「著作権の“申し立て”、とりあえず様子見で…」――その判断、あとで収益の消失やチャンネル終了につながるかもしれません。
YouTube上の“申し立て”は大きくContent IDクレームと著作権ストライクの2種類。放置で済む場面もありますが、対応を誤れば動画の露出や信用に長く影響が残ります。
本記事では、両者の違いと無視したときのリアルなリスク、そして最短で安全に収束させる実務フローを、テンプレとチェックリスト付きで解説。
BGMの差し替えから反通知の判断基準まで、迷いどころを一つずつ整理し、創作に集中できる状態へ戻すお手伝いをします。読み終えるころには、あなたの次の一手が自信を持って即決できるはずです。
※本記事は一般情報であり、法的助言ではありません。
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YouTubeの著作権対応でいちばん危険なのは、**「よく分からないから放置」**です。
Content IDクレームはチャンネル罰則こそ通常ないものの、収益や視聴機会の継続的な損失につながります。
著作権ストライクは90日管理/3本で終了という、アカウントの存続に直結する問題です。
最も安全な道は、①まず種類を見極める、②証拠をそろえる(ライセンス・自作証明・引用の根拠)、③適切な処理を選ぶ(ミュート/差し替え/異議/撤回依頼/反通知)の三段階。この記事のテンプレを使えば、感情論に流されず事実ベースで短期決着が狙えます。創作に時間を取り戻すためにも、今ある“申し立て”を今日中に1件だけでも処理してみてください――小さな一歩が、動画の露出・収益・安心を守ります。
※反通知やグレーな判断は法的リスクを伴う可能性があるため、必要に応じて専門家へご相談ください。
“申し立て”は2種類。ここを混同しない
A) Content ID クレーム(自動マッチ)
仕組み:音声・映像の指紋一致。権利者がブロック/収益化/トラッキングのポリシーを設定。地域別に異なる場合もあり。
放置の影響:収益は権利者へ、または視聴ブロックが継続。チャンネル罰則は通常なし。ショートはクレーム継続中は非表示。
B) 著作権“削除リクエスト”→ストライク
仕組み:権利者が法的な削除要請を提出。妥当と判断されると動画削除+ストライク。90日で失効(要・著作権スクール)。3本でチャンネル終了。
例外:7日“予約削除”が付与されたケースのみ、7日以内に自分で動画を削除すればストライク回避可。それ以外は削除してもストライクは残る。
何もしないとどうなる?(無視リスクの実像)
Content ID クレームを無視
収益は権利者に入り続ける/ブロック継続。ショートは表示されないまま。
ストライクを無視
90日間、機能制限(例:生配信の制限)や心理的・商業的ダメージ。3本でチャンネル終了。
最短で安全に収束させる“実務フロー”
STEP 0:YouTube Studioで種類確認
「コンテンツ」→該当動画→「制限」欄→詳細でContent IDクレームかストライクかを判定。
STEP A:Content IDクレームだったら
権利処理がない/BGMだけ一致
→ 該当区間をミュート/トリミング/曲差替。処理が通ればクレーム解除。ライセンスあり/自作なのに誤判定
→ 異議申立て(権利者の回答期限最大30日)。却下されたらアピール(7日以内に回答)。収益は諦めて視聴性を優先
→ クレーム放置(許容)も選択肢。ただしショートは非表示なので視聴優先なら対処推奨。
注意:根拠の薄い異議乱発は削除リクエストへエスカレート→ストライクの引き金に。
STEP B:著作権ストライクだったら
選択肢は3つ。同時並行も可。
(1) 撤回依頼:権利者に取り下げをお願い(公式フォーム動線あり)。
(2) 90日+著作権スクール:時間経過で失効(3本未満が条件)。
(3) 反通知(カウンターノーティス):誤削除/例外(引用・フェアユース等)に自信がある場合。権利者は10営業日以内に訴訟の証拠を示さない限り動画復活&ストライク解消。
成功確率を上げる“証拠づくり”と書き方
証拠フォルダに入れるもの
購入ライセンス(領収書、注文ID、提供元名、ライセンス規約URL・PDF)
自作の証明(プロジェクトファイル、撮影データのメタ情報、未公開素材)
引用/批評等の主張根拠(引用の必要性・量・目的、代替可能性、変容性の説明メモ)
やり取りログ(提供元や権利者とのメール、チケット番号)
異議申立てテンプレ(Content IDクレーム)
※30日以内に相手の応答。却下ならアピール(7日の短期決着)。
反通知テンプレ(ストライク)
※提出後、権利者に10営業日の訴訟提出猶予。提出がなければ復活&ストライク解除。
よくある“誤解”と正解
「クレジット表記したからOK」 → ×。権利者の許諾または適法な例外が必要。
「CDや有料購入だから配信も自由」 → ×。公衆送信権等は別管理の場合が多い。
「動画を消せばストライクも消える」 → ×。**7日“予約削除”**を除き、削除では解決しない。
「Content IDは“警告”だから完全放置でいい」 → △。収益が失われる/ブロック継続。ショートは非表示。
事例で学ぶ:ケース別の最適解
ケース1:BGMだけ一致(収益は要らない)
最短解:該当区間をミュート。解除後に自前BGMへ差替。
ケース2:サブスク音源を正規購入しているのにクレーム
最短解:異議申立て+購入証拠添付。30日ルールで決着、却下なら7日アピールへ。
ケース3:不当な削除リクエスト(引用・批評)
最短解:反通知。10営業日以内に相手が法的措置の証拠を示せなければ復活。同時に撤回依頼も打診。
ケース4:ショートで人気の音源を使ってしまった
最短解:曲差替 or ミュート。クレームが乗っている限り表示されない
“危険サイン”の見極めチェックリスト
❶ 「ストライク」表示(=法的削除)/「7日以内に削除で回避可」の文言がある
❷ 同時多発のストライク(2本以上)→終了リスクが跳ね上がる
❸ ライブ配信の制限通知(著作権由来の機能制限)
❹ ショートの視聴不可(Content IDが乗ったまま)
❺ 連携チャンネルを持つ(終了リスクの波及注意)
失敗しない“運用ルール”5箇条
音源・映像は“再利用許諾”の有無で選定(ロイヤリティフリーでも用途制限を必ず確認)
素材ごとに“証跡”を保存(注文ID・規約・請求書・スクショ)
ショートは音源厳格(クレーム=非表示のため、事前に確認)
異議は“事実と証拠”だけ(感情や長文は避ける。30日→7日ルールを活用)
ストライクは“撤回・反通知・90日”で早期収束(削除では基本消えない)
よくある質問(FAQ)
Q. 異議や反通知で“報復的”にアカウントへ悪影響は?
A. 公式には、正規のプロセスを使うこと自体がペナルティになることはない。ただし根拠薄い異議の乱発は削除リクエスト(=ストライク)に発展し得るため注意。
Q. ストライクの“90日”はどう数える?スクールは毎回必要?
A. 付与日から90日。著作権スクールは1度受講すればOK。
Q. 3本で即終了?
A. 同一90日内に3本でチャンネル終了。
Q. 予約削除の7日を見逃したら?
A. 7日経過後は削除してもストライクは残る。撤回依頼や反通知で対処。
すぐ使える“コピペ”メッセージ集
撤回依頼メール(権利者向け)
(撤回手順の根拠)
反通知送付後の待機メモ
10営業日以内:相手が訴訟の証拠をYouTubeに提示→非復活
期限切れ:自動復活&ストライク解除(自分で削除していた場合は復活しない)