新歓の案内を見ていると、「このサークル大丈夫かな」「ヤリサーって本当にあるの?」と不安になることは珍しくありません。けれど、友達は作りたいし、大学生活のスタートを失敗したくない——その気持ちも同じくらい自然です。
本記事では、ヤリサーという言葉に振り回されず、危ない場を避けるための判断軸を整理したうえで、新歓で出やすい危険サイン、参加前に決めておくべきルール、その場で角を立てずに断って帰る手順を、すぐ使える形で詳しく解説いたします。さらに、飲酒トラブルの基本的な救護や、困ったときに頼れる相談先、記録の残し方まで一気通貫でまとめました。
「怖いから全部行かない」ではなく、安全に楽しむための準備をして、自分の意思で選べる状態を作りましょう。読み終えたときには、誘いに流されずに行動できる具体策が手元に残るはずです。
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ヤリサーの意味と、飲みサーとの違い
ヤリサーが指すもの
「ヤリサー」は、大学のサークルやインカレ団体を名乗りながら、実態としては“活動”よりも飲み会や宿泊イベントを通じて、特定の相手と性的な関係を作ることを強く目的化している集団を指す俗語として使われます。ポイントは、恋愛そのものが悪いという話ではなく、上下関係・飲酒・密室・同意の軽視などを利用して、相手の意思決定を歪めるような構造が入り込みやすい点です。
新歓期は「友達がほしい」「大学生活を早く軌道に乗せたい」という気持ちが強く、断ることに心理的ハードルが生まれやすい時期です。そこで、経験者が多い上級生側が空気を作ると、本人の意志とは別に流されてしまう場面が起きます。ヤリサーが問題視されるのは、まさにこの“流されやすさ”に付け込むような場づくりが、飲み会や合宿などで起きやすいからです。
一方で、「ヤリサー」という言葉は噂として独り歩きしやすく、証拠がないまま特定の団体や個人を断定するのは危険です。誤解や偏見を生むだけでなく、健全な活動をしている団体が巻き込まれることもあります。ですので、名称や噂だけで決めつけるのではなく、実際の運営のしかた・安全配慮・断りやすさなど、行動の中身で見ていく視点が重要です。
飲みサーと混同しやすい理由
「飲みサー」は、活動より飲み会が中心になりがちなサークルを指すことが多く、ヤリサーとセットで語られてしまう場面がよくあります。混同が起きる理由はシンプルで、どちらも「飲み会が多い」「二次会に誘う」「距離感が近い人がいる」といった外見上の共通点があるからです。
ただし、飲み会が多い=即危険、とは限りません。飲み会中心でも、未成年飲酒をさせない、飲めない人への配慮がある、終電で帰れる雰囲気を作る、ハラスメントを許さないルールを明示している、といった団体もあります。逆に、スポーツやボランティアなど活動実態があるように見えても、合宿や打ち上げの場面だけ急に密室化し、上下関係を使って断りにくくするケースもあり得ます。
つまり、判断の軸は「飲み会があるか」よりも、次のような設計にあります。
飲酒の扱いがルール化されているか(年齢確認、強要の禁止、介抱体制)
断ったときに空気が悪くならないか(“断りやすい空気”があるか)
二次会以降の行き先が健全か(家飲み、宿泊の強要がないか)
写真・動画・SNSの扱いに配慮があるか(同意なく撮らない、投稿しない)
この軸を持っておくと、「飲み会があるから怖い」という漠然とした不安が、「ここが危ない」「ここは大丈夫そう」という具体的な判断に変わっていきます。
言葉だけで決めつけないための前提
新歓期は情報が多く、噂が拡散されやすい時期です。「あそこはヤリサーらしい」「友達が嫌な思いをしたらしい」という話が回ってきても、当事者が誰で、何が起きたのかが曖昧なことも少なくありません。噂は参考程度に留めつつ、最後は自分の目で確かめる姿勢が必要です。
そのうえで、参加する前に押さえておきたい前提が3つあります。
1つ目は、途中で帰ってよいという当たり前の権利です。新歓は面接でも試験でもありません。早退することで合否が決まるような場ではないので、合わないと感じたら離脱して構いません。
2つ目は、同意のない飲酒や身体接触は受け入れる必要がないことです。曖昧な空気の中で相手が距離を詰めてくるほど、短く明確に線引きをすることが重要になります。
3つ目は、困ったら相談できる場所があることです。大学には学生相談、ハラスメント相談窓口、保健センターなど、困りごとを受け止める仕組みがあります。相談は「大事にしたい人」だけのものではなく、早い段階で状況整理をするためにも使えます。
この前提を持ったうえで、次章の「サイン」と「勧誘パターン」を見ると、警戒すべきポイントがはっきりしてきます。
ヤリサーを疑うサインと勧誘パターン
新歓で出やすい危険サイン
危険サインは、細かな言動よりも「構造」として現れます。特に新歓期に出やすいのは、次の3方向です。
判断力を落とす方向:飲酒を急がせる、強い酒を勧める、ゲームで飲ませる、飲まない人をからかう
帰り道を奪う方向:終電の確認を嫌がる、駅から遠い場所へ移動させる、行き先を直前まで隠す、タクシー同乗を当然視する
断りにくくする方向:先輩が囲む、少人数に分断する、「帰るの?ノリ悪い」など雰囲気圧をかける、写真撮影を盾にして逃げにくくする
ここで重要なのは、1つのサインだけで決めるのではなく、複数が重なっているかを見ていくことです。たとえば「飲み会がある」だけでは判断できませんが、「飲酒を急がせる」「終電を軽視する」「二次会の場所が家」などが連続すると、警戒の度合いは上がります。
また、新歓は“初対面の集まり”であるため、誰もが空気を読みがちです。相手が優しく見えても、「断った瞬間の反応」で本性が出ることがあります。断って不機嫌になる、しつこく理由を聞く、周囲を使って圧をかける、こうした挙動は見逃さないようにしてください。
活動実態が薄いサークルの見抜き方
活動実態が薄いこと自体が即危険というわけではありませんが、危ない団体ほど「説明がふわっとしている」「責任者が見えない」「お金や場所が曖昧」という傾向が出やすいのは事実です。新入生が確認しやすいのは、次の観点です。
いつ・どこで・何をするのか:週何回、場所、参加費、初心者の扱い
年間の予定:新歓後に何があるか(大会、制作、発表、ボランティア、練習など)
運営者と責任の所在:代表は誰か、連絡窓口は誰か、トラブル時の対応はどうするか
会計の透明性:会費、集金方法、使途、領収書、会計担当
ルールの明示:未成年飲酒の禁止、飲酒強要の禁止、ハラスメント禁止、写真投稿の扱い
ここで「行けばわかる」「とりあえず来て」「ノリで」しか返ってこない場合は注意が必要です。逆に、丁寧に説明できる団体は、運営がある程度整っている可能性が高いです。
見抜くコツは、質問を増やしすぎて詰問にならないようにしつつ、“事実”を聞くことです。「うちは安全?」と聞いても「安全だよ」と言われるだけですが、「未成年がいたらお酒はどうしてる?」「二次会はいつもどこ?」など、具体を聞くと矛盾が出やすくなります。
二次会・家飲み・合宿で起きやすい誘導
一番リスクが上がるのは、一次会の外に出た瞬間です。店内は第三者(店員)がいて、一定の公共性がありますが、二次会でカラオケ個室、誰かの家、宿泊施設に移ると、密室性が上がります。密室性が上がるほど、断りづらさや危険が増します。
典型的な誘導パターンは次のとおりです。
「もう少し話そう」→家飲みに移動:場所の安全性が急落し、帰りづらくなります
「終電逃しても泊まれる」→終電を逃す流れを作る:最初から遅い時間設定の集合や、移動に時間がかかる場所を選ぶ
「みんなで雑魚寝」→境界線が消える:男女混在、個別の部屋がない、鍵がかからない
「ここだけの話」→少人数に分断:周囲の目が減り、助けを求めづらくなります
「行かなければよかった」と後悔しやすいのは、往々にして“二次会以降”です。したがって、予防としては、一次会の時点で「今日は一次会だけで帰る」と決めておくのが効果的です。
新歓に行く前の安全準備チェックリスト
参加前に決める3つのルール
新歓当日は、情報量が多く、判断が遅れると流れに乗せられやすくなります。そこで、出発前に「自分の中のルール」を3つだけ決めておくと、迷いが減ります。
帰宅の上限時刻を決める(終電基準)
終電を調べ、余裕をもって「この時間に店を出る」と決めます。上限を決めるだけで、「もう少しだけ」が連鎖するのを止められます。二次会の基準を決める(原則行かない、行くなら公共性の高い場所のみ)
家飲み、宿泊、誰かの部屋は行かない。二次会に行く場合も、駅前の明るい場所、短時間で切り上げるなど、条件を付けます。飲酒と身体接触は曖昧ならNO
「嫌だと言いづらい」「場を壊したくない」は自然な気持ちですが、線引きが曖昧だと相手は踏み込みやすくなります。短く明確に断る方が、結果的にトラブルが小さくなります。
この3つは、友達作りを諦めるルールではありません。むしろ、自分の境界線を尊重できる人とだけ関係を作るための土台になります。
持ち物と連絡手段
安全対策は大げさに感じるかもしれませんが、事前準備は“使わないために用意する”ものです。最低限、次を整えると安心感が上がります。
現金:帰宅の交通費、緊急のタクシー代の足し
モバイルバッテリー:連絡手段が途切れるのが一番困ります
帰宅経路の把握:最寄り駅、終電、代替ルート、駅から家まで
位置情報共有:信頼できる友人・家族に一時共有(状況によりON/OFF)
緊急連絡先のメモ:スマホが使えない状況も想定して紙に控える
さらに、参加前に次の“ワンメッセージ”を送る習慣を作ると効果的です。
「今日は○○の新歓。場所は△△。一次会だけ参加して□□時に帰る予定。何かあったら連絡する」
この一言があるだけで、心理的に「帰っていい」スイッチが入りやすくなります。
SNSと写真・動画の扱い
新歓は写真が撮られやすく、SNSに載る場面もあります。ここで大切なのは、写真そのものよりも「同意」と「取り扱い」です。
撮影は断ってよい:笑顔で「顔出しはしないんです」で十分です
投稿はさらに慎重に:撮影OKでも投稿はNG、という線引きも可能です
断ったときの反応を見る:断った途端に機嫌が悪くなる人・団体は距離を取る判断材料になります
個人情報が写らないようにする:名札、学生証、住所がわかる背景、位置情報(ジオタグ)など
また、飲み会の場は判断力が落ちやすいので、「撮られている」と気づかないまま不本意な写真が残るリスクもあります。撮影が多い場では、あらかじめ「撮影は苦手」と伝え、席を選び、壁側に座るなど、物理的な対策も有効です。
ヤリサーっぽい場での断り方と安全な帰り方
角を立てずに断るフレーズ集
断り方にはコツがあります。最も重要なのは、長く説明しないことです。説明が長いほど相手は“説得の余地”を見つけてしまいます。短く、同じ言葉を繰り返す方が通ります。
以下は状況別のフレーズ例です。自分の口調に合わせて2〜3個を決めておくと、当日スムーズです。
二次会に誘われた
「今日はここまでにするね」
「一次会だけって決めてるんだ」
「明日予定があるから帰るね」
家飲みに誘われた
「家飲みは行かないって決めてる」
「外なら少しだけならいいけど、家はやめとく」
「ごめん、今日は帰る」
お酒を勧められた
「飲めないのでソフトドリンクにします」
「今日は飲みません」
「体調が悪くなるのでやめておきます」
距離が近い・触られる
「近いの苦手なので離れていい?」
「それはやめて」
「不快です。やめてください」
“角を立てない”ことは大事ですが、相手の反応次第では、丁寧さより明確さを優先してください。断りにくい場であるほど、短く言い切る方が安全です。
帰るための行動手順(終電・同行・タクシー)
帰宅の安全は「言い方」より「動き方」が重要です。帰ると決めたら、次の手順で“物理的に帰る”方向に進めます。
距離を取る
絡まれている場合は、トイレや飲み物を取りに行くなど、自然な理由でいったん離れます。出口側へ移動する
席に戻ると引き止められます。店員のいる場所、レジ付近、入口付近に移動すると脱出しやすくなります。一人で帰らない工夫をする
同じ新入生、信頼できそうな人に「一緒に帰ろう」と声をかけます。可能なら複数人で帰ります。明るい道で駅へ向かう
近道より大通り。夜道は“人目”がある方が安全です。危険を感じたらタクシーに切り替える
追ってくる、道を塞ぐ、車に乗せようとするなどの気配があれば、躊躇せずタクシーへ。乗る前に行き先を共有し、可能なら車両番号も控えます。
帰宅は“交渉”ではありません。相手に納得してもらう必要はなく、自分の安全を最優先に行動して構いません。
飲酒強要が出たときの切り返し
飲酒強要は、未成年飲酒の問題だけでなく、体質や服薬、体調などによっては命に関わる危険があります。断り方は段階を決めると、迷いが減ります。
第1段階:短く拒否
「飲みません」「無理です」第2段階:理由を最小限に添える
「体質でダメなんです」「薬を飲んでいて」「明日早いので」
※長い説明は不要です。第3段階:場を離れる
しつこい場合、会話で勝とうとしないで離れます。出口へ。第4段階:第三者を入れる
店員に「困っています」と伝える、友人に電話する、大学の相談先を利用する、など。
なお、「飲ませて盛り上げる」タイプの場では、断ること自体をからかう文化がある場合があります。その文化が見えた時点で、その団体とは距離を取る判断が合理的です。友達は他で作れますが、健康と安全は取り戻しにくいからです。
飲酒トラブルと性被害を防ぐために知っておくこと
急性アルコール中毒が疑われるときの救護
新歓で最も深刻な事故の一つが、急性アルコール中毒です。「寝ていれば回復する」と考えるのは危険で、呼吸が止まる、吐物で窒息する、といった命に関わる状況に進むことがあります。救護で大切なのは、医療の知識よりも“やってはいけないことを避ける”ことです。
基本の対応は次のとおりです。
絶対に一人にしない:放置が一番危険です
横向きに寝かせる:吐いたときに詰まらせないためです
呼吸と反応を確認する:呼びかけに反応が乏しい、呼吸が弱い・不規則、顔色が悪い場合は危険度が高いです
体を冷やさない:冷えると状態が悪化します。上着や毛布を使います
無理に吐かせない:意識が低い状態で吐かせると窒息のリスクがあります
迷ったら、ためらわず救急要請を考えるべきです。「大げさかも」と悩む時間が長いほど危険になります。また、救護が必要な状態を「自己責任」で片づける空気がある団体は、そもそも安全管理の意識が低い可能性があります。
同意とハラスメントの境界線
性に関わるトラブルは、「相手が嫌がっていないように見えた」「酔っていたから」「みんなやっているから」といった言い訳で正当化されがちですが、同意の考え方はそれとは別です。ここで新入生が知っておくべき境界線は、難しい法律用語よりも、日常の判断として次の3つです。
NOはNO:言葉でも態度でも、嫌がっているサインがあればやめるべきです
曖昧なら進めない:同意がはっきりしないなら、進めないことが安全です
断りにくい状況を作るのが問題:酔わせる、密室にする、上下関係で圧をかける、こうした環境自体がリスクを増やします
また、ハラスメントは「相手がどう感じたか」が重要になる場面があります。本人は冗談のつもりでも、相手が不快・恐怖を感じたなら、それはハラスメントになり得ます。新歓の場は、価値観や距離感が違う人が集まるからこそ、“相手の境界線を尊重する”態度が不可欠です。
「場のノリ」で境界線を踏み越える人がいるなら、その場は安全なコミュニティとは言いにくいです。自分を守る意味でも、相手を傷つけない意味でも、同意を最優先に考えてください。
撮影・拡散・脅しへの備え
飲み会や合宿では、写真や動画がトラブルの引き金になることがあります。単に“恥ずかしい写真”という問題だけでなく、拡散や脅し、評判の毀損につながるケースも想定されます。予防策は次のとおりです。
密室に行かない:家飲み・雑魚寝・個室で長時間、は避ける
撮影を明確に断る:曖昧にすると「OKだった」と解釈されがちです
スマホを取り上げられそうなら距離を取る:奪われるリスクを感じたら席を移動する
不安があれば早めに共有する:一人で抱え込まず、友人・家族・大学の窓口へ
アカウント管理を見直す:SNSの公開範囲、位置情報、タグ付け、メンション許可などを確認する
特に「撮られたくない」と言ったときに、からかったり怒ったりする反応が出るなら、その場はあなたの意思決定を尊重していません。遠慮せず離脱してください。
困ったときの相談先と、記録の残し方
大学の相談窓口でできること
多くの大学には、学生相談室、保健センター、ハラスメント相談窓口、学生支援課など、困りごとを受け止める窓口があります。ここで大事なのは、相談が「告発」だけではなく、状況整理と安全確保のための手段でもあることです。
大学の窓口に相談すると、一般的に次のような支援が期待できます。
何が起きたかを整理する:曖昧な不安を言語化し、次の行動を決めやすくする
学内での対応を検討する:注意喚起、指導、場合によっては調査や処分につながる可能性
医療・外部機関への橋渡し:心身のケア、必要なら警察や法律相談の案内
「証拠がないから相談できない」と思う必要はありません。相談の初期段階では、完璧な証拠よりも、あなたが感じた不安や違和感そのものが重要です。早く相談するほど、選択肢が増えます。
また、友人が関わっている場合でも、本人の同意があれば同伴して相談に行くのも有効です。一人で行くのが不安なら、信頼できる人と一緒に行動してください。
外部相談(警察・法務局等)の使い分け
外部への相談はハードルが高く感じるかもしれませんが、緊急性や危険の度合いによっては、早い判断が必要です。使い分けの目安を持っておくと、迷いが減ります。
今まさに危険が迫っている/暴力がある/帰れない:警察(110)
意識がない、呼吸がおかしい、嘔吐が止まらないなど生命の危険:救急(119)
性被害の疑いがある、または強い恐怖がある:警察相談、性暴力被害者支援センター等、地域の支援窓口も含めて検討
人権侵害や脅し、拡散の不安がある:人権相談などの窓口を検討
判断に迷う:まずは大学の窓口で状況整理し、必要に応じて外部へつなぐ
外部相談は「大事にする」ためだけではなく、「安全を確保する」「これ以上の被害を止める」「心身のケアにつなげる」ためにも使えます。自分を守る行動として、選択肢の一つに入れておくことが大切です。
証拠になりやすいメモと注意点
後から相談するときに役に立つのは、完璧な証拠よりも“時系列”です。記憶は時間が経つほど曖昧になるため、違和感を覚えた段階でメモを残すと有利になります。
残しておくとよい項目は次のとおりです。
日時:開始時刻、店を出た時刻、帰宅時刻など
場所:店名、駅名、部屋番号、集合場所
参加者:分かる範囲で氏名、SNSアカウント、特徴
出来事:言われたこと、されたこと(できるだけ具体的に)
自分の対応:断った、席を移動した、帰ろうとした、など
連絡のやりとり:DM、LINE、通話履歴、スクリーンショット
体調や気持ちの変化:酔い方、恐怖、混乱、翌日の不調など
注意点として、怒りや不安が強いと、SNSで拡散したくなることがあります。しかし、拡散は名誉毀損や二次被害につながり、状況が複雑化することもあります。安全確保と相談を優先し、必要な範囲で記録を残し、適切な窓口で対応を進める方が、結果として自分を守りやすくなります。
まとめ
「ヤリサー」という言葉は刺激が強く、不安を煽りやすい一方で、噂だけが先行しがちです。大切なのは、言葉に振り回されることではなく、新歓という“流されやすい場”で自分を守るための具体的な判断軸と行動手順を持つことです。
判断の軸は、飲み会の有無ではなく、断りやすさ・安全配慮・密室化の有無・同意の尊重にあります
新歓前に「帰宅上限」「二次会の基準」「曖昧ならNO」の3ルールを決めると迷いが減ります
断り方は短く、帰宅は交渉ではなく実行が基本です
飲酒トラブルは命に関わるため、救護の基本(放置しない・横向き・呼吸確認・迷ったら救急)を知っておくことが重要です
困ったら大学の相談窓口を使い、状況に応じて外部相談も検討し、時系列メモを残しておくと対応が進みやすくなります
新歓は、大学生活の入口であると同時に、危険が紛れ込みやすい季節でもあります。自分の安全と意思を守りながら、安心できる人間関係を選び取ってください。あなたが落ち着いて大学生活を始められることが、何より大切です。