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自己破産の費用が払えない…?知恵袋ではわからない「本当の対処法」と費用相場を解説

借金の返済が限界に近づき、「もう自己破産しかないかもしれない」と考えたとき、多くの方がまずつまずくのが費用の問題です。
「自己破産するためのお金が払えない人はどうするの?」という質問は、Yahoo!知恵袋などでも繰り返し投稿されています。

本記事では、自己破産にかかる費用の相場と内訳を整理したうえで、「その費用すら払えない」場合の現実的な対処法を解説いたします。
あわせて、知恵袋でよく見られる疑問パターンを専門家目線で整理し、行動につながるチェックリストもご用意いたしました。

※本記事は、日本の制度を前提とした一般的な解説です。実際に自己破産を検討される場合は、お住まいの地域の弁護士・司法書士、法テラス等の公的機関に必ずご相談ください。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

目次

自己破産の「費用」とは?まず押さえておきたい基礎知識

自己破産の目的と、他の債務整理との違い

自己破産は、借金を返済できない状況にある方が、裁判所に申し立てを行い、原則として全ての借金の支払義務を免除してもらう手続きです。

同じ「債務整理」と呼ばれる手続きには、ほかにも以下のようなものがあります。

  • 任意整理:債権者と交渉し、将来利息のカットや返済額・返済期間の調整を行う。

  • 個人再生:借金を大きく減額した上で、原則3〜5年の分割で返済する。住宅ローン特則などの制度あり。

自己破産は、最終的に借金の支払い義務がゼロになる可能性がある一方で、一定の財産を手放す必要があったり、職業・資格制限がかかったりする期間があるなどのデメリットも存在します。

いずれの手続きも、専門的な書類作成や裁判所とのやり取りが必要となるため、そのサポートに対する費用が発生いたします。

費用は「裁判所費用」と「弁護士費用」に分かれる

自己破産にかかる費用は、大きく次の二つに分かれます。

  1. 裁判所費用

    • 申立手数料(収入印紙)

    • 郵便切手代

    • 予納金(破産管財人に支払う費用など)

  2. 弁護士費用(または司法書士費用)

    • 着手金

    • 報酬金

    • 実費(交通費・書類取得費用など)

ご本人が自分で申立てれば弁護士費用はかかりませんが、手続きが複雑であること、裁判所によっては弁護士代理が事実上必要となる運用があることなどから、多くの方は弁護士に依頼しています。

同時廃止・管財事件・少額管財とは?費用が変わる理由

自己破産の手続きは、主に次の三つに分かれます。

  • 同時廃止:めぼしい財産がなく、調査も簡易で済むと裁判所が判断したケース

  • 管財事件(通常管財):一定の財産がある、不正な財産隠しなどの疑いがある場合など

  • 少額管財:東京地裁など一部裁判所で運用されている、管財事件を簡略化した制度

どの類型になるかにより、裁判所に納める予納金の額が大きく変わり、総費用も変動します。同時廃止であれば数万円台で済むこともありますが、管財事件では20万円〜50万円程度の予納金が必要となるケースもあります。


自己破産にかかる費用の相場と内訳を整理

個人の自己破産にかかる総額の目安

複数の専門サイト・弁護士事務所の情報を整理すると、個人の自己破産にかかる総費用の目安は、概ね30万〜100万円程度とされています。

  • 借金総額が比較的少なく、財産もほとんどない「同時廃止」のケースでは、30万〜50万円前後

  • 財産や取引状況の調査が必要な「管財事件」の場合には、50万〜100万円以上になることもあります

この幅が大きい理由は、

  • どの裁判所に申し立てるか(裁判所ごとの運用差)

  • 破産管財人が必要かどうか

  • 依頼する弁護士の報酬体系
    などが影響するためです。

裁判所費用の内訳と相場

裁判所費用は、おおむね以下のような項目から構成されます。

  • 申立手数料(収入印紙):数千円程度

  • 郵便切手代:数千円〜1万円前後

  • 予納金:

    • 同時廃止:数万円程度

    • 管財事件:20万円〜50万円程度など(裁判所や事案により大きく変動)

裁判所費用は、申立て時点で一括して納める必要があるのが通常であり、ここが「費用が払えない」という悩みの大きな要因となっています。

弁護士費用の内訳(着手金・報酬金・実費)と相場

弁護士費用の主な内訳は、次のとおりです。

  • 着手金:依頼時に支払う基本費用

  • 報酬金:免責許可決定が出た後など、結果に応じて支払う成功報酬

  • 実費:書類取得費用、交通費など

記事や事務所により表現は異なりますが、

  • 着手金:20万〜40万円前後

  • 報酬金:0〜30万円程度(着手金とのバランスによる)

といったレンジで提示されることが多く、総額として30〜50万円前後を目安とする弁護士事務所が多数です。

法テラスを利用した場合の費用イメージ

経済的に余裕がない方のために、「法テラス(日本司法支援センター)」が行う民事法律扶助制度があります。

自己破産について弁護士・司法書士に依頼する場合、法テラスを利用すると、

  • 着手金が一般的な水準(30万円前後)よりもかなり抑えられ、

    • 例:債権者10社の場合、着手金132,000円+実費23,000円=155,000円程度の立替額の目安

  • これを毎月数千円〜といった分割で法テラスに返済する形になります(利息はつかない仕組みです)。

一般的には、通常の弁護士依頼に比べて負担が半額程度に抑えられるケースが多いとされています。

同時廃止・少額管財・管財事件の費用イメージ

(実際の金額は事案・地域により異なります。以下はあくまでイメージです)

手続き類型裁判所費用の目安弁護士費用の目安総額イメージ主な特徴
同時廃止数万円〜10万円弱20〜40万円前後30〜50万円前後財産がほとんどなく、調査も比較的簡易
少額管財10〜20万円前後30〜50万円前後40〜70万円前後一部の裁判所で運用。通常管財より予納金が低い
管財事件20〜50万円以上30〜50万円前後50〜100万円前後財産調査が必要な場合など。費用負担が重くなりがち

「自己破産の費用が払えない」場合の現実的な7つの対処法

ここからが、本記事の核心部分です。
「そもそも自己破産するためのお金が払えない」という状況でも、いくつか現実的な選択肢があります。

受任通知で督促を止め、返済分を「費用の積立」に回す

弁護士に自己破産を依頼すると、弁護士から各債権者に対して受任通知が送付されます。これにより、

  • 返済や督促が原則として一時停止される

  • 新たな督促電話や取り立てが止まる

といった効果が期待できます。

その結果、毎月の返済に充てていたお金を、自己破産費用の積立に回すことが可能になります。
たとえば、返済に毎月3万円使っていた方が、その3万円を半年〜1年ほど積み立てることで、18〜36万円を用意できる、といったイメージです。

不要な財産や保険などを整理して現金化する

次のようなものを見直すことで、自己破産費用の一部を確保できる場合があります。

  • ほとんど使っていない高価な家電やブランド品

  • 解約返戻金のある保険(ただし、解約の是非は専門家と要相談)

  • 使っていない投資商品・ポイント・積立など

ただし、

  • 破産手続き直前に財産を特定の相手に贈与する

  • 不自然な財産移転を行う

といった行為は「財産隠し」と評価されるおそれがあります。現金化を検討する際は、必ず事前に弁護士・司法書士に相談することが重要です。

法テラスの民事法律扶助制度を利用する

収入や資産が一定基準以下の方は、法テラスの民事法律扶助制度を利用できる可能性があります。

主なポイントは、以下のとおりです。

  • 弁護士・司法書士費用や裁判所費用などを法テラスが一時立替

  • 利息なしで、毎月少額ずつ分割で法テラスに返済

  • 収入・資産の基準を満たす必要あり(世帯人数・地域によって異なる)

「自己破産するためのお金が払えない」という方にとって、非常に重要な制度です。まずは近くの法テラスや電話窓口に相談することをおすすめいたします。

弁護士費用の分割払いを利用する

法テラスを利用しない場合でも、弁護士事務所が独自に分割払いに対応しているケースが多数あります。

一般的なイメージとしては、

  • 着手金や費用全体を、毎月2〜3万円程度で分割払い

  • 完済後に申立てを行う
    といった流れがよく見られます。

ただし、

  • 分割期間中に支払いが滞ると、手続きが進まない

  • 途中解約時の取り扱いは事務所ごとに異なる

といった点があるため、契約前に必ず「支払えなくなった場合の扱い」を確認しておくことが重要です。

生活保護の可能性と自己破産の関係(一般論)

すでに生活保護を受給している方、または今後受給を検討している方の場合、

  • 自治体のケースワーカーを通じて法テラスや弁護士を紹介してもらえる

  • 状況によっては、自己負担がさらに軽くなる可能性がある

といった運用が行われていることがあります。

もっとも、生活保護の運用は自治体ごとに異なり、個別事情の影響も大きいため、必ず担当窓口・弁護士に直接確認してください。

司法書士を利用する場合と弁護士との違い

自己破産では、弁護士のほかに司法書士に相談する選択肢もあります。司法書士の方が費用を抑えられることもありますが、

  • 代理できる範囲(裁判所での手続きの代理権)

  • 裁判所の運用(弁護士代理を前提とするかどうか)

が関係しますので、お住まいの地域や事案によって適切な選択は変わります。費用だけで決めず、複数の専門家に相談することが望ましいです。

どうしても費用を用意できないときに相談すべき窓口

  • 法テラス(電話・Web・窓口)

  • 自治体の法律相談(市役所・区役所など)

  • 地方弁護士会・司法書士会の法律相談窓口

これらの窓口は、無料または低額で相談できるケースがほとんどです。
「費用がまったく用意できないから、相談しても意味がない」と思い込まず、まずは一度相談してみることが重要です。


知恵袋でよくある質問パターンと専門家目線の整理

「自己破産するためのお金が払えない人はどうする?」という質問

知恵袋には、

自己破産するためのお金が払えない人ってどうするんですか?

といった質問が多数投稿されています。

一般論としては、本記事で述べたように、

  • 受任通知後の積立

  • 法テラスの利用

  • 弁護士費用の分割払い
    などによって、費用を段階的に用意していくのが現実的な対応となります。

「管財人費用・予納金が払えない」という悩み

管財事件の予納金20〜50万円がどうしても用意できない
という趣旨の質問も多く見られます。

予納金は原則として一括での納付が求められるため、

  • そもそも管財事件になる見込みかどうか、弁護士とよく相談する

  • 積立・法テラスなどを総動員して資金を用意する
    必要があります。地域や裁判所によって運用差もあるため、「自分の地域ではどうか」を専門家に確認することが欠かせません。

「分割で払っている途中で支払えなくなったら?」という不安

分割で弁護士費用を払っているが、途中で払えなくなったらどうなるのか?

という不安も繰り返し投稿されています。

一般には、

  • 分割が止まると、申立て準備もストップする

  • 一定期間支払いが途絶えた場合、契約が解約扱いになることもあり得る

といったリスクがあります。契約前に、

  • 途中で支払えなくなった場合はどうなるか

  • それまで払った分は返金されるのか

を必ず確認し、無理のない分割計画を立てることが重要です。

回答がバラバラに見える理由

知恵袋の回答は、以下の理由でバラバラに見えることが多いです。

  • 各質問者の状況(借金額・資産・家族構成・収入)がそれぞれ違う

  • 裁判所や地域によって運用が異なる

  • 弁護士・司法書士の方針や経験、料金体系も一律ではない

したがって、他人の事例をそのまま自分に当てはめることは危険です。参考にしつつも、最終的には専門家に自分の状況を説明し、具体的な見通しを聞く必要があります。


自己破産以外の選択肢と費用感のざっくり比較

任意整理の費用と向いているケース

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、

  • 将来利息のカット

  • 返済額・返済期間の調整

などを行う手続きです。

費用は、

  • 1社あたり数万円+基本報酬
    といった形で設定している事務所が多く、自己破産よりも総費用が安く済むケースもあります。

ただし、

  • 元金自体は原則として残る

  • 返済を継続していく必要がある

という点から、一定の安定収入がある方に向いた手続きといえます。

個人再生の費用とメリット・デメリット

個人再生は、借金を大幅に減額した上で、原則3〜5年の分割で返済する手続きです。

  • 住宅ローン特則を利用すれば、自宅を残せる可能性がある

  • 一定以上の安定収入が必要

といった特徴があり、費用は一般に自己破産よりやや高くなることもあります。

自己破産と比較すると、

  • 借金は残るが家や車などの財産を守りやすい

  • 職業制限がない
    一方で、

  • 手続きが複雑で時間がかかる
    といった違いがあります。

【表】任意整理・個人再生・自己破産の比較

手続き費用感(目安)借金の扱い財産への影響向いているケース
任意整理数十万円以内でおさまることが多い元金は残るが、利息カット等原則として大きな財産処分なし収入があり、返済を続けられる人
個人再生自己破産と同程度かやや高め大幅減額後に分割返済住宅ローン特則で自宅を守れる場合あり自宅を守りつつ借金を減らしたい人
自己破産30〜100万円程度原則として全額免除の可能性一定以上の財産は処分される返済の目途が立たない人

※実際の費用・選択肢は事案により異なります。


トラブル事例・失敗例から学ぶ「費用でつまずかない」ための注意点

費用を払えず手続きが止まってしまう典型パターン

よくあるパターンとして、

  • 積立中に新たな借入をしてしまう

  • 返済が止まっている安心感から、生活費が膨らんでしまう
    などがあります。

こうした行動は、自己破産の審査にも悪影響を与える可能性があるため、「費用が足りないから借金を増やす」という悪循環に陥らないよう、とくに注意が必要です。

見積もり時に必ず確認したいポイント

弁護士・司法書士に相談した際には、少なくとも次の点は必ず確認しておくことをおすすめいたします。

  • 総額としていくら支払うことになるのか(着手金+報酬+実費)

  • 管財事件になった場合の予納金や追加費用の扱い

  • 分割払いの回数・金額・支払方法

  • 途中で支払えなくなった場合の取り扱い(契約解除・返金の有無など)

安さだけで事務所を選ばないためのチェックポイント

料金は重要な要素ですが、以下の点もあわせて確認すると安心です。

  • 説明がわかりやすく、質問に丁寧に答えてくれるか

  • 無理に契約を急がせてこないか

  • ホームページでの実績・体制がしっかりしているか

  • 口コミや評判に極端な偏りがないか

複数の事務所で無料相談を受け、比較検討することも、有効な方法です。


相談前に確認しておきたいこと【チェックリスト付き】

自分の借金・収入・資産を整理するチェックリスト

相談の前に、次の項目をメモにまとめておくと、話がスムーズに進みます。

  • 借入先(銀行・カード会社・消費者金融など)の一覧

  • 各社の残高・金利・最終返済日

  • 毎月の収入額(手取り)

  • 毎月のおおまかな生活費(家賃・光熱費・食費など)

  • 保険・車・不動産などの財産の有無とおおよその価値

弁護士・司法書士に聞いておきたい質問集

  • 自分のケースでは、どの手続き(任意整理・個人再生・自己破産)が適切だと思われるか

  • 費用の総額と、支払方法(分割可否・回数・金額)

  • 管財事件になりそうかどうか、その場合の予納金の見込み

  • 手続き完了までのおおまかな期間

相談窓口(法テラス・自治体・弁護士会)の探し方

  • 法テラス公式サイトの「法律相談窓口検索」ページから、お住まいの地域の窓口を検索

  • 市役所・区役所のホームページで、「法律相談」「多重債務相談」などのページを確認

  • 地方弁護士会・司法書士会の公式サイトで、無料相談の案内を確認


まとめ:自己破産の費用が払えなくても、まずは「相談」と「情報整理」から

本記事の要点のおさらい

  • 自己破産にかかる費用は、総額30〜100万円程度が目安ですが、手続きの種類・裁判所・事務所によって大きく変動します。

  • 費用の内訳は、主に裁判所費用(申立手数料・予納金など)弁護士費用(着手金・報酬・実費)に分かれます。

  • 「費用が払えない」場合でも、

    • 受任通知後の積立

    • 不要財産の整理

    • 法テラスの利用

    • 弁護士費用の分割払い

    • 生活保護との連携
      など、複数の現実的な対処法が存在します。

今すぐ取れる次の一歩

  1. 本記事のチェックリストに沿って、借金・収入・資産を簡単にメモにまとめる

  2. 法テラスやお近くの自治体・弁護士会の無料相談窓口を調べる

  3. できれば2〜3か所の窓口に相談予約を入れ、説明を比較する

「自己破産の費用すら払えない」と感じていても、一人で悩んでいる段階から一歩踏み出すことで、現実的な道筋が見えてくるケースは少なくありません。

制度変更・裁判所運用の違いへの注意喚起

自己破産に関する費用や運用は、

  • 法改正

  • 裁判所や法テラスの運用変更

  • 物価や経済状況の変化

などの影響を受け、時間とともに変わる可能性があります。
また、裁判所ごと・事務所ごとに具体的な金額や対応は異なります