Discordで通話しているときに「ノイズが酷い」と言われると、相手に迷惑をかけてしまった申し訳なさと、原因が分からない焦りが一気に来ます。さらに厄介なのは、ノイズの原因が1つとは限らない点です。たとえば「入力感度が高すぎて環境音を拾っている」状態で、同時に「USBハブ由来のサー音」まで混ざっている、といったことが普通に起こります。
本記事では、次の方針で詳しく整理いたします。
最優先は相手の負担を減らすこと(通話中の応急処置を先に固定)
次に、症状から原因を絞り込む(ノイズの種類別の切り分け)
そのうえで、Discord設定 → 機材・環境 → 運用の順に手戻りなく改善する
仕上げとして、再発防止の習慣(通話前30秒チェック)で迷惑を起こしにくくする
「今すぐ直したい」「とりあえず迷惑を止めたい」「何から触ればよいか分からない」という場合でも、本文の順に実行すれば、改善の確率が上がります。
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Discordノイズが酷いとき最初にやること
相手にだけ聞こえるか自分にも聞こえるかを確認
最初の切り分けは非常に重要です。なぜなら、原因がDiscord側(設定・アプリ処理)なのか、入力の時点(マイク・接続・環境)なのかで、対処の打ち手が大きく変わるためです。
確認は次の3段階で行います。
1)Discordのマイクテストで「入力そのもの」を確認する
Discordの「音声・ビデオ」設定には、入力確認(マイクテスト)が用意されています。ここで自分の声を確認し、次の観点をチェックします。
無音時に入力メーターが大きく動いていないか(環境音・ゲイン過多の疑い)
話し始めの数文字が欠けていないか(入力感度・ゲート・抑制の効きすぎ)
声がロボットのように変質していないか(抑制や処理の副作用)
キーボード打鍵やファン音がどの程度入るか(環境音対策の必要性)
ここで既にノイズが再現する場合、Discord設定の影響もありますが、同時に「入力の質が汚い」可能性も残ります。次の確認へ進みます。
2)OS標準の録音で「Discord以外でも同じか」を確認する
Windowsなら「ボイスレコーダー」、macOSなら「ボイスメモ」などで録音し、Discordと同じ症状が出るか確認します。
OS録音でもサー音・ジー音が出る:接続・給電・ケーブル・機材が怪しい
OS録音では綺麗だがDiscordでだけ汚い:Discord設定、または他アプリ干渉が怪しい
この確認を入れるだけで、無駄な設定いじりが激減します。
3)別アプリでも発生するか(通話アプリ・録音アプリ)を確認する
可能なら、Discord以外(別の通話アプリ、Web会議ツール、録音ソフト)でも確認します。ここでポイントは「同じマイク」「同じ接続」を使うことです。
どのアプリでも発生:入力(機材・環境)が主因
Discordだけ発生:Discordの設定・処理・相性が主因
この段階で、原因の主戦場がほぼ決まります。
通話中の応急処置(迷惑最小化の手順)
通話中に相手から「ノイズがひどい」と指摘されたとき、最もやってはいけないのは、通話を続けながら長時間の試行錯誤をすることです。相手にとっては「不快な音を聞かされ続ける時間」が延びるだけで、心理的負担が大きくなります。
そこで、応急処置は「短時間で、相手の負担を最小にする」順序に固定します。
応急処置フロー(30秒〜2分で終わる順)
即ミュート(まず音の被害を止めます)
ひと言だけ共有:「ノイズが出ています。30秒だけ調整します」
プッシュトゥトークへ切替(可能なら最優先)
入力デバイスを正しいマイクに固定(内蔵マイク誤選択を潰します)
ノイズ抑制を切替(標準 → Krisp → なしの順に比較)
一度退出して再入室(軽い不具合・セッション不整合の解消)
それでも無理なら「一時的に別デバイス(スマホ等)へ退避」
この順番が合理的な理由は次のとおりです。
ミュートは、相手に対する迷惑を即座にゼロにできます。
プッシュトゥトークは、環境音の混入を仕組みで止められます。
入力デバイスの誤選択は、初心者〜中級者でも頻発する「あるある」です。
ノイズ抑制は強力ですが、副作用(声の欠け・こもり)があるため、切替は短時間で比較します。
応急処置時の注意点(悪化を防ぐ)
「入力音量(ゲイン)」を急に最大へ上げないでください。サー音が増えやすくなります。
ノイズ抑制を強くして「声が削れる」状態になったら、相手は聞き取りにくくなり、結果的に迷惑になります。
直らないときは潔く「いったん抜けて入り直す」「プッシュトゥトークで運用する」に切り替えた方が早いです。
改善チェックのやり方(マイクテスト・録音)
対策の効果確認が曖昧だと、「直ったと思ったが相手にはまだ不快」「別の日に再発して原因が分からない」といった状況になりがちです。そこで、チェックは手順を固定します。
改善確認の標準手順(毎回同じ条件で比較)
無音 5秒(環境音がどれだけ入っているか)
通常声量で 10秒(声の自然さ、欠け、こもり)
キーボード打鍵 5秒(打鍵音の混入具合)
少し小さめの声量で 10秒(感度・ゲートで欠けないか)
これを、設定を1つ変えるごとに繰り返します。ポイントは「一度に複数を変えない」ことです。複数を同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。
記録しておくと再発時に強い項目
ノイズ抑制:標準/Krisp/なしのどれが最適か
入力感度:自動の可否、手動ならどの位置が良いか
入力音量(OS側):何%が適正か
使っているマイク名(Discordで表示されるデバイス名)
直挿しポート(USB背面など)
このメモがあるだけで、次回の復旧が非常に早くなります。
Discordノイズの主な原因を症状別に切り分ける
ノイズ対策で最短ルートを取るには、「原因を当てにいく」のではなく、症状から確率の高い原因を潰す方が確実です。ここでは、よくある症状ごとに「起こりやすい原因」と「優先して潰す順番」を示します。
サーッというノイズ(環境音・ゲイン・機材由来)
「サー」「ジー」の連続ノイズは、いわゆるヒスノイズや電気的ノイズが代表です。原因は大きく4系統に分かれます。
1)入力音量(ゲイン)の上げすぎ
声が小さい、またはマイクが遠いと、入力音量を上げがちです。しかし、入力を増幅すると「声」だけでなく「機材の自己ノイズ」も増幅されます。
対策の優先順位
マイクを口元に近づける(距離を詰めるほどゲインを下げられます)
OS側の入力音量を下げる(70〜90%など、上げすぎない)
Discord側の入力音量は極端に上げない
2)接触不良(ケーブル・端子・変換)
少し触るとノイズが変わる、角度で変化する場合は接触不良を疑います。特に3.5mmジャック、変換アダプタ、延長ケーブルで起きやすいです。
対策
端子の抜き差し、接点清掃
変換・延長を外して直結
ケーブル交換(安価でも新品は効果的です)
3)USB給電・ハブ由来のノイズ
USBマイクやUSBヘッドセットは、電源品質の影響を受けることがあります。USBハブや前面ポートはノイズ源になりやすいケースがあります。
対策
USBハブを外して直挿し
前面ポートから背面ポートへ変更
別のUSBポートへ差し替え(物理的に離れたポートも試す)
4)周辺機器の干渉(充電器・モーター機器)
PC周りの電源タップ、充電器、モーター機器(扇風機等)でノイズが乗ることもあります。
対策
充電器を抜いて比較
電源タップを変える
近接する機器を離す
サー音は、Discordの設定だけで完全には消えない場合があります。まず「入力の質」を上げる方が、結果的に自然で聞き取りやすくなります。
プツプツ途切れる(負荷・通信・USB・設定由来)
「プツプツ」「ブツブツ」「途中で切れる」「ロボ声になる」は、データ処理や転送の問題が疑わしい症状です。原因を3つに大別します。
1)PC負荷(CPU・メモリ・他アプリ)
ゲーム、配信、録画、ブラウザ多窓、仮想ミキサーなどが重なると、音声処理が間に合わず途切れが起こることがあります。
対策
通話に不要なアプリを閉じる(特に録画・配信・重いブラウザ)
Discordを再起動する
PCを再起動し、常駐を整理する(根本対策)
2)通信不安定(Wi-Fi混雑・距離・干渉)
Wi-Fiが不安定だと、音声パケットの欠落で途切れが起こりやすくなります。
対策
可能なら有線LANへ切替
ルーターに近づく
5GHz帯へ切替(環境が許せば)
ルーター再起動(切り分けとして有効)
3)音声処理の効きすぎ(抑制・感度・自動処理)
ノイズ抑制や入力感度が合っていないと、「声までノイズ扱い」になり、途切れや欠けが起こります。
対策
ノイズ抑制を弱める(Krisp→標準→なしで比較)
入力感度を見直す(自動→手動へ、またはその逆)
自動ゲイン制御が悪さをしていないか確認する
途切れ系は「何となく設定を上げる」と悪化しやすいです。処理を軽くする方向に寄せると改善しやすくなります。
エコー・二重音声(スピーカー・ミキサー設定)
エコーは「相手の声が自分のマイクに戻っている」状態です。原因のほとんどは次のどれかです。
1)スピーカー出力をマイクが拾っている
最も多い原因です。スピーカーの音が大きいほど、相手の声がマイクに入り込みます。
対策
ヘッドホン・イヤホンを使う(最優先)
スピーカー音量を下げる
マイクをスピーカーから離す/向きを変える
2)入力デバイスの誤選択(内蔵マイク等)
「ヘッドセットを使っているのにエコー」と言われる場合、Discordが内蔵マイクを掴んでいるケースがあります。
対策
Discordの入力デバイスを明示的に固定
OSの既定入力も正しいデバイスに合わせる
一度デバイスを抜き差しして再認識させる
3)仮想ミキサー・配信ソフトのルーティング
配信環境で、デスクトップ音声がマイク入力に混ざる設定になっていると、エコーや二重音声が起こります。
対策
Discord単体で再現するか切り分ける
仮想ミキサーの入力先を確認し、マイクとデスクトップ音声を分離する
モニタリング機能(自分の音を自分に返す)を切る
エコーは相手の負担が非常に大きいノイズです。疑いがあるなら、まずヘッドホン運用に寄せるのが確実です。
声がこもる・削れる(ノイズ抑制の副作用)
ノイズ抑制が効きすぎると、声が「こもる」「機械っぽい」「語尾が消える」などの副作用が出ます。これは異常ではなく、音声処理の特性として起こり得ます。
起こりやすい条件
周囲が騒がしく、抑制が強く働く
声が小さく、環境音と区別がつきにくい
マイクが遠く、声が環境音に埋もれている
入力感度が高すぎて、無音時にも入力が動いている
対策の基本方針
抑制を弱める(Krisp→標準→なし)
マイクを口元へ近づけ、声のS/N(声とノイズの比)を上げる
入力感度を適正にして、無音時の入力を減らす
必要ならプッシュトゥトークで根本的に混入を抑える
「ノイズをゼロにする」よりも、「会話が自然に聞き取れる」ことを優先すると、結果として迷惑が減ります。
Discordの設定で直す方法
ここでは、Discord側で触れる設定を、失敗しにくい順番で詳しく解説いたします。コツは「いきなり全部オンにしない」「副作用を見ながら1つずつ調整する」です。
ノイズ抑制(標準・Krisp・なし)の使い分け
ノイズ抑制は強力な反面、環境や声質で相性が出ます。最短で最適化するには、用途別に初期値を決めるのが有効です。
使い分けの目安(おすすめ初期値)
静かな環境(夜・個室・ファン音が小さい):標準
環境音が多い(打鍵音・家族の生活音・空調が大きい):Krisp
声が削れる・途切れる:いったん「なし」へ落として原因切り分け
調整の進め方(比較が早い)
まず標準でマイクテスト
ノイズが残る場合のみKrispへ
声が不自然なら標準へ戻す/なしを試す
抑制に頼りすぎず、入力感度と距離で整える
抑制は「最後の仕上げ」に近い考え方が安全です。入力が汚い状態で抑制だけ上げると、声まで壊れやすくなります。
入力感度(自動/手動)の最適化
入力感度は、実質的に「マイクがいつ開くか(音声を通すか)」を決める重要設定です。合っていないと、次のどちらかが必ず起こります。
開きっぱなし:無音でも環境音が入り続ける
開かなすぎ:声が欠ける、語尾が切れる
自動と手動の選び方
初心者・環境が安定している:自動で開始(調整負担が少ない)
環境音が多い・声が欠ける:手動へ移行(最適点を作れる)
手動調整の具体手順(再現性重視)
無音時に入力が反応しない位置まで感度を下げる
普通の声量で話し、しっかり反応する位置へ少し戻す
小声でも欠けないか確認
打鍵・ファン音で勝手に反応しないか確認
必要ならプッシュトゥトークで運用に寄せる
重要なのは「小声でも拾うようにしすぎない」ことです。相手に迷惑をかけるのは、だいたいこの方向の設定です。
エコーキャンセル・自動ゲイン制御の注意点
これらは便利機能ですが、状況によっては逆効果になることがあります。
エコーキャンセル
スピーカー利用時は有効になりやすい
ただし、音が不自然になったり、相性で副作用が出ることがあります
おすすめ運用
スピーカー利用があるならオンで開始
ヘッドホン運用で問題があるならオフ比較
自動ゲイン制御
声が小さいときに持ち上げてくれます
しかし、環境音も一緒に持ち上がる場合があり、サー音や生活音が増えることがあります
おすすめ運用
サー音が増える、無音でも入力が動くならオフ比較
マイク距離を詰めて、ゲイン制御に頼らない構成に寄せる
機能は「オンが正解」ではありません。症状が悪化するなら切るという判断が重要です。
入力モード(音声検出/プッシュトゥトーク)の判断
相手に迷惑をかけない、という目的に対して、最も強い解決策がプッシュトゥトークです。設定を追い込むより、運用で確実に混入を止められます。
音声検出が向くケース
静かな環境で、ノイズが軽微
会話のテンポを重視する
マイク品質と環境が整っている
プッシュトゥトークが向くケース
生活音が避けられない(家族、ペット、外音)
打鍵が多い(ゲーム中の操作、チャット)
配信・録画で負荷が高く、途切れが起こりやすい
どうしても改善しきれず、相手の負担を最優先したい
プッシュトゥトークを快適にするコツ
押しやすいキーに割り当てる(誤爆しにくい位置)
「押して話す」習慣を付けるため、最初は短い通話で試す
押し忘れが気になる場合は、まず騒がしい場面だけPPTにする
「迷惑を防ぐ」という目的なら、プッシュトゥトークは最終手段ではなく、むしろ優先度が高い選択肢です。
Discord以外の原因を潰す機材・環境の対策
Discord設定を整えても改善しない場合、原因はほぼ「入力の品質」にあります。ここでは、費用ゼロ〜低コストで効果が出やすい順に対策します。
USB・ケーブル・ハブ・接続不良のチェック
この章は、特にサー音・途切れ・不安定さに効きます。次のチェックリストを上から順に実施してください。
接続チェックリスト(上から優先)
USBハブ・延長を外し、PCに直挿しする
前面ポートではなく背面ポートへ変更する
別のUSBポートへ差し替える(離れたポートも試す)
端子の抜き差しを行い、しっかり固定されるか確認する
ケーブルの角度でノイズが変わらないか確認する
可能なら別マイク/別ヘッドセットで比較する
「別のマイクで問題が消える」なら、原因はほぼ機材側です。「別のPCで同じ機材を使う」比較もできると、切り分けがさらに早くなります。
マイク位置とゲイン調整でノイズを減らす
費用対効果が最も高いのが、マイク位置とゲイン調整です。音の世界では、距離が近いほど正義になりやすいです。
なぜ距離が重要か
マイクが遠いほど、声は小さく入り、環境音との差が縮まります。結果、ゲインを上げたくなり、ノイズも増えます。逆に口元に近づければ、ゲインを下げても声が十分入り、環境音が相対的に目立ちにくくなります。
具体的な調整手順
マイクを口元に近づける(息が直接当たらない角度が望ましい)
OS側入力音量を下げ、声が十分入る範囲を探す
Discord側の入力音量は過剰に上げず、感度で整える
打鍵音がひどい場合は、机振動がマイクに伝わっていないか確認する
机置きマイクの場合、机の振動(打鍵)が直に入りやすいです。可能なら位置をずらす、マウスパッド・布を敷くなどでも軽減します。
ファン音・打鍵音・空調音の低コスト対策
環境音は完全には消せませんが、次の「小技」を組み合わせると大きく改善します。
ファン音対策
PCの吸排気を塞がない(ファンが回りやすくなります)
机の下の密閉空間を避ける(熱がこもりやすい)
通話前に不要なアプリを閉じ、発熱を下げる
打鍵音対策
マイクをキーボードから離す
マイクの向きを調整する(拾いやすい方向を外す)
騒がしい場面はプッシュトゥトークにする(最も確実)
空調・生活音対策
マイクを口元に寄せてゲインを下げる
ノイズ抑制は必要な場面だけ強め(常時強めは副作用が出やすい)
どうしても避けられないなら、プッシュトゥトーク運用へ
ここまでの対策は、機材の買い替えより先にやる価値があります。
他アプリ干渉(配信ソフト/仮想ミキサー)を切り分け
配信・録画・仮想ミキサーを使っている場合、Discordと外部ソフトが同時に音声へ加工をかけて、破綻することがあります。切り分けは次の順番が安全です。
切り分け手順
Discord単体で通話(配信ソフト等はすべて終了)
問題が消えるか確認
消えるなら、配信ソフトを起動して再現するか確認
再現するなら、外部側の処理(ノイズ抑制・ゲート等)を弱める/切る
Discord側の抑制も同時に強くしない(どちらかに寄せる)
よくある失敗は「DiscordでKrisp強め+外部でゲート強め」のように、二重で声を削ってしまうパターンです。音が途切れるときは、処理を減らす方向で調整してください。
Discordで相手に迷惑をかけない運用ルール
ノイズは環境によってはゼロにできません。しかし、運用を整えることで「迷惑の大きさ」を確実に下げられます。ここでは、相手に不快感を与えにくい実務的なルールを固定します。
通話前の30秒チェック(固定ルーチン)
通話開始前に、次のチェックを必ず行うだけで、トラブルの発生率が大きく下がります。
入力デバイス(マイク)が正しい(内蔵マイクに戻っていない)
出力がスピーカーになっていない(エコー対策)
無音時に入力が動きすぎない(入力感度・ゲイン過多の予防)
ノイズ抑制は標準から開始(必要時のみKrisp)
10秒のマイクテスト(声の欠け・こもりを確認)
特に「入力デバイスの誤選択」は頻発します。USBを抜き差しした、OSアップデートをした、別アプリを使った、などで既定が変わることがあるためです。
指摘されたときの対応テンプレ(すぐ切替・謝罪・再接続)
指摘されたときの反応は、相手の印象を左右します。言い訳よりも、短く謝罪し、すぐに対処する宣言が効果的です。
そのまま使える対応テンプレ
「すみません、こちらの音声設定が崩れています。30秒だけ調整します」
「一度抜けて入り直します。すぐ戻ります」
「改善しない場合はプッシュトゥトークに切り替えます」
「それでも厳しければ、今日は聞き専に回ります」
これにより、相手は「不快な音がいつまで続くか分からない」という不安から解放されます。
サーバー側でできる配慮(入力音量の適正化)
最後に、サーバー運用・相手との関係でできる配慮です。Discordは個人の設定だけでなく、運用で快適性が大きく変わります。
声量が大きすぎる場合は、入力音量を下げて自然にする
特定の時間帯(家族がいる、生活音が多い)はプッシュトゥトークを原則にする
どうしても改善できない日は、無理に話し続けず「聞き専」へ移行する
指摘が出たら、次回のために自分の設定メモを更新する(再発防止)
相手に迷惑をかけない本質は、「完璧にノイズを消す」ことではなく、「問題が起きたときに短時間で被害を止める」ことです。
Discordノイズのよくある質問
Krispをオンにすると声が途切れるのはなぜ?
Krispなどの強めのノイズ抑制は、環境音を減らす代わりに、状況によっては声の一部をノイズと誤判定して削ることがあります。特に、声が小さい、マイクが遠い、環境音が大きい場合に起きやすいです。
改善の優先順位
マイクを口元に近づけて声の比率を上げる
入力感度を見直して無音時の入力を減らす
Krisp→標準へ弱める
それでも厳しければプッシュトゥトーク運用へ
「抑制を強めれば勝ち」ではなく、入力条件とセットで整えるのがポイントです。
スマホでもノイズ抑制は使える?
スマホでもノイズ抑制の概念はありますが、端末や環境で効き方に差が出ます。屋外では風切り音、電車音などが強く、抑制が効きすぎて声が不自然になる場合があります。
スマホでのコツ
イヤホンマイクを使う(口元が近くなりやすい)
風が強い場所は避ける/身体で風を遮る
声が削れるなら抑制を弱め、短い発話で区切る
どうしても騒がしいなら、テキスト併用も検討する
イヤホンなのにエコーになるのはなぜ?
主に次の原因が多いです。
Discordの入力が内蔵マイクになっている(イヤホンマイクではない)
出力がスピーカーになっている
仮想ミキサーでデスクトップ音声が入力に混ざっている
片耳イヤホンで音漏れし、マイクが拾っている
対策
入力・出力デバイスを固定し、通話前チェックで確認する
片耳で音漏れが大きい場合は音量を下げる
配信環境ならルーティングを見直し、入力にデスクトップ音声が入らないようにする
買い替え優先度は何が高い?
買い替えは最後でよいですが、どうしても必要な場合は「迷惑を減らす効果が大きい順」で考えると失敗しにくいです。
優先度の目安
ヘッドセット/イヤホン(エコーと環境音の混入を同時に減らしやすい)
接続の安定化(ハブをやめる、ケーブル交換、直挿し)
マイク品質の改善(口元に近づけやすい構成・ノイズの少ない機材)
高価なマイクにしても、距離が遠くゲインが高いままだと改善しにくいです。まずは「口元に近づけられる構成」を優先してください。
まとめ
Discordのノイズが酷いときは、最初に「相手の負担を止める」ために、ミュート → プッシュトゥトーク → デバイス固定 → 抑制切替の応急処置を行うのが安全です。次に、症状(サー音、途切れ、エコー、声のこもり)から原因を切り分け、Discord設定 → 機材・環境 → 運用の順に対策すると手戻りが少なくなります。
特に重要なのは、次の3点です。
ノイズ抑制は万能ではなく、副作用もあるため、入力感度・マイク距離とセットで調整する
入力の品質(距離・ゲイン・接続)を整える方が根本的で、自然な音になりやすい
完璧に消せない状況でも、通話前30秒チェックとプッシュトゥトークで迷惑を最小化できる
本記事の手順を一度「自分の最適設定」としてメモに残しておけば、次回以降の復旧が非常に早くなります。必要に応じて、通話中はプッシュトゥトーク運用に切り替えるなど、相手の負担を最優先に調整していただくのが最も確実です。