メールやLINE、Safariのダウンロードから届いたZIPファイルを、iPhoneでどう開けばよいのか分からず困った経験はありませんか。タップしても反応しない、解凍したはずなのに中身が見当たらない、パスワード付きで止まってしまう――ZIPのトラブルは「保存場所」と「ファイルの種類」を整理できるかどうかで解決までの速さが大きく変わります。
本記事では、iPhone標準の「ファイル」アプリでZIPを解凍する基本手順を起点に、メール・LINE・Safari・クラウドなど受け取り方別の迷わない手順を丁寧に解説します。さらに、開けないときのチェックリスト、パスワード付きZIPやZIP以外の形式への対応、必要な場合だけ検討すべき解凍アプリの選び方までまとめました。読み終えたときには、どのパターンでも落ち着いて対処できる状態を目指せます。
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iPhoneでZIPファイルを解凍する基本手順
ファイルアプリで開く流れ
iPhoneでZIPファイルを解凍するうえで、まず押さえておきたいのが「ZIPはファイルアプリで開く」という基本です。写真やPDF、Office資料などがまとめて送られてくると、メールやLINEの画面上で“添付ファイル”として見えていても、そこで直接編集・保存まで完結できるとは限りません。ZIPは「複数のファイルを1つにまとめた入れ物」のようなものなので、中身を取り出す(展開する)作業が必要になります。
標準的な手順は次のとおりです。
「ファイル」アプリを開きます。
ZIPファイルが置かれている場所へ移動します(iCloud Drive/このiPhone内/ダウンロードなど)。
ZIPファイルをタップします。
同じ場所にフォルダが作成されるので、そのフォルダをタップして中身を確認します。
ここで大切なのは、「ZIPをタップすると中身がバラバラに散らばる」のではなく、「ZIPと同じ場所に“フォルダ”として展開される」という点です。つまり、解凍後のファイルを探すときは、まずZIPがあった場所に戻ってフォルダを探すのが最短になります。
また、ZIPを“長押し”した場合は、状況によりメニューが出てしまい「どれを選べばいいのか」で迷いやすくなります。基本的には、まず“タップ”で試すことが近道です。もちろん、後述するように「タップしても反応がない」「エラーが出る」場合は別の原因が潜んでいる可能性がありますが、標準のZIPであればタップで展開できるケースが多いです。
さらに、ZIPの受け取り経路がメールやLINEなどの場合、そこから直接解凍できることもありますが、表示上は“プレビュー”に見えても、実際の保存場所が分からないまま進めると迷子になりがちです。ですので、慣れないうちは「ファイルに保存してからファイルアプリで解凍する」という流れに統一すると、失敗が減ります。
解凍後のフォルダ名と保存場所の見方
解凍したのに「どこに行ったか分からない」というトラブルの多くは、実は“解凍自体は成功している”のに、展開先のフォルダを見失っているだけです。ここでは、解凍後のフォルダ名と保存場所の見方を具体的に整理します。
まず、解凍後に作成されるフォルダ名は、原則としてZIPファイル名がもとになります。たとえば「資料一式.zip」というZIPをタップして解凍すると、「資料一式」というフォルダがZIPと同じ場所に作られ、その中にPDFや画像、Wordファイルなどが入っている、というイメージです。
次に保存場所です。iPhoneの「ファイル」アプリには、主に次のような領域が表示されます。
iCloud Drive:Appleのクラウド上(端末間同期が前提)
このiPhone内:端末内部のローカル保存領域
ダウンロード:Safari等で落としたファイルが集まりやすい場所
外部クラウド:Google Drive、Dropboxなど(設定している場合)
ZIPを解凍すると、そのZIPが存在していた領域に、同じ階層でフォルダが作成されます。つまり「iCloud Driveの中のAフォルダ」にZIPがあれば、解凍後もAフォルダに展開フォルダが作られます。「ダウンロード」にZIPがあれば、解凍後もダウンロードに展開フォルダが作られます。
ここで迷いやすいのが、受け取り経路によって“ZIPの現在地”が変わる点です。たとえば、メール添付をタップしただけの状態だと、まだ「ファイル」アプリ上の分かりやすい場所に保存されていないことがあります。すると「解凍したはずなのに見当たらない」状態になりやすいです。だからこそ、受け取ったら最初に「ファイルに保存」で保存先を自分で決めることが、後々の迷子防止になります。
もう1つのポイントは、フォルダ構造が深いZIPです。たとえば、ZIPの中が「2025年12月>提出物>最終版>PDF」というように何重にもフォルダになっているケースがあります。この場合、解凍後に最上位フォルダを開いても、すぐファイルが見えず「空っぽ?」と誤解してしまうことがあります。フォルダの中にフォルダがある可能性を前提に、階層を順に開いて確認してください。
最後に、見つけたファイルを“よく使う場所”へ移動しておくと、次回以降が楽になります。たとえば「このiPhone内>書類」など自分が管理しやすいフォルダを決め、必要なファイルだけ移動して整理しておくと、ファイル探しの時間が短縮できます。
iPhoneに届いたZIPファイルを正しい場所へ保存する
メール添付のZIPをファイルに保存して解凍する
メール添付のZIPは、最も受け取る機会が多い一方で、最も迷いやすい受け取り方でもあります。なぜなら、メールアプリの画面内でZIPが“見えている”のに、保存が完了しているとは限らないからです。ここでは、迷いが起きないように、保存から解凍までを一本道で説明します。
手順の基本は次のとおりです。
メールの添付ZIPをタップし、プレビュー画面を開きます。
共有アイコン(四角から矢印)をタップします。
「ファイルに保存」を選びます。
保存先フォルダを選び、「保存」をタップします。
「ファイル」アプリを開き、保存先フォルダへ移動します。
ZIPをタップして解凍し、作成されたフォルダを開きます。
重要なのは、手順3〜4で「自分が分かる場所」に保存することです。おすすめは、慣れないうちは「このiPhone内>ダウンロード用」や「このiPhone内>書類」など、端末内に自分専用のフォルダを作ってそこに保存する方法です。iCloud Driveでも問題ありませんが、通信状況や同期のタイミングによって表示が遅れることがあるため、「今すぐ開きたい」場面では端末内が扱いやすいことがあります。
また、メールによっては「ファイルに保存」が一覧の下の方にあり、スクロールしないと見えない場合があります。「ない」と思ったら、共有先一覧を下まで見てください。それでも見つからない場合は、アプリのバージョンや表示の違いが影響している可能性があるため、「共有」から「ファイル」を選ぶ発想で探すと見つけやすいです。
解凍後は、作成されたフォルダ内のファイルをタップして開きます。PDFなら閲覧アプリに、画像なら写真表示に、Office資料なら対応アプリに引き渡されます。ここで「開けない」場合は、ZIPの問題ではなく“中身のファイル形式”の問題であることもあります(例:特殊な拡張子、専用アプリが必要など)。ZIPの解凍と、中身の閲覧・編集は別工程だと考えると、原因切り分けがしやすくなります。
LINEやメッセージで受け取ったZIPの保存と解凍
LINEやメッセージアプリでZIPを受け取るケースは、写真のまとめ送りや、仕事のデータ共有などで増えています。ここでの落とし穴は「トーク画面で見える=端末に保存された」と思い込んでしまう点です。実際には、まず「ファイルに保存」を行い、保存先を確定させてから解凍するのが安全です。
基本の流れは次のとおりです。
トーク/メッセージ内のZIPをタップして開きます。
共有(または「…」メニュー)をタップします。
「ファイルに保存」を選びます。
保存先フォルダを選び、保存します。
「ファイル」アプリで保存先を開き、ZIPをタップして解凍します。
ここで役立つ考え方は、「LINEの画面は“受け渡し口”で、保管庫はファイルアプリ」という整理です。保管庫(ファイルアプリ)に入れてしまえば、あとは標準手順で解凍でき、解凍後のフォルダも同じ場所に作られるため迷いにくくなります。
また、LINEで受け取ったZIPは、送られてきた容量が大きい場合や通信状況が悪い場合、完全にダウンロードされていないことがあります。表示上はタップできても、内部的には読み込み中で解凍が失敗することがあるため、保存後に開くときに時間がかかる場合は、Wi-Fi環境に切り替えるなどの対策も有効です。
SafariでダウンロードしたZIPの探し方
Safariで「ダウンロード」をしたZIPは、基本的に「ファイル」アプリの「ダウンロード」フォルダに入ります。ただし、ダウンロード設定や保存先変更の有無によっては別フォルダになっていることもあるため、まず“探し方”を押さえておくと安心です。
最も確実な探し方は次のとおりです。
「ファイル」アプリを開きます。
画面下(または上部)にある「ブラウズ」を開きます。
「ダウンロード」をタップします。
対象のZIPを探し、タップして解凍します。
ダウンロードフォルダに見当たらない場合は、次の可能性があります。
保存先が「iCloud Driveのダウンロード」になっている
そもそもダウンロードが完了していない
同名ファイルが複数あり、別名になっている(例:ファイル(1).zip)
この場合、ファイルアプリの検索機能を使い、ZIPの名前の一部(例:「資料」「photo」など)で検索すると見つけやすくなります。もしZIP名が分からないときは、Safariのダウンロード一覧(ダウンロードアイコン)からファイル名を確認してから探すとスムーズです。
Safari経由は「どこに保存されたか」を把握できれば、あとはタップして解凍するだけです。逆に、保存場所を見失うと解凍できていても見つけられません。ダウンロードが絡む場合は、最初に「ダウンロードフォルダへ行く」を習慣にすると迷いが減ります。
iCloud DriveやGoogle Driveなどクラウド上のZIPはどう扱うか
クラウド上にあるZIPをiPhoneで扱うときは、「クラウド上でそのまま解凍できる場合」と「端末にコピーしてから解凍した方が安定する場合」があります。状況に応じて判断できるように、考え方を整理します。
まず、iCloud DriveのZIPはファイルアプリから直接アクセスできるため、そのままZIPをタップして解凍できることが多いです。ただし、通信状況が悪いと、ZIP自体がまだ端末に完全に読み込まれていないことがあり、タップしても反応が鈍い、途中でエラーになるなどのケースが出ます。
Google DriveやDropboxなど外部クラウドの場合も、ファイルアプリに統合して使える設定にしていれば同様に扱えますが、外部アプリ側の仕様や、ファイルアプリとの連携状態により、動作が不安定になることがあります。こうした場合は、次の手順で“端末側へ確定保存”するのが確実です。
クラウド上のZIPを選択し、共有または移動を選びます。
「このiPhone内」の任意フォルダへコピー(または保存)します。
端末側のフォルダでZIPをタップし解凍します。
この方法なら、通信の揺らぎの影響を減らし、解凍後のフォルダも端末内にできるため、後で中身を探しやすくなります。特に、容量が大きいZIPや、仕事で使う重要なデータは、まず端末内にコピーしてから作業する方が安心です。
一方で、クラウド上で解凍したい理由が「端末容量を節約したい」場合もあります。その場合は、解凍後に必要なファイルだけ端末へ保存し、不要なものはクラウドに置いたままにする、という運用が現実的です。いずれにしても、クラウド利用では「通信状況」「同期」「保存場所の把握」がカギになります。
iPhoneでZIPが開けないときに確認するポイント
まず確認したいチェックリスト
ZIPが開けないとき、いきなりアプリを入れたり、何度もタップし直したりすると、原因が分からないまま時間だけが過ぎがちです。まずは、再現性のあるチェック順で切り分けるのが早道です。以下のチェックリストを上から順に確認してください。
空き容量は十分か
ZIPは解凍時に一時的に容量を使います。たとえば、1GBのZIPでも、解凍後の中身が2GBになることがあります。空き容量が少ないと、タップしても反応がない、途中で止まる、エラーになるといった症状が出ます。ZIPは完全にダウンロードできているか
メール、LINE、クラウドなど経由の場合、見た目は開けそうでも実体が読み込み途中のことがあります。Wi-Fi環境に切り替え、ZIPをいったん保存し直してから試すと改善することがあります。パスワード付きかどうか
パスワード付きZIPは、入力が必要です。入力欄が出る場合もあれば、アプリや方式の違いでうまく進まない場合もあります。まずはパスワード情報を再確認してください。ファイルが壊れていないか
ダウンロード途中で途切れた、送信時に破損したなどで、ZIP自体が壊れていると解凍できません。別端末やPCで開けるか確認できると切り分けが早いです。拡張子は本当に.zipか
.7z、.rar、.001 など、ZIP以外の形式だと標準機能では扱いにくい場合があります。ファイル名の末尾を確認してください。保存場所を見誤っていないか
解凍したのに見当たらない場合は、解凍場所と閲覧場所がズレている可能性があります。ダウンロード、iCloud Drive、このiPhone内などを確認します。
この順番で確認する理由は、上から順に「すぐ直せる可能性が高い」「よくある原因」という並びだからです。特に“容量不足”と“保存場所の誤認”は、初心者に多い原因です。
容量不足や破損が疑われるときの対処
チェックリストで容量不足や破損の可能性が高い場合は、対処も「最短で効くもの」から順に試すのがポイントです。
容量不足が疑われる場合の対処
設定のストレージ(iPhoneストレージ)で空き容量を確認します。
容量を圧迫しやすい動画・写真・使っていないアプリを整理します。
いったん端末を再起動し、メモリの状態を整えます。
ZIPを「このiPhone内」の分かりやすいフォルダに保存し直し、解凍を試します。
ここでのコツは、「ZIPの中身が大きいかもしれない」と想定して、余裕をもって空きを確保することです。必要な空き容量は状況により変わりますが、ギリギリの状態だと途中で失敗しやすいため、可能なら数GB単位の余裕があると安心です。
破損が疑われる場合の対処
破損は、受け手側でできることが限られます。現実的な対処は次のとおりです。
同じZIPをもう一度ダウンロードし直す(通信が安定した環境で)
送り主に再送を依頼する(別の方法で送ってもらう)
可能なら、送り主に「ZIPではなく共有リンク(クラウド共有)」で送ってもらう
破損の厄介な点は、見た目だけでは分からないことです。何度やっても同じところで失敗する場合は、受け手の操作ミスよりファイル側の問題であることが少なくありません。そのときは、送り主に「再送」または「別方式(ZIP作り直し、形式変更)」を相談するのが最短です。
解凍できたのに中身が見当たらないとき
「解凍できたのに中身がない」「空のフォルダができたように見える」場合、典型原因は次の3つです。
フォルダ階層が深い
最上位フォルダの中にさらにフォルダがあり、そこまで開いていない。解凍場所と見ている場所が違う
iCloud Driveで解凍したのに、このiPhone内を見ているなど。同名フォルダが複数あり、別のものを開いている
何度も解凍して「資料」「資料(1)」のように増えている。
対処の手順は次のとおりです。
まず、ZIPファイルがあった場所へ戻り、解凍直後に作られたフォルダを探します。
フォルダを開き、さらに中のフォルダも順に開いていきます。
見つけたファイルは、よく使う場所へ移動し、次回迷わないようにします。
同名フォルダが増えている場合は、不要なものを整理して“最新版”だけ残します。
ここまでで「確かに解凍フォルダはあるが、中身が本当に空」なら、ファイル作成側の問題(ZIP作成ミス、送信漏れ、破損)も疑われます。その場合は、送り主に「中身が入っていない可能性がある」と伝え、ZIPを作り直してもらうのが確実です。
パスワード付きZIPやZIP以外の形式に対応する
パスワード付きZIPで詰まりやすい点
パスワード付きZIPは、安全にデータを渡すためによく使われますが、受け手側では「パスワードが合わない」「入力欄が出ない」「入力しても進まない」といった詰まりが起きやすいのが実情です。ここでは、詰まりやすいポイントを具体化し、対処の方向性を明確にします。
詰まりの原因として多いのは次のとおりです。
全角・半角、英字の大文字小文字、記号の違い
例えば「ABC」と「abc」は別物です。全角の「1」と半角の「1」も違います。パスワードをコピペできるなら、手入力よりミスが減ります。パスワード通知が別経路で来ており、見落としている
メール添付ZIPのパスワードが、別メールや別メッセージで送られているケースがあります。作成環境の違いによる相性
パスワード付きZIPは、作成側の暗号化方式によって、受け手側の標準機能でうまく扱えない場合があります。そもそもZIPではなく別形式
「圧縮ファイル」と案内されても、拡張子が7zやrarのことがあります。パスワード以前に形式の問題かもしれません。
対処として最優先なのは、「正しいパスワードの再確認」です。受け手が頑張っても、正しい情報がなければ開けません。また、パスワードが合っているはずなのに開けない場合は、作成側の方式やファイル側の問題が疑われます。その場合は、送り主に「別の方式で圧縮し直す」「パスワードなしで別経路共有にする」などの相談をする方が早いです。
7z・rar・分割ファイルなどは標準機能だけでは難しいことがある
iPhoneの標準機能が得意なのは、一般的なZIPです。一方で、7zやrar、分割ファイル(.001 .002 …)などは、標準のファイルアプリだけでは対応が難しいケースがあります。ここで重要なのは、「自分の操作が間違っている」のではなく、「形式として標準では扱えない」可能性があると理解することです。
確認の第一歩は拡張子です。ファイル名の末尾を見てください。
.zip:標準機能で解凍できる可能性が高い
.7z / .rar:アプリが必要になる可能性が高い
.001 / .002 / .part1 など:分割アーカイブの可能性が高い(手順が特殊)
分割ファイルの場合、受け手側に“すべての分割ファイルが揃っている”必要があります。1つでも欠けていると解凍できません。また、分割ファイルをまとめて扱えるアプリが必要になることもあります。これらは、一般ユーザーがiPhoneだけで解決するには難易度が上がるため、後述の「送り主に依頼すべきケース」に該当しやすい領域です。
なお、7zやrarは、作成側のメリット(圧縮率が高い、PCで扱いやすいなど)で選ばれることがありますが、受け手がiPhone中心だと不便になることがあります。仕事や学校の提出など“相手が多様な環境で開く”前提のデータ共有では、標準的なZIPで送る方が親切です。
送り主に依頼すべきケース
受け手側でいろいろ試しても進まない場合、最短は「送り主に対応してもらう」ことです。依頼すべき代表ケースは次のとおりです。
パスワードが分からない、または何度入れても開けない
受け手側では正解のパスワードを推測できません。再確認か再送が必要です。ZIPが壊れている可能性が高い
同じファイルを安定環境で再ダウンロードしてもダメ、別端末でもダメ、などの場合は破損が疑われます。7z/rar/分割など、標準では扱いにくい形式
受け手の環境に依存し、アプリ追加できない状況もあります。会社端末や学校端末でアプリインストールが制限されている
この場合は受け手側での解決が難しいため、送り主側で形式を合わせてもらう必要があります。
依頼のしかたは、相手が対応しやすいように具体的に伝えるとスムーズです。例えば次のように伝えます。
「iPhoneで開きたいので、一般的なZIP形式で再送してもらえますか」
「パスワード付きZIPが開けないため、別の方法で共有してもらえますか(クラウド共有リンクなど)」
「分割ファイルの一部が欠けている可能性があるので、まとめたZIPで再送してもらえますか」
“受け手側が悪い”という言い方ではなく、“環境の違いで開けない可能性”として伝えると、相手も対応しやすくなります。
iPhoneで使いやすい解凍アプリの選び方
アプリが必要になる典型パターン
iPhoneの標準機能で解凍できるなら、それが最もシンプルで安全です。しかし、次のような条件に当てはまる場合は、解凍アプリを導入した方が早いことがあります。
ZIP以外の形式(7z/rarなど)を扱う必要がある
分割ファイルをまとめて解凍しなければならない
パスワード付きZIPで標準機能がうまく動かない
クラウドからのダウンロード、解凍、再圧縮、共有を一連で行いたい
解凍だけでなく、圧縮形式の変換や管理機能が必要
ここでのポイントは、「アプリは万能薬ではない」ということです。ZIPの破損やパスワード不明など、ファイル側に原因がある場合は、アプリを入れても解決しません。アプリが効果を発揮するのは、「形式・機能の不足」を補う場面です。自分の状況が“形式の問題”なのか“ファイルの問題”なのかを先に切り分けると、無駄なインストールを減らせます。
目的別おすすめの考え方
解凍アプリは種類が多く、広告表示や課金導線もさまざまです。選び方の軸を決めておくと、迷いにくくなります。おすすめの考え方は「目的別」に必要条件を決めることです。
1. まずは対応形式を確認する
7zやrarを開きたいなら、その形式に対応していることが必須です。
分割アーカイブを扱うなら、分割への対応が明記されているか確認します。
暗号化ZIPを扱うなら、パスワード付きZIPの解凍に対応しているか確認します。
2. ファイルの受け渡し導線が自分の使い方に合うか
受け取りがメール中心なのか、LINE中心なのか、クラウド中心なのかで、使いやすさが変わります。
「共有メニューからそのアプリへ送れるか」「ファイルアプリと連携しやすいか」を見ると、実際の手間が減ります。
3. 広告や課金が作業を阻害しないか
解凍は“短時間で終わらせたい作業”なので、広告で画面が覆われるとストレスになります。
無料でどこまでできるか、課金が必要になる場面はどこか、を事前に把握しておくと安心です。
4. セキュリティ上の取り扱いを意識する
仕事の機密データや個人情報を扱う場合、アプリの信頼性は重要です。
不要な権限要求が多いもの、説明が不十分なものは避け、用途に合った最小限のアプリにするのが無難です。
ここまでを踏まえると、「標準で開けない形式だけを補う」「必要がなくなれば整理する」という運用が、最も安全で負担が少ない選択になります。
安全に使うための注意点
解凍アプリを使う場合、便利さだけで選ぶと、思わぬトラブルにつながることがあります。安全面での注意点を整理します。
送信元が不明なZIPはむやみに開かない
ZIPの中に不審なファイルが入っている可能性があります。特に仕事や学校に関係のない突然のZIPは注意が必要です。個人情報・機密情報を扱う場合は会社や組織のルールを優先する
業務端末ではアプリ導入自体が禁止されていることもあります。勝手に入れると規定違反になる可能性があります。不要なファイルは解凍後に整理する
解凍したフォルダが増えると、どれが最新か分からなくなり、誤送信や誤削除のリスクが上がります。必要なファイルだけ移動し、残りは整理する習慣が役立ちます。パスワード付きZIPの取り扱いに注意する
パスワードをメモアプリなどに保存する場合は、端末のロックやパスコード設定など基本的なセキュリティも見直してください。
解凍は「開ければ終わり」になりがちですが、データの整理・保存場所・共有の扱いまで含めて考えると、トラブルが減り安心感が上がります。
iPhoneでZIPを作成して送る方法
複数ファイルをZIPにまとめる手順
受け取る側だけでなく、送る側になることも多いはずです。iPhoneで複数ファイルをまとめて送りたいとき、ZIPに圧縮できると便利です。特に、写真・PDF・資料などを一括で渡したい場面では、ZIP化すると送信の手間が減ります。
基本の流れは「ファイル」アプリで圧縮する、です。手順は次のとおりです。
「ファイル」アプリを開きます。
ZIPにまとめたいファイルがあるフォルダへ移動します。
「選択」をタップし、まとめたいファイルを複数選びます。
画面下(またはメニュー)から操作を開き、「圧縮」を選びます。
同じ場所にZIPファイルが作成されます。
ここでの注意点は、「写真」アプリの中の写真を直接ZIPにするというより、まずファイルアプリで扱える形にする(共有で“ファイルに保存”する等)と、圧縮作業がしやすいことです。写真を大量にまとめる場合は、保存先フォルダを先に作っておき、そこに集めてから圧縮すると整理もしやすくなります。
また、圧縮後のZIP名は自動で付く場合があります。相手に送るときは、ファイル名が分かりやすいように変更しておくと親切です。例えば「2025_12_提出資料.zip」「旅行写真_家族用.zip」など、用途がすぐ分かる名前にすると、受け手が迷いにくくなります。
共有と送信のコツ
ZIPを作ったら、次は共有・送信です。ここでも“相手が迷わない配慮”を入れると、やりとりがスムーズになります。
送る前に、中身が揃っているか確認する
ZIPを自分で一度解凍してみて、中身が入っているか、必要ファイルが漏れていないか確認すると、相手の手戻りが減ります。受け手がiPhone中心かどうかを意識する
相手がiPhoneで開くなら、一般的なZIPにしておく方が安全です。7zや分割は避けた方が親切です。大容量の場合は送信手段を選ぶ
メール添付やメッセージは容量制限があることがあります。大きいZIPはクラウド共有リンクの方が確実です。一言ガイドを添える
「iPhoneならファイルアプリでZIPをタップすると解凍できます」など、短い案内を添えるだけで、相手の混乱が大きく減ります。パスワードを付けるなら、伝え方を分ける
パスワード付きZIPの場合は、パスワードの伝達を別経路にする、誤入力しにくい文字列にするなど、運用も含めて配慮するとトラブルが減ります。