VALORANTをプレイしている最中に、画面右上へ突然「クライアントFPS低下(Low Client FPS)」と表示され、エイムがガクガクになって負けてしまう――そのような経験はありませんでしょうか。
スペック不足だと思って設定を触ってみても改善せず、「PCが悪いのか」「設定がおかしいのか」「アップデートのせいなのか」原因が分からないまま、ストレスだけが溜まっている方も多いはずです。
本記事では、「クライアントFPS低下」の仕組みと原因を整理したうえで、5分で試せる基本チェックから、PC設定の最適化、中級者向けのトラブルシューティングまでを段階的に解説いたします。
ノートPCやエントリークラスのゲーミングPCでも、できるだけ安定してVALORANTをプレイできるよう、安全性を重視した具体的な設定例とチェックリストをご用意しておりますので、PCにあまり詳しくない方でも順番に試していただけます。
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「クライアントFPS低下」は、自分のPC側の処理が追いついていないサインです
原因は、スペック不足だけでなく、バックグラウンドアプリ・オーバーレイ、ドライバー、熱、電源設定、常駐ソフトなど多岐にわたります
まずは以下の5分クイックチェックから始めてください
パフォーマンスグラフでCPU/GPU負荷を確認
不要アプリやオーバーレイを停止
ゲーム内設定を軽いテンプレに変更
Windows電源プラン・GPU高パフォーマンス設定を確認
温度・ドライバー・Windows更新状況を確認
それでも改善しない場合は、設定リセット・再インストール、Vanguardやセキュリティソフトの切り分けなど、中級者向け手順を段階的に実施します
オーバークロックや電力制限解除など、高リスクなチューニングは原則避けるのが安全です
VALORANTの「クライアントFPS低下」とは?
画面右上に出る「Low Client FPS」表示の意味
VALORANTプレイ中に、画面右上に「クライアントFPS低下」あるいは英語で「Low Client FPS」という警告が表示されることがあります。これは、あなたのPC側でゲームのフレームレート(FPS)が十分に出ておらず、プレイに支障が出ている状態であることを示します。
「敵がカクカクに見える」「エイムが抜ける」「クロスヘアがワープするように動く」といった体感につながり、特にランクや対戦では致命的な不利になる場合があります。
クライアントFPSとサーバーFPSの違い
混同されがちですが、VALORANTには複数の「FPS」や指標が存在します。
クライアントFPS:あなたのPCがどれだけ滑らかに画面を描画できているか(今回のテーマ)
サーバーFPS:ゲームサーバー側の処理速度
ネットワーク関連指標:Ping、パケットロスなど
「クライアントFPS低下」は、基本的にあなたのPC側の処理能力・設定・ソフト環境に原因があると考えるのが出発点です。
クライアントFPS低下が起こる主な原因
PCスペック不足・設定の重さによる処理落ち
もっとも分かりやすい原因が、PCスペックとゲーム設定のバランスが合っていないケースです。
GPU性能が低いのに高解像度+高画質設定
CPUが古く、フレームレートを保つだけの処理が追いつかない
メモリが少なく、他のアプリと取り合いになっている
この場合は、ゲーム内設定を軽くする・解像度を下げることで改善することが多いです。
バックグラウンドアプリ・オーバーレイの干渉
録画ソフト、配信ソフト、ブラウザ、音楽アプリ、ゲームランチャー、各種オーバーレイ(Discord、Radeon ReLive、GeForce Experienceなど)が、CPU・GPU・メモリを大きく消費していると、クライアントFPSが急激に落ちることがあります。
特に以下は要注意です。
ゲームプレイの常時録画・クリップ機能
グラフィックドライバーのオーバーレイ(Radeon、NVIDIA)
ブラウザのタブ大量起動
ドライバー・Windows・VALORANTの不具合やバージョンの問題
GPUドライバーの不具合・古いバージョン
Windowsアップデート直後の相性問題
VALORANT側のパッチ直後に一時的な不具合
など、ソフトウェア側の問題でFPS低下が起こることもあります。GPUドライバーやゲーム本体のアップデート、再インストールで解決するケースが多数報告されています。
熱・電源設定(省電力モード)・ノートPC特有の制限
CPUやGPUが高温になると、**自動的に性能を落として温度を下げる(サーマルスロットリング)**という仕組みが働きます。このとき、一気にFPSが落ち、「クライアントFPS低下」が表示されることがあります。
また、ノートPCでは以下の条件で性能が大きく制限される場合があります。
ACアダプタを抜いたバッテリー駆動
Windowsの電源プランが「省電力」になっている
メーカー独自の省電力・静音モードが有効
Vanguardやセキュリティソフトなど常駐ソフトの影響
VALORANTのアンチチート「Vanguard」や、ウイルス対策ソフトが原因でFPSが落ちる事例もあります。
セキュリティソフトがVALORANT関連ファイルを常にスキャンしている
Vanguardの再インストールで改善した事例
ある特定のセキュリティソフトが原因で、アンインストールしたら直った事例 など
この領域は扱いに注意が必要なため、規約・セキュリティの観点から安全な範囲で切り分けることが大切です。
まず試すべき基本チェック(5分でできる対処)
ゲーム内パフォーマンスグラフでCPU・GPU負荷を確認する
原因特定の第一歩は、VALORANT内でパフォーマンスを目視することです。
VALORANTを起動
設定(歯車アイコン) → 「グラフィック」タブ → 「データ」
「パフォーマンスグラフ」関連の項目をオンにする
試合中にCPU/GPUのグラフを確認する
ざっくりとした見方は以下の通りです。
CPUのグラフが常に高い:CPU側の処理が限界に近い
GPUのグラフが常に高い:GPUが描画処理で限界
どちらも余裕があるのにFPSが落ちる:ソフトやネットワーク、その他常駐の可能性
この段階では細かい数値よりも、「どちらがより苦しそうか」を把握できれば十分です。
不要なアプリ・オーバーレイを止める
次に、ゲームと関係ないアプリ・オーバーレイを止めます。
Discord、ブラウザ、音楽ソフト、ランチャーなど
録画・配信ソフト(OBS、ShadowPlay、Radeon ReLiveなど)
グラボ・マザーボード付属のオーバークロックツール
最低限、以下はチェックしてください。
ブラウザのタブを大量に開いたままにしていないか
画面録画機能・インスタントリプレイがオンになっていないか
必要ない常駐アプリがタスクトレイにたまっていないか
ゲーム内グラフィック設定をテンプレに合わせて軽くする
PC初心者の方は、一度「軽いテンプレ設定」にガッと下げてから、見た目と相談して上げていく方が分かりやすいです。
例として、「低スペック向けテンプレ」を簡易的に示します。
解像度:フルHD(1920×1080)またはそれ以下
マテリアル:低
テクスチャ:低
ディテール:低
UI:低〜中
影:オフ
アンチエイリアス:オフ〜低
ブルーム・ディストーション・キャストシャドウ:オフ
ここまで下げて「クライアントFPS低下」が消えるなら、スペックと設定のアンバランスが主因である可能性が高いと言えます。
PC側設定でFPSを安定させる手順
Windows電源プラン・グラフィック設定の最適化
FPSゲームを快適にプレイするには、Windows側の設定も重要です。
代表的なポイントは以下の通りです。
電源プランを高パフォーマンス寄りにする
「設定」→「システム」→「電源とスリープ」→「電源の追加設定」から「高パフォーマンス」または同等のゲーミングプランを選択
GPUを高パフォーマンスで動かす
「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「グラフィックの設定」でVALORANTを追加し、「高パフォーマンス」に設定
ノートPCの場合は必ずACアダプタを接続
バッテリー駆動だと、ほぼ確実に性能が制限されます
GPUドライバー・Windows・VALORANTのアップデート
NVIDIA/AMDの公式アプリまたは公式サイトから最新の安定版ドライバーを導入
Windows Updateを適用し、再起動してから動作確認
VALORANT本体のアップデートを完了しているか確認
アップデート後に悪化したように感じる場合でも、まずは最新状態に揃えることが基本です。その上で「以前のバージョンに戻す」かどうかを検討する方がトラブルを減らせます。
CPU/GPU温度と冷却環境のチェック
温度が高すぎると、どれだけ設定を軽くしてもFPSは安定しません。
ノートPC:通気口をふさいでいないか、膝の上に置いていないか
デスクトップ:ケース内にホコリが溜まりすぎていないか、ファンが回っているか
室温:真夏にエアコンなしで長時間プレイしていないか
無料ツールでCPU/GPU温度を確認し、高負荷時に90℃を超えるようなら要注意です。掃除・エアフローの改善・ファン設定の見直しを検討してください。
それでも改善しないときの中級テクニック
VALORANT設定ファイルのリセット・再インストール
原因不明のFPS低下では、設定ファイルの破損や相性問題が絡んでいる場合があります。
代表的な対処の流れ(概要)は以下の通りです。
ゲーム内から設定をデフォルトに戻す(画質設定など)
改善しない場合は、RiotクライアントからVALORANTの修復機能(あれば)を試す
それでもダメなら、一度アンインストール後に再インストール
再インストールは時間がかかるため、「基本チェック」「PC側設定」「ドライバー更新」を終えてからの最後の手段と考えるとよいです。
Vanguard・セキュリティソフトの影響を切り分ける
前述の通り、VanguardやセキュリティソフトがFPS低下の原因になるケースもゼロではありません。
セキュリティソフトのリアルタイムスキャン対象からVALORANT関連フォルダを外せるか検討(自己責任)
Vanguardを一度アンインストールし、Riotクライアント経由で再導入
どうしても特定ソフトが原因と疑われる場合は、別製品への乗り換えも選択肢
ただし、セキュリティソフトの無効化・アンインストールはセキュリティリスクを伴うため、最後の手段として慎重に行ってください。
低スペック環境での現実的な妥協ライン設定例
スペックに明らかに余裕がない場合、「144FPSをずっとキープ」は現実的でないこともあります。その場合は、目標FPSを下げてでも安定性を優先した方がプレイしやすくなります。
| 環境 | 目標FPS | 解像度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ノートPC(iGPU) | 60 | 1600×900以下 | すべて低設定、影・効果オフ |
| エントリーGPU(GTX16等) | 90〜120 | 1920×1080 | 画質中程度、影オフ |
| ミドルGPU(RTX30番台) | 144以上 | 1920×1080〜WQHD | 画質を少し上げつつ影はオフ推奨 |
よくある勘違い・やってはいけない対処
無闇な常駐停止・チューニングツールの乱用
「常駐を全部切れば速くなる」という発想で、Windowsやドライバーに必要なサービスまで止めてしまうのは危険です。
正体不明のプロセスを終了する
よく分からない高速化ツールで一括最適化する
何を変更したかメモを取らずに設定をいじり回す
といった行為は、トラブルの再現性・原因特定を難しくします。必ず、
変更前の状態をスクショ・メモしておく
1つずつ変更し、効果を確認する
という基本を守ることをおすすめします。
オーバークロック・電力制限解除のリスク
一部の記事や動画では、CPU/GPUのオーバークロックや電力制限解除でFPSを稼ぐ方法も紹介されていますが、初心者には推奨しません。note(ノート)+1
発熱・消費電力の増加
パーツ寿命への影響
システムの不安定化
などのリスクがあり、適切な冷却・知識・検証が前提となります。本記事では、
まずは「安全な設定見直し」と「基本的なPCメンテナンス」でどこまで改善できるか
を目指す方針とします。
よくある質問(FAQ)
「クライアントFPS低下」が一瞬だけ出る場合は気にしなくてよいですか?
一瞬だけ表示されてすぐ消え、体感上もカクつきがほとんど無い場合は、一時的な負荷変動である可能性が高いです。ただし、
戦闘中に頻発する
数秒以上続く
ランクに支障が出る
といった状態なら、本記事のチェックリストに沿って原因を確認することをおすすめします。
ランク中だけFPSが落ちるのはなぜですか?
ランクの方が集中しているため、カクつきに敏感になっている
VC(ボイスチャット)や録画をランク中だけオンにしている
ランク中は長時間連続プレイになり、熱が蓄積しやすい
などが考えられます。録画・VCの有無や、プレイ時間・温度との関係を確認してみてください。
ノートPCでも144FPSを目指すべきですか?
ノートPCの多くは、60〜100FPS程度を安定させることをまず目標にすると現実的です。144Hzモニターを使っていても、安定しない144FPSよりも、安定した80〜100FPSの方がエイムしやすい場合も多くあります。
メモリ8GBと16GBで体感は変わりますか?
バックグラウンドアプリやブラウザを開きながらプレイする場合、16GBの方が余裕があり、FPSの安定に寄与するケースが多いです。8GBでも他アプリを極力閉じればプレイ可能ですが、今後長く遊ぶなら16GB以上を推奨します。
PC買い替えの目安は?
設定を最小にしても「クライアントFPS低下」が頻発する
Windowsやドライバー・ゲームの再インストールをしても改善しない
2〜3世代以上前のCPU・GPUを使っている
といった条件が複数当てはまる場合は、パーツ増設または買い替えを検討するタイミングと言えます。