「NPCってどういう意味?」──ゲームの会話でもSNSのタイムラインでも見かける言葉ですが、文脈によってまったく別の意味を持つ点が特徴です。
もともとはゲーム用語として「プレイヤーが操作しないキャラクター」を指す一方、SNSでは「自分で考えず流される人」という否定的なスラングとして使われることもあります。
さらに、国際ニュースでは中国の「全国人民代表大会(NPC)」を意味する場合もあります。
このように、一つの略語に複数の意味が混在しているため、誤解やトラブルにつながりやすい言葉でもあります。
本記事では、ゲーム・ネットスラング・政治用語という3つの文脈でのNPCの意味を整理し、安心して使い分けられるように分かりやすく解説 いたします。
NPCとは?基本の意味と略語の由来
まずは、「NPC」という言葉がそもそも何を指しているのか、基本から整理いたします。ここを押さえておくと、ゲームでもSNSでも意味を取り違えにくくなります。
NPCは何の略?直訳と読み方
NPCは Non Player Character(ノン・プレイヤー・キャラクター) の略です。
日本語では一般的に「非プレイヤーキャラクター」「プレイヤーではないキャラクター」と訳されます。
読み方はカタカナで「エヌ・ピー・シー」と読むのが一般的です。
ゲーム用語としてのNPC(ノンプレイヤーキャラクター)
ゲームの世界では、プレイヤーが直接操作していないキャラクター をまとめてNPCと呼びます。たとえば、次のようなキャラクターです。
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RPGの村や街にいる住人
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道具や装備を売ってくれるショップの店員
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クエストを依頼してくる人物
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操作方法を教えてくれるチュートリアル担当キャラクター
これらはすべてゲームのプログラムによって動いており、あらかじめ用意されたセリフや行動パターンを繰り返します。
このように、ゲーム世界を作り、物語を進める役割を担う登場人物 がNPCです。
PC・CPUとの違いを簡単に整理
似た略語として、PC と CPU があり、混同されやすいため簡単に整理いたします。
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PC(Player Character)
プレイヤー自身が操作するキャラクターを指します。オンラインゲームであれば、自分のアバターや他プレイヤーのキャラクターがPCです。
NPCは、その対義語として「プレイヤーが操作しないキャラクター」を指します。 -
CPU
本来は「Central Processing Unit(中央処理装置)」ですが、ゲームの文脈では コンピューターが操作する対戦相手 を指すことが多い表現です(例:「CPU戦」)。
対戦ゲームなどで自動操作されているキャラクターを指すニュアンスが強く、ストーリー進行や会話を担うNPCとは役割がやや異なります。
ゲーム内でのNPCの役割と具体例
次に、ゲームの中でNPCがどのような役割を果たしているのか、具体例を交えて整理します。
RPGに登場するNPCの代表例(村人・店員・クエスト配布役)
RPGやオンラインゲームにおける代表的なNPCのタイプは、次のとおりです。
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情報提供NPC
「ここは〇〇の村です」「この先は危険です」など、世界観やヒントを教えてくれる村人や町人。 -
ショップNPC
武器・防具・回復アイテムなどを売買してくれる店員。ゲームバランスにも影響する重要な存在です。 -
クエストNPC
「このモンスターを倒してほしい」「このアイテムを届けてほしい」など、クエストを依頼してくる人物。 -
ガイド・チュートリアルNPC
操作方法やゲームのルールを解説し、初心者をサポートするキャラクター。
これらのNPCがいることで、プレイヤーはゲーム世界に入り込みやすくなり、「次に何をすればよいか」が自然と理解できるように設計されています。
敵モンスターもNPC?広義・狭義の使い分け
「敵モンスターもNPCに含まれるのか」という疑問はよくあります。
結論としては、広い意味では含まれることが多い と考えられます。敵モンスターもプレイヤーが操作しておらず、ゲーム側が制御しているキャラクターだからです。
一方で、会話の中では次のように 狭い意味 で使い分けられることもあります。
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狭義のNPC:会話をしたりイベントを発生させたりする「人型のキャラクター」を指すことが多い
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敵キャラ・モンスター:単に「敵」「モンスター」と呼び、NPCとは別に扱われることが多い
そのため、「NPCに敵が含まれるかどうか」は文脈やゲームタイトルごとに異なります。会話の流れや周囲の使い方に合わせて理解するとよいです。
AI技術とともに進化するNPCの最新事情
従来のNPCは、同じセリフを繰り返したり、決められたルートを往復したりする、比較的単純な存在でした。
しかし近年は、AI(人工知能)技術の進歩 により、NPCの振る舞いも高度化しています。
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プレイヤーの選択や行動に応じて会話内容が変化する
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プレイヤーのプレイスタイルを学習し、挙動が変わる
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より人間らしい反応や感情表現を行う
このように、NPCは「プレイヤーではないキャラクター」という役割を持ちつつ、AIなどの技術と組み合わさることで、よりリアルで複雑な存在へと進化している といえます。
ネットスラングとしての「NPC」の意味
ここからは、多くの方が気にされている ネットスラングとしての「NPC」 の意味について解説します。ゲーム用語とはニュアンスが大きく異なり、注意が必要です。
「自分で考えない人」というニュアンスが生まれた背景
ネットスラングとしてのNPCは、ゲームにおけるNPCの特徴から発生した表現です。
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あらかじめ決められたセリフや行動を繰り返す
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自分の意思で動いているように見えても、実際は「プログラム通り」
このイメージから、「自分の頭で考えず、周囲や流行に流されるだけの人」 を揶揄して「NPC」と呼ぶ使い方が広まりました。
具体的には、次のような人を指すことがあります。
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流行している意見やニュースの見出しを、そのまま繰り返すだけの人
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流行のファッションやメイク、言い回しだけを真似している人
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深く考えず、テンプレートのような反応だけをする人
いずれも、肯定的ではなく、やや馬鹿にするニュアンスが強い表現 となります。
SNSや動画配信での典型的な使われ方・例文
SNSや動画配信のコメントなどでは、次のような使われ方がよく見られます。
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「あのインフルエンサーのファン、みんな同じことしか言ってなくてNPCみたい」
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「店員さんのマニュアル通りの対応が完全にNPCだった」
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「最近おすすめに出てくるの、NPCみたいな配信ばっかり」
また海外では、配信者があえて ゲームのNPCのように、投げ銭に応じて決まった動作やセリフを繰り返す「NPC配信」 というスタイルも流行しました。
これは、エンターテインメントとして「NPCっぽさ」を演じているケースです。
侮辱表現としての側面とトラブル事例
一方で、他人をNPCと呼ぶ行為には、次のような問題点があります。
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「自分で考えていない」「個性がない」と人格を否定するレッテル貼りになりやすい
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いじめやハラスメントの一種として受け取られる可能性がある
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場合によっては、トラブルや対立の火種になる
とくに、特定の個人や集団に対して「お前はNPCだ」「あいつらはNPC」などと公の場で発信すると、相手を深く傷つけるだけでなく、社会的にも問題視される表現 になり得ます。
そのため、この言葉を安易に使うことは避けた方が安全です。
その他の「NPC」の意味(中国政治など)
NPCという略語は、ゲームやネットスラング以外の分野でも使われています。代表的な例を確認しておきます。
中国「全国人民代表大会(National People’s Congress)」としてのNPC
ニュース記事や国際政治の文脈で NPC と書かれている場合、
National People’s Congress(全国人民代表大会) を指していることがあります。
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中国における最高国家機関(日本の「国会」に相当する存在)
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法律の制定や重要人事の決定などを行う機関
この「NPC」は、ゲーム用語やネットスラングとは まったく別の略称 ですので、混同しないよう注意が必要です。
文脈で意味を見分けるためのチェックポイント
「NPC」という文字列を見たときは、次のポイントを確認すると意味を誤解しにくくなります。
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どの場面で見たか?
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ゲーム画面・攻略サイト → ゲーム用語としてのNPC
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SNS・コメント欄・ミーム → ネットスラングとしてのNPC
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国際ニュース・政治記事 → 中国の全国人民代表大会(NPC)の可能性が高い
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前後の文脈はどうなっているか?
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「RPGのNPC」「この街のNPC」 → ゲーム内キャラクター
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「あいつNPC」「NPCみたいな人」 → スラング的な使い方
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「中国のNPC」「全人代(NPC)」 → 政治用語
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このように、「どこで・どんな文脈で使われているか」をセットで確認すること が重要です。
「NPC」と言う・言われたときの注意点と対処法
ここでは、実際の日常会話やSNSで「NPC」という言葉を使う場合・自分が言われた場合の注意点を整理します。
日常会話・SNSで安易に使わない方がよい理由
ネットスラングとしてのNPCには、相手の主体性や人格を否定するニュアンス が含まれています。
「お前は考えていない」「ただの脇役だ」「個性がない」といった意味で受け取られても不思議ではありません。
そのため、次のような場面での使用は避けることをおすすめします。
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学校・職場など、関係性に上下や評価が絡む場面
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初対面、あるいは関係性が浅い人との会話
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公開設定のSNS投稿、社内チャットなどログが残る場所
冗談のつもりでも、受け手にとっては強い悪口となり得る表現です。
「NPCみたい」と言われたときの受け取り方・返し方
自分が「NPCみたい」と言われた場合、状況に応じて次のような対応が考えられます。
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明らかに冗談・ネタとして言われている場合
軽いノリで返せそうであれば、たとえば次のような返し方があります。-
「安定感があるってことかもしれませんね(笑)」
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「そのうちレアNPCに進化します」
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明らかにバカにしている・嫌味として言われている場合
無理に笑って流す必要はありません。-
「その表現は少しきつく聞こえます」と落ち着いて伝える
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SNS上であれば、必要に応じてミュート・ブロック・相談なども検討する
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いずれにしても、不快に感じたことを伝える権利は自分にある という点を忘れないことが大切です。
場面別のおすすめ表現(カジュアル/ビジネス)
どうしても「NPCっぽい」というニュアンスを伝えたい場合は、直接「NPC」と言うのではなく、よりマイルドな言い換えを検討すると安全です。
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カジュアルな場面
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「ちょっとテンプレ感あるね」
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「マニュアルどおりな感じだね」
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ビジネス・フォーマルな場面
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「やや形式的なご対応に感じました」
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「もう少し柔軟に考えても良いかもしれません」
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このように、相手の人格を直接否定しない表現 を選ぶことで、不要なトラブルを避けやすくなります。
英語でのNPCの使い方とフレーズ集
最後に、英語でのNPCの使われ方についても簡単に整理いたします。海外ゲームや英語のSNSに触れる方にとって役立つ内容です。
ゲーム文脈での基本フレーズ
ゲーム用語としてのNPCは、英語でもそのまま NPC と表現されます。
例文としては、次のようなものがあります。
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There are many NPCs in this town.
(この街にはNPCがたくさんいます。) -
Talk to the NPC to get a new quest.
(そのNPCに話しかけて新しいクエストを受け取ってください。)
このように、正式名称は Non-Player Character ですが、会話や説明文では略してNPCと書かれるのが一般的です。
スラングとしての表現と注意点
スラングとしても英語圏で「NPC」は使われており、ニュアンスは日本語とほぼ同様です。
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He’s such an NPC.
(彼は本当にNPCみたいだ=自分の頭で考えていないように見える) -
Don’t just be an NPC, think for yourself.
(NPCみたいにしないで、自分で考えなさい。)
ただし、これらも相手を見下す表現になりやすく、対人コミュニケーションでは注意が必要です。
英語だからといって、安易に使ってよいわけではありません。
日本語とのニュアンスの違いまとめ
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ゲーム用語としての意味は、日本語・英語ともにほぼ同じ
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スラングとしても、どちらの言語でも「自分で考えない」「流されやすい」といった否定的な意味合いが強い
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冗談のつもりでも、相手は強い侮辱と感じる可能性がある という点は共通