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YouTubeのスクショは著作権に抵触?SNS投稿でOKな範囲を解説

そのスクショ、投稿ボタンを押す前に——。
YouTubeの名場面を切り取ってSNSに載せるのは、手軽なようでいて著作権リスクが潜みます。とはいえ、すべてがダメではありません。
日本の著作権法には「引用」などの例外があり、目的・主従・区別・出所明示を満たせば適法に使える場面もあります。
本記事では、最新の実務感覚に合わせて「OK/NGの線引き」「失敗しない手順」「安全な代替(リンク・埋め込み)」を、迷いなく判断できるレベルまで解説。
企業運用でも個人投稿でも、炎上と削除要請を回避しながら、伝えたい内容をきちんと届けるための実装ポイントを整理します。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

この記事のまとめ
  • 基本原則:YouTube動画のスクショをそのままSNSに投稿するのは、原則NG寄り
    ただし、引用の要件(正当目的/主従関係/明瞭な区別/出所明示/非改変)をすべて満たす場合などに限り、例外的に可能。

  • 最優先の運用:迷ったらリンク or 埋め込み。それで目的を果たせるなら、静止画の再投稿は避ける。

  • やむを得ず静止画が必要なとき

    1. その画像が論旨に必須か検証 → 2) 最小限だけ使う → 3) 区別表示+出所明示を徹底 → 4) 改変しない → 5) 投稿先の規約(X/Instagram/YouTube)を再確認。

  • 企業アカウント:UGC活用や広告素材化は特にリスク高。明示の許諾取得記録保全を標準フローに。

最短の安全策は「引用を厳格に運用するか、リンク・埋め込みで代替するか」。これだけで、法的・規約的な落とし穴の大半は回避できます。
※本記事は一般的な情報提供であり、個別の事情によって結論が変わる場合があります。重要な判断は専門家にご相談ください。

まず押さえる著作権の基本(30条/32条/30条の2)

  • 公開前提のネットでも、著作権は自動発生。動画・サムネ・場面カットはすべて著作物になり得ます。

  • 私的使用(著作権法30条)は「個人や家庭内の範囲での複製」を許容する規定。SNSに投稿した時点で「私的」ではなくなるので、スクショの公開は対象外です。

  • 引用(32条1項)は、「報道・批評・研究などの目的で、正当な範囲内」で主従関係・必然性・明瞭区分・出所明示・非改変などを満たせば、許諾なく複製や公衆送信(=SNS投稿)まで可能にする“強い”権利制限です。

  • 付随対象著作物(30条の2)はいわゆる「写り込み」。主たる対象を撮る際に不可避的に入り込む著作物は、許諾なく複製・公衆送信など広く利用可。ただし主役化させないことが大前提です。


「引用」適法の5要件を、スクショに当てはめて点検

A. 目的の正当性:批評・検証・学術・報道など、スクショがないと論旨が成立しない状況か。感想ツイート用に「かっこいいシーンを共有」は弱い。
B. 主従関係:本文(自分の論説)が主、スクショは従。画像だらけ/場面集は崩れやすい。
C. 明瞭な区別:引用部分を枠・キャプション・引用ラベルで切り分ける。本文と混在させない。
D. 出所明示(48条):「出所:YouTube『チャンネル名/動画タイトル(URL)』」などを明記。
E. 非改変:意図を誤解させるトリミング・合成・過度な加工は×。

実務ヒント:サムネ・リンクで代替できるなら引用の必然性は下がります。まず埋め込み(YouTubeの共有機能)を検討。利用規約上も視聴と共有の設計が優先されます。


プラットフォーム規約の壁(YouTube/X/Instagram)

  • YouTube:利用規約は動画やサムネ等の無断再利用を広く制限。視聴・共有(埋め込み)はOKだが、静止画として切り出し再投稿はリスクが高い。コミュニティガイドラインでは画像(サムネ含む)の適合も要求。

  • X(旧Twitter):著作権ポリシーに基づき、無断アップロードやリンクも通報対象。「権利あるものだけ投稿」が原則。

  • Instagram:ヘルプセンターは著作権尊重を明示。侵害報告の正式フローあり。無断転載は削除対象になり得ます。


具体ケースで“線引き”を示す

OKに近い(※全て引用要件を満たす前提)

  • 検証記事:「動画内○:○○のテロップ誤記を指摘」→問題箇所のみ最小限のスクショ+本文で論旨展開+出所明示。

  • 写り込み:講演会の写真に背面のスクリーンが偶然映る程度(主役は登壇者)。スクショではなく現場写真の例だが、“付随性”の考え方が参考になる。

NGに近い

  • 名場面カタログ:批評・研究の必然性なく、人気シーンの大量スクショまとめ。主従関係崩壊。

  • 誤解を誘う加工:切り抜き・字幕改変で原意を変える。人格権(同一性保持権)問題も。

  • 収益運用の素材化:他者動画の静止画を素材として常用(バナー・サムネ等)。規約面でも危険。


安全運用フロー(社内標準にそのまま落とせる版)

  1. 目的確認:批評・検証等の引用目的か?(Yes/No)

  2. 代替検討リンク/埋め込みで足りないか?(Yesなら静止画不要

  3. 最小限抽出:対象シーン最小+引用目的に必須な範囲のみ

  4. 区別表示:画像枠・「引用」ラベル・本文とは別ブロック。

  5. 出所明示

    出所:YouTube「チャンネル名/動画タイトル」(URL)より引用(アクセス:2025年00月00日)
    (※日付は日本時間で固定)

  6. 改変禁止:色味微調整等も原意変更の恐れがあれば回避。

  7. プラットフォーム適合:投稿先の著作権ポリシー再確認(X/Instagram)。

  8. ログ保全:意図・必要性・引用箇所特定・出所URL・スクショ作成日時を記録(社内監査・異議対応用)。


キャプション/クレジットの即使えるテンプレ

  • 基本形

    出所:YouTube「◯◯チャンネル」「動画タイトル」(URL)より引用/本記事は当該動画の◯◯表現についての批評

  • SNS短文形(X向け)

    引用:YouTube「動画タイトル」(URL)。本文は該当箇所(○:○○)の事実関係を検証

  • 英日併記が必要なとき

    Source: YouTube “Title” (URL), quoted for criticism at 00:00:00; analysis in the caption.


よくある誤解Q&A

Q1:URLを貼っただけならサムネが自動で出るけど大丈夫?
A:プラットフォームの埋め込み挙動は、YouTube等の規約設計に沿う利用態様。自分で静止画を切り出して再投稿とは区別されます。まずはURL共有で運用しましょ

Q2:自分の端末に保存するスクショは?
A:私的使用(30条)の範囲ならOKだが、公開した瞬間に対象外。SNS投稿は別次元です。

Q3:動画の“写り込み”スクショならOK?
A:「写り込み(30条の2)」は主たる対象の付随物に限る規定。スクショの主役として動画の画面を見せるなら“付随”ではありません。

Q4:海外の“フェアユース”は使える?
A:日本法では32条の引用等で評価。海外のフェアユースはその国の法の話で、日本の一般視聴者向けSNS投稿では日本法の要件を押さえるのが先です


企業SNS運用のリスク低減チェックリスト

  • リンク/埋め込み優先の社内ルール(代替可能なら静止画禁止)。

  • 引用の5要件シートを投稿前承認フローに組込。

  • テンプレクレジットスクショ保全(出所URL・時刻・該当秒数)。

  • プラットフォーム別ポリシーの定期点検(X/Instagram/YouTube)。

  • 素材化”の禁止(広告・サムネ・常設バナーへの流用を原則不可)。