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ワードの行間がおかしい原因はこれ!段落後8ptと倍数設定の直し方

Wordで文章を入力しているだけなのに、「行間がやけに広い」「改行すると1行分余計に空く」「前は1ページに収まっていたのにページ数が増えた」――そんな違和感に困っていませんか。
実はこの症状、行間そのものではなく**段落後の余白(段落後8pt)**や、行間が倍数・固定値になっている設定が原因になっていることが少なくありません。しかも、文書全体で起きているのか、一部だけなのか、新規文書だけなのかで、直すべき場所も最短手順も変わります。

本記事では、まず「行間が広い」のか「段落の余白が広い」のかを30秒で見分けるところから始め、よくある原因を4つに絞って解説します。さらに、すぐに直したい方向けの最短復旧手順だけでなく、貼り付け書式やスタイルの混在で直らないケース、表やルビなどの例外、そして再発させない既定値・スタイルの整え方まで、迷わず辿れる順番でまとめました。
「なぜこうなるのか」を理解しながら直せるので、次に同じ症状が出ても落ち着いて対応できるようになります。

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ワードの行間がおかしいと感じる典型パターン

Wordで文章を作っているときに「なんだか行間が広い」「改行すると1行分空いてしまう」「前は同じ書式で収まっていたのに、急にページ数が増えた」と感じることがあります。こうした違和感は、実際には“行間そのもの”が原因とは限らず、段落の余白やスタイル、行グリッドなど別の設定が行間のように見えているケースが多いのが特徴です。

また、同じ「行間がおかしい」でも、

  • 新規文書だけおかしい

  • 既存文書だけおかしい

  • 文書の一部だけおかしい

  • 表や箇条書きの中だけおかしい
    といったように発生範囲が違うことがあります。範囲によって疑うべき設定や、直し方の最短ルートが変わるため、最初に症状を分類してから手を動かすと、無駄な試行錯誤が減ります。

行間が広いのか段落の余白が広いのかを見分ける

最初に必ず確認したいのが、「行と行の間が広い」のか「段落と段落の間が広い」のかです。Wordでは、見た目が似ていても設定箇所が別物です。

  • 行間が広い
    同じ段落内で、1行ごとに均等に間が空きます。例えば、文章を長く入力して自動改行しても、各行の間隔がずっと広いままです。原因は「行間(1行、1.5行、倍数、固定値など)」にあることが多いです。

  • 段落の余白が広い
    Enterキーで改行(=段落が変わる)したところだけ、急に間が空きます。とくに「改行するたびに2段空く」「段落が変わるたびに余白が増える」という場合は、段落設定の「間隔(前・後)」が原因である可能性が高いです。代表例が「段落後 8pt」です。

見分けるコツはシンプルです。次のように試してください。

  1. 違和感のある場所で、同じ段落の中に文字を追加してみる

  2. 自動改行(行が折り返される)したときにも間隔が広いなら「行間」

  3. Enterで段落を変えたところだけ広いなら「段落の余白(段落前後)」の可能性が高い

さらに確実にするために、段落記号(¶)を表示して確認すると状況が見えやすくなります(ホームタブの「¶」)。段落記号が入っている場所は段落が区切られているため、そこだけ余白が広いなら段落前後が疑わしい、と判断できます。

以下の表で、症状から当たりをつけてください。

見え方典型症状原因になりやすい設定確認場所まず試すこと
1行ごとに均等に広い自動改行でも広い行間(倍数/固定値/1.5行など)段落ダイアログの「行間」行間を「1行」または「1.0〜1.15相当」に
改行のたびに余白が増えるEnterのたびに空く段落前/段落後(段落後8ptが多い)段落ダイアログの「間隔 前/後」段落後を「0pt」に
フォント変更で急に広い一部フォントで跳ねる行グリッドに合わせる段落の詳細設定行グリッド関連を無効/見直し
見出しだけ広い見出し行だけ妙に空く見出しスタイルの段落設定スタイル/段落見出しスタイルの設定を修正

ここで「段落後8pt」が原因と分かれば、直す作業はかなり短くなります。反対に、行間だけをいじっても改善しない場合は、段落前後を疑う、という順番が失敗しにくいです。

新規文書だけおかしい場合と既存文書だけおかしい場合

次に重要なのが「どの文書で起きているか」です。発生範囲で原因の層が変わります。

  • 新規文書(白紙)を開いた瞬間から広い
    これは、Wordの“標準状態”を決めている設定(標準スタイル、既定の段落設定、テンプレートなど)が影響している可能性が高いです。つまり、個別の文書ではなく、Word側の初期値が変わっている状態です。新しい文書を作るたびに再発するなら、このタイプを疑います。

  • 既存文書だけおかしい(他の文書は普通)
    その文書内に原因が閉じている可能性が高いです。貼り付けで混ざった書式、途中で適用したスタイル、文書内の段落設定のばらつきなどが主因になります。

  • 文書の一部だけおかしい
    特定範囲だけ段落設定が違う、またはスタイルが部分的に崩れている状態です。直し方は「範囲選択して修正」「スタイル適用し直し」「書式のクリア」が有効になります。

この切り分けができると、次章の「原因4つ」から何を最初に疑うべきかが明確になります。


ワードの行間がおかしい原因で多い設定4つ

「行間がおかしい」と感じる原因は無数にありますが、実際の相談で頻出するものはある程度パターン化できます。ここでは、発生頻度が高く、かつ見た目の影響が大きい4つに絞って整理します。原因を“種類”として理解しておくと、次回同じ症状が出たときも短時間で直せるようになります。

段落後が8ptになっている

最も多いのがこれです。改行するたびに「1行空いたように見える」現象は、行間ではなく段落後の余白であることが非常に多く、段落後が 8pt(またはそれに近い値)になっていると、見た目が大きく変わります。

段落後8ptの特徴は次のとおりです。

  • 同じ段落の中(自動改行)では余白が増えない

  • Enterで段落が区切られた瞬間にだけ余白が増える

  • 行間を1.0にしても「改行の空き」は残ることがある

特に、箇条書きや短い文章でEnterを多用する文書だと、段落後8ptが積み重なって「スカスカ」に見えやすくなります。レポートや提出物でページ数が増える原因としても典型です。

対処自体は簡単ですが、落とし穴があります。段落後を0ptにしても、次の段落が別のスタイルだったり、段落ごとに設定が混在していると「一部だけ直らない」ことがあります。この場合は、後述する「スタイルが上書きされている」や「一部だけおかしい箇所を選択して直す」が効きます。

行間が倍数や固定値で想定より大きい

同じ段落内で行ごとに均等に空いている場合は、行間設定が原因です。Wordの行間には代表的に次の種類があります。

  • 1行 / 1.5行 / 2行
    わかりやすいプリセット。急いで直すには便利です。

  • 最小値
    文字やルビなど、必要に応じて最低限の高さを確保しつつ伸びる方式。

  • 固定値(pt)
    行の高さを一定に固定します。見た目を揃えやすい反面、指定値を小さくしすぎると文字が重なったり、上下が欠けたりします。フォントやサイズが混在する文書では不具合が出やすいです。

  • 倍数
    フォントサイズに対して倍率で高さを取ります。例えば「倍数 1.15」は、サイズが変わっても自然な余白を保ちやすいのが利点です。

「前は普通だったのに急に広い」というときは、どこかで行間が「倍数」や「固定値」に変わり、値が大きくなっている可能性があります。たとえば、見えないうちに「固定値 18pt」などになっていると、文字サイズ12ptの本文では妙に広く見えます。

ここでのポイントは、「行間を狭くする=固定値を小さくする」だけが解ではないことです。固定値を詰めすぎると文字が重なるため、基本は「1行」または「倍数」を使い、見た目を揃えたい場合だけ固定値を慎重に使うのが安全です。

行グリッドに合わせる設定が有効になっている

行グリッドは、いわば“見えない罫線”に文章を沿わせる仕組みです。特定のレイアウトを整える用途では役立ちますが、意図せず有効になっていると、行間が急に広がったように見えることがあります。

行グリッドが疑わしい典型例は次のとおりです。

  • フォントサイズを変えたら、急に行間が跳ね上がった

  • 一部の段落だけ極端に間隔が変

  • 行間設定を変えても思った通りにならない(別のルールが優先されている感じがする)

行グリッドが関係する場合、段落設定の詳細にある「行グリッド線に合わせる」などの項目が影響していることがあります。ここがONだと、行間の設定よりもグリッドのルールが優先され、結果として間隔が広く見えることがあります。

この原因は、通常の行間調整だけでは気づきにくい点が難しさです。「段落後でもない、行間でもないのに広い」という場合は、行グリッドを疑うのが近道になります。

スタイルが上書きされている

Wordの書式は、単に「文字サイズ」「太字」といった見た目だけでなく、段落設定(行間・段落前後・インデントなど)を含む“スタイル”によって管理されます。

そのため、次のような症状がある場合はスタイルが原因である可能性が高いです。

  • 同じ操作をしているのに、段落によって行間が揃わない

  • 直したのに、別の場所で勝手に戻る

  • 見出しだけ広い、箇条書きだけ広い

  • 文書全体は直ったのに、特定の段落だけ残る

スタイルが原因の場合、段落ダイアログで数値を直しても、スタイル側の設定が優先されてしまうことがあります。また、貼り付けでスタイルが混入すると、文書内に複数のスタイルが増えてばらつきやすくなります。

対処は「段落の数値を直す」だけでなく、「正しいスタイルを適用し直す」「不要なスタイルを整理する」という方向になります。後述の“直らないときのチェック”で具体的に扱います。


ワードの行間を最短で直す手順

ここでは、原因がまだ特定できていなくても、まず“戻る可能性が高い順”に短時間で復旧できる手順を提示します。重要なのは、闇雲にあちこち触らず、影響範囲が大きいところから、確実に数字を固めることです。

まずは文書全体の行間と段落間隔を整える

最初にやるべきは「文書全体を同じ条件に戻す」ことです。部分修正から入ると、混在状態が続いて原因が見えにくくなります。

  1. 文書全体を選択(Ctrl + A)

  2. ホームタブの「行と段落の間隔」から、まずは標準的な行間(例:1.0 または 1.15)を選ぶ

  3. 同じメニューに「段落間隔を削除」や「段落後の間隔を削除」に相当する選択肢があれば適用する

  4. これで改善が見られたら、次のステップで数字を確定させる(再発防止のため)

ここで一旦見た目が整えば、原因は「段落後」や「行間」の基本設定にある可能性が高いです。改善がない場合は、行グリッドやスタイルなど別レイヤーが絡んでいる可能性が上がります。

段落ダイアログで前後0ptと行間を調整する

見た目を確実に揃えるには、段落ダイアログで数値を指定するのが最も確実です。ホームタブの簡易操作は便利ですが、混在を解消しきれないことがあります。

  1. 文書全体を選択(Ctrl + A)

  2. ホームタブの「段落」グループ右下にある小さな矢印(ダイアログ起動)をクリック

  3. 「インデントと行間隔」タブで次を設定

    • 間隔 前:0pt

    • 間隔 後:0pt(段落後8ptが原因ならここで解消しやすい)

    • 行間:1行(または「倍数 1.0〜1.15」)

  4. OKで確定

この操作の良い点は、「行間」と「段落前後」を同時に整えられることです。「改行のたびに空く」と「行ごとに広い」が混在していても、まずは両方を初期値寄りに戻せます。

なお、用途によっては段落後を0ptにすることが正解ではない場合もあります。例えば見出しと本文の間を少し空けたい、段落の区切りを視覚的に分けたい、といった目的があるなら段落後を使うのは自然です。ただし「勝手に広い」「意図していない」という状況では、一旦0ptでリセットしてから必要な箇所だけ追加するほうが安全です。

一部だけおかしい箇所を選択して直す

文書全体を整えても「この段落だけ残る」「ここだけ狭くならない・広い」といった場合は、該当範囲だけに別設定が混ざっています。

対処手順は次のとおりです。

  1. 行間がおかしい段落(または範囲)を選択する

    • 段落単位で選ぶなら、段落内を三回クリックなどで選択しやすくなります

  2. 段落ダイアログを開き、前後0pt・行間を設定し直す

  3. それでも戻らない場合は「スタイル」が別である可能性が高いので、スタイルを確認する

部分だけ直すときに注意したいのは、「段落の最後にある段落記号」まで選択できているかです。段落記号まで含めないと段落設定が完全に適用されず、“直したつもり”で残ることがあります。段落記号を表示して、問題段落の¶まで含めて選択してから設定すると成功率が上がります。


ワードの行間がおかしい状態が直らないときのチェック

ここからは、「よくある手順をやったのに直らない」ケースに向けて、原因を絞り込むためのチェックです。ポイントは、書式が混ざっているのか、要素の仕様なのか、環境(テンプレ・互換)なのかを分岐させることです。

まずは全体像として、次のチェックリストを上から順に確認してください。

  • □ 文書全体を選択して、段落前0pt・段落後0pt・行間を設定した

  • □ 問題の段落で、段落記号(¶)まで含めて設定をかけた

  • □ スタイルを適用し直しても改善しない

  • □ 表・テキストボックス・箇条書きなど、特殊な領域で起きている

  • □ 互換モードやテンプレートの影響がありそう(新規文書で毎回再発など)

当てはまる項目に応じて、以下のH3を確認してください。

貼り付け書式とスタイルの汚れを疑う

「直らない」原因で非常に多いのが、貼り付け書式とスタイル混在です。たとえばWebページ、メール、他のWordファイル、PDFからコピーした文章を貼り付けると、見た目だけでなく段落設定の情報まで一緒に持ち込まれ、文書内に“別ルールの段落”が生まれることがあります。

このタイプの見分け方は次のとおりです。

  • 同じ段落設定をかけても、その段落だけ元に戻る

  • 行間が違う段落が点在している

  • 箇条書きの行だけ余白が大きい

  • 見出しだけ妙に広い(見出しスタイルが別設定)

対処は大きく3つあります。

  1. スタイルを適用し直す
    問題の段落を選択し、スタイル一覧から「標準」や「本文」など“揃えたいスタイル”をクリックします。これで段落のルールをスタイル側で統一できます。見出しなら「見出し1」「見出し2」など適切なスタイルに合わせます。

  2. 書式のクリア(書式のリセット)
    見た目や段落設定がぐちゃぐちゃなときは、いったん書式をクリアしてから、正しいスタイルを適用するほうが早い場合があります。
    ただし、太字や下線など必要な装飾も消えるため、影響範囲を小さくして試すのがおすすめです。

  3. 貼り付け方法を見直す(今後の再発防止)
    既に崩れた文書を直すだけでなく、次回からは「書式なしで貼り付け」や「貼り付けオプション」で書式を持ち込まない貼り付けを選ぶと混在が減ります。

スタイル混在は、直した直後は整って見えても、別の編集で再び崩れることがあります。文書を長く運用する(提案書、マニュアルなど)ほど、スタイルで統一する価値が上がります。

箇条書き、表、テキストボックス、ルビの例外

本文は整ったのに、特定の場所だけ行間が変、というときは、Wordの要素ごとの“別ルール”が原因であることがあります。典型例を整理します。

  • 箇条書き(番号付き・記号付き)
    箇条書きは段落の一種ですが、箇条書きのスタイル(または段落設定)が本文と違うことがあります。箇条書き行を選択して段落設定を確認し、必要なら箇条書きに適用されているスタイルを修正します。

  • 表の中
    表のセル内は、本文とは別に段落設定が混在しやすい領域です。セルの中をクリックしても、セルの一部しか選択されていないと設定が効きにくいことがあります。
    対策として、セル内の段落(段落記号まで)を選択して段落設定をかける、または表全体を選択して段落設定を統一します。

  • テキストボックス
    テキストボックス内は独立した領域なので、本文の設定を直してもテキストボックス内は変わらないことがあります。テキストボックス内のテキストを選択して同様に段落設定・スタイルを整えます。

  • ルビ(ふりがな)
    ルビは文字の上に小さな文字が乗るため、行の高さが必要になります。その結果として行間が広がるのは仕様として自然な場合があります。
    ここで固定値を無理に詰めると、ルビや本文が欠けたり重なったりする可能性があるため注意が必要です。ルビを使う文書では、行間を倍数で自然に確保するほうが失敗しにくいです。

このように、要素ごとの例外は「本文の行間」だけでは解決しません。問題が起きている場所が本文なのか、表なのか、箇条書きなのかを切り分け、対象領域の中で段落設定を整えるのがコツです。

互換モードやテンプレートの影響を確認する

「新規文書だけ毎回広い」「別PCで開くとまた広い」「保存して開き直すと戻る」といった場合は、文書内の設定だけでなく環境側の影響を疑います。ここでいう環境とは主に次の2つです。

  • 互換モード
    古い形式(.docなど)や互換性のある保存形式で編集していると、段落や行間の解釈が新しいWordと微妙に違い、見た目が想定通りにならないことがあります。タイトルバーなどに互換モード表示がないか確認し、必要なら新形式(.docx)で保存し直すことを検討します。

  • テンプレート(標準状態)
    新規文書で毎回同じ症状が出るなら、標準スタイルやテンプレート側に原因がある可能性が高いです。文書単体を直しても、次に新規作成した瞬間に再発するため、「再発防止の設定」で扱う“既定値”の見直しが必要になります。

会社・学校のPCでは、テンプレートが配布されていたり、既定が組織管理されていることもあります。その場合、個人で直しても更新やログオンのタイミングで戻ることがあります。自分の作業で解決しないときは、文書のテンプレート運用(配布テンプレの指定)に合わせるのが現実的です。


ワードの行間がおかしいを再発させない設定

行間の問題は「直したら終わり」ではなく、次に文書を作った瞬間に同じ症状が出ると再び時間を取られます。再発防止の考え方は、次の2点に集約できます。

  1. よく使うスタイル(標準、本文、見出し)の段落設定を整える

  2. 新規文書の標準状態(既定値)を、自分の用途に合う形に寄せる

ただし、組織PCでは変更できる範囲が限られる場合があるため、状況に応じて現実的な対策を選ぶのが大切です。

既定値として保存する前に確認すべきこと

「既定値」として固定したい場合、勢いで保存する前に次を確認してください。

  • どの文書でも同じ設定でよいか
    レポート、社内文書、チラシなど、用途が違うと適切な行間は変わります。すべてを1.0に固定してしまうと、読みづらくなることもあります。

  • 段落後0ptが運用に合うか
    段落の区切りを空白で表現したい文書では、段落後を0にすると詰まりすぎることがあります。反対に、提出物の指定が厳しい場合は0ptが無難です。
    迷う場合は「段落後0ptを基本」「見出しや区切りだけ必要分を追加」という運用が安全です。

  • 固定値を使っていないか(使うなら慎重に)
    固定値は見栄えを揃えやすい一方で、フォント変更やルビ、表などで欠けやすくなります。再発防止の観点では、本文は「1行」または「倍数」を基本にし、固定値は限定的に使うほうがトラブルが減ります。

既定値を保存すると、新規文書の初期状態が変わります。毎回の修正が不要になる反面、意図せず別用途の文書まで影響するため、目的に合う設定であることを確認してから反映するのが安心です。

会社・学校PCでの注意点

会社や学校のPCでは、個人設定よりもテンプレート運用が優先されることが少なくありません。次のような状況があれば、個人での“既定値変更”にこだわりすぎないほうがスムーズです。

  • 新規文書が特定のテンプレートから作られる運用になっている

  • 部署・学科で統一の書式が決まっている

  • 更新やログオンで設定が戻る

  • 端末ごとにOfficeのバージョンや設定が違う

この場合の現実的な対策は、次のいずれかです。

  • 配布されているテンプレートを正として使い、テンプレの書式に合わせる

  • 自分用のテンプレート(.dotx等)を作って、それを使って新規作成する

  • 管理者に「段落後が8ptになっている」「行間が倍数になっている」など“差分”を具体的に伝え、テンプレ側で調整してもらう

個人の設定変更で戦うより、テンプレ運用に寄せるほうが再発が減りやすいのが実情です。

推奨の行間と段落間隔の目安

「結局どれが正解か分からない」という場合は、用途別の目安から決めると迷いが減ります。もちろん提出要件がある場合は要件が最優先ですが、一般的には次のような考え方が使いやすいです。

  • 提出物・レポート(体裁指定があることが多い)
    行間:指定に従う(なければ 1.0〜1.15)
    段落後:0ptを基本
    理由:余白の積み重なりでページ数が増えやすいため

  • 社内文書・議事録(読みやすさ重視)
    行間:1.15〜1.5
    段落後:必要箇所だけ少し(0〜8pt程度)
    理由:画面で読むことが多く、詰めすぎると読みづらい

  • 案内文・掲示文(フォント大きめ)
    行間:倍数で自然に確保(1.0〜1.2程度から調整)
    段落後:視認性に応じて
    理由:固定値で詰めると欠けやすい

特に、複数フォントやサイズが混在する文書では、固定値でカチカチにするより、倍数のほうが崩れにくい傾向があります。見た目を揃えたい気持ちが強いと固定値を使いがちですが、欠け・重なり・印刷崩れのリスクも一緒に増えるため、まずは倍数で整えてから最終調整として固定値を検討する流れが安全です。


ワードの行間がおかしいに関するよくある質問

最後に、行間調整でつまずきやすいポイントをFAQ形式で整理します。ここを押さえておくと、同じ症状の再発時にも判断が速くなります。

行間のptと倍数は何が違う

違いは「行の高さが固定されるか、フォントサイズに追従するか」です。

  • pt(固定値)
    行の高さを数値で固定します。見た目を均一に揃えたいときに強力ですが、文字サイズ変更やルビ、上付き・下付き、フォントの癖によっては、文字が欠けたり重なったりしやすくなります。複数の要素が混ざる文書ほど注意が必要です。

  • 倍数
    フォントサイズを基準に倍率で高さを確保します。フォントやサイズが変わっても自然に追従するため、本文の運用では失敗が少ない方式です。行間が「急におかしい」ときも、倍数に戻すと落ち着くケースが多いです。

迷ったら、本文は倍数(または1行)を基本にし、どうしても見た目の整列が必要な限定箇所だけ固定値を使う、という使い分けがおすすめです。

ショートカットで一発で戻せる

急いでいるときはショートカットが役立ちますが、「行間」と「段落後」は別物なので注意が必要です。

  • 行間だけを素早く変えたい場合、ショートカットで切り替えられることがあります(環境により異なります)。

  • ただし、改行のたびに空く症状の主因が段落後(例:8pt)なら、行間ショートカットだけでは解決しないことがあります。

つまり、「一発で戻せるかどうか」は原因次第です。改行で空くなら段落後を0ptへ、行ごとに広いなら行間を1行/倍数へ、という使い分けが最短になります。

新規文書だけ広いのはなぜ

新規文書の見た目は、Wordの標準スタイルや既定値(テンプレート)が決めています。そのため、新規文書だけ広い場合は「個別の文書がおかしい」のではなく、「Wordの初期状態が自分の期待と違う」状態です。

このときの典型的な原因は次のとおりです。

  • 標準スタイルの段落後が大きい(段落後8ptなど)

  • 行間が倍数や固定値になっている

  • テンプレートが組織配布のものになっている

  • 以前に既定値を変更して、そのままになっている

対策としては、まず新規文書で段落設定を確認し、必要なら標準スタイルや既定値を用途に合わせて整えることです。ただし、会社・学校PCではテンプレート運用が優先されることもあるため、変更が反映されない場合はテンプレ側に合わせるのが現実的です。