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夜驚症は母親のせい?夜中の叫びに慌てない対処と受診の目安

夜中、寝ているはずの子どもが突然泣き叫び、暴れるように動く。目が開いているのに声が届かず、抱きしめても落ち着かない――そんな場面に直面すると、親は恐怖と焦りで頭が真っ白になります。
そして検索して出てくる「夜驚症」「母親のせい」「愛情不足」という言葉に、胸が締め付けられるような罪悪感を覚える方も少なくありません。

ですが、夜驚症は「母親の愛情が足りないから起きる」と単純に片づけられるものではありません。大切なのは、原因探しで自分を責めることより、発作中にやるべきこと・やらないことを知り、子どもの安全を確保することです。
この記事では、夜驚症の特徴や悪夢・夜泣きとの違いを整理しながら、今夜から迷わず動ける「対応カード」、再発を減らす生活の整え方、そして受診したほうがよいサインまで、分かりやすくまとめます。

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目次

夜驚症の発作中に母親がやることとやらないこと

発作中にやらないこと

夜驚症らしき場面で、親がやりたくなる行動ほど逆効果になりやすいものがあります。代表例は「無理に起こす」「強く揺さぶる」「大声で呼ぶ」「理由を聞き出す」「叱る」です。発作中の子どもは、起きているように見えても、意識の状態がはっきりせず、声が届きにくいことがあります。起こそうとすると混乱が増し、さらに長引く可能性があるため、一般には“起こさない”対応が勧められます。

  • 無理に起こす(揺さぶる、強い刺激を入れる)

  • 大声で呼ぶ、叱る、説教する

  • 抱きしめて押さえつける(けがのリスクが上がることがあります)

  • 「何が怖いの?」「どうしたの?」と長い言葉で問い詰める

  • 発作が終わった直後に、出来事を蒸し返して確認し続ける

「何とかして止めたい」と思うほど、親の動きが増えがちです。しかし、目標は“すぐ止める”より“安全にやり過ごす”に置いた方がうまくいきます。

発作中にやること

発作中の最優先は安全です。次の順番で動くと、夜間でも迷いにくくなります。

  1. 安全確保
    ベッド周りの硬い物や角がある物を避け、転落しそうなら床に布団を敷きます。階段・玄関・窓など危険動線に行けないよう、静かに導線をふさぎます。

  2. 落ち着いて見守る
    むやみに触れず、危険があるときだけ最小限に誘導します。声かけは短く、静かに。「大丈夫、ここにいるよ」程度で十分です。

  3. 時間を測る
    開始時刻と落ち着くまでの時間を把握します。受診相談の重要情報になります。

  4. けががないか確認
    落ち着いた後に、頭をぶつけた、転んだなどがないか確認します。

  5. 親も深呼吸して“次の一手”を決める
    その場で結論を出さなくて大丈夫です。まずは安全に終えることが合格点です。

今夜の対応カード(OK/NG)

夜中に読む前提で、要点だけをまとめます。

OK

  • ぶつかる物をどける、転落対策をする

  • 階段・玄関・窓などの危険動線を遮る

  • 触るのは危険回避のときだけ

  • 開始時刻と持続をメモする

  • 落ち着いたら静かに寝床へ戻す

NG

  • 起こす、強く揺さぶる

  • 大声で呼ぶ、叱る、説得する

  • 押さえつける(けがのリスク)

  • その場で原因を詰問する

“起こさない・安全確保・時間記録”。この3つが守れれば、まず十分です。

家庭内で揉めないための一枚ルール

夜驚症が続くと、家族内で方針が割れやすくなります。「抱っこするべき」「放っておくのは冷たい」といった意見の衝突は、親の疲れを増やし、睡眠不足を悪化させる原因にもなります。

そこで、次のように“ルール化”して共有してください。

  • 発作中は起こさない

  • 触れるのは安全確保のときだけ

  • まず安全、次に時間記録

  • 翌朝に責めない、蒸し返さない

  • 赤旗があれば早めに相談する

  • 対応は交代制(母親1人に集中させない)

「母親が悪い」ではなく、「夜の運用を整える」へ視点を切り替えるだけで、気持ちが少し楽になります。


夜驚症が起きると母親のせいと思ってしまう理由

検索結果の言葉が罪悪感を増やす

「夜驚症 母親のせい」と検索する人の多くは、すでに“母親として失格なのでは”という怖さを抱えています。検索結果には、刺激の強い断定が混じることがあり、根拠の薄い話が拡散されやすいのも現実です。そこで、まず押さえたいのは「夜驚症は、親の愛情の有無だけで説明できる現象ではない」ということです。

夜驚症は睡眠の状態(深い眠りからの部分覚醒)と関係することが多く、親が今夜できることは“原因探し”ではなく“安全と睡眠環境の調整”です。

発作の見た目が強烈で、親の責任感が暴走しやすい

夜驚症は、叫び声、泣き声、汗、呼吸の荒さ、暴れる動きなど、見た目が非常に強烈になり得ます。親が恐怖を感じるのは自然です。加えて、目が開いているのに反応が薄いと「私の声が届かない」「心が壊れているのでは」と不安が飛躍します。

しかし、夜驚症では、本人が翌朝ほとんど覚えていないことが典型的で、起きて話せる悪夢とは性質が異なります。つまり、親子関係の問題というより“睡眠の状態”として理解する方が現実に合いやすいのです。

因果と関与を分けて考えると楽になる

子どもは日中の刺激、疲れ、環境変化などの影響を受けます。だからといって「母親のせい」と因果を断定する必要はありません。ここで役に立つ考え方は次の言い換えです。

  • 「私が悪い」ではなく、「子どもの睡眠の状態に波が来ている」

  • 「愛情不足」ではなく、「睡眠と疲れと刺激が重なっている可能性がある」

  • 「止められない」ではなく、「安全にやり過ごすのが正解」

この言い換えは、親を甘やかすためではなく、必要な行動に集中するためのものです。責める対象を探すより、睡眠と安全の設計に力を使った方が、家族全体が回復しやすくなります。


夜驚症の特徴と夜泣きや悪夢との違い

夜驚症は深い眠りで起こりやすく、入眠後の前半に出やすい

夜驚症(sleep terror)は、一般にノンレム睡眠、特に深い段階(N3)での不完全な覚醒に関連すると説明されます。そのため、就寝後の比較的早い時間帯(最初の数時間)に起こりやすい傾向があります。

声が届きにくく、翌朝は覚えていないことが多い

夜驚症の特徴として、「呼びかけに反応しにくい」「慰めにくい」「翌朝は出来事を覚えていない」ことが挙げられます。親から見ると“起きているのに通じない”ため不安が大きいのですが、睡眠状態の特性として説明されることがあります。

悪夢は起きて話せることが多い

悪夢は怖い夢で、目が覚めて内容を話せることが比較的多く、再入眠しづらい場合もあります。夜驚症は“恐怖の反応が強いのに、本人の意識ははっきりしない”点で異なります。

夜泣きは発達や環境要因が絡みやすい

乳幼児の夜泣きは、発達段階、生活リズム、空腹、体調、環境刺激など複合的です。夜驚症と似て見えることもありますが、目安として「時間帯」「反応」「翌朝の記憶」が手がかりになります。

さらに混同しやすい睡眠時遊行(夢遊病)

夜驚症は、睡眠時遊行(いわゆる夢遊病)と同じ“睡眠時随伴症”の仲間として語られることがあります。夜驚症とセットで起こることもあり、夜中に歩き回るように見えると親はさらに驚きます。子どもの脳の発達過程と関連が推測される、と説明されることがあります。

比較表:夜驚症・悪夢・夜泣き・睡眠時遊行

観点 夜驚症 悪夢 夜泣き 睡眠時遊行(夢遊病)
起こりやすい時間帯 入眠後の前半に多い 後半~明け方も ばらつき 前半に多いことがある
反応 声が届きにくい、慰めにくい 起きて会話できることが多い 抱っこ等で落ち着くことも 声が届きにくいことがある
行動 叫ぶ、暴れるように動く 恐がる、泣く 泣く 歩く、目的なく動く
翌朝の記憶 ほぼ覚えていないことが多い 夢を覚えていることがある 状況による 覚えていないことが多い
親の基本対応 起こさず安全確保 安心させて話を聞く 体調・環境の調整 安全確保して誘導

この表で大枠がつかめれば十分です。完全に自己診断しきる必要はなく、不安が強いときは相談すればよい、という姿勢も大切です。


夜驚症を減らすために母親ができる生活リズムの整え方

まずは睡眠不足を減らすのが最重要

夜驚症の「正確な原因」ははっきりしない部分がありますが、家庭で取り組みやすいのは“睡眠の土台”を整えることです。睡眠不足や生活リズムの乱れがあると、夜の状態が不安定になりやすく、親子ともに消耗が増えます。

ここで大切なのは「完璧主義を捨てる」ことです。理想の育児を目指すほど、親は疲れます。夜驚症の時期は、睡眠を最優先にしてよい時期です。

就寝前ルーティンは「短く、同じ順」で勝つ

就寝前は、刺激を減らし、毎日同じ流れを作ると整えやすくなります。

  • 照明を少し落とす(部屋全体を“夜モード”へ)

  • 激しい遊び、興奮する動画は終わりにする

  • 入浴→水分→トイレ→絵本→就寝の順を固定

  • 寝室の危険物を撤去(夜間の安全対策にも直結)

ルーティンは長くするほど崩れます。「5分でも同じ順」を優先してください。

発作が同じ時刻に起きるなら予定覚醒を検討する

夜驚症が“だいたい毎回同じ時刻”に起きる場合、予定覚醒(計画的に一度軽く覚醒させる)という考え方が紹介されることがあります。実施の負担があるため、家庭の状況に合わせて「試せる範囲で」行います。

やり方(目安)

  1. 3〜7日ほど、発作の開始時刻を記録

  2. その10〜15分前に、声かけや軽いタッチで“うっすら起こす”

  3. トイレや水分は必要最低限にして、すぐ再入眠へ

  4. 1〜2週間ほど試し、改善がなければ中止して構いません

「予定覚醒をしないとダメ」ではありません。家庭の睡眠をさらに壊しそうなら、無理に続けない方が良いです。

日中の刺激とストレスは「責めずに」棚卸しする

ここでの“ストレス”は、親のせいを探すための言葉ではありません。睡眠を乱す要素を減らすための点検です。

  • 生活の変化:入園・進級・引っ越し・転園・旅行

  • 体調:発熱、鼻づまり、咳、かゆみ、便秘

  • 昼寝:遅い時間の昼寝、長すぎる昼寝

  • 夕方以降の刺激:騒音、強い光、怖い動画、激しい遊び

当てはまるものがあれば、“できる範囲で1つだけ”減らすところからで十分です。

親の睡眠を守るのも、立派な再発予防

夜驚症の対応が母親に集中すると、母親の睡眠不足が固定化し、家庭の余裕がなくなります。余裕がなくなると、子どもへの関わりも荒くなりやすく、悪循環になります。

  • 可能なら対応を交代制にする

  • 週に数回だけでも、母親が先に寝る日を作る

  • 翌日の家事は減らす(「睡眠優先」を家族で合意する)

“母親が倒れない設計”が、結果的に子どもの安定につながります。


夜驚症で受診したほうがよいサインと相談先

受診の赤旗チェックリスト

夜驚症は多くの場合、頻度が少なければ治療が不要で、成長とともに落ち着くこともあるとされています。一方、安全リスクや頻発などがある場合は相談が推奨されます。

次の項目に当てはまるときは、早めに医療機関へ相談してください。

  • 1回が30分以上続く

  • 週に何度も起きる/増えてきた/長期間続く

  • 階段や玄関へ向かう、窓に近づくなど危険行動がある

  • けいれん様の動き、硬直、強いよだれ、意識が戻りにくい(夜驚症以外の評価が必要になることがあります)

  • 日中の強い眠気、行動や学習への影響が大きい

  • 親の不安が強く、夜の生活が維持できない

「命に関わるのでは」と感じるほど怖い場合、ためらわず相談してください。安心材料を得ること自体が治療の一部になります。

何科に相談すればよいか

まずはかかりつけの小児科で構いません。記録をもとに相談し、必要に応じて睡眠外来や専門科へつながる流れが現実的です。特に、神経症状が疑われる場合は、適切な評価が必要になることがあります。

受診時に役立つ「記録テンプレ」

診察では、親の記憶だけだと伝わりづらいことがあります。メモで十分なので、次を記録してください。

項目 書くことの例
開始時刻・持続 23:40開始、12分で落ち着く
起きた時間帯 入眠後1〜3時間なのか、明け方なのか
様子 叫ぶ、座る、歩く、汗、呼吸、目は開く、反応の有無
危険行動 階段に向かう、外に出ようとする等
体調 発熱、鼻づまり、咳、薬の有無
翌朝 覚えているか、眠気、機嫌
家族の対応 起こそうとした/見守った/誘導した等

可能なら短い動画が役立つ場合もありますが、撮影が負担なら無理に行う必要はありません。安全を最優先してください。


夜驚症と母親の心を守るためのQ&A

抱っこしてもいいの

危険があるときに支えるのは問題ありません。ただし、発作中は混乱が強い状態で、抱っこで落ち着かせようとしても効果が出にくいことがあります。まずは安全確保と見守りを基本にし、どうしても危険なら最小限の介入に留めてください。

叱った日の夜に起きた。やっぱり私のせい?

「叱った→夜驚症」という単純な因果で決めつける必要はありません。夜驚症は睡眠の状態(部分覚醒)と関連することが多く、睡眠不足、体調、環境刺激など複数要因が重なり得ます。今日の出来事を一つの原因に固定すると、親が消耗してしまいます。

今日からできることは、子どもを責めないことと同じくらい、自分を責めないことです。責める代わりに、睡眠の土台と安全を整える方が、家族にとって利益が大きいです。

保育園や学校に伝えるべき?

頻発している場合は、「夜に強い寝ぼけのような状態が出ることがあり、日中眠そうな日があるかもしれない」と共有しておくと安心です。診断名を断定して伝える必要はありません。連絡帳に“睡眠が乱れた日”をメモするだけでも、先生側が理解しやすくなります。

兄弟が起きてしまう。夜の体制はどう作る?

兄弟が起きると家庭全体が疲弊します。次の工夫が現実的です。

  • 発作対応の担当を決める(毎回全員が起きない)

  • 可能な日だけでも寝室を分ける

  • 対応担当は翌朝の予定を軽くする(家事を減らす)

  • 子どもが危険行動をしやすい場合は、寝室の動線を再設計する(階段・玄関へ行けないように)

「母親が頑張る」より「仕組みで守る」が、長期的に効きます。

いつまで続くの?

子どもの夜驚症は、成長とともに落ち着くことがあるとされています。
ただし個人差が大きく、頻度や家庭の負担も違います。目安としては、「赤旗があるか」「安全が確保できているか」「親が限界に近いか」を基準に相談してください。

夜驚症を減らすために、今日から一つだけやるなら?

多くの家庭で効果が出やすいのは、就寝時刻を一定に近づけることと、就寝前の刺激(激しい遊び・強い光・怖い動画)を減らすことです。全部できなくて構いません。1つだけで十分です。


まとめ

夜驚症のような発作を目の前で見ると、親が怖くなり、検索で「母親のせい」という言葉に傷つくのは自然です。しかし、夜驚症は多くの場合、深い眠りからの部分的覚醒に関連する睡眠現象として説明されており、母親の愛情の有無だけで単純に結びつける必要はありません。

今夜からの要点は3つです。

  1. 起こさない

  2. 安全確保

  3. 時間記録

そして、30分以上続く、頻発、危険行動、けいれん様の動きや意識が戻りにくいなどがあれば、早めに小児科へ相談してください。

「原因探し」より「安全と睡眠の設計」。その視点に切り替えることが、子どもを守り、母親の心も守る近道になります。


参考にした情報源

NHS(Night terrors and nightmares)
https://www.nhs.uk/conditions/night-terrors/

Mayo Clinic(Sleep terrors: Symptoms and causes / Diagnosis and treatment)
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/sleep-terrors/symptoms-causes/syc-20353524
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/sleep-terrors/diagnosis-treatment/drc-20353529

Merck Manual Professional(Parasomnias / Sleep problems in children)
https://www.merckmanuals.com/professional/neurologic-disorders/sleep-and-wakefulness-disorders/parasomnias
https://www.merckmanuals.com/professional/pediatrics/behavioral-problems-in-children/sleep-problems-in-children

MSD Manuals Professional(Parasomnias)
https://www.msdmanuals.com/professional/neurologic-disorders/sleep-and-wakefulness-disorders/parasomnias

Merck Manual Consumer(Parasomnias)
https://www.msdmanuals.com/home/brain-spinal-cord-and-nerve-disorders/sleep-disorders/parasomnias

Nationwide Children’s Hospital(Sleep Terrors and Sleepwalking)
https://www.nationwidechildrens.org/conditions/sleep-terrors-and-sleepwalking

小児科クリニック解説(夜驚症と夢遊病)
https://kawakamiclinic.or.jp/syoni/tips/%E5%A4%9C%E9%A9%9A%E7%97%87%E3%81%A8%E5%A4%A2%E9%81%8A%E7%97%85/