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夜間大学は学歴にならない?大卒扱い・就職への影響を法律と実例で解説

「夜間大学って、結局“学歴にならない”んじゃないの?」
そう不安に感じて、進学や入学をためらってはいませんか。

仕事や家庭と両立しながら大学で学び直したい、でも「夜間だから評価されないのでは」「就職・転職で不利になるのでは」と悩む方は少なくありません。インターネット上にも、「夜間大学は学歴にならない」「企業からマイナスに見られる」といった断片的な情報があふれており、なおさら判断が難しくなっているのが実情です。

しかし、結論から申し上げますと、認可された夜間大学を卒業すれば、学歴としては「大学卒(学士)」です。 学位や最終学歴の区分において、「夜間だから学歴にならない」ということはありません。一方で、企業側の理解不足や古いイメージにより、場合によっては評価に差が生じることも事実です。

本記事では、「夜間大学は学歴にならないのか?」という疑問に対して、制度面・採用現場での評価・履歴書の書き方・自己PRの仕方まで、実務に役立つ形で整理いたします。夜間大学を検討している方はもちろん、すでに在学中・卒業された方にとっても、今後のキャリアを前向きに考えるための指針としてご活用いただけますと幸いです。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

この記事のまとめ

夜間大学の学歴について、「夜間だから学歴にならない」「企業から評価されない」といった漠然とした不安を抱きがちですが、制度上は昼間部と同様に「大学卒(学士)」として正式に認められた学歴です。問題となりやすいのは、学歴そのものではなく、一部の採用担当者や周囲の人々が持つ古いイメージや、情報不足による誤解です。

一方で、夜間大学で学ぶことは、働きながら学費を賄う自立心、限られた時間をやりくりする時間管理能力、数年間学び続ける継続力など、ビジネスの現場で高く評価される力を身につける機会でもあります。「夜間だから」と引け目に感じるのではなく、「夜間だからこそ身についた強み」として言語化し、履歴書・職務経歴書・面接で適切に伝えることが重要です。

目次

夜間大学とは何か:制度と学位の基本

夜間大学・夜間部の定義

夜間大学(夜間部)とは、主に夕方〜夜間の時間帯に授業を開講する大学課程を指します。以下のような形態があります。

  • 国公立・私立大学の夜間主コース・第二部・イブニングコース など

  • 働きながら学ぶ社会人向けの夜間主コース

  • 1日2部制(昼・夜)をとる大学の夜間部

いずれも、文部科学省の認可を受けた大学であれば、昼間部と同様に「大学」としての法的な位置づけを持っています。

夜間大学卒の学位と学歴区分

夜間大学を卒業した場合、取得できる学位や学歴の扱いは以下のとおりです。

  • 取得学位:学士(◯◯学)

  • 最終学歴区分:大学卒業(四年制大学卒)

  • 学位記(卒業証書):多くの場合、昼夜の区別の記載はないか、しても「学部名・学科名」のみ

そのため、法律上や公的な学歴区分上、「夜間だから学歴にならない」ということは一切ありません。


「夜間大学は学歴にならない」と言われる理由

誤解が生まれやすい背景

実際には学歴になるにもかかわらず、「夜間大学は学歴にならない」といった情報が流通している背景には、以下のような要因があります。

  • 「通信制」や「専門学校」と混同されている

  • かつて一部企業で「夜間部は新卒採用対象外」としていた事例がある

  • 一部の年配層や採用担当者の間に、旧来のイメージが残っている

実際に問題になりやすいポイント

誤解に基づく評価差や不利が生じるとすれば、以下のようなポイントです。

  • 一部企業での「昼間部優先」志向

  • 「学歴フィルター」の中で、大学名・偏差値により選考される際に、夜間であることより大学そのものの評価が影響する

  • 「昼間に通えなかった=何か事情がある」と、ネガティブに受け取られる可能性

ただし、これらは制度上の学歴問題ではなく、あくまで“イメージの問題”である点が重要です。


夜間大学卒は就職・転職で不利になるのか

新卒採用における見られ方

新卒採用では、次のような傾向があります。

  • 公務員試験や多くの一般企業では、「大学卒」であれば昼夜問わず受験・応募が可能

  • 一部の人気企業では、募集要項に「昼間部のみ」などの条件を設けるケースも存在

  • 実務上は、大学名・成績・活動実績(インターン・ゼミ・サークル・アルバイトなど)が重視されることが多い

したがって、「夜間だから一律に不利」というよりも、大学のレベルや自己PRの内容との総合評価と考えるのが適切です。

中途採用・転職市場での評価

中途採用では、学歴よりも社会人経験・実績・スキルが重視される傾向が強いです。

  • 「働きながら夜間大学に通った」という経歴は、
    自己成長意欲・自己管理能力・時間管理能力が高い とプラスに評価される場合があります。

  • 特にキャリアアップや専門職への転職では、
    → 「実務経験+関連する学位」が有利に働くことがあります。

不利になりやすいケースの例

以下のようなケースでは、夜間大学であることが間接的にマイナスに働く可能性があります。

  • 学歴を厳しく見る一部の大手・外資系企業

  • 「総合職採用=昼間部前提」と暗黙のルールが残る業界

  • 夜間部の存在をよく知らない採用担当者が、誤解をもって評価する場合

ただし、これらも企業や担当者による個別の事情であり、制度として学歴にならないわけではありません。


夜間大学・通信制・専門学校の違いと学歴の扱い

学歴区分の比較表

学歴に関する代表的な教育機関の違いを整理します。

区分代表的な名称学位・資格学歴区分の例
大学(昼・夜)昼間部・夜間部・二部・イブニング学士(大学卒)「四年制大学卒業」
大学(通信)通信制大学・放送大学など学士(大学卒)「四年制大学卒業(通信制)」
短期大学短大・短大通信など短期大学士「短期大学卒業」
専門学校専門学校(2〜4年制など)専門士・高度専門士など「専門学校卒業」

※上記は一般的な区分であり、各学校・コースにより名称や扱いが異なる場合があります。

ポイント整理

  • 夜間大学も通信制大学も、大学であれば「大学卒」です。

  • 専門学校は、「最終学歴:専門学校卒(専門士/高度専門士)」という別の区分になります。

  • そのため、「夜間だから専門卒扱い」「学歴にカウントされない」といった理解は誤りです。


履歴書・職務経歴書への夜間大学の書き方

履歴書での学歴欄の記載例

基本的に、履歴書の学歴欄には正式名称で大学名・学部名・学科名を記載します。夜間であることは必須ではありません。

記載例(夜間を明記しない場合)

  • 20XX年4月 ◯◯大学 経済学部 経済学科 入学

  • 20XX年3月 ◯◯大学 経済学部 経済学科 卒業

記載例(夜間主コースをあえて明記する場合)

  • 20XX年4月 ◯◯大学 経済学部 経済学科 夜間主コース 入学

  • 20XX年3月 ◯◯大学 経済学部 経済学科 夜間主コース 卒業

明記するかどうかは次の観点で判断いたします。

  • 働きながら通った努力をアピールしたい → 明記するメリットあり

  • 夜間であることを不要に強調したくない → 学部・学科のみの記載で問題なし

職務経歴書でのアピール方法

職務経歴書では、単に学歴を記載するだけでなく、夜間大学ならではの強みを記載すると効果的です。

  • 「フルタイム勤務を行いながら夜間大学に通学し、GPA◯◯を維持」

  • 「社会人経験で得た実務と大学での理論学習を連動させ、◯◯の研究テーマに取り組んだ」

  • 「時間的制約の中で、計画的な学習と業務遂行を両立」

このように、“夜間であること=マイナス”ではなく、“夜間で学んだ事実=プラス要素”として編集することが重要です。


夜間大学だからこその強みとキャリアへの活かし方

夜間大学出身者が評価されやすいポイント

夜間大学で学んだ経験は、以下のような強みとして評価されやすいです。

  • 自己投資意欲の高さ:仕事や家庭と両立しながら学ぶ意欲

  • 時間管理能力:限られた時間内で学習と仕事を両立

  • 継続力・粘り強さ:数年間にわたり継続して通学・学習

  • リアルなビジネス感覚:日中の仕事で得た実務経験と、大学での理論が結びつく

これらは、採用担当者や上司にとって即戦力・自走力の指標としても受け取られます。

自己PRでの伝え方(例)

自己PRの構成例

  1. 夜間大学に進学した理由(背景・目的)

  2. 両立のために工夫したこと(時間管理・勉強方法)

  3. 学びを仕事や人生にどう活かしているか(成果・変化)

  4. 今後のキャリアで活かしたい点(志望先への貢献)

例文イメージ

「フルタイムでの営業職を続けながら、マーケティングを体系的に学ぶため◯◯大学経営学部夜間主コースに進学いたしました。限られた時間の中で、平日は終業後に授業・課題に取り組み、休日はレポートや資格学習に充てることで、継続的にGPA◯◯を維持してまいりました。実務での営業データ分析に大学で学んだ統計やマーケティング理論を取り入れることで、担当エリアの売上を◯%伸ばすことができました。御社でも、働きながら学んだ経験を活かし、自ら学び続けながら成果に繋げてまいります。」


夜間大学を選ぶ前に確認しておくべきポイントチェックリスト

大学選びのチェックリスト

夜間大学を検討する際は、以下の点を事前に確認することを推奨いたします。

  • 文部科学省認可の「大学」であり、学士号が取得できるか

  • 希望する学部・学科・専攻分野があるか

  • 授業時間帯(18時〜21時など)が、現在・今後の勤務と両立可能か

  • 通学時間や交通手段が現実的か

  • 卒業生の進路(就職先・転職実績など)が公開されているか

  • 授業の質(教員、カリキュラム、ゼミの有無など)が自分の目的に合うか

  • 学費・奨学金・教育訓練給付金など、費用面の支援制度はあるか

  • 社会人学生や夜間学生が多く、学びやすい環境か

自分の目的の整理チェックリスト

  • 学歴として「大学卒」を得たい

  • 今の仕事に役立つ専門知識を身につけたい

  • 将来的に転職・キャリアチェンジを目指している

  • 資格取得や大学院進学を見据えている

  • 学び直し(リカレント教育)として基礎から学びたい

目的を明確にすることで、「夜間大学が最適か」「通信制・専門学校・資格講座などの方が良いか」を判断しやすくなります。


よくあるトラブル・不安と対処法

仕事との両立が難しくなった場合

  • 上司・人事と相談し、シフト調整や勤務時間の見直しを検討する

  • 休学や履修科目数の調整により、無理のないペースに変更する

  • オンライン授業やオンデマンド配信の有無を確認する

周囲から「夜間大学なんて意味がない」と言われた場合

  • 制度上は大学卒であることを理解した上で、
    → 「自分の目的(キャリア・学び)にとって必要かどうか」を軸に判断する

  • ネガティブな意見に引きずられず、具体的なメリット(知識・資格・ネットワーク・学歴)を再確認する

学歴にコンプレックスを感じるとき

  • 「学歴そのもの」だけでなく、経験・スキル・実績とのセットで自分を評価する視点を持つ

  • 夜間大学での学びを、
    → 「コンプレックスを埋めるため」ではなく
    → 「キャリアを前に進めるための投資」と捉える


夜間大学の学歴を最大限に活かすためのポイント

1. 学歴だけに頼らず、経験とスキルで補強する

  • インターン・アルバイト・社内プロジェクト・資格など、職務に直結する経験を積む

  • 夜間大学で学んだ内容を、具体的な成果(数字・プロジェクト)に落とし込む

2. ネガティブに捉えられないよう、説明の準備をする

  • 面接で「なぜ夜間を選んだのか?」と聞かれた際、
    → 前向きな理由(仕事との両立、学費、自立、自分で進路を選択したこと)を簡潔に説明できるようにしておく

3. 卒業後も学び続ける姿勢を示す

  • 資格学習、勉強会、オンライン講座など、継続的な自己研鑽をアピールすることで
    → 「夜間大学卒」という一点に評価が固定されにくくなります。


まとめ:夜間大学は「学歴にならない」わけではない。大切なのは活かし方です

本記事の要点

  • 夜間大学(夜間部)であっても、認可された大学を卒業すれば「大学卒(学士)」という学歴になります。

  • 「夜間だから学歴にならない」という情報は、制度への誤解や古いイメージによるものです。

  • 就職・転職で重視されるのは、大学名や学位だけでなく、経験・スキル・実績・人物像です。

  • 夜間大学で学ぶことは、働きながら学ぶ意欲・時間管理能力・継続力など、強力なアピール材料になり得ます。

  • 履歴書・職務経歴書では、必要に応じて「夜間」を明記しつつ、強みとして編集・表現することが重要です。

次に取るべきアクション

  • これから進学を検討している方は、
    → 本記事のチェックリストをもとに、希望する夜間大学の情報を具体的に収集してください。

  • すでに夜間大学在学・卒業の方は、
    → 自身の経験を棚卸しし、「どのような強みとして話せるか」を言語化しておくと、選考の場面で大きな武器となります。

夜間大学の学歴そのものを不安に思うよりも、その学びをどうキャリアに結びつけるかに意識を向けていただくことが、長期的なキャリア形成の観点で最も重要です。