ゲームの解説記事や動画を見ていると、「ここで少しディレイをかけます」「ボスのディレイ攻撃に注意」といった表現を目にすることが多いと思います。
しかし、同じ「ディレイ」という言葉でも、作品や文脈によって指している内容が違うため、混乱しやすい用語でもあります。
本記事では、
- ディレイという言葉の基本的な意味
- テクニックとしてのディレイ(格闘・アクションなど)
- 入力遅延(input lag)としてのディレイ
- その他の関連用語との違い
を順番に整理して解説いたします。
そもそも「ディレイ」とは?ゲームでの基本的な意味
英単語delayの意味と、ゲームで使われる場面
「ディレイ(delay)」は英語で「遅らせる」「遅延」といった意味を持つ単語です。
ゲームの世界では、この「遅らせる」「遅れる」というイメージがそのまま用語として使われています。
たとえば、
- 攻撃やスキルをあえて遅らせて出す
- スキルを使った後、しばらく次の行動ができない時間
- ボタンを押してから画面に反映されるまでの遅れ
といった、時間的な「ズレ」がある場面で「ディレイ」という言葉がよく登場します。
ゲーム用語としての3つのディレイ
ゲームの文脈で「ディレイ」という言葉が使われるとき、多くの場合次の3つのどれかを指しています。
行動をあえて遅らせるテクニックとしてのディレイ
- 例:コンボ中の2発目を少し遅らせて、相手のガードタイミングをずらす
- 例:モンスターの動きを見てから、回避ボタンをほんの少し遅らせて押す
スキル・行動後の待機時間としてのディレイ
- 例:強力な魔法を撃ったあと、一定時間行動できない「ディレイ」
入力遅延・通信遅延としてのディレイ
- 例:ボタンを押してからキャラクターが動くまでにタイムラグがある
- 例:オンライン対戦で、通信の遅さによる「ラグ」「ディレイ」を感じる
どの意味で使われているかは、作品や会話の流れによって変わります。
以降の章で、それぞれをもう少し具体的に見ていきます。
テクニックとしてのディレイを理解する
ここでは、プレイヤーが意図的に入力や行動を「少し遅らせる」テクニックとしてのディレイを解説します。
格闘ゲームにおけるディレイコンボのイメージ
対戦格闘ゲームでは、「ディレイをかける」「ディレイコンボ」といった言い方がよく使われます。
イメージしやすいよう、一般的な場面を挙げます。
- 通常技A → 通常技B → 必殺技 という連携がある
- すべて最速で入力すると、相手はそのリズムに慣れてガードしやすくなる
- そこで、A → 少し間をおいて B → 必殺技、と入力タイミングをずらすことで、相手のガードタイミングを外させる
この「わざと最速で押さない」「リズムをずらす」部分が、格闘ゲームにおけるディレイです。
また、ディレイはコンボの安定度を上げる目的でも使われます。
ヒット時とガード時で相手との距離が微妙に変わる場合、最速で連打するよりも、少し遅らせて確認してから次の技を出した方が安定する、といった場面もあります。
モンハンやアクションゲームでのディレイ攻撃・回避
ハンティング系・アクションゲームでも、ディレイはよく話題になります。
- 大ぶりな攻撃を少し遅らせて出すことで、モンスターの頭や弱点にちょうどヒットさせる
- 回避ボタンを「すぐ押す」のではなく、敵の攻撃動作を見てギリギリまで引きつけてから回避する
いずれも、「ただ連打する」のではなく、相手の行動を見てタイミングをずらすテクニックです。
最近のアクションRPGでは、敵のボスがわざと攻撃のタイミングを遅らせてくる「ディレイ攻撃」も増えています。
プレイヤーが予備動作を見て早めに回避ボタンを押すと空振りになり、少しあとから攻撃が飛んできて当たってしまう──という、いやらしい攻撃パターンです。
ディレイを使いこなすための練習方法
テクニックとしてのディレイは、次のようなステップで練習すると身につきやすくなります。
「最速入力」と「一拍置く入力」の違いを体感する
トレーニングモードなどで、同じ連携を
- パターンA:ボタンを最速連打
- パターンB:ボタンとボタンの間に、意識して「少し」間を空ける
の2パターンで繰り返してみて、キャラクターの動きやヒットタイミングの違いを確認します。
「どのタイミングでディレイをかけるか」を1か所に絞る
いきなりコンボ全体を変えようとせず、
- 2発目だけ遅らせる
- 起き上がりにディレイをかける
など、練習するポイントを1つに絞ると習得しやすくなります。
失敗パターンを把握しておく
- 遅らせすぎてコンボがつながらない
- 早すぎて相手のガードに引っかかる
といった失敗例を自分で体験し、「どこまでなら許されるのか」の感覚を掴むことが重要です。
入力遅延としてのディレイ(input lag)とは?
次に、「ボタンを押してから画面に反映されるまでの遅れ」としてのディレイについて解説します。
これは一般に「入力遅延(input lag)」「操作遅延」とも呼ばれます。
入力遅延の仕組みと原因
ゲームにおける入力は、大まかに次のような流れで処理されています。
入力機器
- コントローラー、キーボード、マウスなどが、一定間隔で入力状態を読み取る
ゲーム機・PC
- 受け取った入力情報をもとに、ゲームの状態を更新(キャラクターの移動、攻撃判定の処理など)
画面表示
- 更新されたゲーム画面を、モニターやテレビが受け取り、映像として表示する
この途中のどこかで時間がかかると、プレイヤー目線では「ボタンを押したのに、キャラが遅れて動く」と感じます。
入力遅延を大きく左右する主な要因は、概ね次のとおりです。
- 入力機器の応答性(無線/有線、ポーリングレートなど)
- ゲームのフレームレートや処理負荷
- モニターやテレビ側の映像処理(画像補正、アップスケーリングなど)
- オンライン対戦時のネットワーク回線・サーバーとの距離
どれか一つだけではなく、複数の要素が積み重なって体感のディレイになります。
ネットワーク遅延とオンライン対戦のディレイ
オンライン対戦では、入力遅延に加えて「ネットワーク遅延(レイテンシ)」も関わってきます。
- 自分の入力がサーバーや相手に届くまでの時間
- 相手の入力結果(キャラクターの動き)が自分の画面に反映されるまでの時間
格闘ゲームなどでは、この問題を処理するために「ディレイ方式」や「ロールバック方式」といった同期の仕組みが使われます。
- ディレイ方式:
お互いの入力が揃うまでゲームの進行を待ち、まとまって反映する方式。
→ ラグい環境だと、全体的に重く感じやすい。 - ロールバック方式:
いったん予測でゲームを進行させ、あとから正しい入力に合わせて巻き戻す方式。
→ ラグがあっても、自キャラの操作感は比較的軽く感じやすい。
この記事では詳細な技術解説は割愛しますが、「なぜオンライン対戦でディレイが変わるのか?」という疑問に対して、「通信の仕組み上どうしてもラグが発生し、それをどう処理するかの設計がある」と理解しておくとよいでしょう。
入力遅延・ラグを減らすためにできること
プレイヤー側でできる代表的な対策を、チェックリスト形式でまとめます。
機器・接続まわり
- 可能であれば、コントローラーやマウスを有線接続にする
- Wi-Fiではなく、有線LANでネットに接続する
- USBハブを多段接続している場合は、できるだけシンプルな構成にする
モニター・テレビの設定
- 「ゲームモード」や「低遅延モード」を有効にする
- 映像の補正機能(ノイズリダクション、モーション補間など)を切る
- 4K出力が重い場合は、フルHDなど負荷の軽い解像度にする
ゲーム内設定
- フレームレート制限があれば、安定して出せる値に設定する
- クロスプレイや高負荷な描画設定を見直し、処理落ちを避ける
これらを一つひとつ見直していくだけでも、体感のディレイが改善されることがあります。
ディレイと似たゲーム用語との違い
ここでは、「ディレイ」と混同されやすい用語との違いを簡潔に整理します。
ディレイとラグ・レイテンシの違い
ラグ
- 主にオンライン対戦で、通信の遅れによって動きがカクついたり、ワープしたりする現象全般を指す、プレイヤー目線の俗語。
レイテンシ
- 通信や処理にかかる「遅延時間」を表す、やや技術寄りの言葉。
ディレイ
- 文脈によって意味が変わるが、
- テクニックとしての「入力タイミングをずらす」
- ゲーム内の待機時間
- 入力遅延
を指す場合が多い。
日常会話レベルでは、ラグ・レイテンシ・ディレイがほぼ同じ意味で使われることもあり、厳密な使い分けは作品やコミュニティによって異なります。
ディレイとクールタイム/リキャスト/硬直の違い
クールタイム/リキャスト
- 強力なスキルやアイテムを使用したあと、再度使えるようになるまでの制限時間。
- UI上に秒数表示されることも多く、「スキルの再使用待ち時間」を意味します。
硬直
- 攻撃モーションなどの最中に、プレイヤーが操作しても動けない時間。
- 行動後の隙として意識されることが多い。
これらはゲーム側で決められている「制限時間」であり、プレイヤーが入力タイミングを変えても基本的には短くなりません。
一方、テクニックとしてのディレイは、プレイヤーが自分の操作タイミングをずらす行為そのものを指します。
ヒットストップや演出上のスローモーションとの違い
ヒットストップ
- 攻撃がヒットした瞬間に、画面全体の動きを一瞬止めて「当たった感」を強調する演出。
スローモーション演出
- 必殺技やトドメ演出で、わざと時間をゆっくりに見せる演出。
これらはゲーム側が演出的に時間の流れを変えているもので、入力遅延とは性質が異なります。
ただし、初めてプレイする作品では「演出なのか、ラグなのか分からない」と感じることもあり、混同されやすいポイントです。
シーン別・ディレイの使い方と意識の仕方
最後に、ジャンル別に「ディレイ」をどう意識すると良いかを整理します。
対戦格闘ゲームでのディレイ活用ポイント
- 連携や固めの中で、「どこを最速」「どこをあえて遅らせるか」を設計する
- 相手の暴れや無敵技を読んで、ディレイをかけてガードさせる・空振りさせる
- トレーニングモードで「最速入力」と「ディレイ入力」の両方を試し、相手キャラごとの対策を考える
ディレイは、攻めのバリエーションを増やすうえで欠かせない要素です。
アクション・ハンティングゲームでのディレイ活用ポイント
- 敵のモーションを見てから、「一拍置いて攻撃」「ギリギリまで引きつけて回避」といったタイミング調整を意識する
- 大技ほど、早出しではなく「当てたい位置に来るタイミング」で振ることを心がける
- ディレイ攻撃を多用するボスに対しては、「早め回避が癖になっていないか」を自分でチェックする
「すぐ押す」から「見る→押す」に意識を変えると、自然とディレイの感覚が身についていきます。
オンライン対戦・eスポーツ観戦での「ディレイ」の聞き取り方
配信や解説で「このゲームはディレイが重い」「ディレイ方式だから〜」といった話が出るとき、多くの場合は入力遅延・通信遅延の話題です。
- プレイしていて操作がもっさり感じる → 入力遅延や同期方式の影響かもしれない
- 解説者が「ここでディレイをかけてますね」と言った場合 → テクニックとして入力タイミングをずらしている
このように、文脈から「テクニックの話なのか」「ネットワークやシステムの話なのか」を切り分けて聞くと理解しやすくなります。
まとめ:ディレイを理解するとゲームがもっと楽しくなる
本記事では、ゲームで使われる「ディレイ」について、
- 英単語としての意味
- テクニックとしてのディレイ(入力タイミングをずらす技術)
- 入力遅延や通信遅延としてのディレイ
- 似た用語との違い
を整理して解説しました。
ディレイという言葉は、一見ややこしく感じられますが、
- 自分でコントロールできるディレイ(テクニック)
- 環境や仕組みによって発生するディレイ(入力遅延・通信遅延)
の2つに分けて考えると、ぐっと理解しやすくなります。
前者をうまく使いこなせば、攻撃を通したり、敵の攻撃を華麗に避けたりと、ゲームプレイの幅が広がります。
後者を正しく理解して対策すれば、「なんだか押しても反応が遅い」といったストレスを減らすことができます。
「ディレイとは ゲーム」と検索されたきっかけが、どちらの意味であっても、
本記事が用語理解とプレイ環境の見直しの一助となれば幸いです。