会議で聞いたはずの指示が抜ける、タスクの途中で何をしていたか分からなくなる、文章を読んでも頭に入らない。こうした困りごとが続くと、「自分の能力が落ちたのでは」と不安になります。ですが、原因が努力不足ではなく、ワーキングメモリの負荷や揺らぎにある場合も少なくありません。
本記事では、睡眠・ストレス・情報過多といった変えやすい要因から順に切り分け、今日からできる「外部化(メモの設計)」と「タスク分解」で抜け漏れを減らす手順を、テンプレ付きで具体的に解説します。さらに、トレーニングの期待値の持ち方、検査や相談を考える目安まで整理します。読むだけで終わらせず、明日から仕事や勉強が回り始める“仕組み”を一緒に作っていきましょう。
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ワーキングメモリが低いと感じたときに起きること
ワーキングメモリは頭の作業台として働く
ワーキングメモリは、目の前の情報を一時的に保ちながら、同時に処理するための仕組みです。会議で話を聞きながら要点をまとめる、手順を思い出しながら作業する、文章を読みながら前の内容とつなげて理解する、といった場面で使われます。
この働きがうまくいかないと、「聞いたのに抜ける」「途中で何をしていたか分からなくなる」「読んでも頭に残らない」などの形で現れます。大切なのは、これが単なる怠けや根性の問題ではなく、同時に抱えられる情報量や注意の配分が追いつかない状態として説明できることです。
中央実行系がうまく回らないと“保持しながら処理”が崩れる
ワーキングメモリは、複数の要素が連携して動くモデルで理解されることが多く、なかでも全体を統括する役割として「中央実行系」が説明されています。中央実行系は、必要な情報に注意を向け、不要な刺激を抑え、下位の仕組み(言語・視覚などの保持)を制御しながら、作業を前に進めます。
つまり、「覚えが悪い」というよりも、注意の切替や抑制がうまくいかず、作業台がすぐ満杯になることが、困りごとの正体になりやすいのです。
短期記憶と混同しないほうが対策が当たりやすい
短期記憶は「しばらく覚えておく」側面が強い一方、ワーキングメモリは「覚えたものを使って処理する」側面が大きいのが特徴です。たとえば暗記はできても、会議で話が流れていくと追えない、計算の途中で条件を忘れる、といったことは珍しくありません。
対策を考えるときは、「もっと覚える練習をする」よりも、覚えなくていい仕組みを作るほうが効果が出やすい場面が多くなります。
一時的な低下と、長期傾向としての弱さを分けて考える
ワーキングメモリは体調・環境の影響を受けます。睡眠不足は、注意や実行機能を含む複数の認知機能に影響し、ワーキングメモリも低下しやすいことが報告されています。
また、ストレスは集中や判断を担う前頭前野の働きに関係し、ワーキングメモリが揺らぎやすくなると整理されています。
「昔からずっと苦手」なのか、「最近急にミスが増えた」なのかで、優先すべき対策が変わります。ここを分けて考えるだけでも、改善のスピードが上がります。
ワーキングメモリが低い原因を切り分けるロードマップ
まず最短で変えられる要因から潰す
原因は一つに決め打ちしないほうがうまくいきます。おすすめは、変えやすい順に切り分けることです。
切り分けの順番(1〜2週間単位)
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睡眠(量と質):寝不足、夜更かし、就寝前の刺激
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ストレス・不安:締切プレッシャー、人間関係、反芻思考
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情報過多:通知、チャット、同時案件、マルチタスク
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環境:雑音、視界の散らかり、割り込みの多さ
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長期傾向(特性):子どもの頃からの困り、学習・仕事の一貫したつまずき
睡眠やストレスは認知機能に影響しやすいとされるため、まずここを整えるだけで体感が改善することがあります。
記録→介入→再評価の3点セットで迷いを減らす
切り分けは「気合」ではなく、手順で進めるほうが確実です。
3点セット
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記録:ミスの種類(抜け/忘れ/混乱)と発生条件(時間帯/割り込み/疲労)をメモ
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介入:次章の“外部化”など、1つだけ施策を入れる
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再評価:週1回、ミス回数や読み返し回数などを確認
この方法にすると、「原因探しで疲れる」ことが減り、改善の手応えが残ります。
受診や診断に飛びつかず“支障の度合い”で考える
ワーキングメモリの弱さは個人差の範囲にもあり、当てはまる項目があるだけで病気と判断できるものではありません。一方で、支障が大きく長期化する場合は、専門家と一緒に整理したほうが早いこともあります。後半で相談目安をチェックリスト化します。
ワーキングメモリが低い人が困りやすい場面チェック
仕事で起きやすい困りごと
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口頭指示を最後まで聞いたのに、着手すると抜けが出る
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話の途中で別件が入ると、元のタスクに戻れない
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会議の議題が切り替わるたびに、前半の話が飛ぶ
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複数案件が同時進行すると、優先順位が分からなくなる
勉強・読書で起きやすい困りごと
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文章の後半で、前半の条件を忘れて意味が取れない
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問題文を何度も読み返す
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計算や手順が長いと、途中で迷子になる
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ノートを取ると聞き逃し、聞くとメモが残らない
日常生活で起きやすい困りごと
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忘れ物が多い(家を出た後に気づく)
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買う物を覚えられず、同じ店に何度も行く
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会話の途中で言いたいことが抜ける
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片付けで“何から手を付けるか”が決まらない
セルフチェック表(頻度×困り度)で“上位2つ”だけ選ぶ
当てはまる項目を全部直そうとすると、情報過多で挫折しやすくなります。頻度×困り度が高い上位2つだけを今月の改善対象にしてください。
| 場面 | 症状 | 頻度(週0〜毎日) | 困り度(1〜5) | 起きやすい条件(時間/割り込み/疲労) |
|---|---|---|---|---|
| 仕事 | 口頭指示の抜け | |||
| 仕事 | 割り込みで戻れない | |||
| 勉強 | 読み返しが多い | |||
| 勉強 | 手順の途中で迷子 | |||
| 生活 | 忘れ物 | |||
| 生活 | 会話で抜ける |
使い方(重要)
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上位2つを決めたら、次章の対策を「外部化→分解→環境調整」の順で1つずつ当てます
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週1回だけ数字を更新し、改善が見えた施策は残し、効かなければ次へ進みます
ワーキングメモリを消耗しないための最優先対策は外部化
外部化は“メモを取る”ではなく“探さなくていい設計”が本体
外部化は、頭の中に保持しなくていい状態を作ることです。ポイントは「量」ではなく「探さなくていい」ことです。
外部化の設計ルール(これだけでOK)
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置き場所は1か所に固定(紙なら1冊、デジタルなら1アプリ)
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1件につき「次の行動」を動詞で1行(例:確認する、送る、予約する)
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「期限」「完了条件」「優先度」をセットにする(迷いが減る)
メモが散らばると、探すだけでワーキングメモリが消耗し、さらにミスが増える悪循環になります。
外部化ツール比較(続けやすさで選ぶ)
ツール選びで迷ったら、「一番続くもの」を選ぶのが正解です。最初は高機能より固定化が勝ちます。
| ツール | 向いている人 | 強み | つまずきやすい点 | おすすめ運用 |
|---|---|---|---|---|
| 紙1枚メモ/手帳 | 書くと整理できる | 取り出せば見える | 紙が増えると迷子 | 1冊固定、1日1ページ |
| 付箋 | 視界で思い出したい | 忘れにくい | 貼りすぎで背景化 | 付箋は3枚まで |
| スマホメモ | すぐ記録したい | 検索できる | 通知で脱線 | 通知オフで運用 |
| タスク管理 | 案件が多い | 期限/繰返しに強い | 初期設定で挫折 | “受信箱”だけ使う |
会議・口頭指示の受け方テンプレ(コピペ可)
口頭指示が抜ける人ほど、「確認の型」を持つだけでミスが減ります。
その場での復唱(短い型)
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「目的はAで、期限はBで合っていますか。完了条件はCでよいでしょうか。」
チャットで残すテンプレ(コピペ可)
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「依頼ありがとうございます。認識合わせのため、①目的②期限③完了条件④優先度 をこのスレッドに残していただけますか。こちらでタスク化して進めます。」
相手の負担を増やさないコツ
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“お願い”ではなく“品質管理”として言う
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「残していただけると確実に進められます」と成果につなげる
仕事の抜け漏れを減らすメモ欄テンプレ(1案件1行)
外部化を“型”にすると、迷いが減ります。
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案件名:
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次の行動(動詞):
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期限:
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完了条件(これが揃えば終わり):
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待ち(相手待ちなら誰の返事か):
この5項目だけで、頭で保持する量が減り、集中が戻りやすくなります。
タスク分解で同時に抱える情報を減らす
タスク分解は“最初の5分”に落とすと失敗しにくい
ワーキングメモリが苦しい場面は、同時に考えることが多すぎることが原因になりやすいです。そこで、タスクを「最初の5分」に落とします。
タスク分解 5ステップ
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ゴールを一行で書く(例:資料を提出する)
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次の1手に分ける(例:必要データを集める)
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最初の5分でできる形にする(例:A社の数値を開く)
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チェックポイントを置く(例:データが揃ったら上司に確認)
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1つ終わったら次の1手を出す(先に全部抱えない)
この方法は、中央実行系に載せる情報量を抑える方向に働き、迷子になりにくくなります。
マルチタスクを“疑似シングルタスク”にする
同時進行が避けられない職場でも、運用を変えるだけで負担は減らせます。
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同時に開く資料は1つだけ(他は閉じる)
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25〜45分の作業ブロックを作り、ブロック中は割り込みを減らす
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割り込みは「受信箱」に入れて、次のブロックで処理する
“受信箱”の存在は、頭の中の保持を外部化し、混乱を減らします。
仕事の優先順位が飛ぶときの判断基準(3つだけ)
優先順位が決まらないと、ワーキングメモリが消耗して着手できなくなります。判断基準は増やさず、3つに絞ります。
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期限が近いか
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影響範囲が大きいか(人・売上・納期)
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先にやらないと詰まる“前工程”か
この3つで上位1つを決めたら、最初の5分に落として着手します。
環境調整でワーキングメモリの揺らぎを小さくする
通知と割り込みは“意思”ではなく“設定”で減らす
情報過多は、ワーキングメモリを常に使い続ける状態を作ります。対策は「頑張る」ではなく設定です。
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作業中は通知をまとめてオフ
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チャットは時間を決めて確認(例:毎時00分だけ)
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集中タイムはカレンダーに入れて周囲に見える化
机と画面の“視界”は思っている以上に負担になる
視界に入る情報が多いほど、注意が分散しやすくなります。
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机の上は「今やる資料」だけ
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画面はタブを閉じる、フルスクリーンにする
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付箋は増やしすぎない(3枚まで)
時間帯と疲労を前提にスケジュールを組む
睡眠不足や疲労は認知機能の低下を招きやすく、ワーキングメモリも揺らぎます。
その前提で、重い作業は「調子が良い時間」に寄せ、調子が悪い時間は外部化中心の軽作業にします。
ワーキングメモリを鍛えるトレーニングは期待値を調整して使う
伸びやすいのは近い転移で、遠い転移は限定的
ワーキングメモリ訓練は、訓練課題や近い能力の向上は出やすい一方、知能や学力、読解、算数などへの“遠い転移”は限定的とするメタ分析があり、過大な期待は避けるべきです。
そのため、方針は次の通りが安全です。
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主役は外部化・分解・環境調整
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訓練は補助(短時間で継続可能な範囲)
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効果はアプリの点数ではなく、現実のミス減少で判断
やるなら短時間で継続し、指標を先に決める
トレーニングをする場合は、次の条件を守ると続きやすくなります。
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1回2〜5分で終わる
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週3回程度を目安にする
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指標は「ミス回数」「読み返し回数」「忘れ物回数」など生活指標にする
指標例(週1回だけ記録)
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会議後の確認漏れ:0回/1回/2回…
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期限遅れ:0件/1件…
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読み返し:平均何回か
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忘れ物:週何回か
生活の土台として睡眠とストレスケアを優先する
睡眠不足は認知機能に影響し、ワーキングメモリも低下しやすいと報告されています。
また、ストレスは前頭前野の働きに関係し、集中やワーキングメモリが不安定になりやすいと整理されています。
「鍛える」より先に「削られないように守る」ことで、結果的に改善が進むことがあります。
ワーキングメモリが低い状態が続くときの検査と相談先
相談を考える目安チェックリスト
次に当てはまる場合は、自己流の工夫だけで抱え込まず、相談を検討する価値があります。
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困りごとが数か月以上続いている
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仕事・学業・家庭生活に明確な支障がある
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睡眠や負荷調整をしても改善が乏しい
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不安や抑うつ、強い疲労感が併存している
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子どもの場合、学習や集団生活で困りが強い
検査で分かることと、結果の扱い方
知能検査(例:WAIS-IV)では、ワーキングメモリ指標(WMI)などが示されることがあります。WMIは、情報を一時的に保持しつつ処理する力に関連する指標として説明されています。
ただし、スコアは“優劣”を決めるものではなく、支援設計に使うための材料です。検査結果があると、次のような対策が組みやすくなります。
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指示は短く区切る
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学習に不要な刺激を減らす
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口頭だけでなく視覚的な手がかりを併用する
相談先の選び方(迷わないための実務メモ)
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体調や睡眠、気分の問題が強い:医療機関で全体を相談
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学習や発達の困りが中心:心理職や教育・発達領域の相談
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職場の困り:産業医やEAP、上司と業務設計の相談
相談時は、セルフチェック表(頻度・困り度・条件)を持参すると、状況説明が短時間で済みます。
よくある質問
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ワーキングメモリが低いのは病気ですか
いくつか当てはまるだけで病気とは言えません。支障の大きさと継続期間が判断の軸です。 -
何歳からでも改善しますか
能力を大きく上げるより、外部化と環境調整で困りを減らすほうが成果が出やすいです。睡眠やストレスの立て直しで体感が改善することもあります。 -
トレーニングアプリは意味がありますか
近い転移は期待できる一方、遠い転移は限定的とするメタ分析があります。補助として使い、生活指標で効果判定すると安全です。
今日からの最短ルートは上位2つに外部化を当てること
まず1週間で結果を出すための行動計画
最後に、最短で変化を感じやすい「1週間プラン」を提示します。
1日目
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セルフチェック表で上位2つを決める(頻度×困り度)
2〜3日目
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外部化テンプレを導入(メモ置き場1か所固定、1案件1行)
4〜5日目
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会議テンプレ(目的/期限/完了条件/優先度)をチャットで残す運用にする
6〜7日目
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ミス回数や読み返し回数を確認し、効いた施策だけ残す
改善は「全部やる」より「上位2つに当てる」ほうが成功します。ワーキングメモリが苦しいときほど、情報と施策を絞る設計が必要です。
参考情報
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脳科学辞典「中央実行系」https://bsd.neuroinf.jp/wiki/中央実行系
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武田薬品工業 大人の発達障害ナビ「ワーキングメモリとは」https://www.otona-hattatsu-navi.jp/how/working-memory/
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東邦大学 理学部コラム「ストレスと脳」https://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/029758.html
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APA(Developmental Psychology)Melby-Lervåg & Hulme (2013) meta-analysis PDF https://www.apa.org/pubs/journals/releases/dev-49-2-270.pdf
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SAGE(Perspectives on Psychological Science)Melby-Lervåg et al. (2016) meta-analytic review https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1745691616635612
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PMC「睡眠剥奪と認知機能(ワーキングメモリ含む)」https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12321868/
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KAIEN「WAIS-IVの読み解き(WMI説明)」https://www.kaien-lab.com/useful/3-traits/wais-iv/
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厚労科研(NIPH)「ワーキングメモリー指標(WMI)の活用指針」https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2013/133081/201317050B/201317050B0004.pdf
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J-STAGE(WISC-IV理解と活用 PDF)https://www.jstage.jst.go.jp/article/arepj/52/0/52_238/_pdf