ゲームの配信やオンライン対戦のチャットで、「noob（ヌーブ）」という言葉を目にして戸惑ったことはありませんか。
「初心者」という意味だろう、という想像はつきつつも、どれくらい失礼な言葉なのか、自分が言われているのか、相手はどんなつもりで使っているのか――はっきりわからないと不安になるものです。
本記事では、ゲームで使われる「noob」の意味やニュアンスを、newbieとの違いも含めてわかりやすく整理しつつ、実際のゲーム内での使われ方、マナー的にNGとなるケース、そして「noob」と言われたときの具体的な対処法までまとめて解説いたします。
言葉の背景を正しく理解することで、不要なストレスを減らし、オンラインゲームをより安心して楽しめるようになることを目指しています。
noob（ヌーブ）とは？ゲームでよく使われる意味と基本イメージ
英語スラングとしての基本的な意味
ゲーム配信やオンライン対戦のチャットで「noob（ヌーブ）」という単語を見かけることがあると思います。
noobは英語スラングで「初心者・新参者」を意味しますが、単なる初心者というよりも「下手」「未熟」といったネガティブなニュアンスを含む言葉です。
もともとは「newbie（ニュービー／新人）」という単語から派生したネットスラングで、オンラインゲームやネット掲示板などのコミュニティでよく使われます。
表記ゆれとして、次のようなものもあります。
noob
n00b（ゼロを使ったスラング表記）
newb
nub
いずれも意味やニュアンスはほぼ同じと考えて問題ありません。
「初心者」より強い？侮蔑的なニュアンス
日本語の「初心者」や「ビギナー」は中立的な言葉ですが、noobは多くの場合、相手をバカにする・見下す目的で使われます。
例えば、次のような場面です。
何度も同じミスを繰り返してチームの足を引っ張っているプレイヤーに対して
ルールやマナーを理解しようとせず、味方の注意も聞かないプレイヤーに対して
自分の実力を勘違いして味方を責めているプレイヤーに対して
このようなときに「You are such a noob.（お前ほんとnoobだな）」のように使われると、明らかに侮辱表現になります。
したがって、自分から他人に向かって気軽に使ってよい言葉ではありません。たとえゲームの世界であっても、相手を傷つける可能性が高い表現です。
newbie・beginnerとの違い
よく混同されるのが「newbie」との違いです。
newbie
「新しく始めた人」「経験が浅い人」という中立的な意味
基本的には侮辱的なニュアンスはない
noob
経験が浅いだけでなく、「学ぶ姿勢がない」「迷惑な初心者」という否定的なニュアンスを含むことが多い
英語スラング解説サイトなどでも、newbieは単なる新人、noobは“自ら学ぼうとしない・同じ失敗を繰り返す初心者”を指す、と説明されています。
英語で初心者ということを丁寧に伝えたい場面では、「I’m a beginner.」「I’m still a newbie at this game.」といった表現を使う方が安全です。
ゲームで「noob」が使われる典型的なシーン
オンライン対戦（FPS・MOBAなど）での使われ方
オンライン対戦ゲーム、とくにFPSやMOBAなどのチーム戦では、noobという言葉がよく見られます。
典型的なシーンの例
FPSで、何度も同じ角から無防備に顔を出して倒され続ける
MOBAで、単独で突っ込み続けて何度も倒され、オブジェクトを取られてしまう
味方のピンやチャットを無視して動き、チーム全体が不利になる
このようなとき、チャットで
「our jungler is noob」
「team full of noobs」
などと書かれることがあります。どちらも、かなり失礼な言い方です。
味方に向けた不満・煽りとしてのnoob
noobは、敵ではなく味方に対して不満をぶつける煽り言葉として使われることが多いのが特徴です。
「Why are you so noob?」
「Stop being a noob and learn the game.」
といった発言は、プレイヤーの実力だけでなく人格を否定しているように受け取られがちです。
こうしたチャットは、大抵の場合コミュニティのルールや運営のポリシーでも推奨されず、ときには通報対象になることもあります。実際、多くのゲーム運営はハラスメント的な発言を禁止し、チャット制限やアカウント制裁を行っています。
自分に対する自虐表現としてのnoob
一方で、自分のことをあえて「noob」と呼ぶ自虐的な使い方もあります。
「I’m still a noob at this game, please teach me.」
「Sorry, I’m noob. First time playing this map.」
このように、自分の未熟さを認めつつ、教えてほしいという姿勢を見せる場合は、比較的柔らかいニュアンスになります。
ただし、自虐であっても言葉自体は強めのスラングです。相手や場の雰囲気によっては、beginner / new player / new to this gameなど、より穏やかな表現に言い換えた方が無難です。
こんな使い方はNG！マナー・トラブルの観点から見るnoob
初心者いじめ・ハラスメントにつながるケース
多くの解説でも指摘されている通り、noobは初心者をバカにするハラスメント的な言葉として扱われることが多いです。
NGになりやすいケースの例です。
初心者がミスをした瞬間に「noob」「uninstall」「go back to tutorial」などと畳みかける
ランクの低いプレイヤーに対して、最初から「noob確定」のように決めつけて煽る
味方全体を「team of noobs」とまとめて侮辱する
このような使い方は、相手のモチベーションを大きく下げ、コミュニティ全体の雰囲気も悪くします。ゲームを長く楽しみたいのであれば、自分から使わないのが最善です。
フレンド間の冗談でも注意したいポイント
フレンド同士のボイスチャットや身内ノリの中では、「お前noobすぎ（笑）」のように冗談で使われることもあります。
ただし、次のような点に注意が必要です。
本人が本当に気にしていないかどうか（「笑っているけれど実はつらい」場合もあります）
その場に、関係性を知らない第三者がいないか（見ている人にとっては不快な光景になり得ます）
冗談のつもりが、回数やトーンによっては本当の悪口に聞こえてしまうこと
「相手との信頼関係がしっかりできていて、かつ場を共有する人全員が不快でない」という条件を満たさない限り、noobを冗談で多用するのは避けた方が安全です。
noobの代わりに使えるやわらかい言い換え表現
相手を傷つけずにコミュニケーションしたい場合は、noobではなく次のような表現を検討してください。
「まだ慣れてないだけだよ」
「このマップ、初めてだよね？」
「一緒に練習しよう」
英語の場合：
You’re still learning, it’s okay.
Let’s practice this together.
相手を評価するのではなく、「一緒に上達していこう」という姿勢を伝える表現を意識すると、トラブルを避けやすくなります。
noobと言われたときの対処法
まず知っておきたい：言葉の背景と距離感
まず、noobと言われたからといって、あなたの価値や人格が否定されたわけではありません。
感情的になりやすいプレイヤーが、イライラをぶつけるために使っている場合
実力差がある相手が、優位に立ちたいだけのケース
ネタやテンプレのように、深く考えずに使っているケース
も多く、あなた個人というより、目の前のプレイ内容に対して短絡的に投げつけられていることがほとんどです。
スルー・ミュート・ブロックなど具体的な行動
実際にnoobと言われたときに取れる行動を、強さ順に整理します。
完全にスルーする
一度きりの発言であれば、そのまま無視するのが最も安全です。
チャット・VCをミュートする
設定から、特定プレイヤーや全体チャットをミュートできます。
プレイに集中した方が、結果的に成績も良くなります。
通報機能を利用する
明らかな暴言・執拗なハラスメントが続く場合は、通報機能の利用を検討してください。
パーティーやロビーから抜ける
同じメンバーと続ける必要はありません。落ち着いて別のロビーに移動しましょう。
言い返してしまうと、相手はさらにエスカレートしやすく、時間も感情も消耗します。
基本方針として、「深く関わらず、距離を取る」ことをおすすめします。
上達のヒントとして受け取る考え方
もし自分でも「たしかに今の動きはよくなかった」と感じる部分があれば、冷静になって、上達のヒントだけ拾うという考え方もあります。
リプレイを見て、「なぜそのデスが起きたのか」を振り返る
参考になる配信や攻略記事を見て、立ち回りを学ぶ
信頼できるフレンドに、改善点を聞いてみる
とはいえ、相手が失礼な言い方をしている時点で、真剣に受け止める必要はありません。
「言い方はひどいけれど、ミスがあったのは事実だから次は気をつけよう」程度に、あくまで自分主導で解釈してください。
語源とネット文化の中のnoob
noobとnewbieの関係・歴史的な背景
前述の通り、noobは「newbie」という単語から派生したスラングです。newbieは「新人・新入り」を意味し、20世紀後半には軍隊スラングとしても使われていたとする説があります。
インターネットの普及とともに、newbieやnoobといった言葉は、オンラインゲームやフォーラムなどのネットコミュニティで広く使われるようになりました。
newbie：新しくコミュニティに参加した人
noob：その中でも「ルールを守らない」「学ぼうとしない」人を揶揄する形で使われることが多い
という使い分けが、徐々に定着していきました。
n00b / newb などバリエーション
ネット文化の中では、次のようなバリエーションも見られます。
n00b：数字の「0」を使ったハッカー文化的な表記
newb / nub：綴りを簡略化したもの
日本語圏独自の当て字・言い換え（例：ヌーブ、ヌーヴ、ニーブ など）
意味の違いはほとんどなく、タイピングの癖やコミュニティごとのノリによる違いと考えて問題ありません。
ゲーム文化の中での位置づけとこれから
現在、多くのゲームコミュニティでは、noobはあまり望ましくない言葉として認識されています。BCN eスポーツ部
eスポーツの裾野が広がり、新規プレイヤーが増えている
ゲーム内の暴言・ハラスメントが社会問題として取り上げられるようになっている
企業や大会運営が、マナー・ハラスメント対策を強化している
こうした流れの中で、「noob」を含む暴言的なスラングは、徐々に使われにくくなっていく方向にあります。
一方で、言葉自体は歴史や文化の一部として残り続ける可能性が高く、「昔はこんな言葉がよく使われていた」という知識として押さえておく価値はあります。
保護者・周りの大人のための簡単ガイド
子どもが「noob」と言われる／使うときのリスク
保護者や教育関係者の方にとって、「noob」という言葉はなじみが薄いかもしれません。
ポイントだけ簡潔にまとめると、次の通りです。
意味：初心者をバカにするニュアンスの強いスラング
主な場面：オンラインゲーム中のチャットやボイスチャット
リスク：
繰り返し言われると、子どもの自己肯定感が下がる
自分も他人に対して使うようになり、トラブルの加害側になる可能性
声かけのポイントと見守り方
すべてのゲームプレイを監視する必要はありませんが、次のような声かけ・見守りが有効です。
「ゲームの中で、嫌なことを言われたらすぐ教えてね」
「どんな言葉は使ってはいけないのか、一緒に考えてみよう」
「ミスしても大丈夫。誰でも最初は初心者だからね」
大切なのは、ゲームの上手さと人としての価値は別だと伝えることです。
子どもが「noob」などの言葉で傷ついたと感じている場合は、プレイ時間やマッチング設定を一緒に見直すのも一つの方法です。
まとめ：言葉の意味を知って、ゲームをもっと安心して楽しもう
noob（ヌーブ）は、オンラインゲームなどで使われる「初心者」を指す英語スラングですが、多くの場合は相手をバカにする侮蔑的なニュアンスを含みます。
「newbie」や「beginner」は中立的な表現であり、英語で丁寧に伝えたいときはこちらを使った方が安全です。
自分から他人に対してnoobと呼ぶのは、初心者いじめやハラスメントにつながるおそれがあり、基本的には避けるべきです。
もしnoobと言われてしまっても、人格を否定されたと受け取りすぎず、スルー・ミュート・通報・ロビー移動などを通じて距離を取りましょう。
必要であれば、プレイ内容を振り返って上達のきっかけにしつつ、自分を責めすぎないことが大切です。
言葉の意味と背景を知っておくことで、理不尽な発言に過度に傷つかず、落ち着いて対処できるようになります。