「YouTubeは何回再生でいくら稼げるのか?」「副業としてどのくらいの収入が見込めるのか?」という疑問に、できるだけ数字ベースで答えるためのガイドです。
本記事では、次の流れで解説いたします。
YouTube収益の仕組みと収益化条件
収益計算式と重要指標(RPM・CPM)
再生回数・RPM別の収益早見表
収益計算ツールの使い方と注意点
自分のチャンネルの数値を使った実務的な計算手順
収益を増やすための具体的な打ち手
あくまで「目安」ではありますが、ご自身のチャンネルや構想中のチャンネルで、現実的な数字感をつかむ材料としてご活用ください。
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YouTube収益は「再生回数 × RPM」で概算できるが、RPMはジャンルや視聴者によって大きく異なる
収益化には、YouTubeパートナープログラムの条件(登録者数・総再生時間・ショート視聴回数など)を満たす必要がある
収益計算ツールは便利だが、前提となるRPMや条件が自分のチャンネルとズレていることが多く、あくまで目安として扱うべき
最も精度が高いのは、「自分のチャンネルの推定収益と再生回数からRPMを計算し、それを使って予測する」方法
収益は「再生回数 × RPM × 収益源の数」の掛け算であり、広告だけでなくメンバーシップや案件なども組み合わせることで現実的に伸ばしていける
YouTubeの収益はどう決まる?まずは仕組みを理解する
YouTubeパートナープログラム(YPP)の最新収益化条件
YouTubeで広告収入などを得るには、まず「YouTubeパートナープログラム(YPP)」に参加する必要があります。参加には一定の条件があり、2023〜2024年以降は次のようなパターンが用意されています。
代表的な条件(いずれかを満たす):
パターンA
チャンネル登録者数:500人以上
直近90日間に有効な公開動画が3本以上
直近12か月の有効な公開動画の総再生時間:3,000時間以上
パターンB
チャンネル登録者数:1,000人以上
直近12か月の有効な公開動画の総再生時間:4,000時間以上
パターンC
チャンネル登録者数:1,000人以上
直近90日間のショート動画視聴回数:1,000万回以上
これらに加えて、YouTubeの収益化ポリシーやコミュニティガイドラインに準拠していること、AdSenseアカウントの連携などが求められます。
広告収入以外の収益源
YouTubeで得られるお金は、広告収入だけではありません。公式には、次のような収益化手段が用意されています。
動画広告(インストリーム、ディスプレイなど)の収益分配
チャンネルメンバーシップ
Super Chat / Super Stickers / Super Thanks
ショッピング機能(グッズ販売など)
企業案件(タイアップ動画)※YouTube外の契約
アフィリエイト・自社商品の販売 など
本記事では主に「広告収入」を中心に解説しますが、最終的にはこれらを組み合わせて「トータルの収益」を設計していくことが重要です。
収益が発生するまでの流れ(審査〜支払い)
ざっくりとした流れは以下のとおりです。
収益化条件を満たす
YPPへの参加を申請
チャンネルの審査(ポリシー準拠の確認)
承認後、動画に広告が表示され収益が発生
AdSenseアカウントに収益が累積
一定額(通常は8,000円)を超えると銀行口座へ振込
収益計算を考える際は、「そもそも収益化条件を満たしているか」「いつ頃満たせそうか」もあわせて押さえておくと現実的な計画が立てやすくなります。
YouTube収益の基本計算式と重要指標(RPM・CPM)
収益計算の基本式「再生回数 ÷ 1,000 × RPM」
YouTubeの広告収入は厳密には多くの変数で決まりますが、概算する際の基本式は次のとおりです。
推定収益 ≒(再生回数 ÷ 1,000)× RPM
ここでいうRPMとは、「Revenue Per Mille(1,000再生あたりの収益)」の略です。
たとえば、
月間再生回数:50,000回
RPM:200円
の場合、
50,000 ÷ 1,000 × 200円 = 約10,000円
というイメージになります。
RPMとCPMの違い
よく混同される指標として「RPM」と「CPM」があります。
CPM(Cost Per Mille)
広告主が「広告1,000回表示」に支払う金額
YouTube側とクリエイターの分配前の金額イメージ
RPM(Revenue Per Mille)
動画再生1,000回あたりで、クリエイターが受け取る「実際の収益」
広告だけでなく、メンバーシップやSuper Chatなどを含む「総収益ベース」の指標
収益計算に使うべきなのは、クリエイター視点の「RPM」です。
YouTubeアナリティクスにも「RPM」という項目があり、過去の実績から実際の値が確認できます。
ジャンル別・国別でRPMが変わる理由
RPMはチャンネルによって大きく異なります。例として、日本語記事では以下のような目安が紹介されています。
エンタメ・ゲーム系:100〜300円程度
教育・ビジネス・金融系:500〜1,000円以上もあり得る
主な理由は以下のとおりです。
視聴者の属性(年齢・職業・所得など)
ジャンルごとの広告主の数と予算(金融系は広告単価が高くなりやすい など)
視聴者の地域(日本向けか、海外向けか)
動画の長さや広告の挿入本数
そのため、「1再生=◯円」と言い切ることはできず、一定のレンジの中で考えることが重要です。
再生回数・RPM別のYouTube収益早見表
ここからは、一般的なRPM相場を前提にした「ざっくりの目安」を表にまとめます。
※あくまで概算であり、実際の数値とは大きく異なる場合があります。
一般的なRPM相場を前提とした早見表
仮にRPMを以下の3パターンで想定します。
低め:100円(エンタメ系・ゲーム実況など)
中間:300円(一般的な解説系チャンネルなど)
高め:700円(金融・BtoB・専門性の高いジャンルなど)
再生回数別の月間収益目安(円)
| 月間再生回数 | RPM=100円 | RPM=300円 | RPM=700円 |
|---|---|---|---|
| 20,000回 | 2,000円 | 6,000円 | 14,000円 |
| 50,000回 | 5,000円 | 15,000円 | 35,000円 |
| 100,000回 | 10,000円 | 30,000円 | 70,000円 |
| 300,000回 | 30,000円 | 90,000円 | 210,000円 |
| 1,000,000回 | 100,000円 | 300,000円 | 700,000円 |
※計算式:再生回数 ÷ 1,000 × RPM
複数の日本語メディアでも、10万再生で1〜数万円程度、100万再生で10万〜数十万円程度というレンジが紹介されており、上記の表とも整合しています。
ジャンル別のイメージ
厳密なデータというより、あくまで「傾向」としてのイメージです。
エンタメ・Vlog・ゲーム実況:
広い層に届くが、広告単価は相対的に低め。RPM 100〜300円を想定。
教育・ビジネス・副業・投資系:
視聴者の購買力が高く、広告単価も高くなりやすい。RPM 300〜700円以上もあり得る。
副業で月3万円/10万円を目指す場合の必要再生回数例
上記の表をもとに、「月3万円」と「月10万円」を目標にした場合の、ざっくりした必要再生回数を示します。
目標:月3万円
RPM=100円想定:300,000再生/月
RPM=300円想定:100,000再生/月
RPM=700円想定:約43,000再生/月
目標:月10万円
RPM=100円想定:1,000,000再生/月
RPM=300円想定:約333,000再生/月
RPM=700円想定:約143,000再生/月
実際には、月ごとの変動や、広告以外の収益源(メンバーシップ・案件など)も加わるため、あくまで「目安」としてお考えください。
YouTube収益計算ツールの使い方と注意点
主な日本語対応の収益計算ツール
日本語圏でも、さまざまなYouTube収益計算ツールが提供されています。例として:
YouTube収益計算系のブログ記事+計算フォーム(例:Y-LAB、Filmoraなど)
単純な「再生回数 × 単価」の計算機(写真・動画系メディア、個人ブログなど)
チャンネルURLを入力すると推定収益を出す外部サービス(NoxInfluencerなど)
シミュレーション型の高度なツール(登録者数の増加や減衰率を加味するツールなど)
これらは「簡単に概算を知る」には便利ですが、前提となるRPMやCPMがサイトごとに異なるため、結果もバラつきやすい点に注意が必要です。
計算ツールが「外れやすい」ケースとその理由
収益計算ツールの数値が実際とズレる主な理由は次のとおりです。
そのツールが想定するRPMが、自分のチャンネルの実際のRPMと異なる
国や視聴者属性(日本・海外など)の違いが反映されていない
収益化対象再生(広告が表示された再生)の割合を考慮していない
ショート動画・ライブ配信などの収益化の仕組みを単純化しすぎている
海外フォーラムなどでも、「収益計算ツールはかなり大雑把な目安に過ぎない」という声が多く見られます。
ツールはあくまで「目安」として使う
したがって、ツールの使い方としては、
自分のジャンル・視聴者層に近いRPMを入力できるタイプのツールを使う
複数のツールでざっくりとしたレンジを確認する
最終的にはYouTubeアナリティクスの数値で現実を確認する
というスタンスがおすすめです。
自分のチャンネルの数値でより正確に収益を見積もる方法
ここからは、すでにチャンネルを運用している方向けに、「自分の数値」を使った計算手順をご紹介します。
YouTubeアナリティクスで確認すべき指標
YouTube Studioの「アナリティクス」から、次の項目を確認します。
対象期間の 推定収益
同じ期間の 総再生回数
「RPM」の値(表示されている場合)
もしRPMが表示されていれば、それをそのまま計算に使うことができます。表示されていない場合は、次の式で自分で求めます。
自分のRPM ≒ 推定収益 ÷ 総再生回数 × 1,000
過去データから自分専用の実質RPMを計算する手順
直近1〜3か月など、十分な再生数がある期間を選ぶ
その期間の「推定収益」「総再生回数」をメモ
上記の式でRPMを計算
可能であれば、別の期間(例:半年・1年)でも同様に計算
複数期間の平均RPMをとる
こうして求めた「自分専用のRPM」を使えば、外部ツールよりも実態に近い収益予測が可能になります。
新しい動画の収益を予測するステップ
1本の動画について予測したい場合は、次のステップで考えます。
その動画が どのくらい再生されそうか(過去の類似動画を参考に、保守的に予測)
チャンネル全体の 平均RPM を把握しておく
「予測再生回数 ÷ 1,000 × 平均RPM」で概算
例:
過去の類似動画の実績:2万〜5万再生
自分の平均RPM:250円
保守的に2万再生を想定すると、
20,000 ÷ 1,000 × 250円 = 約5,000円
この動画を月に何本出せるか、どのくらいの期間視聴され続けるかを掛け合わせることで、チャンネル全体の収益イメージも作りやすくなります。
YouTubeで収益を増やすための具体的な打ち手
収益は、単純化すると次の掛け算で考えることができます。
収益 ≒ 再生回数 × RPM × 収益源の数
再生回数を増やすための基本
タイトルとサムネイルで「誰にとって・何が得られる動画か」を明確にする
検索経由を狙う動画では、キーワードを意識したタイトル・説明文を設定する
最初の30〜60秒で「この動画を見る価値」を伝え、離脱を防ぐ
視聴者維持率を高め、関連動画やおすすめ枠に載りやすくする
RPMを高めるためにできること
「広告単価が比較的高いジャンル」を選ぶ、もしくは既存ジャンルの中で商業価値の高いテーマに寄せる
視聴者の年齢層や興味関心が、広告主のニーズとマッチするような企画を意識する
動画の長さを適切に保ち、必要であれば中間広告の挿入も検討する(ただし視聴体験を損なわない範囲で)
広告以外の収益源を組み合わせる
広告単価が低いジャンルの場合、広告収入だけで大きな金額を目指すのは現実的ではありません。その場合は、次のような収益源を組み合わせることで、トータルの収益性を高めることができます。
視聴者と関係性が深い場合:
メンバーシップ、Super Chat / Super Stickers / Super Thanks
専門性が高い場合:
オンライン講座・コンサルティング・ノウハウ販売
商品・サービスを持っている場合:
自社商品の紹介、ECサイトへの誘導
ブログやSNSと連携する場合:
アフィリエイト広告への送客
よくある質問(FAQ)
Q1. 登録者◯◯人だといくらくらい稼げますか?
登録者数と収益には相関はありますが、「必ずこの金額」という対応関係はありません。
実際の収益は、登録者数よりも 再生回数 と RPM に大きく依存します。
登録者が少なくても、バズ動画で大きな収益が発生することもある
登録者が多くても、再生されていない動画ばかりだと収益は伸びない
目安を知りたい場合は、「自分の平均RPM」を求めたうえで、再生回数ベースで考えることをおすすめします。
Q2. ショート動画だけでも収益はどのくらい見込めますか?
ショート動画は視聴回数を伸ばしやすい一方で、1再生あたりの収益は長尺動画と仕組みが異なり、一般に単価は低めです。
また、ショートの収益化方法はアップデートが続いているため、必ず最新の公式ヘルプを確認してください。
現時点では、「ショートで認知を広げつつ、長尺動画や他の収益源につなげる」戦略が主流です。
Q3. 収益が月によって大きくブレるのはなぜですか?
主な要因は次のとおりです。
広告主の予算(季節要因:年末は単価が上がりやすい 等)
動画の視聴回数の変動
視聴者層の変化(新しい層に届いた・国が変わった など)
メンバーシップやSuper Chatなど、広告以外の収入の有無
そのため、月単位ではなく、3〜6か月単位での平均値 で傾向を見ることをおすすめします。
Q4. 収益計算ツールの数字と、実際の振込額が違うのはなぜですか?
ツールが想定しているRPMがあなたのチャンネルと合っていない
支払い前に税金や為替の影響がある
未確定の推定収益と、実際の確定金額に差がある
一部の収益源(メンバーシップ・案件など)がツール上で考慮されていない
このため、ツールの数字は「方向感」をつかむものとして捉え、正確な金額の確認はYouTubeアナリティクスとAdSenseの管理画面で行う必要があります。