「動画を公開してからミスに気づいた」「不要な沈黙や言い間違いを今すぐ削除したい」「再アップロードは避けたいが、どう直せばよいか分からない」――
YouTubeを運用していると、このような状況は決して珍しくありません。
YouTubeには、投稿後でも動画の一部を削除できる「トリミング」機能が用意されています。しかし実際には、「どこから操作するのか分からない」「途中だけ削除できない」「保存できない」「クリップとの違いが分からない」といった声も多く、誤った操作で状況を悪化させてしまうケースも見受けられます。
特に注意すべきなのは、条件によってトリミングが使えない場合があること、そして一度保存すると元に戻せない可能性があることです。仕組みを理解しないまま操作すると、再生数や視聴者体験に悪影響を及ぼしかねません。
本記事では、「youtube トリミング」を初めて使う方でも迷わないように、
YouTubeトリミングでできること・できないこと
クリップ機能との明確な違い
投稿後に動画をカットする具体的な手順
トリミングできない・保存できない場合の原因と対処
再アップロードや外部編集に切り替える判断基準
を、順序立てて詳しく解説いたします。
「今すぐ直したいが、失敗は避けたい」という方に向けて、最短で安全に判断・操作できる情報をまとめておりますので、動画を編集する前にぜひ最後までご確認ください。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
YouTubeトリミングでできることとできないこと
YouTubeトリミングとクリップの違い
「youtube トリミング」で検索される方が最初につまずきやすいのは、YouTube内に似た名前・似た目的の機能が複数ある点です。ここを最初に整理すると、以後の判断が非常に楽になります。
YouTubeトリミング(投稿者向け)
YouTube Studioの編集機能を使い、公開済み(または予約・限定公開)の動画そのものから不要部分を削除する操作です。たとえば「冒頭でカメラをセットしている無音の30秒を消したい」「途中で住所が映ってしまった数秒を取り除きたい」といった“動画内容の修正”が目的になります。
重要な点は、トリミングは元動画に反映されるということです。視聴者が見る動画自体が差し替わる(編集後の内容に変わる)ため、公開後のリスク修正に向きます。クリップ(視聴者・投稿者の共有向け)
クリップは「元動画のここが面白い」「この場面だけ見せたい」という共有のための切り出しリンクを作る機能です。一般に元動画は変わりません。つまり「元の動画を直す」目的ではなく、「一部分を見せる」目的に向きます。
そのため、クリップを作っても編集ミスは直りません。逆に、共有だけが目的なら、トリミングで動画内容を変える必要もありません。
ここまでを一言でまとめると、次のようになります。
動画を修正したい → トリミング
共有用に一部を見せたい → クリップ
YouTubeトリミングの主な制限と注意点
YouTubeトリミングは非常に便利ですが、万能ではありません。特に「公開後に直せる」と聞いて過信すると、取り返しのつかないミスにつながる可能性があります。代表的な注意点を、実務上のリスクが高い順に整理いたします。
保存した変更が元に戻せない可能性がある
YouTube Studioの編集は、変更を保存した時点で動画が編集後の状態になります。仕様更新により「保存後に元へ戻す」ことが難しい場合があります。したがって、保存前の確認(プレビュー、秒単位の範囲確認、関係者レビュー)が重要です。動画の長さや条件によって利用できないことがある
トリミング機能には、動画の長さや条件による制限が設けられることがあります。該当する場合、そもそも編集ボタンが出ない、保存できないなどの挙動になり得ます。
「操作が分からない」のではなく「条件を満たしていない」ことも十分にあり得ますので、後述の切り分け手順で確認してください。編集後に、タイムスタンプや字幕などがズレる可能性がある
トリミングで尺が変わると、動画内の時間が前倒しになります。結果として、次のものがズレやすくなります。概要欄のタイムスタンプ
固定コメント内の時刻案内
自作字幕(タイミング)
外部サイトやSNSで紹介した「○分○秒から」の案内
直したつもりで視聴者体験が悪化しないよう、編集後の更新までセットで考えることが重要です。
個人情報・権利物は“カットで十分か”を必ず再検討する必要がある
住所や顔、車のナンバーなどは、カットだけで確実に排除できるとは限りません。フレーム単位で一瞬映るだけでも問題になり得ます。また権利物(音源、映像、ロゴ等)は削除しても別の箇所に残っている可能性があります。
「どこをどう直すべきか」を再点検し、必要なら非公開化や差し替えも含めて判断してください。
YouTubeトリミング後に維持される要素
公開後編集で多くの方が不安に感じるのは、「再生数やコメントが消えるのではないか」「URLが変わるのではないか」という点です。一般に、YouTube Studioのトリミングは“動画を作り直して再投稿する”のとは性質が異なり、以下のような点でメリットがあります。
動画のURLが維持されやすい
再アップロードの場合は別動画として扱われるためURLが変わりますが、トリミングは既存動画に反映されるためURLが変わりにくい設計です。視聴回数・コメントなどが維持されやすい
再アップロードで同等の状態を再現することは困難ですが、トリミングは同一動画の範囲編集であるため、視聴データの継続性が保たれやすいです。
ただし、ここで強調しておきたいのは「何が維持されるか」だけでなく、「何が変わるか」を同時に理解することです。トリミング後に確実に変わるのは、次の点です。
動画の内容(映像・音声・尺)
視聴者が見られる区間の連続性(カット箇所の前後のつながり)
“見せたい意図”の伝わり方(前提説明が消えるなど)
つまり、数値が維持されることを狙ってトリミングを選んだとしても、内容のつながりが不自然なら評価が下がる可能性はあります。保存前に「視聴者目線で違和感がないか」を必ず確認してください。
YouTubeトリミングの手順をPCのYouTube Studioで行う
先頭と末尾をYouTubeトリミングする手順
トリミングの中でも最も頻度が高いのが「冒頭・末尾のカット」です。撮影の準備時間、無音時間、終了後の余白などを削除してテンポを整える目的で使われます。手順は概ね次の流れです。
YouTube Studioにログインし、対象動画を開きます
左メニューの「コンテンツ(動画一覧)」から動画を選択します。複数チャンネルを運用している場合、別チャンネルにログインしていないかを最初に確認してください。編集画面(エディタ)へ移動します
動画詳細画面の左メニューから「エディタ」を開き、編集機能へ進みます。エディタが見当たらない場合、権限不足や機能制限の可能性があります(後述のトラブルシューティング参照)。トリミングの操作を開始します
「トリミングとカット」等の操作を選択し、タイムライン上で編集可能な状態にします。冒頭のカット範囲を調整します
先頭を削除する際は、残したい開始点を「ここから動画が始まる」という意識で決めます。会話やBGMの入りに違和感が出ないか
テロップの冒頭が途中から始まっていないか
“挨拶”や“前置き”を削りすぎて視聴者が置き去りにならないか
を必ず確認してください。
末尾のカット範囲を調整します
末尾は「余白を削る」のが目的になりがちですが、削りすぎるとまとめの一言が切れる
エンドカードや誘導が中途半端になる
音声がブツ切れになる
といった違和感が出ます。終わりの数秒は特に慎重に見直してください。
プレビューで確認し、保存します
保存前に、最低でも「編集点の前後10秒」を再生して違和感がないか確認してください。
可能であれば「通常速度」と「1.5〜2倍」両方で確認すると、音の切れ・映像のジャンプに気づきやすくなります。
実務上のコツとして、カット位置は「ちょうど」ではなく、0.3〜1秒程度余裕を持たせる方が自然になることが多いです(特に会話動画)。ただし、個人情報など“映ったら困るもの”を削除する場合は余裕ではなく、確実に排除できる位置まで削ってください。
途中区間をYouTubeトリミングで削除する手順
次に多いのが「途中だけ削除」です。たとえば言い間違い、編集ミス、個人情報の一瞬の映り込み、沈黙の塊などを削るケースです。途中削除は難易度が上がるため、次の手順と注意点で進めることを推奨いたします。
削除対象の時間を先に特定します
いきなりエディタで探すと迷子になります。まずは動画を再生し、削除したい箇所の開始時刻(例:2:13)
終了時刻(例:2:21)
をメモしてください。可能なら「削除理由」も一言添えておくと、後で見直しやすいです。
エディタでトリミングを開き、削除区間を作ります
途中削除は「削除したい区間」を明示的に指定します。UI上は“切り抜き”や“カット範囲”を追加するイメージです。前後のつながりを重点的に確認します
途中削除は「つながりの自然さ」が最も重要です。以下を重点確認してください。音声の途切れが不自然ではないか
BGMが急に飛んでいないか
口の動きが一瞬ワープしていないか
画面が急に切り替わっていないか(特にゲーム実況など)
会話の途中を削ると、主語が消える・話題が飛ぶなど意味が崩れることがあります。必要なら前後の説明も含めて削除・調整してください。
削除区間が複数ある場合は、優先順位を決めます
一度に多箇所を直すとミスが増えます。まずは個人情報・権利物などの重大リスク
視聴者体験を大きく損ねる編集ミス
を優先して対応し、その後にテンポ調整(沈黙・言い直し)を行う方が安全です。
保存前に“全体の流れ”を確認します
編集点だけの確認で終えると、全体の起伏が崩れていることがあります。最低でも「編集箇所を含む前後1〜2分」は通しで再生し、話の流れ・テンポが破綻していないか確認してください。
途中削除は、うまくいけば非常に有効ですが、失敗すると視聴者が「何が起きたのか分からない」状態になります。特に情報系動画(解説、レビュー)は文脈が重要なため、削除範囲は慎重に設計してください。
保存前に必ず確認したいポイント
トリミングでの失敗の多くは、「保存してから気づく」ことに起因します。保存前チェックを、実行しやすい形に落とし込みます。
削除範囲の開始・終了を秒単位でメモした(複数箇所なら一覧化)
編集点の前後10秒を再生し、音と映像のつながりを確認した
個人情報・権利物が確実に排除できている(一瞬の映り込みも含む)
概要欄のタイムスタンプ、固定コメントの案内を更新する必要があるか把握した
字幕やテロップが途中から始まらない(冒頭カット時)
終わりの誘導(エンドカード等)が途中で切れていない(末尾カット時)
共同運用の場合、関係者のレビューを受けた(可能なら)
このチェックは、緊急時ほど省略されがちですが、緊急時ほど“二次被害”が大きくなります。最低でも「削除対象が確実に消えているか」と「つながりが不自然ではないか」だけは必ず確認してください。
YouTubeトリミングできない時の原因と対処
6時間以上や視聴回数条件に該当していないか確認する
「トリミングできない」と感じたとき、最初に確認すべきは“操作ミス”ではなく“条件不一致”です。以下は特に見落とされやすい論点です。
動画の長さが条件に合っていない
YouTube Studioの編集機能は、動画の長さなど一定条件で制限される場合があります。長尺ライブアーカイブ等で起きやすいです。動画の状態やチャンネル状況による制限
例えば、視聴回数が非常に多い動画、または一部の状態の動画では、保存や編集に制約がかかる場合があります。これは「編集画面は開けるが保存できない」「保存ボタンが押せない」「反映が進まない」などの形で現れやすいです。権限不足(共同管理)
ブランドアカウントや複数人運用で、権限が「閲覧者」や「制限付き」になっていると、編集項目が表示されないことがあります。まずはアカウントと権限を確認してください。
条件不一致の疑いがある場合は、以降のチェックを行っても解決しないことが多いため、早めに「代替策(外部編集や再アップロード)」へ切り替えた方が結果的に早いです。
保存できない 反映されない時のチェックリスト
条件を満たしているはずなのに保存できない・反映されない場合は、原因が複合している可能性があります。上から順に潰せるよう、チェックリスト形式で提示いたします。
ログインアカウントが正しい(別チャンネルで開いていない)
編集権限がある(共同管理の場合は権限区分を確認)
ブラウザを変更して再試行した(Chrome/Edge等)
シークレットウィンドウで再試行した(拡張機能の影響を排除)
広告ブロッカー等の拡張機能を一時停止した
通信環境が安定している(社内VPN、モバイル回線の揺れなどを回避)
キャッシュ削除または別端末で試した
編集点を必要以上に細かくしすぎていない(複数箇所を一度に編集しない)
保存前プレビューで、削除範囲が正しい(意図と違う場合は保存しない)
時間を置いて再試行した(一時的な処理遅延の可能性)
ポイントは、「機能の不具合」と断定する前に、まず“再現条件”を切り分けることです。
別ブラウザで再現するか
別端末で再現するか
別動画でも起きるか
を確認すると、原因の方向性が見えやすくなります。
どうしても無理な場合の代替策
トリミングが使えない/保存できない場合、焦って同じ操作を繰り返すより、目的に応じて代替策へ切り替えた方が安全です。ここでは“よくある目的”別に、現実的な選択肢を整理いたします。
目的:公開後のミス修正(言い間違い、不要部分)
代替策:外部編集(スマホアプリやPCソフト)で修正 → 再アップロード
注意点:URLが変わるため、SNSやブログで共有済みなら修正告知が必要です。タイトルやサムネイルを同一にしすぎると、視聴者が混乱する場合があります。
目的:個人情報や権利物の緊急対応
代替策:一時的に限定公開/非公開にして被害拡大を止める → 修正版を作る
注意点:削除範囲が複雑な場合、トリミングだけで完全に消せないことがあります。まず公開状態を止め、確実に除去できる方法を取る方が安全です。
目的:面白い場面だけを共有したい
代替策:クリップ機能で共有リンクを作る
注意点:元動画は変わりません。修正目的には使えません。
目的:短尺素材として再利用したい(SNS用など)
代替策:外部編集で縦動画化、字幕追加、テンポ調整 → 別動画として投稿
注意点:目的が「切り抜き」なら、トリミングより外部編集の方が自由度が高いです。
代替策を選ぶ際の最重要判断軸は「URLを維持したいかどうか」です。URL維持が必須なら、トリミングを優先し、難しい場合は告知を含めた再投稿戦略を先に設計してください。
YouTubeトリミング以外の編集方法を比較する
再アップロードが向くケースと向かないケース
再アップロードは手間がかかりますが、最終的に最も確実な解決策になることがあります。向き・不向きを明確にしておくと、迷いが減ります。
再アップロードが向くケース
トリミング機能が利用できない条件に該当する
カット以外の編集(テロップ修正、音量調整、ノイズ除去、色調整等)が必要
“つながりの違和感”が大きく、トリミングでは品質が担保できない
重大なミスのため、修正版として明確に提示したい(概要欄に経緯を残す等)
再アップロードが向かないケース
既に外部でURLが広く共有されている(記事、広告、SNS固定投稿等)
コメント欄でコミュニティが形成されており、継続性が重要
アナリティクスを同一動画で追い続けたい
過去の検索評価や関連動画の流入を維持したい
再アップロードを選ぶ場合は、運用上「どちらを残すか」も重要です。一般には次の選択が現実的です。
元動画を非公開にして、修正版へ誘導する(概要欄や固定コメントで案内)
元動画は残しつつ、問題箇所への注意喚起を行い、修正版も提示する(状況次第)
どれが適切かはミスの性質(個人情報・権利・誤情報)で変わります。重大リスクがある場合は“残すこと自体”が問題になるため、公開状態の見直しを優先してください。
スマホアプリ編集が向くケース
スマホアプリでの編集は、次のような状況で非常に有効です。
PCが手元にない(外出先、緊急対応)
直したい箇所が明確で短い(数秒〜数十秒)
クリエイティブ編集(字幕、効果音、テンポ調整)も行いたい
縦型ショートやSNS向けに作り変えたい
ただし、スマホ編集→書き出し→再アップロードには注意点があります。
画質劣化に注意:書き出し設定が低いと劣化します。可能なら解像度・フレームレートを元に合わせてください。
音ズレに注意:端末やアプリによっては、長尺で音ズレが起きることがあります。書き出し後に必ず再生して確認してください。
URLは変わる:再アップロード前提である点を忘れないでください。共有済みリンクの扱いが問題になります。
「トリミングで直す」より「作り直して出す」方が早いケースは確実に存在します。特に、編集経験がある方ほど外部編集の方が手戻りが少なくなる場合があります。
目的別おすすめ早見表
判断を速くするため、代表的な手段を比較表で整理いたします。
| 目的 | おすすめ手段 | 元動画への反映 | URL・再生数・コメント | 主な制約・注意 |
|---|---|---|---|---|
| 公開後に不要部分を削除して修正したい | YouTubeトリミング | 反映されます | 維持されやすい | 条件で利用不可・保存制限が起きる場合があります |
| 面白い場面だけ共有したい | クリップ | 反映されません | 元動画はそのまま | 共有用途であり修正には使えません |
| 字幕・音量・色なども含めて直したい | 外部編集 | 反映は再投稿次第 | 影響が出やすい | 書き出し品質・音ズレ確認が必要です |
| 完全に差し替えたい/品質を上げたい | 再アップロード | 新規動画扱いです | URLが変わります | 告知・誘導が必要です |
この表の使い方は簡単です。まず「URLを維持したいか」を決め、維持したいならトリミング、難しいなら代替策に切り替える、という順に判断してください。
YouTubeトリミングで失敗しないためのリスク対策
元に戻せない変更を前提にした安全策
公開後の編集は「直せて良かった」で終わらせず、同じミスを繰り返さない設計が重要です。特にトリミングは保存後に戻せない可能性があるため、次の安全策を推奨いたします。
編集前に、削除箇所をリスト化する
削除箇所(開始〜終了)
削除理由(個人情報、言い間違い、無音など)
影響範囲(タイムスタンプ更新要否、字幕要否)
を簡単にメモしておくと、保存直前に冷静に見直せます。
元データを必ず保管する
編集前の素材(元動画、プロジェクトファイル)は、復旧の唯一の手段になることがあります。クラウドや外付けなど、消失しにくい形で保管してください。共同運用では承認フローを設ける
企業やチーム運用では、編集者が単独で保存できる状態が最も危険です。編集担当:範囲を作る
承認担当:プレビュー確認し保存指示
のように分離すると、重大ミスが減ります。
編集後の更新タスクをセットにする
トリミングが終わったら、次も同時に実施してください。概要欄のタイムスタンプ更新
固定コメントの案内修正
必要ならコミュニティ投稿やSNSで修正告知
これを怠ると、視聴者が「案内どおりに進めない」状態になり、低評価・離脱につながります。
個人情報や著作権が絡む場合の対応
個人情報・権利物が絡む場合は、一般的な「テンポ改善」と同じ感覚で処理してはいけません。以下の観点で、対応を引き上げる必要があります。
個人情報(顔、住所、車のナンバー、学校名、社名、名札など)
重要なのは「映ったかどうか」だけでなく、「特定可能かどうか」です。
たとえば名札が一瞬でも読める、住所が画面の隅に数フレーム出る、カーナビに自宅周辺が表示される、などは問題化しやすいです。
対応としては、トリミングで確実に消せるならトリミング、難しいなら一時非公開→再編集・差し替えを優先してください。著作権・権利関係(音源、映像、画像、ロゴ等)
“短いから大丈夫”は通用しません。短い使用でも申し立て対象になる可能性はあります。
また、削除したつもりでも別の箇所に残っているケースが多いです。問題箇所を洗い出し、必要なら全面的に差し替える判断が重要です。誤情報(医療・金融・法律など)
誤情報は、個人情報と同じく重大リスクになり得ます。トリミングで一部だけ消すと文脈が崩れて逆に誤解が増えることがあります。必要なら、修正動画の再投稿や追記(概要欄で訂正)も含めて対応してください。
公開後の運用ルールの作り方
公開後の編集を減らすためには、公開前に“ミスが起きにくい仕組み”を作るのが最短です。次のルールは小さな投資で効果が出やすいです。
公開前チェックリストを固定化する
撮影・編集に慣れてくるほど確認を省略しがちです。逆に、慣れているほど“うっかり”が致命傷になります。個人情報が映っていないか
画面共有に不要情報がないか
音量が極端に小さくないか
誤字・誤情報がないか
など、5〜10項目に絞って毎回チェックするだけでも事故率が下がります。
タイムスタンプ運用のルールを決める
タイムスタンプは便利ですが、トリミング後にズレます。
「公開から24時間はタイムスタンプを固定しない」「修正が出たら更新履歴を概要欄に残す」など、運用ルールを決めておくと混乱が減ります。緊急時の手順を決める
個人情報など緊急対応が必要な場合、現場は混乱します。まず限定公開/非公開にする判断基準
誰が対応するか
どこに素材があるか
どこで告知するか
を決めておくと、被害拡大を防げます。
YouTubeトリミングのよくある質問
URLや再生数は消えるのか
不安が最も多い点ですが、トリミングは“既存動画への編集反映”であるため、再アップロードと比べるとURLや視聴データが維持されやすい性質があります。
一方、トリミングの対象外で再アップロードに切り替えた場合は、通常は別動画として扱われるためURLが変わります。共有済みリンクや埋め込みがある場合は、修正告知と誘導が必要です。
結論としては、次の使い分けが安全です。
URL維持が最優先 → まずトリミングを検討
編集の自由度や確実性が最優先 → 外部編集→再アップロードを検討
スマホだけで投稿後トリミングできるのか
「スマホだけで投稿後に直したい」というニーズは非常に多いですが、投稿後編集は状況により制限があり、PCのYouTube Studio前提の説明が多いのが実情です。
そのため、スマホ完結にこだわる場合は、次の判断が現実的です。
トリミングにこだわる(URL維持が重要)
可能ならPCでYouTube Studioを使う方が確実です。スマホで試して難しければ、早めにPCに切り替えた方が手戻りが減ります。スマホ完結を優先する(URLが変わってもよい)
スマホアプリで編集して再アップロードする方が短時間で終わる場合があります。特に字幕追加やテンポ調整も必要なら、外部編集の方が合理的です。
「何を優先するか(URL維持か、スマホ完結か)」で最適解が変わりますので、まず優先順位を決めてください。
クリップは相手に通知されるのか
クリップは共有のための機能であり、元動画の修正ではありません。通知の扱いは状況や仕様変更の影響を受ける可能性があるため、「相手に確実に知られたくない」という目的には適しません。
共有そのものを避けるか、限定公開リンクなど別の共有設計を検討する方が安全です。
まとめ
YouTubeトリミングは、公開後の動画から不要部分を削除して修正できる強力な手段です。特に、URLや視聴データの継続性を重視する場合、再アップロードよりも適した選択肢になりやすいです。
一方で、条件によって利用できない場合があり、保存後に戻せない可能性もあるため、保存前の確認とリスク対策が不可欠です。
次に取るべき行動は、以下の順で整理すると迷いません。
目的が「修正」か「共有」かを確定する(トリミング/クリップを切り分ける)
URL維持が必要なら、YouTube Studioでトリミングを試す
できない・保存できない場合は、チェックリストで原因を切り分ける
解決しない場合は、外部編集→再アップロードなど代替策へ切り替える
編集後はタイムスタンプ等の案内更新まで実施する
YouTubeの仕様は更新されることがありますので、重要な対応ほど、YouTubeヘルプや管理画面の最新表示を確認したうえで進めてください。
