自販機から飲み物が2本出てきた…持ち帰ると危ない？法律・安全リスクと正しい対処法

自動販売機で飲み物を購入した際、思いがけず2本落ちてきた経験はありませんでしょうか。一瞬「得をした」と感じる一方で、「持ち帰ってよいのか」「危険ではないか」と不安になる方も多くいらっしゃいます。実際、自販機から余分に出てきた飲み物には、法律上のリスクと健康・安全面のリスクの双方が潜んでおり、誤った対応を取るとトラブルに発展する可能性があります。特に近年は、SNSで話題となるケースや、過去の毒物混入事件を踏まえた注意喚起も多く、慎重な行動が求められます。

本記事では、「自販機から2本出てきた」「知らない飲み物が取り出し口にあった」という場面で、何が危険なのか、どのように行動すべきかを法律・安全・トラブル回避の観点から体系的に解説いたします。すぐに実践できるチェックリストや、管理会社への連絡方法も含め、読者の皆様が安心して判断できるよう、必要な情報を過不足なく整理いたしました。いざというときに備え、確実で安全な対処法を理解しておきたい方に最適な内容です。

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自販機から2本出てきたときに感じる「危ない」とは何か

よくある状況パターン（誤動作・取り忘れ・知らない飲料）

自販機の前で、次のような状況に遭遇することがあります。

• ボタンを1回押したのに、同じ飲み物が2本落ちてきた

• お金を入れて自分の分を取ろうとしたら、すでに1本入っていて、合計2本になっていた

• 取り出し口に、そもそも自販機で売っていない銘柄のペットボトルが置かれていた

大きく分けると、次の3パターンです。

1. 自販機の誤動作・機械トラブルにより2本出た

2. 前の人の取り忘れなど、他人の購入分が残っていた

3. 誰かが置いていった・差し込んだ「知らない飲み物」が紛れ込んでいる

検索キーワードに「危ない」と入れている方は、
「これ持ち帰ったら犯罪では？」という法律面と、
「飲んで体に害はない？」という安全面、
両方の不安を抱えているケースが多いと想定されます。

「危ない」は3種類ある（法律／安全／社会的リスク）

本記事では、「危ない」を次の3つに分けて整理します。

1. 法律上の危険

   • 余分に出た1本を持ち帰ることが、窃盗罪などに該当し得るかどうか

2. 健康・安全上の危険

   • 自分が購入していない飲み物を飲んだ場合、毒物混入などのリスクがないか

3. 社会的・評判上の危険

   • SNSに投稿した内容が誤解を招き、炎上や企業への風評被害に繋がる可能性

それぞれのリスクを理解したうえで、「その場でどう行動するか」を判断していくことが重要です。

法律面の「危ない」：持ち帰ると犯罪になる可能性

取り出し口の飲み物は誰のものか（占有の考え方）

刑法では「占有（せんゆう）」という考え方が重要です。
自販機の飲料は、基本的に自販機の事業者（営業主）が管理している財物と考えられます。

• お金を投入し、正しく1本の商品が出てきた分
  → 代金の支払いにより、営業主から購入者へ所有権が移る

• 誤動作などで、代金を支払っていない余分な1本
  → 営業主が提供するつもりのなかった商品であり、依然として営業主の管理下にある

このように、取り出し口に出てきた飲み物であっても、
代金を支払っていない分については、引き続き営業主の占有下にあると解釈されることが多いです。

余分な1本を持ち帰ると窃盗罪になり得るケース

一般論として、余分に出た1本については、
営業主が提供する意思のない商品を、営業主の管理に反して持ち去る行為となり得ます。

そのため、

• 誤動作で2本出てきた

• 1本分の料金しか支払っていない

といった場合に、余分な1本を黙って持ち帰ると、
窃盗罪が成立する可能性があると解説されることが多いです。

また、前の人の取り忘れの飲み物を持ち去った場合も、

• 持ち主がすぐ近くにいる

• 時間的・場所的に近接している

といった状況では、まだ前の人の占有が及んでいると考えられ、
その飲み物を持ち去る行為が窃盗罪にあたる可能性があると説明されます。

実際に逮捕・起訴されるかどうかは、状況や金額、悪質性などにより異なり、一概には言えませんが、
「法律上は違法となり得る行為」であることは認識しておく必要があります。

前の人の取り忘れ・落とし物だった場合はどうなるか

前の人の取り忘れだった場合、考え方は次のように整理できます（あくまで一般論です）。

• 前の人が近くにいる場合

  • 声をかけて持ち主を特定するのが原則

  • 意図的に黙って持ち去れば、窃盗罪にあたる可能性

• 前の人がかなり離れてしまっている場合

  • 持ち主の占有は消えていると考える見解もある

  • しかし、自販機の取り出し口に残っている以上、営業主の占有が及ぶと解釈されることもあり、
    いずれにせよ勝手に持ち去るのはリスクがある行為

したがって、取り忘れと思われる場合でも、「ラッキー」と判断して自分のものにしないことをおすすめいたします。
自販機や設置場所の管理者に連絡し、判断を委ねるのが無難です。

健康・安全面の「危ない」：知らない飲料を飲むリスク

過去の毒物混入事件と現在の注意喚起

日本では過去に、**自販機周辺の飲料に除草剤が混入され、多数の死者を出した「パラコート連続毒殺事件」**が発生しています。
この事件では、自販機の上や取り出し口付近に置かれた飲料が狙われた例もあり、
「自分が買った覚えのない飲み物は飲んではいけない」という教訓が社会的に共有されました。

近年も、

• 自販機の取り出し口に、販売されていないペットボトルが置かれていた事例

• SNS上で「これ飲んだら死ぬやつでは？」と話題になった投稿

などがニュースになり、「知らない飲み物は絶対に飲まないでほしい」という注意喚起が繰り返し行われています。

自分が購入していない飲み物を絶対に飲むべきでないケース

次のような飲み物は、絶対に口をつけないことをおすすめいたします。

• 自販機で売られていない銘柄・デザインのペットボトルや缶が取り出し口にある

• キャップがゆるんでいる／一度開封されたように見える

• 缶やボトルが異常にへこんでいる、変色している、ラベルが剥がれている

• 明らかに他人が置いていったと分かるような位置・状態で置かれている

このような飲み物は、毒物混入などの意図的なイタズラである可能性も完全には否定できません。
発見した場合は、

• 駅構内なら駅係員

• ビル内なら管理室や店舗スタッフ

• 自販機の管理会社

などに連絡し、処理を任せるのが安全です。

子どもに伝えたい「自販機の飲み物ルール」

子どもには、複雑な法律の話よりも、シンプルなルールとして伝えるのが有効です。

• 「自分のお金で、自分で買った飲み物だけを飲む」

• 「取り出し口に他の飲み物があっても、絶対に飲まない・持ち帰らない」

• 「変だなと思ったら、すぐに近くの大人に知らせる」

特に過去の事件を踏まえ、40代以上の保護者の方が
「飲んだら死ぬやつだから絶対ダメ」と強く教えられた経験も少なくありません。
そのエッセンスを、現在の子どもたちにも分かりやすく引き継ぐことが大切です。

自販機から2本出てきたときの正しい対処手順

その場で確認するポイント（チェックリスト）

まずは、落ち着いて次のポイントを確認してください。

チェックリスト：その場で確認すること

• 自分が押したボタン・投入した金額と、出てきた本数は一致しているか

• 取り出し口に最初から別の飲み物が入っていなかったか

• その飲み物は自販機のラインナップにある銘柄か

• 缶・ボトルは未開封に見えるか、異常（変形・変色など）はないか

• 自販機の前面に貼られた統一ステッカー（管理者名・連絡先）がどこにあるか

ここまで確認した上で、「誤動作で余分に1本出た」と判断できる場合でも、
自己判断で余分な1本を持ち帰らず、管理者へ連絡するのが安全です。

自販機の管理会社への連絡方法と伝える内容

日本の清涼飲料自販機には、前面に「自販機統一ステッカー」が貼付されており、

• 管理者名

• 連絡先住所

• 連絡先電話番号

などが記載されています。

電話前に用意しておく情報チェックリスト

• 自販機の設置場所（住所・目印となる建物名など）

• 自販機管理番号（取出口付近のプレートに記載されている番号）

• 利用日時

• 購入した商品名と金額

• 実際に出てきた本数と状況（写真が撮れるなら撮っておく）

電話では、例えば次のように伝えるとスムーズです。

「◯◯ビル1階の自販機で◯時頃に△△（商品名・◯◯円）を購入したところ、2本出てきました。
管理番号は◯◯◯◯◯◯◯です。余分な1本について、どのように対応すればよいでしょうか。」

メーカーによっては、後日連絡や返金対応（コンビニ返金・電子ギフト等）となることもあります。

返金・回収の一般的な流れと、記録の残し方

返金や回収の流れは管理会社によって異なりますが、一般的には次のようなイメージです。

1. ユーザーからの電話受付

2. 自販機の管理番号・状況確認

3. 社内での売上金・機械の状態確認

4. 必要に応じて返金（対面、コンビニ返金、電子ギフト等）や回収対応

トラブルを避けるため、次のような記録を残しておくと安心です。

• 自販機と取り出し口、余分な飲み物の写真

• 電話した日時・相手の名前・指示内容のメモ

• 返金対応が後日になる場合は、その案内方法（SMS・メール等）のスクリーンショット

状況別・やっていいこと／いけないこと比較表

誤動作で2本出てきたとき／前の人の取り忘れ／知らない飲料

法律や健康リスクを踏まえると、**「迷ったら自分の判断で飲まない・持ち帰らない・まず連絡」**が基本方針となります。

トラブル・クレームを避けるための注意点

SNS投稿で起こりうる誤解と炎上リスク

自販機トラブルは「ネタ」としてSNSに投稿したくなるケースもありますが、次のようなリスクがあります。

• 自販機の場所・外観から設置企業やメーカーが特定され、クレームが殺到する

• 不確かな情報を拡散してしまい、名誉毀損や業務妨害に発展する可能性

• 自分自身のモラルが疑われ、人格批判を受ける

どうしても投稿する場合でも、

• 企業名・場所が特定できる情報は極力出さない

• 憶測や断定的な表現は避ける

• 先に管理会社に連絡し、その対応状況に配慮する

といった点に注意する必要があります。

その場にいる人とのコミュニケーション（ビル管理者など）

駅、オフィスビル、店舗前などに設置されている自販機では、
近くの管理者や店舗スタッフに一声かけるだけでも、心理的な負担が大きく軽減されます。

• 「ここで2本出てしまったので、管理会社に連絡しておきますね」

• 「知らないペットボトルが入っていたので、念のためご確認いただけますか」

といった形で共有しておけば、後日何かあった場合にも事情を説明しやすくなります。

どうしても不安なときの相談窓口（メーカー・消費生活センター等）

• 自販機に表示されているメーカーのお客様相談室

• 地域の消費生活センター／国民生活センター

などは、自販機トラブルや商品に関する相談を受け付けています。
対応に納得できない場合や、金銭トラブルが大きくなった場合には、
これらの第三者機関に相談することも検討してください。

よくある質問（FAQ）

1本だけなら持ち帰っても良い？

余分に出てきた1本は、基本的に持ち帰らないでください。

代金を支払っていない商品は、法律上は営業主の管理下にある財物と解釈され、
勝手に持ち去ると窃盗罪が成立する可能性があります。

たとえ少額であっても、安易に「1本ぐらいなら」と考えず、
管理会社に連絡し、指示を仰ぐことをおすすめいたします。

取り出し口にしばらく置いて誰も来なかったら？

「3分待ったからもう自分のもの」といった明確なルールは存在しません。

• 持ち主が近くにいる可能性

• 依然として営業主の管理下にある可能性

などを考えると、時間で区切って勝手に所有権が移ると考えるのは危険です。
時間が許す範囲で前の人を探しても見つからない場合は、
管理会社または設置場所の管理者に引き継ぐ形にする方が安全です。

管理会社に連絡したのに折り返しが来ないときは？

管理会社が混雑している場合や営業時間外の場合、折り返しに時間がかかることがあります。

• 電話した日時・担当者名

• 指示された内容

をメモしておき、記録に残すことが重要です。

余分な1本をどうするかについて特に指示がない場合は、

• その場に置いておくよう求められるケース

• 後日回収に来るケース

などが考えられますので、自分の判断で飲んだり持ち帰ったりせず、指示に従うようにしてください。

まとめ：自販機トラブル時に自分と周囲を守るために

この記事の要点と、次に取るべき行動

最後に、自販機から2本出てきたときのポイントをまとめます。

• 「ラッキー」と思っても、余分な1本を飲んだり持ち帰ったりするのは法律上・安全上ともに危険

• 取り出し口の飲み物は、代金を支払っていない分については営業主の管理下にある財物と考えられ、
  勝手に持ち去ると窃盗罪等が成立し得る

• 自分が購入していない・不審な飲み物は、絶対に飲まない

• 迷ったときは、

  1. 状況を確認（チェックリスト）

  2. 統一ステッカー・管理番号を確認

  3. 管理会社・設置場所の管理者に連絡
     という流れで行動する

• SNSで軽い気持ちで投稿すると、炎上や企業への風評被害につながるリスクもある

自販機トラブルは、金額自体は小さくとも、健康被害・刑事責任・社会的評価に関わる可能性があります。
「得をするかどうか」ではなく、
自分と周囲の安全、そしてルールを守ることを最優先に行動していただくことが何より重要です。