Steamでゲームのインストールやアップデートをしているときに、いつまでも「容量確保中」と表示されたまま進まず、不安になったご経験はないでしょうか。
「このまま待っていていいのか?」「PCがおかしくなっていないか?」と感じて検索されている方が多いはずです。
本記事では、「容量確保中」が何をしている状態なのかをわかりやすく説明したうえで、正常なケースと異常なケースの見分け方、そして今すぐ試せる対処法を優先度順に整理してご紹介いたします。
いきなり電源を切ったり、ドライブを抜いたりするとデータ破損の原因になりますので、落ち着いて上から順に確認してください。
Steamの「容量確保中」とは?まず仕組みを理解する
容量確保中が表示されるタイミング
「容量確保中」は、主に次のような場面で表示されます。
新しくゲームをインストールするとき
既存のゲームを大規模アップデートするとき
インストール先のドライブを変更した直後に再インストールするとき
Steamはダウンロードを開始する前に、ディスク上に必要な空き容量があるかを確認し、インストール用の領域を確保する処理を行います。この処理中に「容量確保中」という表示が出るイメージです。
裏側で何が行われているのかをイメージで理解する
容量確保中の裏側では、概ね次のような処理が行われています。
必要容量とディスクの空き容量の確認
一時ファイル用の作業領域の確保
既存ファイルとの衝突がないかの確認
場合によっては、ファイルのコピーや再配置
特にアップデート時は、
元のゲームファイル(現行バージョン)
作業用にコピーされたゲームファイル
新しいパッチデータ
のように、一時的に複数のデータが同時にディスク上に存在する場合があります。結果として、「ゲーム本体のサイズ+アップデートサイズ」よりも多くの空き容量が必要になることがあります。
どれくらいの時間がかかるのが普通か
容量確保中にかかる時間は、次の要因によって大きく変わります。
インストール/アップデート対象のゲーム容量
インストール先ドライブの種類(SSDかHDDか、外付けか内蔵か)
ドライブの使用状況(空き容量や断片化の状態)
バックグラウンドで走っている他の処理
目安としては、
SSD(内蔵)かつ空き容量に余裕がある状態であれば、数秒〜数十秒程度
外付けHDDや古いHDDの場合は、数分程度かかることもある
と考えていただくとよいです。
ただし、10〜20分以上まったく進捗バーが動かない場合は、何らかのトラブルの可能性を疑ってよい状況です。
正常なケースと異常なケースの違い
正常なケースでは、
容量確保中 → 進捗が少しずつ増える → ダウンロード/インストールに自動的に移行
という流れになります。
一方で、次のような場合は「異常(要対処)」が疑われます。
「容量確保中 1%」などの表示のまま、10分以上まったく数字が変化しない
100%になったあと、インストールに移らずにエラーで止まる
容量確保中の後に「空き容量不足」や「ディスク書き込みエラー」が毎回出る
こうした場合は、次章以降のチェックリストに沿って原因を切り分けていきます。
容量確保中が長い・終わらないときの基本チェックリスト
ここでは、「容量確保中」が長いと感じたときに、まず確認していただきたいポイントを整理します。
ストレージの空き容量と使用率を確認する
最初に確認すべきは、インストール先ドライブの空き容量です。
Windowsの「エクスプローラー」を開く
左メニューの「PC」または「このPC」を選択
インストール先ドライブ(C: やD:など)を右クリック →「プロパティ」
「空き容量」がゲームサイズ+20〜50GB程度あるかを目安に確認
アップデートの場合は、
「ゲーム本体の容量+アップデート容量+作業用の余裕」 が一時的に必要になることがあります。大型タイトルでは、ゲーム本体80GB+αといったサイズになることも珍しくありません。
空き容量がギリギリの場合、容量確保中の段階で止まってしまうことがあります。
外付けSSD/HDD利用時の接続・フォーマット・電源設定を確認する
外付けSSD/HDDにインストールしている場合、次の点も確認してください。
USBケーブル・ハブの接続が緩んでいないか
別のUSBポートに差し替えても症状が変わらないか
ドライブがNTFSでフォーマットされているか(FAT32だと大容量ファイルで制限が出る場合があります)
省電力設定で、USBドライブや外付けHDDが自動でスリープになっていないか
接続が不安定だと、容量確保中やインストール中にディスク書き込みエラーが発生し、何度やっても同じところで止まってしまう原因になります。
バックグラウンドの重い処理の有無を確認する
バックグラウンドで次のような処理が走っていると、容量確保中の進行が極端に遅くなることがあります。
ウイルス対策ソフトによるリアルタイムスキャン
別の大容量ダウンロードやファイルコピー
Windows Updateの更新処理
タスクマネージャー(Ctrl+Shift+Esc)を開き、ディスク使用率が常に100%近くになっている場合は、他の重い処理を一時停止してから再度試してみてください。
どこまで待てばよいかの目安を知る
内蔵SSD:5〜10分程度待っても進捗がまったく変わらない → 要対処
外付けHDD:15〜20分程度経っても0〜1%のまま → 要対処
あくまで目安ですが、「まったく動かない状態で長時間」が続く場合は、そのまま放置するよりも、落ち着いて後述の手順を試していただく方が安全です。
今すぐ試せる安全な対処法ステップ(優先度順)
ここからは、リスクが低く、効果が期待できる順に対処法を紹介します。
上から順番に試していただくことをおすすめします。
ステップ1:SteamとPCを再起動する
最もシンプルかつ効果的な対処です。
Steamクライアントを終了する
右上の×で閉じるだけでなく、タスクトレイ(右下)にアイコンが残っていないか確認
タスクマネージャーで「Steam」のプロセスが残っていれば、右クリック →「タスクの終了」
PC自体を再起動する
再起動後、再度Steamを起動し、インストール/アップデートをやり直す
一時的な不具合や処理の詰まりであれば、これだけで解決するケースが少なくありません。
ステップ2:ダウンロードキャッシュをクリアする
キャッシュ(過去のダウンロードデータ)が壊れていると、容量確保中やダウンロード時にエラーが発生することがあります。
Steamを起動
左上の「Steam」メニュー →「設定」をクリック
左メニューから「ダウンロード」を選択
画面下部の「ダウンロードキャッシュをクリア」をクリック
Steamが再起動されるので、再度ログインしてインストール/アップデートを試す
ステップ3:インストール先ドライブとライブラリフォルダを見直す
インストール先の設定が意図せず別ドライブになっていたり、増設したSSDがSteam側で認識されていない場合があります。
Steamを起動
左上の「Steam」メニュー →「設定」
「ストレージ」または「ダウンロード」→「Steamライブラリフォルダ」を開く
現在のライブラリ一覧から、
空き容量が十分なドライブが選ばれているか
外付けSSD/HDDが正しく表示されているか
を確認
必要に応じて「+」ボタンから新しいライブラリフォルダを追加し、そのドライブをインストール先に指定
外付けドライブに新しくライブラリフォルダを作成し、そこを指定し直すことで解決するケースも多くあります。
ステップ4:ストレージの空き容量を増やす
空き容量が不足している場合は、次の方法で空きを増やします。
しばらく遊んでいないゲームをアンインストールする
Steamライブラリ上でゲームを右クリック →「管理」→「アンインストール」
Windowsの「ディスククリーンアップ」を使う
エクスプローラーで「PC」→対象ドライブを右クリック→「プロパティ」
「ディスククリーンアップ」をクリック
削除して問題ない項目(ダウンロード済み一時ファイルなど)にチェックを入れて実行
大きな動画ファイルやISOファイルなどを別ドライブに移動・削除する
大型ゲームを複数入れている場合は、ゲーム1〜2本分(50〜100GB程度)の余裕を目安に確保すると安心です。
ステップ5:ゲームファイルの整合性チェックとライブラリ修復
特定のゲームだけで毎回容量確保中で止まる場合、ゲームファイル自体が壊れている可能性があります。
ゲームファイルの整合性チェック
Steamライブラリで該当ゲームを右クリック
「プロパティ」→「インストール済みファイル」
「ゲームファイルの整合性を確認」をクリック
完了後、再度アップデートやインストールを試す
ライブラリフォルダの修復
「設定」→「ストレージ」または「ダウンロード」→「Steamライブラリフォルダ」
問題がありそうなドライブを選択して「…」メニューから「フォルダを修復」を実行
これでライブラリ周りの不整合が解消されることがあります。
100%から進まない・エラーが出る場合の原因と対処
「容量確保中 100%」までは進むのに、その先に進まずエラーになるケースでは、原因がある程度限定されてきます。
「ディスク書き込みエラー」が出るときの確認ポイント
エラーメッセージで「ディスク書き込みエラー」と表示される場合は、次のような原因が考えられます。
外付けドライブの接続不良(ケーブル・USBハブ・ポートの不具合)
セキュリティソフトや権限の問題で、Steamがドライブに書き込めない
ドライブのファイルシステムエラーや不良セクター
対処の例:
別のUSBポートに差し替える(可能ならPC背面のポートを利用)
一時的にセキュリティソフトを無効化し、管理者としてSteamを実行して試す
Windowsの「エラーチェック」を実行
エクスプローラーでドライブを右クリック →「プロパティ」→「ツール」→「チェック」
空き容量は足りているのに「空き容量不足」エラーになる理由
空き容量の表示上は足りているのに、「空き容量不足」エラーが出るケースもあります。
主な理由は次の通りです。
アップデート中の一時的な作業スペースとして、ゲーム本体以上の容量が必要になっている
Windowsや他アプリが使うための空き領域を考慮し、Steam側が「足りない」と判断している
別のパーティションや隠し領域が存在し、実質的に使える容量が少ない
この場合は、表示上の空き容量ギリギリではなく、余裕を持って空けることが重要です。
目安としては、ゲームサイズ+20〜50GB程度の余裕を確保するとトラブルが起きにくくなります。
ドライブエラー・不良セクターの可能性とチェック方法
繰り返しエラーが出る場合、ドライブ自体にエラーや不良セクターが発生している可能性もあります。
エクスプローラーで対象ドライブを右クリック →「プロパティ」
「ツール」タブ →「エラーチェック」の「チェック」をクリック
必要であれば「ドライブのスキャン」を実行し、案内に従う
問題が検出された場合は、修復を実行したうえで、重要なデータのバックアップも検討してください。
どうしても解決しない場合の最終手段
上記を試しても改善しない場合は、次の「最後の手段」も選択肢になります。
Steamクライアントの再インストール(ゲームデータはライブラリフォルダを残せば再認識可能)
問題のゲームのみ完全に削除し、別ドライブに再インストール
外付けドライブから内蔵SSDへの一時移動(空き容量を確保したうえで)
これ以上の作業が不安な場合は、無理に続けず、次章のとおりサポートに相談することをおすすめいたします。
トラブルを防ぐためのSteamストレージ運用のコツ
最後に、今後「容量確保中」で悩まされないための予防策をご紹介いたします。
ゲーム用ドライブの選び方と推奨構成
可能であれば、次のような構成が理想的です。
内蔵SSD:OS・よく使うアプリ・プレイ頻度の高いゲーム
外付けSSDまたは内蔵HDD:プレイ頻度が低いゲームや容量の大きいタイトル
特にSteamのメインライブラリは内蔵SSDに置いておくと、容量確保中やアップデートの所要時間を大きく短縮できます。
アップデート前に確認したい必要空き容量の考え方
大型アップデートの前には、次のように考えると安全です。
ゲーム本体サイズ(例:80GB)
アップデート容量(例:10GB)
追加の作業領域(余裕分として20〜30GB)
合計でゲームサイズ+30〜40GB程度の余裕があれば、多くのケースで問題なくアップデートできます。
定期的な整理・バックアップのポイント
しばらく遊んでいないゲームはアンインストールし、必要になったときに再インストールする
定期的にディスククリーンアップや不要ファイルの削除を行う
外付けドライブのバックアップ(重要なセーブデータやスクリーンショットなど)は別メディアにも保存しておく
こうした日頃の整理だけでも、「容量確保中」で悩む頻度を大きく下げることができます。
自力で難しいと感じたら公式サポートに相談する
どうしてもエラーが解消しない
ドライブエラーが頻発して不安が大きい
レジストリ操作や高度な設定変更が必要と言われた
といった場合には、Steam公式サポートやPCメーカー/ストレージメーカーのサポートに相談することをおすすめいたします。
自己流で危険な操作を行うより、安全で確実な解決につながります。
まとめ
「容量確保中」は、Steamがインストールやアップデートのためのディスク領域を確保している状態
内蔵SSDなら数十秒〜数分、外付けHDDなら十数分程度が目安で、まったく進まない状態が長時間続く場合は要対処
まずは「再起動 → キャッシュクリア → インストール先・空き容量の見直し → 整合性チェック・ライブラリ修復」の順に試す
エラー内容が「ディスク書き込みエラー」「空き容量不足」の場合は、それぞれ原因が異なるため、本文の該当箇所を参照して対処する
日頃からゲーム用ドライブの容量に余裕を持たせ、定期的に整理することで、「容量確保中」トラブルを大きく減らすことが可能