく設定を変えると、復旧後に「どの変更が効いたのか」が分からず再発時に困ります。待機する場合は、次のように運用すると良いです。
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重要チャンネルで告知(現象・一次情報・次回更新時刻)
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代替運用(手動対応、別bot、当面停止など)
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復旧後に原因判定(Discord側か、サーバー設定か)を行う
クライアント不具合と回避策
Discordは、アプリ版・Web版・モバイル版で挙動が異なることがあります。特に、コマンド候補が出ない、UIが更新されない、表示だけおかしい、といった場合はクライアント側の不具合が疑われます。
すぐできる回避策
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Web版で試す:アプリ版特有の不具合かを切り分けできます。
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別端末で試す:端末固有のキャッシュや設定の影響を除外できます。
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Discordを再起動する:UIが更新されない症状の改善に有効です。
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サインアウト→サインイン:認証情報が不整合な場合に改善することがあります。
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別チャンネルで試す:チャンネル権限問題かUI問題かを切り分けできます。
「候補が出ない」場合は、権限で非表示になっているケースもありますので、クライアント対処と並行して権限も確認してください。
ネットワークやVPNなど環境要因
自分だけbotが動かない、特定環境でだけ失敗する場合は、ネットワーク要因も疑う必要があります。例えば次のようなケースです。
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企業・学校ネットワークで一部通信が制限されている
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VPN・プロキシにより接続が不安定になっている
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Wi-Fiが不安定でAPI応答が遅延している
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端末の省電力・バックグラウンド制限で通知や更新が遅れる
切り分けの具体策
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回線を変える(モバイル回線、別Wi-Fi)
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VPNを切って試す
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ほかのメンバーにも同じ操作を依頼し、再現性を確認する
ネットワーク要因は「権限の問題」と似た症状(反応しない、失敗する)になり得ますが、再現性の取り方で判別しやすくなります。
自作Discord botが動かない時の開発者チェック
ここからは、自作bot(discord.js / discord.py等)の運用者向けです。サーバー管理者が「外部botを導入しているだけ」の場合は読み飛ばして問題ありません。一方で、自作botは「オンライン表示でも実際はイベントを受け取れていない」「応答制限に引っかかっている」などが頻発します。
インテント不足と特権インテント未設定
典型的な症状
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botがオンラインなのにメッセージに反応しない
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メンバー参加・退出イベントが来ない
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ユーザー情報が取れない
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特定イベントだけ発火しない
この場合、まず「インテント(Intents)」設定を疑います。インテントは、Discordからどの種類のイベントを受け取るかを宣言する仕組みで、ライブラリ側の指定と、Developer Portal側の許可(特権インテントの場合)が揃わないと、期待通りにイベントが届きません。
よくある落とし穴
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ライブラリでインテントを指定したつもりが、必要なビットが抜けている
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Developer Portalで特権インテントを有効化していない
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ローカルでは動いたが本番環境で環境変数が違い、インテント指定が変わっている
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仕様変更で必要条件が増えたが、古いコードのまま運用している
開発者チェックリスト(インテント)
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どのイベントが必要か(メッセージ、メンバー、presence等)を整理している
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ライブラリ側で必要インテントを明示している
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特権インテントが必要な機能を使っている場合、Developer Portal側でも有効化している
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「メッセージ内容」を読む設計なら、その要否と代替案(スラッシュコマンド化等)を検討している
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本番環境でログを取り、イベント受信状況を確認できる
インテントは広げすぎると運用・審査面で不利になることがあります。必要最小限で設計し、足りないときに追加する方針が安全です。
アプリケーションが応答しませんでしたの原因と対策
スラッシュコマンド実行時に「アプリケーションが応答しませんでした」と出る場合、代表的な原因は次の通りです。
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初回応答が遅い(処理が重い、外部APIが遅い、DBが遅い)
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例外が発生して返信処理に到達していない
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返信方法が不正(返信済みに再返信、権限不足で返信不可等)
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環境問題(プロセスが落ちている、イベントループが詰まっている)
対策の基本方針
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最初に「受信した」ことを即時に返す設計にします。
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その後、時間のかかる処理を行い、完了したら結果を返します。
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例外時も必ずユーザーへエラーを返し、ログに原因を残します。
スラッシュコマンドは体感上「押したのに何も起きない」状態が最も不満につながります。応答遅延の可能性がある機能(検索、生成AI、外部API、ファイル処理等)は、必ず段階応答にしておくと安定します。
開発者チェックリスト(応答)
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受信直後に初回応答を返している(処理中表示など)
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外部API呼び出しはタイムアウトを設定している
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例外処理で必ずユーザーへ失敗メッセージを返している
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返信の二重送信や、返信済み状態での誤操作を防いでいる
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どのコマンドが遅いか、処理時間をログで計測している
再招待が必要になる代表例
自作botや高度なbot運用では、「設定を直したのに反映されない」場面があります。その際、再招待が必要になる代表例は次の通りです。
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招待URLの権限(permissions)を変えた:サーバーに付与済みの権限が更新されない場合があります。
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スコープを変えた:application.commandsの有無など、挙動に影響します。
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運用方針を変えた:スラッシュコマンド中心に移行した、管理操作を追加した等。
ただし、再招待は強い操作です。既存の権限設計が崩れることもあるため、実施するなら次の手順を推奨いたします。
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変更したい権限・スコープを整理
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必要最小限で招待URLを作成
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テスト用サーバーで検証
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本番サーバーへ適用
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権限が過剰になっていないか棚卸し
Discord botが動かない問題を再発させない運用
復旧できても、同じトラブルが繰り返されると運用負荷が高くなります。再発防止は「権限設計の型化」「情報共有の仕組み」「問い合わせテンプレ」の3点が重要です。
権限テンプレと変更履歴の残し方
なぜ変更履歴が重要か
botトラブルの多くは、次のような「善意の変更」で起きます。
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チャンネルを増やしたがカテゴリ権限を整えなかった
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ロールを追加したがbotロールの階層を見直さなかった
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セキュリティ強化で拒否設定を増やしたが、bot利用チャンネルも対象に入れた
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スラッシュコマンドを運営限定にしたつもりが、全員拒否になっていた
これらは「いつ、誰が、何を変えたか」が分かれば一瞬で戻せます。逆に分からないと、毎回ゼロから調査になります。
推奨する運用
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botごとに「必要権限一覧」をテキストで保存する
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bot利用カテゴリを固定し、カテゴリ権限で統制する
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変更したら運営ログチャンネルに記録する
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大きな変更はテスト用チャンネルで検証してから本番適用する
管理者が確認するチェックリスト(運用)
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bot専用ロールを用途別に分けている
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bot利用カテゴリが決まっており、カテゴリ権限で許可している
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チャンネル個別上書きを最小化している
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botロール階層が適切で、対象ロールより上にある
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大きな変更はテストで確認している
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変更履歴を残している
メンテ情報の追い方と告知テンプレ
bot提供元がメンテに入ったり、Discord側が不安定になったりすると、問い合わせが急増します。運営側で「情報を追う先」を決め、告知テンプレを用意しておくと負荷が大幅に下がります。
追うべき情報源の考え方
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Discord側:公式の障害情報(一次情報)
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bot提供元:公式サーバー、告知チャンネル、SNS、ステータスページ
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自作bot:監視(稼働状況)、ログ、デプロイ履歴
告知テンプレ(例)
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現在、Discordのbotが動かない報告が出ています。
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Discord側障害/bot側メンテの可能性を確認中です。
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原因が確定するまで、サーバー設定の大きな変更は行いません。
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進展があり次第、このチャンネルで更新します。
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代替案:当面は手動対応/別botを使用します。
このテンプレを整備しておくと、緊急時でも落ち着いて対応できます。
問い合わせ時に集める情報
最後に、再発時に最短で原因特定するため、問い合わせ時に集めるべき情報をまとめます。これを固定化すると、管理者は「聞き返し」の回数を減らせます。
一般メンバーから集める情報
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bot名(複数botがある場合は特に重要)
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症状(オフライン/オンラインだが反応なし/スラッシュのみ失敗など)
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発生チャンネル(カテゴリ名もあると良い)
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発生時刻(だいたいで可)
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実行したコマンド名
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表示された文言(可能ならスクリーンショット)
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自分のロール構成(一般、サブモデレーター等)
管理者側で追記する情報
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直前に変更した設定(ロール、権限、チャンネル、連携設定)
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同様の報告が複数あるか(人数と範囲)
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bot提供元のメンテ情報や障害情報の有無
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自作botの場合はログ(例外、応答時間、再起動履歴)
よくある質問
botがオンラインなのに反応しないのはなぜですか
オンラインでも、チャンネル権限・カテゴリ継承・ロール階層・アプリコマンド権限のいずれかで止まっている可能性があります。まず「特定チャンネルだけか」「特定ユーザーだけか」「スラッシュだけか」を切り分け、該当する権限層を優先して確認してください。
特定のチャンネルだけ動かないのはなぜですか
カテゴリ権限の継承やチャンネル個別の権限上書きで、bot(またはbotロール)が閲覧・送信できない状態になっていることが多いです。カテゴリ側とチャンネル側の両方で、botロールの許可/拒否を確認してください。
スラッシュコマンドの権限はどこで設定しますか
スラッシュコマンドはアプリコマンド権限で制御される場合があり、チャンネル権限とは別に「どのロールが実行できるか」「どのチャンネルで許可するか」を設定できます。スラッシュだけ動かないときは、この権限設定を優先して疑ってください。
アプリケーションが応答しませんでしたが出る条件は何ですか
Discord側要因(不安定)と、bot側要因(処理遅延・例外・応答設計不備)の両方があります。まず自分だけか全員かを確認し、全員ならDiscord側、限定的なら権限かbot側を疑います。自作botで頻発する場合は、応答を段階化し、例外時も必ず返信し、ログを残す設計が有効です。
インテントはどれを有効にすべきですか
必要な機能が依存するイベントだけを有効化するのが基本です。メッセージ内容に依存する機能、メンバー情報、presence等は、特別な設定が必要な場合があります。設計段階で「何を受け取る必要があるか」を整理し、必要最小限で運用してください。
再招待はいつ必要ですか
招待時の権限やスコープを変更した、あるいは運用方針を変えて必要権限が増減した場合に、再招待で整合を取る必要が出ることがあります。ただし影響が大きいため、テスト環境で確認してから本番に適用し、権限の棚卸しまで行うことを推奨いたします。
まとめ
Discordのbotが動かない場合は、原因を「Discord側障害」「botのオンライン状態」「権限の3層(チャンネル・ロール階層・アプリコマンド)」「外部要因」「自作botの設定・実装」に分けて確認することで、最短で復旧しやすくなります。
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まずはDiscord側要因を疑い、無駄な設定変更を避けます。
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botがオンラインなら、権限を3層で分解して点検します。
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スラッシュコマンドはアプリコマンド権限が重要です。
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自作botはインテント不足や応答設計(遅延・例外)の影響が大きいため、ログと段階応答を整備します。
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復旧後は、権限テンプレ・変更履歴・問い合わせテンプレを整えて再発を防ぎます。
Discordはアップデートで画面や仕様が変わる場合がありますので、うまくいかないときほど「症状→どの層か→確認箇所→最小変更」という順序に立ち戻り、切り分けを進めていただくことを推奨いたします。