YouTubeの説明欄やコメント欄でよく見かける「00:00 オープニング」「05:32 商品紹介」などの表記は、いわゆるタイムスタンプです。
うまく設定できているチャンネルは、長尺動画でも視聴者が迷わず見たい場面に飛べるようになっており、「親切でプロっぽいチャンネル」という印象を与えています。
一方で、
- 「同じように書いているはずなのに、チャプターが表示されない」
- 「数字が青くならず、リンクにならない」
- 「PCとスマホで表示が違って混乱している」
といったお悩みもよく聞かれます。
本記事では、YouTube公式ヘルプの情報をもとに、
- タイムスタンプとチャプターの違い
- チャプター表示の公式条件
- PC/スマホ/コメント/共有リンクの設定手順
- 反映されないときのチェックリスト
- 長尺動画でも成果につながる運用のコツ
まで、まとめて解説いたします。
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タイムスタンプは「時間指定リンク」、チャプターは「一定条件を満たしたタイムスタンプの集合」です。
チャプター表示の主な条件は、
- 00:00から始める
- 3つ以上・昇順で並べる
- 1チャプター10秒以上
- 半角数字・コロンで正しい書式にする
という4点です。
PC・スマホ・コメント欄・共有リンクなど、複数の方法でタイムスタンプを活用できます。
表示されない場合は、チェックリストに沿ってフォーマット・本数・順序・自動チャプター設定などを順番に確認することが重要です。
長尺動画ほど、視聴者目線で丁寧にタイムスタンプを設計することで、視聴維持率やチャンネルへの信頼感向上につながります。
最初から完璧な設計を目指す必要はありません。
まずは1本、シンプルな構成でもよいのでタイムスタンプを付けてみて、視聴者の反応や視聴データを見ながら少しずつ改善していってください。
タイムスタンプは、「視聴者の時間を大切にするための導線」です。
YouTubeの「タイムスタンプ」と「チャプター」とは?
まずは用語を整理します。
- タイムスタンプ
動画の特定の時間を指定するための「時間表記」のことです。
例:00:00 オープニング、05:32 機能紹介など。 - チャプター(動画チャプター)
説明欄のタイムスタンプをもとに、YouTube側が動画を「章立て」してくれる機能です。
条件を満たすと、再生バー(シークバー)が区切られ、マウスオーバー時に章タイトルが表示されます。
ポイントは、
タイムスタンプ自体は単なる時間リンクであり、その並べ方・書き方が一定の条件を満たしたときに「チャプター」として扱われる
という点です。
投稿者側のメリットは次のとおりです。
- 長尺動画でも、視聴者が離脱しづらくなる
- 見たい情報にすぐ辿り着けるため、チャンネルへの好感度が上がる
- 情報量の多い動画でも「目次」がわかりやすくなり、再生されやすくなる
視聴者側にとっても、時間を無駄にせず欲しい情報に飛べるため、満足度の高い視聴体験につながります。
タイムスタンプがチャプターになる条件(公式仕様の整理)
YouTube公式ヘルプでは、動画チャプターを手動で追加する際の条件が明確に示されています。要点を日本語で整理すると、次の4つが重要です。
- 最初のタイムスタンプは「00:00」から始める
- タイムスタンプは3つ以上必要
- タイムスタンプは時間の早い順(昇順)に並べる
- 1つのチャプターは10秒以上の長さにする
これらを満たして初めて、説明欄のタイムスタンプが「チャプター」としてシークバーに反映されます。
さらに、書式面では次の点も重要です。
- 数字は半角で入力する(全角だと認識されない場合があります)
- 時間と章タイトルの間には、スペースまたはハイフンを入れる
例:00:00 オープニングまたは00:00 - オープニング - 1時間を超える動画の場合は
1:05:10のように「時:分:秒」の形式で記述する
これらはすべて、チャプター機能を安定して動作させるための基本ルールです。
タイムスタンプの基本的な書き方・フォーマット
具体的な書き方のイメージをいくつか挙げます。
例:10分程度の動画(1時間未満)
00:00 オープニング
00:45 本日のテーマ紹介
02:10 機能①:基本操作
05:32 機能②:応用テクニック
08:40 まとめ
mm:ss 説明文の形式で記述します。2桁でなくても動作しますが、見た目と読みやすさの観点から、2桁表記(05:32など)を推奨します。
例:1時間を超える配信アーカイブ
1時間を超える部分は
1:02:10のように「時:分:秒」の形式で記載します。配信アーカイブの場合、「曲」「コーナー」「話題」ごとに区切ると、視聴者が目的のシーンを探しやすくなります。
見出し文を書くときのポイント
一目で内容が分かるように、具体的な名詞を入れる
NG:05:32 説明
OK:05:32 料金プランの比較長くなりすぎると概要欄が読みにくくなるため、20〜30文字前後を目安に簡潔にまとめます。
ハウツー系動画の場合は、検索されやすいキーワードを含めると、SEO上もプラスに働く可能性があります。
実践:タイムスタンプの設定方法【PC/スマホ/コメント/共有リンク】
ここからは、実際の操作手順をデバイス別に整理します。
PC(YouTube Studio)で概要欄にタイムスタンプを設定する手順
YouTube Studioにログイン
左メニューから 「コンテンツ」 をクリック
タイムスタンプを付けたい動画のサムネイルまたはタイトルをクリックし、「詳細」 画面を開く
「説明」欄に、先ほどの形式でタイムスタンプと見出しを入力
例:
00:00 オープニング
01:20 サービス概要
05:45 料金プラン
09:10 よくある質問右上(または右下)の 「保存」 をクリック
公開側の動画ページを開き、再生バーにチャプターが表示されているか確認
チャプターが表示されない場合は、後述のチェックリストに従って原因を確認してください。
スマホ(YouTubeアプリ)から概要欄を編集してタイムスタンプを付ける方法
スマホアプリでも、説明欄を編集すればタイムスタンプを設定できます。
YouTubeアプリを開き、右下の 「ライブラリ」 → 「自分の動画」(またはチャンネルアイコン→「チャンネル」)を開く
対象動画の右側にある 「︙」メニュー をタップ
「詳細を編集」 をタップ
「説明」の欄に、PCと同様の形式でタイムスタンプを入力
右上の 「保存」 をタップ
公開ページで表示を確認
スマホで長文を入力するのが大変な場合は、
一度PCでフォーマットを作っておき、メモアプリなどに保存
スマホではコピペして、時間部分だけを修正する
といった運用もおすすめです。
コメント欄にタイムスタンプを付ける方法(投稿者・視聴者共通)
コメント欄でも、時間表記を書くだけで自動的にリンクになります。
このようなコメントを投稿すると、数字部分が青くなり、タップすることでその時間から再生されます。
投稿者としての活用例
自分でタイムスタンプ一覧コメントを投稿し、コメントをピン留め(固定) する
視聴者が付けてくれたタイムスタンプコメントを引用し、概要欄にも反映する
視聴者としての活用時のマナー
配信者が意図していないネタバレ(オチ・結果など)を、タイムスタンプで露骨に示しすぎない
不適切なシーン・プライバシーに関わる場面へのタイムスタンプは控える
他の視聴者が見て分かりやすいように、最低限の説明文も添える
特定の時間から再生されるURL(共有リンク)を作る方法
タイムスタンプをURLとして共有したい場合には、次の方法があります。
方法1:再生バーの位置から共有
共有したい時間まで動画を再生する
動画下の 「共有」 ボタンをクリック(タップ)
「開始位置」にチェックを入れる(または「この動画の開始位置を指定」オプションを有効にする)
表示されたURLをコピーして共有
方法2:URLに t= パラメータを手動で付与
通常のURLに
?t=秒数を付けることで、その秒数から再生が始まります。例:
https://www.youtube.com/watch?v=xxxxx&t=90→ 90秒(1分30秒)から再生
既にパラメータが付いている場合は、
&t=90のように&でつなぎます。
タイムスタンプが「反映されない/リンクにならない」時のチェックリスト
ここからは、実務で特に質問の多いポイントです。順番に確認していくことで、原因を切り分けやすくなります。
チャプターとして表示されないときのチェックリスト
最初のタイムスタンプが「00:00」になっているか
例外的な形式で書いていないか(
0:00や00.00など)
タイムスタンプが3つ以上あるか
2つ以下だとチャプターとして認識されません。
時間が昇順に並んでいるか
時系列がバラバラだと無効になります。
例:
03:10の後に01:30が来ていないか確認。
各チャプターが10秒以上の長さになっているか
9秒以下のチャプターが混ざっていると認識されない可能性があります。
数字・コロンが半角になっているか
全角数字(123)や全角コロン(:)が混ざっていないか確認してください。
説明欄に紛らわしい時間表記が混ざっていないか
上部の本文などに
2025/01/01 10:00のような時間表記があると、YouTube側の解析が複雑になるケースがあります。一度シンプルな構成にして、問題箇所を切り分けると原因が見えやすくなります。
自動チャプター機能の設定状況
YouTube Studioの設定で「チャプターと重要なパートの自動生成」がどうなっているか確認します。
手動チャプターを優先したい場合は、公式ヘルプに沿って設定を見直してください。
数字が青くならずリンクにならないとき
時間と時間の間に余計な記号や文字が入っていないか
(例:0:30(全角コロン)、0-30(ハイフン)など)行の先頭付近に余計な文字がないか
例:・00:30 オープニングのように記号を先頭に置くと、環境によっては認識されにくいことがあります。改行やスペースの入り方に不自然な点がないか
一度、最もシンプルな3行だけ を残してテストすると、書式の問題かどうか切り分けやすくなります。
これで正常にリンクになれば、それ以外の部分に問題がある可能性が高いです。
それでも表示されない場合にできること
別の動画で同じフォーマットを試してみる(動画固有の問題かどうか)
別ブラウザ・別デバイスから表示を確認する(キャッシュや表示差の可能性)
YouTubeのコミュニティフォーラムで似た事例がないか確認する
最終的に、YouTubeへフィードバックを送信する
仕様や挙動は今後も変わる可能性がありますので、「一度設定すれば終わり」ではなく、必要に応じて見直す前提で運用するのがおすすめです。
成果につながるタイムスタンプ運用のコツ
単にタイムスタンプを付けるだけでなく、成果につなげるための工夫をご紹介します。
視聴者目線での区切り方の基本
話題が切り替わるタイミング で区切る
よく質問されるポイント・つまずきやすい箇所にチャプターを置く
複雑な説明が続く場合は、「概要」「詳細」「事例」 など段階ごとに分ける
目安としては、
10〜15分の動画:5〜8チャプター程度
30分前後の動画:8〜12チャプター程度
1時間以上のアーカイブ:10〜20チャプター程度
をスタートラインとし、実際の視聴データ(どこで離脱が多いか)を見ながら調整していくとよいです。
概要欄内のおすすめ配置
概要欄には、通常、次のような要素が入ります。
動画の要約・リード文
重要なリンク(公式サイト、資料請求、SNSなど)
タイムスタンプ一覧
補足情報・免責事項など
タイムスタンプは、
あまり上すぎると、URLや概要説明が下に追いやられてしまう
一番下すぎると、視聴者に気付かれにくい
という課題があります。実務上は、「リード文+主要リンク」のすぐ下〜中ほど に配置するのがバランスがよいと感じています。
ジャンル別:すぐ使えるタイムスタンプテンプレート
商品レビュー動画
ハウツー・解説動画
配信アーカイブ(雑談+歌枠など)
これらのテンプレートをベースに、実際の構成に合わせて時間とラベルを書き換えていただくと、作業がかなり楽になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 過去動画にもタイムスタンプを付けた方がよいですか?
可能であれば、再生数が多い動画・検索流入が多い動画から優先して付けることをおすすめします。
長尺で情報量の多い動画ほど、タイムスタンプの効果が出やすい傾向があります。
Q2. 自動チャプターと手動タイムスタンプ、どちらを優先すべきですか?
内容を細かくコントロールしたい場合や、誤認識が困る場合
→ 手動タイムスタンプをベースに運用 するのがおすすめです。手間を減らしたい・ざっくりの区切りでよい場合
→ 自動チャプターを有効にし、必要に応じて要所だけ手動で補う運用も可能です。
Q3. 概要欄が長くなりすぎるのが心配です。
動画の要約と重要なリンクを最上部にまとめたうえで、
タイムスタンプは1行1チャプターに整理する
ことで、長くなっても**「スキャンしやすい一覧」**として読まれやすくなります。
むしろ、長尺動画なのにタイムスタンプがない方が、視聴者からは不親切に見えるケースもあります。
Q4. 視聴者がつけたタイムスタンプコメントをそのまま利用しても問題ありませんか?
一般的には、視聴者の好意で付けてもらったタイムスタンプを概要欄に反映することはよく行われている運用です。
ただし、
コメントの文言をそのまま使う際は、誤解を招く表現や不適切な表現が含まれていないかを確認する
視聴者名など個人を特定できる情報はそのまま移さない
といった点に配慮すると安心です。