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自動詞他動詞の見分け方|をが通じない時も迷わない判定手順と頻出ペア

自動詞と他動詞は、「を」を入れてみれば分かると習ったのに、実際の問題ではすんなり決められず手が止まることがあります。助詞が省略されていたり、「公園を走る」のように「を」が目的語ではない形が出てきたりすると、定義を知っているだけでは判断がぶれやすいからです。
本記事では、目的語の考え方を土台にしつつ、助詞補い・「何を?」の確認・自然に起きた変化か意志の行為かという視点の切り替えを、迷ったときに必ず戻れる“判定手順”として整理いたします。さらに、頻出の自他ペアをまとめて覚えるコツ、同形・意味で揺れる例外、そして練習問題と解き直しチェックリストまで一気に学べます。読み終えたときには、初見の動詞でも同じ手順で落ち着いて判定できる状態を目指しましょう。

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自動詞と他動詞は何が違う

目的語を取るかで決まる

自動詞と他動詞の区別は、突き詰めると「目的語を直接取るかどうか」です。目的語とは、動作の対象になる語で、典型的には助詞「を」を伴います。
たとえば「皿を割る」の「皿」が目的語です。この文は「何を割るのか」が必要で、動作が“対象に向かって”行われています。したがって「割る」は他動詞として働いています。

一方で「皿が割れる」はどうでしょう。ここでは「皿」が「が」で示され、文が言いたいのは「皿というものに割れるという変化が起きた」という結果です。「何を割れるの?」と聞くのは不自然で、割れるという変化が皿に起きたこと自体を述べています。このように、目的語を取らずに成立する動詞は自動詞として働きます。

ただし、学習で混乱しやすいのは「目的語が省略される」「助詞が省略される」「目的語に見える語が実は目的語ではない」といった場面です。そこで、自動詞・他動詞を見分けるときは、次のように考えると整理しやすくなります。

  • 他動詞:動作の矢印が「〜を」に向かう(対象に働きかける)

  • 自動詞:変化や状態が「〜が」に起きる(対象というより主語の状態変化)

例で比べると違いがはっきりします。

  • 先生が黒板を消す(黒板=目的語。先生が対象に働きかける)

  • 黒板の文字が消える(文字がどうなるかという変化)

  • 私がドアを開ける(ドア=目的語。私の行為)

  • ドアが開く(ドアの状態変化)

「をがあれば他動詞、ががあれば自動詞」と単純化したくなりますが、これは危険です。実際には「場所を歩く」のように「を」が出ても目的語ではないことがありますし、他動詞でも目的語が省略されて「読んだ」「片づけた」のように「を」が見えないこともあります。ですから、目的語を取る性質があるかどうかを、文全体で確認する力が必要になります。

自他対応がある動詞とない動詞がある

自動詞と他動詞は、必ずしもすべてが「ペア」で存在するわけではありません。たしかに日本語には「開く/開ける」「閉まる/閉める」「壊れる/壊す」のように、意味が近く形が少し違う自他の対応が多く見られます。これが自他対応です。

自他対応がある動詞は、学習上とてもありがたい存在です。なぜなら、「が+自動詞」「を+他動詞」という形でセット化でき、覚えるときも判断するときもブレにくいからです。たとえば「窓が開く/窓を開ける」のように、同じ名詞を当てはめて二文作ると、助詞の使い分けが自然に定着します。

一方で、自他対応がない動詞も多くあります。たとえば「行く」「来る」「いる」「ある」のような存在・移動の動詞は、対応する他動詞が用意されていないのが普通です。また「読む」「書く」「見る」などは他動詞としての性質が強い動詞で、自動詞の対応がない(あるいは別の表現になる)こともあります。

ここで重要なのは、「ペアがある動詞はセット暗記し、ペアがない動詞は文の形で判断する」という戦略に切り替えることです。ペアがあるものだけ暗記し、残りは雰囲気で判断してしまうと、テストで初見の動詞に出会ったときに崩れます。自他の判定は暗記と手順の両方が必要で、暗記だけでも手順だけでも不十分になりやすいのです。

学習の順番としては、次の流れが効率的です。

  1. 頻出の自他ペアをまず押さえる(得点に直結)

  2. ペアがない動詞や初見の動詞は判定手順で処理する(再現性を確保)

  3. 例外パターンを知って、落とし穴を避ける(失点防止)

この順番で進めると、「覚えるべきもの」と「手順で処理できるもの」が切り分けられ、暗記負担も軽くなります。

状態と動作のどちらを言いたいかがカギ

自他対応のある動詞を使い分けるとき、助詞だけでなく「状態を言いたいのか、動作を言いたいのか」という視点が非常に役立ちます。これは、特に「開く/開ける」「つく/つける」「消える/消す」のようなペアで強力です。

  • 自動詞:状態の変化や結果を述べることが多い
    例)ドアが開く、電気がつく、雪が溶ける、予定が決まる

  • 他動詞:人や何かの意志で対象に働きかける動作を述べることが多い
    例)ドアを開ける、電気をつける、雪を溶かす、予定を決める

この視点が大事なのは、「を」を入れてもなんとなく言えてしまうように感じる場合があるからです。たとえば「ドアを開く」という言い方は、会話では耳にすることがあります。しかし文法学習としては「ドアが開く(自動詞)」「ドアを開ける(他動詞)」のセットを基本にしたほうが誤りが減ります。テストでは、こうした「基本形」を前提に作られることが多いので、まずは基本形を優先して身につけ、あとから揺れや例外を扱うほうが安全です。

また、「状態」と「動作」を見分けるコツとして、文の中に「誰が意志を持ってやったのか」が見えるかどうかを確認する方法があります。

  • 「誰が」明確に行為者として立っている → 他動詞寄り

  • 行為者が出てこず、物事の変化だけが述べられる → 自動詞寄り

もちろん、行為者が出てこない他動詞もあります(目的語が省略された場合など)。しかし、ペア動詞で迷ったときには「意志・働きかけがあるか」という視点でかなりの割合が整理できます。


自動詞他動詞の見分け方を手順で覚える

助詞を入れて確かめる

自動詞・他動詞の見分け方として最初に押さえるべきなのは、助詞を補って文の形を確認する方法です。具体的には「を」「が」を補い、自然な文になるかを確かめます。

  • 「〜を+動詞」が自然 → 他動詞の可能性が高い

  • 「〜が+動詞」が自然 → 自動詞の可能性が高い

たとえば次の通りです。

  • 私は窓を開ける(自然)→「開ける」は他動詞寄り

  • 窓が開く(自然)→「開く」は自動詞寄り

  • 私は電気を消す(自然)→「消す」は他動詞寄り

  • 電気が消える(自然)→「消える」は自動詞寄り

この方法の強みは、判定が速いことです。テストの短い時間の中で、まずこの方法で大半の問題を処理できます。

ただし、この方法だけで突っ走るとミスが出ます。理由は大きく三つあります。

  1. 目的語が省略されて「を」が見えない他動詞がある

  2. 「を」が目的語ではなく、別の働き(経路など)を表す場合がある

  3. 同じ動詞が文脈によって自動詞っぽくも他動詞っぽくも見えることがある

したがって、助詞判定は「第一段階」と位置づけ、迷ったら次の方法へ進む、という流れが必要です。

何をと聞いて成立するかで確かめる

次に強いのが、「何を?」で確かめる方法です。動詞に対して「何を?」と問いかけたとき、自然に答えが出るなら他動詞の可能性が高くなります。

  • 「何を?」→答えがはっきり出る → 他動詞寄り

  • 「何を?」が成立しない → 自動詞寄り(別の質問が自然)

例を見てみましょう。

  • 私はパンを焼く
    何を?→パンを(成立)→他動詞寄り

  • 雨が降る
    何を?→不自然
    何が?→雨が(自然)→自動詞寄り

  • 子どもが泣く
    何を?→不自然
    どうした?→泣いた(自然)→自動詞寄り

  • 私は問題を解く
    何を?→問題を(成立)→他動詞寄り

この方法が特に効くのは、助詞が省略されているときです。たとえば会話文の「もう読んだ?」は「何を?」が省略されていますが、「何を?」を補えば「本を読んだ」と分かり、読むは他動詞として働きます。テストでも「すでに食べた」「きれいに片づけた」のように、目的語が省略されている文が出ることがあります。そのときに「何を?」を復元できるかが勝負になります。

ただし注意点もあります。「何を?」の答えが「場所」や「道」などになっている場合です。たとえば「公園を走る」の「公園」は「何を?」に見えてしまいますが、これは対象を変化させる目的語というより、通過する場所(経路)として働いていることが多い表現です。この点は後の「場所ををで取る表現」にまとめて扱います。

自然に起きたか意志で起こしたかで確かめる

助詞と「何を?」でまだ迷うとき、特に自他対応のあるペア動詞では、「自然に起きた変化か、意志で起こした動作か」を確認すると一気に整理できます。

  • 自然にそうなった/勝手にそうなった/結果としてそうなっている → 自動詞寄り

  • 誰かがそうした/意志でそうした/対象に働きかけた → 他動詞寄り

例で確かめます。

  • 窓が割れた(自然に起きた変化として述べている)→自動詞寄り

  • 太郎が窓を割った(太郎の行為として述べている)→他動詞寄り

  • 予定が決まった(決定という結果が生じた)→自動詞寄り

  • みんなで予定を決めた(決定する行為)→他動詞寄り

  • 服が乾いた(状態変化)→自動詞寄り

  • 服を乾かした(乾かす行為)→他動詞寄り

この視点は、選択問題で「が/を」を選ばせる形式に強く、また作文でも自然な文を作りやすくなります。自他動詞の混乱は、助詞の暗記不足だけでなく、「何を言いたいのか(状態か行為か)」が曖昧なまま文を組み立ててしまうことでも起こるからです。

助詞が省略されている文の読み直し方

入試や実力テストになるほど、助詞が省略されたり、目的語が直前の文に置かれていたりする文章問題が増えます。そこで、助詞が見えない文は次の手順で読み直すと安定します。

  1. 動詞だけで決めない(直前直後だけで判断しない)

  2. その動詞が「何を?」を必要としそうか考える

  3. 文の中、直前の文、時には次の文まで含めて、対象になりそうな名詞を探す

  4. 対象が見つかれば「〜を+動詞」を復元してみる

  5. 対象が見つからず、変化・状態の説明が中心なら「〜が+動詞」を復元してみる

例として、文章の流れを想定します。

  • 「机の上のプリントを見つけた。すぐに片づけた。」
    「片づけた」は目的語が書かれていませんが、直前に「プリント」があるので「プリントを片づけた」と復元できます。これは他動詞としての片づける(片づけた)が働いています。

逆に、状態説明が中心の文もあります。

  • 「雨がやみ、空が明るくなった。」
    「明るくなった」は何かを明るくしたのではなく、空の状態変化です。ここは自動詞的な変化の表現が並んでいます。

助詞省略の読解は、文法の知識と「文脈復元」の作業がセットになります。テストで時間が厳しいときほど、機械的な手順で戻れるようにしておくと、焦りが減って精度が上がります。


自動詞他動詞の頻出ペアをまとめて覚える

開く開けるなど鉄板ペア一覧

頻出の自他ペアは、得点効率が非常に高い分野です。まずは「絶対に出やすいもの」を固め、そこから増やすのが王道です。下の表は学習で特に使いやすいものを中心にまとめた例です(左が自動詞、右が他動詞です)。

自動詞 〜が〜 他動詞 〜を〜
ドアが開く ドアを開ける
窓が開く 窓を開ける
ドアが閉まる ドアを閉める
電気がつく 電気をつける
電気が消える 電気を消す
皿が割れる 皿を割る
ガラスが割れる ガラスを割る
コップが倒れる コップを倒す
物が落ちる 物を落とす
汚れが落ちる 汚れを落とす
氷が溶ける 氷を溶かす
温度が下がる 温度を下げる
温度が上がる 温度を上げる
数が増える 数を増やす
数が減る 数を減らす
予定が決まる 予定を決める
会が始まる 会を始める
会が終わる 会を終える
人が集まる 人を集める
機械が動く 機械を動かす
パソコンが壊れる パソコンを壊す
病気が治る 病気を治す

この表を「見て覚える」だけでは定着しにくいので、次の方法を必ずセットにしてください。

  • 各ペアで「が文」と「を文」を一組ずつ作る

  • 同じ名詞で二文作る(助詞の違いが体感できる)

  • できれば日常の場面に結びつける(覚えやすくなる)

例:
「ドアが閉まった。私はドアを閉めた。」
「電気が消えた。私は電気を消した。」
「予定が決まった。班で予定を決めた。」

語尾の傾向で暗記を軽くする

自他ペアには語尾の傾向が見えることがあります。これは「絶対のルール」ではありませんが、暗記の負担を軽くする補助輪になります。覚えるときの手がかりとして活用するとよいでしょう。

  • 自動詞に出やすい形:〜れる、〜られる、〜まる、〜る(特定のペアで)
    例)割れる、壊れる、閉まる、集まる

  • 他動詞に出やすい形:〜す、〜ける、〜める、〜える、〜かす
    例)壊す、開ける、閉める、終える、溶かす

ここで大切なのは、語尾だけで決めないことです。語尾はあくまで「覚えるためのヒント」で、判定の最終確認は「助詞」「何を?」「意志か自然か」で行うのが安全です。語尾の傾向に頼り切ると、初見の動詞や例外で失点しやすくなります。

暗記が苦手な人ほど、次のように組み合わせると効果が上がります。

  • まず語尾傾向で「たぶんこっち」と当たりをつける

  • 次に「が/を」「何を?」で確定する

  • 最後に「自然/意志」で意味が合っているか確認する

この三段階にすると、暗記の弱さを手順が補ってくれます。

例文にしてセットで覚える

自他動詞が苦手な人に共通するのは、「単語カードのように動詞だけ覚えてしまい、文の形が頭に入っていない」ことです。自他の区別は文の形で決まるので、例文に落とすのが最短です。

おすすめは次のルールで例文を作る方法です。

  • 名詞は同じものを使う

  • 自動詞は「〜が+自動詞」

  • 他動詞は「〜を+他動詞」

  • できれば短く、生活感のある文にする

例文セット

  • 「窓が開く。私は窓を開ける。」

  • 「電気がつく。私は電気をつける。」

  • 「汚れが落ちる。私は汚れを落とす。」

  • 「人数が増える。先生が人数を増やす。」

  • 「予定が決まる。みんなで予定を決める。」

そして、例文の定着を強くする工夫として、「間違えやすい助詞だけ穴埋め」にする練習が効果的です。

  • 「窓( )開く」「窓( )開ける」

  • 「電気( )つく」「電気( )つける」

この形にすると、助詞選択が自他判定そのものになり、テスト対策として非常に実戦的です。


自動詞他動詞で迷いやすい例外パターン

同じ形で自他が変わる動詞

自動詞と他動詞は「形が違うから見分けられる」と思いがちですが、同じ形のまま文脈によって働きが変わる(ように見える)動詞もあります。これが混乱の原因になります。

たとえば「笑う」は基本的には自動詞として教わることが多い動詞です。

  • 私は笑う(自動詞的:自分が笑う)

しかし、次のような言い方もあります。

  • その失敗を笑う(対象がある:失敗をどうする?笑う)

この場合、「笑う」が他動詞のように見えるため、学習者は戸惑います。こうしたケースでは「動詞だけで自動詞・他動詞を固定しない」ことが重要です。文の形がどうなっているか、何が「を」で受けられているかを確認し、文として成立する用法をそのまま受け止めます。

テストで狙われやすいのは、次のような間違いです。

  • 「笑うは自動詞だから、をは付かないはず」と決めつける

  • 逆に「をがあるから必ず他動詞」と決めつける

対策としては、迷ったときに「目的語として自然な対象か」を見ることです。「失敗を笑う」は自然な表現で、対象がはっきりしています。一方で「空を笑う」のような不自然な対象なら、目的語ではない可能性も疑えます(もちろん詩的表現など例外はありますが、テストでは通常扱いません)。

意味で自他が変わる動詞

同じ形でも、意味が変わると文の形が変わることがあります。つまり、ある意味では目的語を取るが、別の意味では取らない、ということが起こります。ここで大切なのは、「この文での意味はどちらか」を先に押さえることです。

たとえば、動詞の中には「状態変化の意味」「操作・行為の意味」を行き来するものがあります。意味が「変化」に寄れば自動詞寄りになりやすく、意味が「操作」に寄れば他動詞寄りになりやすい、という見通しを持つと整理しやすくなります。

対策の手順はシンプルです。

  1. 文が言いたいことは「結果(状態)」か「行為」か

  2. 「何を?」が成立するか

  3. 成立するなら、その対象は“変化させられるもの”か

意味の取り違えは、文法だけでなく読解でも起こるので、短い文でも「誰が何をどうした/どうなった」を整理する癖をつけると強くなります。

場所ををで取る表現に注意する

自他判定の最大の落とし穴の一つが「場所を+移動動詞」のタイプです。代表例は次のような文です。

  • 道を歩く

  • 公園を走る

  • 空を飛ぶ

  • 橋を渡る(ここは目的語に近い扱いをされることもありますが、学習では混乱しやすいので注意)

これらは「を」が付いているため、つい「目的語がある→他動詞」と判断したくなります。しかし、ここでの「を」は「対象を変化させる目的語」というより、「通過する場所・経路」を表していることが多い、と考えると混乱が減ります。つまり、「公園を走る」は公園という対象を変化させるのではなく、公園という場所を“通って走る”という意味合いです。

ここでのチェックポイントは次の通りです。

  • その名詞は、動作の影響で変化する対象か
    例)「皿を割る」→皿は変化する
    例)「公園を走る」→公園は変化しない

  • 「何を?」の答えが“モノ”ではなく“場所”になっていないか

  • 文が移動・経路の説明になっていないか

テストでの対応としては、次のように考えると安全です。

  • 「場所を+歩く/走る/飛ぶ」などは、目的語の「を」とは別物の可能性がある

  • したがって「をがある=他動詞」と短絡しない

  • 迷ったら「自然/意志」という視点ではなく、「対象変化があるか」に戻る

このパターンを知っているだけで、「をがあるのに自動詞っぽい」という混乱が大きく減ります。


練習問題で自動詞他動詞を定着させる

一問一答で判定する

ここからは練習で定着させます。ポイントは「答えを当てること」ではなく、「どの手順で判定したか」を言えるようにすることです。まずは一問一答で、判定の型を作ります。

次の文の動詞が、その文中で自動詞寄りか他動詞寄りかを答え、可能なら「が/を」と「何を?」で根拠も示してください。

  1. 雨がやむ。

  2. 私は宿題を出した。

  3. ドアが閉まった。

  4. 私は窓を開けた。

  5. 友だちは公園を走った。

  6. 予定が決まった。

  7. 私たちは予定を決めた。

  8. 氷が溶けた。

  9. 母が氷を溶かした。

  10. 電車が止まった。

  11. 先生が黒板を消した。

  12. 文字が消えた。

  13. コップが倒れた。

  14. 私がコップを倒した。

  15. 人が集まった。

  16. 係が人を集めた。

解答の考え方(要点)

  • 1 自動詞:「何を?」が成立しない。雨がどうなるか。

  • 2 他動詞:「何を?」→宿題を。

  • 3 自動詞:ドアの状態変化。

  • 4 他動詞:「何を?」→窓を。

  • 5 例外注意:公園は対象変化ではなく経路。をが目的語とは限らない。

  • 6 自動詞:決まる=結果。

  • 7 他動詞:決める=行為。

  • 8 自動詞:溶ける=変化。

  • 9 他動詞:溶かす=働きかけ。

  • 10 自動詞:止まる=状態変化。

  • 11 他動詞:黒板を消す(対象に働きかける)。

  • 12 自動詞:文字が消える(結果)。

  • 13 自動詞:倒れる(状態変化)。

  • 14 他動詞:倒す(働きかけ)。

  • 15 自動詞:集まる(人がどうなるか)。

  • 16 他動詞:集める(人をどうするか)。

このように、同じテーマのペアを続けて解くと、視点の切り替えが体に入りやすくなります。

自他ペアに直す問題

次は「言い換え」です。自他対応がある動詞は、片方からもう片方へ言い換える練習が非常に効果的です。なぜなら、「状態→行為」「行為→状態」の視点移動がそのまま自他の理解になるからです。

次の文を、可能な範囲で自他を入れ替えた文に直してください(意味が大きく崩れない形で作れればOKです)。

  1. 電気がついた。

  2. 私はドアを閉めた。

  3. 窓が開いた。

  4. 先生が授業を始めた。

  5. 予定が決まった。

  6. パソコンが壊れた。

  7. 私がパソコンを壊した。

  8. 人が集まった。

  9. 係が人を集めた。

例答

  1. 私は電気をつけた。

  2. ドアが閉まった。

  3. 私は窓を開けた。

  4. 授業が始まった。

  5. 私たちは予定を決めた。

  6. 誰かがパソコンを壊した。(行為者を補うと自然)

  7. パソコンが壊れた。(結果側へ)

  8. 係が人を集めた。(集まる→集める)

  9. 人が集まった。(集める→集まる)

言い換えをするときのコツは、足りない要素を補うことです。自動詞は行為者が不要でも成立しやすい一方、他動詞は「誰が」が必要になりやすいので、必要なら「私が」「誰かが」を補って構いません。テストではこの「補う力」が文章問題で効きます。

解き直しチェックリスト

自他動詞は、間違い方にパターンがあります。そこで、間違えた問題は「どのタイプのミスか」をチェックしてから解き直すと、短時間で改善します。次のチェックリストを使ってください。

  • 助詞を補う前に雰囲気で決めた

  • 「何を?」で確認していない

  • 自他ペアの基本形を知らずに迷った

  • 自然発生と意志の視点を切り替えていない

  • 目的語が省略されていることに気づかなかった

  • 「場所を」の例外を目的語と勘違いした

  • 同じ形で用法が変わる可能性を考えていない

  • 例文で覚えていないため、助詞が固定されていない

チェックが付いた項目が多いほど、次にやるべき勉強がはっきりします。
たとえば「場所を」のミスが多いなら、移動・経路の「を」をまとめて例文で覚える。「目的語省略」のミスが多いなら、短文読解で「何を?」を復元する練習を増やす。原因が分かれば、練習の方向が外れません。


自動詞他動詞のよくある質問とまとめ

をを入れても文が成立するのに自動詞に見える

「をを入れても言えそう」と感じる文があるのは、日常会話では表現の揺れが起こり得るからです。また、「を」が目的語ではなく別の働きをしている場合もあり、これが混乱につながります。

代表が「公園を走る」「道を歩く」です。ここでは「を」があっても、対象を変化させる目的語というより、通過する場所を示していると考えると理解しやすくなります。
対処の要点は次の二つです。

  • 「を」が付く名詞が、動作で変化する対象かどうかを確認する

  • 「何を?」の答えが“場所”になっていないかを確認する

テストで迷ったら、「対象変化があるか」「経路の表現か」を一度チェックしてから判断すると安定します。

他動詞なのにをがない文がある

他動詞でも、目的語が省略されることは普通にあります。会話では特に多いです。

  • 「もう読んだ?」(何を?→本を、手紙を などが省略)

  • 「片づけたよ」(何を?→部屋を、机の上を などが省略)

  • 「決めた?」(何を?→予定を、担当を などが省略)

このとき、表面だけを見ると「を」がなく、自動詞っぽく見えることがあります。対処は「何を?」の復元です。文脈を戻って対象を探し、対象が補えるなら他動詞として扱うのが自然です。
文章問題での失点は、この「省略の復元」ができないことで起こりやすいので、普段から短い文でも「何を?」を意識すると強くなります。

今日から迷わないための要点

最後に、今日から迷いを減らすための要点を整理します。自他動詞は、覚える量が多いというより「判断の筋道」が必要な単元です。筋道さえ作れば、初見でも対応できるようになります。

  • 自動詞と他動詞は「目的語を直接取るか」で考える

  • 最初は助詞を補い、「を/が」で当たりをつける

  • 迷ったら「何を?」で目的語が成立するか確かめる

  • 自他ペアでは「自然な変化(状態)か/意志の行為か」で整理する

  • 「場所を歩く・走る」など、目的語ではない「を」があることを知っておく

  • 他動詞でも目的語が省略されるので、文脈から「何を?」を復元する

  • 頻出ペアは表+例文セットで固め、穴埋めで助詞まで固定する

  • 間違えたら原因をチェックリストで分類し、同じミスを潰す

次にやるべき行動としては、まず頻出ペアを10〜20組選び、「が文/を文」を同じ名詞で例文化してください。次に、一問一答を解いて「助詞→何を?→自然/意志」の手順を毎回声に出して確認すると、短期間で判断が安定していきます。自動詞・他動詞は、やり方が分かれば確実に得点源になります。