YouTubeの海外動画を視聴しようとした際に、字幕の「自動翻訳」が出ない、選べない、タップしても反応しない、あるいは選択した瞬間に字幕が消える――このような症状は一定の頻度で発生します。原因は単純な設定ミスだけではなく、「動画側に字幕が存在しない」「自動字幕がまだ生成されていない」「端末やアプリの状態」「ネットワークや拡張機能」「YouTube側の不具合・仕様変更」など、多岐にわたります。
本記事では、原因を最短で切り分けるために「症状別の分類」と「端末別の確認順」を重視し、スマホアプリ(iPhone/Android)、PCブラウザ、モバイルブラウザ、テレビ視聴など、よく使われる環境ごとの対処法を整理いたします。さらに、直らない場合に視聴を止めないための代替策と、クリエイター側でできる改善策もあわせて解説します。
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YouTubeで自動翻訳できない時に最初に確認すること
字幕がある動画か確認する
YouTubeの「自動翻訳」は、字幕が存在することが大前提です。ここでいう字幕とは、主に以下のどちらかです。
クリエイター(投稿者)が作成・追加した字幕
YouTubeが音声から自動生成した字幕(自動字幕起こし)
つまり、元となる字幕がなければ翻訳対象がないため、視聴者側でいくら設定を探しても「自動翻訳」が出てこない、または機能しないケースが起こります。
まずは、次の順で確認してください。
字幕アイコン(CC)が表示されるか
アイコン自体がない場合、字幕が利用できない可能性が高いです。
字幕をオンにしたとき、何かしらの字幕が表示されるか
例えば英語字幕が出るなら、翻訳の余地があります。
設定(歯車)→字幕のメニューが開けるか
ここで言語一覧や「自動翻訳」が出るかどうかを確認します。
ここまでで「字幕がない」ことが分かった場合、視聴者側でできることは限られます。後半の「代替手段」に進んで、視聴継続の方法を選ぶのが合理的です。
自動翻訳が出ない症状を4つに分ける
対処を短時間で終わらせるコツは、闇雲に試すのではなく、症状を「どのタイプか」に分類することです。代表的には次の4つに分かれます。
A:字幕アイコンがない(字幕が使えない)
そもそも字幕トラックがない可能性が高いです。
B:字幕は出るが「自動翻訳」がない
字幕はあるが、翻訳メニューが出ない、端末UIにない、など。
C:自動翻訳の言語一覧はあるが、日本語など目的の言語がない
特定言語だけ表示されない、候補が少ない、など。
D:自動翻訳を選ぶと反応しない/字幕が消える/真っ白になる
一時的な不具合、アプリ側の不安定、キャッシュ影響などが疑われます。
この分類ができると、次にやるべき対処が明確になります。特にDは「設定で直るケース」と「YouTube側要因が濃いケース」が混在するため、切り分けが重要です。
まずはPCブラウザで同じ動画を試す
最も効率が良い切り分け方法は、「同じ動画をPCブラウザで開いて自動翻訳が使えるか」を確認することです。理由はシンプルで、PCブラウザは字幕メニューが比較的明瞭で、アプリ固有の不具合の影響を受けにくい傾向があるためです。
PCで自動翻訳ができる
→ 動画側の字幕条件は満たしている可能性が高いです。スマホアプリ側(UI、アプリ状態、端末環境)が主因になりやすいです。PCでも自動翻訳ができない
→ 動画側(字幕がない/自動字幕が未生成)やYouTube側不具合の可能性が高まります。
「原因が動画側か、視聴環境側か」の大枠を数分で確定できるため、PC確認は遠回りに見えて最短ルートになりやすいです。
YouTubeで自動翻訳できない主な原因
動画側に字幕がない・自動字幕が未生成
最初に疑うべきは動画側の条件です。自動翻訳が表示されない・機能しない原因として、以下がよくあります。
そもそも投稿者が字幕を用意していない
自動字幕が生成されていない(生成待ち、非対応、生成失敗)
動画が投稿された直後で、字幕処理がまだ完了していない
音声が少ない、音楽中心、ノイズが多いなどで自動字幕が作られにくい
この場合、視聴者側でできる操作は限られます。特に「字幕アイコンがない」「字幕をオンにしても文字が出ない」という状況なら、いったん動画を変えて同様に試し、動画固有の問題かどうかを確認すると無駄が減ります。
動画言語や音声品質の影響
自動字幕は音声認識に依存するため、音声条件が悪いほど不利です。例えば以下のようなケースでは、字幕が生成されにくかったり、字幕が出ても精度が低く翻訳も不自然になりやすくなります。
早口で聞き取りが難しい
複数人の会話が重なる
背景音楽や効果音が大きい
音声がこもっている、マイク品質が低い
方言やスラングが多い
この場合、視聴者側で「自動翻訳そのもの」を復旧するというより、後半で紹介する代替策(ブラウザ視聴や別手段)を組み合わせたほうが現実的です。
視聴環境の問題(アプリ・ブラウザ・拡張機能・回線)
同じ動画でも、視聴環境によって挙動が変わることがあります。特に影響しやすいのは以下です。
アプリの状態:キャッシュ不整合、更新直後の不安定、バックグラウンドで長時間稼働など
ブラウザの状態:Cookie/キャッシュ、言語設定、拡張機能(広告ブロック・字幕系拡張)
回線の影響:通信が不安定でメニュー読み込みが遅延、設定反映が途切れる
アカウント・設定:字幕の表示設定、言語設定、制限モード等(環境により影響)
この領域は、基本対処(再起動、更新、キャッシュ整理)で改善することが多く、次章の「直し方」を優先順位どおりに試す価値があります。
YouTube側の不具合・仕様変更
自動翻訳はYouTubeの機能提供に依存するため、YouTube側の一時的不具合や仕様変更の影響を受けることがあります。特徴としては以下が挙げられます。
昨日までできたのに突然できなくなった
特定の端末/アプリ版だけで同様の報告が増える
自動翻訳を選ぶと字幕が消えるなど、明らかに不自然な挙動
時間を置くと直る(または直ったり戻ったりする)
この場合、視聴者ができることは「切り分け」「回避策」「報告」の3つが中心になります。無理に設定を弄り続けるより、代替手段で視聴を継続しつつ、状況が落ち着くのを待つ判断も重要です。
YouTubeで自動翻訳できない時の直し方
ここでは「効果が出やすい順」に整理します。ポイントは、1つずつ原因を潰すことです。複数の操作を同時に行うと、何が効いたのか分からず再発時に困ります。
PCブラウザでの手順
PCブラウザでの操作は、切り分けと復旧の両面で有効です。
動画を開き、字幕アイコンで字幕をオンにします
字幕がオンになっていないと、翻訳メニューが出ない場合があります。
歯車アイコン(設定)→「字幕」を開きます
字幕言語の一覧が表示されるか確認します。
「自動翻訳」がある場合は選択し、目的の言語(日本語など)を選びます
ここで字幕が表示されるか確認します。
うまくいかない場合は、別ブラウザまたはシークレットウィンドウで試します
拡張機能の影響やキャッシュ影響を除外できます。
それでもダメなら、別の動画で試し、動画固有かどうかを判断します
1本だけダメなら動画側要因が濃厚です。
PCで成功する場合、スマホ側は「アプリ問題」または「端末問題」に絞りやすくなります。
iPhoneとAndroidアプリでの手順
スマホアプリはUI変更や挙動差が出やすいため、原則として「基本手順→アプリ状態の改善→ブラウザ回避」の順がおすすめです。
動画再生画面でプレーヤーをタップし、設定(歯車)または字幕メニューを開きます
「字幕」をオンにします
字幕が表示される状態を先に作ります。
「自動翻訳」が表示される場合は、目的の言語を選びます
反応しない場合は、アプリの状態を整えます
アプリを完全終了して起動し直す
端末を再起動する
アプリ更新があれば更新する
改善しない場合は、同じ動画をブラウザで開いて試します
アプリ固有の問題を回避できます。
なお「選択肢はあるのに選べない」「選ぶと字幕が消える」タイプは、次章のトラブルシューティングに沿って進めてください。無理に何度も同じ操作を繰り返すより、切り分けを優先するほうが早いです。
モバイルブラウザでの回避策
アプリが不安定な場合、スマホでもブラウザ視聴へ切り替えるだけで改善するケースがあります。手順はシンプルです。
YouTubeアプリではなく、Chrome/Safari等でYouTubeを開く
同じ動画を開き、字幕メニューから自動翻訳を探す
可能なら「PC版サイト表示」を試す(メニュー構造がPCに近づく場合があります)
ブラウザ視聴は、アプリのキャッシュやUI不具合の影響を受けにくい点が利点です。一方で、ログイン状態やCookie影響が出る場合もあるため、必要に応じてシークレットモードで再確認すると切り分けが進みます。
テレビで自動翻訳できない場合の代替策
テレビアプリは端末ごとに機能差が大きく、スマホやPCほど「この手順なら必ず出る」と言い切りにくいのが実情です。自動翻訳が見当たらない場合は、次の代替策が現実的です。
スマホまたはPCで自動翻訳を表示してそのまま視聴する
PC画面をテレビに出力(HDMI/キャスト/ミラーリング)し、PC側で字幕操作する
テレビでは原音+要点だけ別手段で確認する(後述の代替策)
テレビで粘りすぎるより、確実な環境(PCやスマホブラウザ)に切り替えるほうが結果として早く解決します。
自動翻訳できない時のトラブルシューティング
ここでは「よくある詰まり方」ごとに、優先順位を付けて解決策を提示します。
日本語だけ出ない時に試すこと
「自動翻訳」は出るのに、日本語だけ候補にない、あるいは日本語を選ぶと字幕が出ない、というケースがあります。対処は次の順がおすすめです。
PCブラウザで同じ動画を開き、日本語が選べるか確認する
ここで選べるなら、スマホアプリ側の問題が濃厚です。
スマホはアプリではなくブラウザで試す
アプリの不安定を回避します。
一度別言語に切り替えてから、再度日本語に戻す
一時的な表示崩れや反映不良が解消することがあります。
別の動画でも同様か確認する
その動画だけなら動画側要因の可能性が高いです。
アプリ更新・端末再起動を実施する
端末側の一時不具合を除去します。
重要なのは、「日本語が出ない=必ず自分の設定ミス」と決めつけないことです。動画や時期、YouTube側の状態によって起こる場合もあり、切り分けを優先したほうが短時間で結論に到達します。
自動翻訳を選ぶと字幕が消える時に試すこと
選択した瞬間に字幕が消える、真っ白になる、表示が戻らない、といった挙動は、視聴者側の操作だけで完全に直らないこともあります。ただし、改善する場合もあるため次を順に試してください。
動画を一度閉じて開き直す
一時状態の解消を狙います。
字幕をオン→オフ→オンと切り替える
表示の再初期化がかかります。
アプリを完全終了して再起動する/端末再起動する
キャッシュ・メモリ状態を整理します。
スマホはブラウザで同じ動画を試す
アプリ固有の不具合を回避します。
PCブラウザで再現するか確認する
PCでも再現するなら、YouTube側要因の可能性が高まります。
この症状が出た場合、同じ操作を何十回も繰り返すより、環境を変えて再現性を確認するほうが解決に近づきます。
一部の動画だけ翻訳できない時の見分け方
「この動画だけ自動翻訳できない」場合は、動画側の字幕条件を疑うのが基本です。見分け方は次のとおりです。
他の動画では字幕アイコンが出るのに、この動画だけ出ない
→ その動画には字幕がない可能性が高いです。字幕は出るが、自動翻訳が出ないのが特定動画に限られる
→ その動画の字幕形式や状態に依存している可能性があります。動画投稿直後だけ起こる
→ 自動字幕生成がまだ完了していない可能性があります。
この場合、視聴者ができる対処は限定的です。代替手段に切り替え、時間をおいて再確認する、投稿者の字幕追加を待つ、といった判断が現実的です。
学校や会社のネットワークで制限されるケース
学校や会社のネットワークでは、セキュリティや帯域制御の影響で、YouTubeの一部機能が不安定になることがあります。以下の切り分けを行うと原因に近づきます。
自宅回線(モバイル回線含む)では同じ端末で再現するか
再現しなければネットワーク要因が濃厚です。
別アカウントまたはログアウト状態で再現するか
アカウント設定や制限モードの影響を切り分けます。
PCとスマホの両方で同様の症状が出るか
端末固有か、ネットワーク共通かを判定できます。
社内端末が管理されている場合、アプリ更新が制限されていたり、特定ドメインへの通信が制限されていることもあります。可能であれば、私用端末と私用回線での再現確認が最短です。
自動翻訳できない時の代替手段とクリエイター向け対策
ブラウザ視聴とPC版表示の使い分け
「今すぐ内容を理解したい」状況では、完全復旧にこだわりすぎないことも大切です。おすすめの使い分けは次のとおりです。
スマホアプリで不安定:まずはスマホブラウザで試す
スマホブラウザでも不安定:PCブラウザで試す
どの環境でも不安定:YouTube側要因を疑い、別動画で確認/時間をおいて再確認
テレビで見たい:PC側で字幕設定してテレビに出力する(HDMI等)
また、内容理解の優先度が高い場合、次のような「視聴を止めない」代替策も検討できます。
公式字幕(手動字幕)がある別チャンネル・別動画を探す
概要欄やコメントに要約があるか確認する
クリエイターが多言語字幕を提供している動画を優先する
クリエイターができる字幕追加と翻訳の整備
視聴者から「自動翻訳できない」と言われる場合、クリエイター側で改善できる可能性があります。基本方針は「字幕を用意して、翻訳の入口を作る」ことです。
YouTube Studioで字幕を追加・編集・アップロードする
認識精度が低い場合は、自動字幕を土台にして修正し、視聴者に読みやすい字幕へ整える
多言語向けに、主要言語の字幕を用意する(視聴者が翻訳に依存しすぎない状態を作る)
自動翻訳は便利ですが、視聴環境やYouTube側の状態に左右されます。字幕が整っているチャンネルは、視聴者の離脱を減らしやすく、信頼にもつながります。
外部ツール利用時の注意点
外部ツールや拡張機能で字幕翻訳を補う方法もありますが、利用には注意が必要です。
YouTubeの仕様変更で突然動かなくなる可能性がある
不要に大きな権限(閲覧履歴、入力内容、アカウント情報など)を求めるものは避ける
ログイン情報入力を促す不審なサービスは利用しない
企業・学校端末では規約違反になり得るため、利用条件を確認する
「まずはYouTube標準機能での切り分け」と「ブラウザ回避」の範囲で解決できるケースも多いため、外部ツールは最終手段として位置付けるのが安全です。
自動翻訳できないに関するFAQ
自動翻訳がそもそも表示されないのはなぜですか
主な理由は次の3つです。
動画に字幕が存在しない(字幕アイコンが出ない、字幕をオンにできない)
字幕をオンにしていないため、自動翻訳メニューが出ない
端末やアプリのUI上、導線が分かりにくい/一時的に表示が不安定
まずは「字幕があるか」「PCブラウザでは出るか」を確認し、動画側要因か視聴環境要因かを切り分けてください。
昨日までできたのに急にできないのは不具合ですか
不具合の可能性はあります。ただし、断定は避け、次の順で確認するのが確実です。
同じ動画をPCブラウザで試し、再現するか確認する
別の動画でも同様に起こるか確認する
アプリ更新・端末再起動・ブラウザ回避を試す
PCでも広く再現し、かつ他動画でも起こる場合は、YouTube側の影響を疑う合理性が高まります。
テレビで自動翻訳はできますか
テレビ端末は機能差が大きく、自動翻訳が常に使えるとは限りません。確実性を優先する場合、PCまたはスマホ(特にブラウザ)で自動翻訳を表示し、その環境で視聴する、またはPC画面をテレビに出力して操作する方法がおすすめです。
直らない時はどこに報告すればよいですか
再現性が高く、端末を変えても改善しない場合は、YouTubeのフィードバック機能やコミュニティ(ヘルプフォーラム)での報告が有効です。報告の際は、次の情報を整理すると状況が伝わりやすくなります。
端末(iPhone/Android/PC/TV)
OSバージョン、YouTubeアプリのバージョン
ブラウザ名(PC/スマホの場合)
症状分類(A〜Dのどれか)
特定動画のみか、全動画で起こるか
いつから発生したか(例:2025年12月中旬から等)
まとめ:自動翻訳できない時は切り分けと代替策が重要
YouTubeの自動翻訳ができない場合、最短で解決する鍵は「症状を4分類して切り分けること」と「PCブラウザで同じ動画を試して原因領域を確定すること」です。多くの場合、原因は次のどれかに収束します。
動画側に字幕がない/自動字幕が未生成
スマホアプリやブラウザの一時的不具合
ネットワークや拡張機能など環境要因
YouTube側の不具合・仕様変更
直らないときは、視聴を止めないために「アプリからブラウザへ」「スマホからPCへ」「テレビではなくPCで操作して出力へ」と、確実な環境へ移るのが効果的です。また、クリエイター側で字幕を整備することは、視聴者の翻訳依存を減らし、視聴体験の安定にもつながります。
本記事の流れに沿って切り分けを行えば、「直るものは短時間で直し、直らないものは代替策で視聴を継続する」判断が取りやすくなります。仕様や挙動は変化する可能性があるため、再発した場合も同じ手順で原因を絞り込み、最短ルートで対応してください。