突然インターネットが使えなくなり、Windowsの診断で「デバイスまたはリソースが応答していません」と表示されると、何から手を付ければよいか分からず不安になりがちです。ですが、この症状は「回線・ルーター」「このPCの設定」「DNSの名前解決」など、原因の当たりを付けて順番に対処すれば復旧できるケースが多くあります。
本記事では、まず“全滅/このPCだけ/特定サイトのみ”を1分で切り分ける診断から始め、再起動、DNSキャッシュ削除、Winsockリセットなどの手順を迷わず実行できる順番で解説します。影響が大きい操作の注意点や、直らない場合に相談先へ渡す情報テンプレまでまとめていますので、初めての方でも安全に復旧を目指せます。
デバイスまたはリソースが応答していませんが出たときに最初に知るべきこと
デバイスまたはリソースが応答していませんの意味
このメッセージは、Windowsが通信テスト(接続・名前解決・応答確認など)を行った結果、想定した相手(DNSサーバー、ゲートウェイ、宛先サービス等)から応答を得られなかったときに出やすい表示です。特に「DNSサーバーが応答していない」系の状況と関連することがあります。
よくある発生パターン
状況は大きく3つに分かれます。
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全てのサイト・アプリが繋がらない:回線・ルーター・ONU、あるいはPCのネットワークスタック
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このPCだけ繋がらない:ネットワークアダプター、ドライバー、プロキシ/VPN、セキュリティソフト
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特定サイトだけ開けない:DNSの名前解決、DNSキャッシュ、サイト側障害、ブラウザキャッシュ
この分類ができると、無駄な試行が激減します。
1分診断:最短で原因を切り分ける
ここだけ先に行ってください。判断に迷う時間を減らすための“分岐”です。
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他の端末(スマホ等)も同じWi-Fiで繋がらない
→ 回線・ルーター・ONU側が濃厚。まずは機器再起動へ -
他の端末は繋がるが、このPCだけ繋がらない
→ PC側(設定・ドライバー・VPN/プロキシ等)を優先して対処 -
インターネットは繋がるが、特定サイトだけ開けない
→ DNSやキャッシュ、サイト側要因を疑い、DNS対処から開始
以降の手順は、この分岐に沿って上から順に実施すると、最短で復旧しやすくなります。
デバイスまたはリソースが応答していませんの原因を症状別に整理する
ここでは「どこが悪い可能性が高いか」を、症状ベースで整理します。読者が最も困るのは“原因が分からない”ことですので、判断材料を明確にいたします。
回線やルーターが原因のサイン
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スマホや家族のPCも同時に不調
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ルーターやONUのランプが普段と違う
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時間帯によって不安定(夜だけ遅い、断続的に切れる)
この場合、PC側の設定変更を繰り返すより、まず機器側の復旧を優先した方が成功率が高いです。
Windows端末が原因のサイン
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同じネットワークでも、このPCだけ繋がらない
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別のネット(テザリング等)だと繋がる
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Windows更新、VPN導入、セキュリティソフト導入直後
この場合は、Windows側のトラブルシューティングや、DNSキャッシュのクリア、Winsockのリセットが効くことがあります。
DNSが原因のサイン
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特定サイトだけ開けない(他は開ける)
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エラーが出たり出なかったりする(時間で揺れる)
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名前解決が失敗しているように見える(サイト名でアクセスできない)
DNSが疑わしい場合、まずはDNSクライアントのキャッシュをクリアする対処が安全で効果的です。ipconfig /flushdns はDNSクライアントのキャッシュをフラッシュし、トラブルシューティング時に利用できるとMicrosoftのドキュメントでも説明されています。
デバイスまたはリソースが応答していませんを最短で直す基本手順
ここからは復旧率が高い順に進めます。重要なのは「1つ実行したら確認する」ことです。複数の変更を同時にすると、何が効いたのか分からなくなります。
手順1:ONUとルーターとPCを正しい順番で再起動する
全パターンで最初に試してよいのが再起動です。ネットワーク機器の内部状態が詰まっている場合、これだけで直ることがあります。
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ルーターとONU(またはモデム)の電源を抜く
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30秒待つ
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ONU→ルーターの順に電源を入れる
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ランプが落ち着いたらPCを再起動
有線の場合はLANケーブルを差し直し、可能なら別ケーブルに交換すると切り分けが早くなります。
手順2:Windowsのネットワークトラブルシューティングを実行する
Windowsのトラブルシューティングは、設定ミスや一時的不整合の修復に有効です。操作後は、ブラウザを閉じて再アクセスし、改善したか確認してください。
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Windows 11:設定 → システム → トラブルシューティング → その他のトラブルシューティング ツール
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Windows 10:設定 → 更新とセキュリティ → トラブルシューティング
※画面名称は更新で変わることがあります。
手順3:DNSキャッシュを削除する
DNSが絡む不具合では、まずキャッシュをクリアします。ipconfig /flushdns はDNSクライアント リゾルバー キャッシュの内容をフラッシュし、DNSトラブルシューティングで利用できると説明されています。
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スタートメニューで「cmd」または「コマンドプロンプト」を検索
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右クリックして「管理者として実行」
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次を入力してEnter
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ipconfig /flushdns
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この操作は“DNSキャッシュをクリアするだけ”なので、比較的安全に実行できます。
手順4:名前解決を確認して原因を絞る(nslookup)
「特定サイトだけ」開けない場合は特に、名前解決の確認が役立ちます。MicrosoftのDNSクライアント トラブルシューティングでも、nslookup による外部名のテストが紹介されています。
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コマンド例:
nslookup bing.com -
結果の見方:名前解決が失敗する/遅い/別のDNSに変えると改善する、などでDNS要因が濃厚になります。
この段階で「DNSが怪しい」と絞れたら、次の「DNS設定の見直し」に進みます。
手順5:IPの再取得とネットワークスタックの再初期化を行う
このPCだけ繋がらない場合、IP周りの状態が崩れていることがあります。以下は改善する可能性がありますが、組織ネットワーク(固定IP・指定DNS)がある場合は注意が必要です。
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ipconfig /release -
ipconfig /renew
加えて、必要に応じてIPスタックのリセットを行い、再起動します。
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netsh int ip reset -
再起動
手順6:Winsockをリセットする
VPNやセキュリティソフト、ネットワーク関連ツールを入れたあとに不調が出る場合、Winsockの問題が絡むことがあります。netsh winsock reset はWinsockカタログをクリーンな状態にリセットし、破損したWinsock設定が原因のネットワーク問題を解決する目的で使われるとMicrosoftが説明しています。実行後は再起動してください。
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コマンドプロンプト(管理者)を開く
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netsh winsock resetを実行 -
PCを再起動
デバイスまたはリソースが応答していませんが続く場合の設定見直し
基本手順でも直らない場合は、設定・ソフト・ドライバーを順に見直します。ここでは「安全に」「戻せる」順番で進めます。
DNSサーバー設定を自動取得に戻す
過去にDNSを手動設定した経験がある場合、現在の環境と相性が悪くなっていることがあります。まずはDNSを自動取得に戻して改善するか確認してください。
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自動に戻したあと、ブラウザだけでなくアプリ通信(メール同期など)でも確認
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改善するなら、DNS手動設定が原因に近い可能性があります
DNS設定を一時的に切り替えて比較する
自動取得でも改善しない場合、検証としてDNSを切り替えて比較すると原因が見えます。ただし会社・学校のネットワークでは指定DNS以外が禁止されていることがありますので、管理者ルールがある場合は従ってください。
ポイントは「恒久変更」ではなく「原因の切り分け」です。改善したら、そのDNSを続けるか、ルーター側・契約回線側の相談に進むか判断できます。
プロキシとVPNとセキュリティソフトの影響を確認する
次の条件に当てはまる場合は、通信を“横取り”している設定が原因になりやすいです。
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VPNを常時接続している
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プロキシ設定が有効になっている
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セキュリティソフトのWeb保護、フィルタ、ファイアウォール機能が強い
切り分けの方法は「一時停止して変化を見る」ですが、停止したまま使い続けるのは推奨できません。原因が特定できたら、例外設定や設定調整、別ソフトへの切り替えを検討してください。
ネットワークアダプターのドライバーを更新・再インストールする
このPCだけ不調のときは、ドライバー要因も現実的です。
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デバイスマネージャーでネットワークアダプターを確認
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ドライバー更新
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うまくいかない場合は一度削除→再起動(Windowsが再認識して導入)
更新直後に不調が出た場合は「ロールバック」が効くこともあります。
デバイスまたはリソースが応答していませんの最終手段と実行前チェック
ここまで試して改善しない場合、リセット系の対処を検討します。ただし、影響が大きい操作ほど「直す代わりに設定を失う」リスクがあります。必ず事前に控えを取り、戻せる状態で実施してください。
実行前チェックリスト
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Wi-FiのSSIDとパスワード
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VPN設定(サーバー名、方式、証明書など)
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固定IP設定(IP、サブネット、ゲートウェイ、DNS)
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プロキシ設定の有無
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会社・学校PCの場合:管理者ルール(指定DNS、MDM、セキュリティポリシー)
このチェックがあるだけで、リセット後の復旧が大幅に楽になります。
ネットワーク設定をまとめて戻す前に、相談へ切り替える判断基準
次に当てはまる場合は、これ以上の自己対処より「回線会社・ルーターメーカー・社内情シス」への相談が早いことがあります。
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家中の端末が同時に不調
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ルーター交換・回線工事直後から継続
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会社・学校のルールが絡む(固定IP/指定DNS/プロキシ必須)
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一時的に直っても頻繁に再発する
相談時に渡す情報テンプレ
相談がスムーズになる情報を、最低限これだけまとめてください。
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発生日時、直前に変えたこと(Windows更新、ソフト導入、ルーター変更等)
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症状(全滅/このPCだけ/特定サイトのみ)
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他端末との比較結果
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実施した対処(再起動、flushdns、winsock reset など)
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ipconfig /allの結果(DNSサーバー、ゲートウェイ等) -
ルーター機種名、回線事業者名
デバイスまたはリソースが応答していませんのよくある質問
特定サイトだけ開けないのはなぜですか
サイト側の障害・メンテナンス・CDNの不調のほか、DNSの応答やキャッシュの影響で“特定サイトだけ”の現象が起きることがあります。まず ipconfig /flushdns を実行し、次に nslookup で名前解決が安定しているか確認してください。改善しない場合は時間を置く、別回線で試すなどで切り分けができます。
一時的に直るのに、また出るのはなぜですか
DHCPの更新、DNSキャッシュ、ルーター側の不安定さ、セキュリティソフトの挙動などで、時間や再起動で一時的に回復することがあります。再発する場合は「どの手順で直ったか」を記録し、同じ順番で再現性を確認すると原因に近づきます。
コマンド操作が不安です。どれが安全で、どれが注意が必要ですか
一般に、影響が小さく試しやすいのは以下です。
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比較的安全:再起動、トラブルシューティング、
ipconfig /flushdns -
環境注意:
ipconfig /release/renew(固定IPや指定設定がある場合) -
影響あり:
netsh winsock reset(再起動が必要、通信経路の設定が戻る可能性)
会社・学校PCでルールがある場合は、管理者に確認してから進めると安心です。
参考にした情報源
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Microsoft Learn(netsh winsock)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/administration/windows-commands/netsh-winsock -
Microsoft Learn(ipconfig /flushdns の説明)
https://learn.microsoft.com/en-us/windows-server/administration/windows-commands/ipconfig -
Microsoft Learn(DNS クライアントのトラブルシューティング)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/networking/dns/troubleshoot/troubleshoot-dns-client -
Microsoft Learn(DNS に関する問題のトラブルシューティング データ収集:flushdns手順を含む)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/networking/dns/troubleshoot/troubleshoot-dns-data-collection