Windows11 24H2不具合の直し方まとめ｜症状別チェックと安全な復旧手順

Windows 11を24H2へ更新した直後から、「突然パソコンが重くなった」「スタートメニューが反応しない」「エクスプローラーが固まる」「共有フォルダにアクセスできなくなった」といった不具合に直面し、戸惑っていないでしょうか。
これまで問題なく使えていた操作が通らなくなると、「更新に失敗したのではないか」「このまま使い続けて大丈夫なのか」と不安になるのは当然です。

しかし、Windows11 24H2で起きているトラブルの中には、実際の不具合だけでなく、セキュリティ強化による仕様変更が原因のものも混在しています。その違いを見誤ると、直らないばかりか、不要に危険な設定変更を行ってしまう可能性もあります。

本記事では、Windows11 24H2で多く報告されている不具合を整理したうえで、
「不具合か、仕様変更か」を正しく切り分ける方法、
症状別に安全な順番で進める復旧手順、
今後同じトラブルを繰り返さないための更新運用の考え方
を、初心者の方でも実践できる形で丁寧に解説いたします。

闇雲に設定を変更する前に、まずは本記事の手順に沿って状況を整理してみてください。
多くの場合、「何が原因で、どこを直せばよいのか」が見えてくるはずです。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

Windows11 24H2不具合が増えたと感じる理由

不具合と仕様変更の違いを先に分ける

Windowsのアップデート後に起きる不調は、大きく分けて次の2種類があります。

• 不具合（バグ）：本来の動作を満たさず、クラッシュや機能停止が起きる

• 仕様変更：セキュリティや機能改善のため、意図的に挙動が変わる（従来のやり方が通らなくなる）

この違いを最初に分けないと、「直すつもりがセキュリティを下げる設定を入れてしまう」「原因と関係ない場所を触って時間を浪費する」などが起きやすくなります。

特に混同しやすいのが、共有フォルダ（NAS）関連です。以前は“匿名（ゲスト）”で入れていた共有先が、24H2以降でブロックされる場合、端末が壊れたというよりも、安全ではない接続を避ける方向の挙動が強く出た可能性があります。
このケースで「とにかく前と同じに戻したい」と設定を緩めると、外部からの侵入リスクを上げる結果になり得ます。まずは次を判断してください。

• その不具合は「クラッシュ」や「フリーズ」など明らかな異常か

• それとも「今までできた手順ができない」というルール変更に見えるか

簡単な見分けとして、次のように整理できます。

この段階で「仕様変更っぽい」と感じたら、対処の方向性は“OSの修復”ではなく、接続方法や認証方法の見直しになります。

既知の問題と修正済みの見分け方

Windowsの大型アップデート直後は、特定条件下で問題が見つかり、段階的に修正が入ります。そのため重要なのは、「いま自分が遭遇している症状が、すでに“既知の問題”として整理されているか」「修正済みか」「回避策があるか」を見分けることです。

ここでの実務（※表現としての“実務的”は使用しません）は、次の3点に集約されます。

1. 発生時期を確定する（いつからおかしくなったか）

2. 更新履歴（KB番号）を控える（どの更新が入った直後か）

3. 環境条件を整理する（家庭PCか、企業管理PCか、仮想環境か、NAS接続があるか）

これができると、「原因が更新なら更新の取り消し」「周辺要因ならドライバーや常駐の見直し」「仕様変更なら接続方法の変更」というように、打ち手がぶれなくなります。

Windows11 24H2不具合の確認手順

この章は、対処を始める前に必ず押さえていただきたい内容です。ここを飛ばすと、関係のない施策に時間を使ったり、重要な手掛かりを消してしまったりします。

更新履歴とKB番号を確認する

まず、更新が起点かどうかを判定するために、更新履歴を確認します。

手順

1. 設定を開きます

2. Windows Updateを開きます

3. 更新の履歴を開きます

4. 不具合が起き始めた日付の前後にある更新（特に「累積更新」「品質更新」）を確認します

5. 表示されるKB番号（例：KBxxxxxxx）を控えます

ここで控えるべき情報

• 不具合が起き始めた日付（おおよそで構いません）

• 直近のKB番号（複数あればすべて）

• 「機能更新（24H2）」を入れた日と、その直後の品質更新の有無

補足

• 24H2にした“直後”に不安定になった場合でも、実はその後に入った累積更新が引き金になっていることがあります。

• 「24H2にした＝原因が24H2本体」と決めつけず、「いつから」「どの更新の直後から」を丁寧に見てください。

信頼性モニターとイベントビューアで原因を絞る

次に、Windows標準の記録から「何が落ちているのか」を見ます。ここは専門的に見えますが、目的は単純です。落ちたものの名前と日時さえ分かれば、切り分けが前に進みます。

信頼性モニター（おすすめ）

• 検索ボックスに「信頼性」と入力し、「信頼性履歴の表示」を開きます

• 日付ごとにエラーやクラッシュが並びます

• 「Windows エクスプローラー」「スタートメニュー関連」「特定アプリ名」などが出ていないか確認します

見方のコツは、「不具合が始まった日以降に、同じ名前のエラーが繰り返し出ているか」です。繰り返し出ていれば、原因の候補が絞れます。

イベントビューア（追加で確認）

• 検索ボックスに「イベントビューア」と入力して開きます

• 左側で「Windowsログ」→「システム」「アプリケーション」を確認します

• 不具合が起きた時間帯の「エラー」「重大」を中心に見ます

イベントビューアは情報が多いので、次の観点だけで十分です。

• 同じエラーが大量に出ていないか

• ドライバー（表示、ネットワーク、ストレージ）っぽい記録がないか

• ある特定のアプリが原因として頻出していないか

セーフモードとクリーンブートで切り分ける

ここが切り分けの要です。目的は「Windowsだけで起きるのか」「追加ソフトやドライバーが絡むのか」を分けることです。

セーフモード

• Windowsを最小限の構成で起動します

• 起動できない、または通常起動だと落ちる場合に特に有効です

セーフモードで問題が起きないなら、原因は次のどちらかの可能性が高まります。

• サードパーティ製ドライバー（GPU、ネットワーク、周辺機器）

• 常駐ソフト（セキュリティソフト、チューニング、バックアップ、同期、入力支援など）

クリーンブート

• 常駐ソフトやサービスを止めた状態で通常起動し、再現するか確認します

• 「セーフモードでは不便で判定しづらい」場合に向きます

切り分けの結論は次の通りです。

この判断ができると、次章の「症状別対処」を無駄なく進められます。

Windows11 24H2不具合の症状別対処

この章では、ありがちな症状ごとに「軽い対処 → 重い対処」の順で整理します。最初から強い手（初期化、レジストリ変更、危険な設定）に進まないよう、段階的に実施してください。

起動しない・再起動ループの対処

起動系のトラブルは、データ保護の観点からも慎重さが必要です。以下の順で進めると、成功率が上がり、取り返しのつかない作業を避けられます。

最初にやること（安全確認）

• 可能なら、重要ファイルのバックアップが取れる状態か確認します

• BitLockerが有効な場合、回復キーを入力できる準備があるか確認します

• 会社PCの場合は管理者に連絡できる状況か確認します

1）周辺機器を外して最小構成で起動

• 外付けSSD/HDD、USBハブ、ドック、プリンター、キャプチャ機器などを外します

• 有線LANやWi-Fiはそのままでもよいですが、ネットワークが原因疑いなら一時的に切断も検討します

起動時に読み込むドライバーが減るため、原因の切り分けに役立ちます。

2）回復環境（WinRE）へ入り、スタートアップ修復

• うまく起動できない状態が続くと、自動的に回復環境に入ることがあります

• 入れない場合は、電源投入→途中で強制終了を繰り返して回復環境に入るケースもあります（機種により異なります）

回復環境で次を順に試します。

• スタートアップ修復：起動に必要な構成の修復

• システムの復元：復元ポイントがある場合に有効

3）更新プログラムのアンインストール
更新直後に起動しなくなった場合、回復環境から「更新プログラムのアンインストール」を行うと復旧することがあります。特に「品質更新」の取り消しは、起動回復の定番です。

注意点として、更新を外した後はセキュリティ更新も外れる可能性があります。復旧できたら、そのまま放置せずに、次の更新で改善されるかを見ながら再適用の時期を判断してください。

4）セーフモードで起動して原因の方向を確定
起動できた場合は、セーフモードで安定するか確認します。安定するなら、ドライバーや常駐が原因の線が濃くなります。

5）最終手段：ロールバック／再インストール
どうしても復旧できない場合、ロールバック（前バージョンへ戻す）や再インストールが必要になります。ここで重要なのは「焦って初期化」を選ばないことです。次の優先度で考えると安全です。

1. ロールバックできるなら、まず戻して作業を再開

2. データを救出できるなら、救出してから再インストール

3. 再インストールは最後の手段として計画的に実行

スタートメニューやエクスプローラーが動かない対処

この症状は体感的に最もストレスが大きい部類です。クリックしても反応しない、右クリックで落ちる、検索が機能しない、エクスプローラーが固まるなど、作業の入口が塞がれます。

1）まずは再起動と更新の“完了”を確認
大型更新直後は、内部で後処理が走っていることがあります。以下を確認してください。

• 再起動を数回繰り返しても改善しないか

• Windows Update画面で「再起動が必要」「処理中」になっていないか

• ストレージ容量が極端に不足していないか

2）信頼性モニターで落ちている要素を特定

• 「Windows エクスプローラー」が落ちているのか

• 「特定アプリ」が落ちた結果としてエクスプローラーが巻き込まれているのか

• 「設定」や「スタート」関連のコンポーネントが落ちていないか

ここで“特定アプリ名”が頻出する場合、そのアプリのアップデート・再インストール・一時無効化で改善することがあります。

3）クリーンブートで競合を疑う
特に影響が出やすい代表例は以下です。

• 追加のセキュリティソフト（Windows標準以外）

• シェル拡張（右クリックメニューを増やすツール等）

• クリップボード拡張、ランチャー、操作支援ツール

• 同期や仮想ドライブ系のソフト

クリーンブートで症状が止まるなら、競合しているソフトが存在します。そこから1つずつ戻して原因を特定するのが確実です。

4）ドライバー（特にGPU）を確認
表示系の不調はGPUドライバーが引き金になることがあります。次の順を推奨します。

1. Windows Updateで提供される更新を適用（必要なら）

2. GPUメーカー公式の推奨版ドライバーへ更新

3. 更新で悪化した場合は、直前の版へ戻す（ロールバック）

※“最新が常に正解”ではありません。安定版が向くこともあります。

5）更新起点が明確なら、直近のKBを一時的に外して検証
更新の直後から問題が始まった、という確信がある場合は、更新のアンインストールで改善することがあります。
ただし、むやみに複数の更新を外すと、別の問題が出やすくなります。必ず「起点のKB」から最小限で試してください。

共有フォルダにアクセスできない対処

24H2で増えた相談の中でも、共有フォルダ（NAS）問題は「不具合」と断定しづらい分、混乱が起きがちです。結論としては、次の順で判断すると安全です。

1. 共有先が“認証あり”で利用できるか

2. 共有先が“ゲスト（匿名）前提”で古い運用になっていないか

3. エラーメッセージが認証やポリシーを示していないか

よくある状況

• これまで「ユーザー名・パスワードなし」でNASに入れていた

• 家族PCや古い機器が“匿名共有”を前提にしていた

• Windows側がそれを許容しにくい挙動になった

推奨：ユーザー名・パスワードで接続する

最も安全で、今後も安定しやすい方法です。

手順の考え方

• NAS側にユーザーを作成し、共有フォルダに権限を付けます

• Windows側では、過去の資格情報（間違った保存）が残っていると失敗するため、資格情報を整理します

• 共有先へ接続する際に、正しいユーザーで入れる状態を作ります

改善しないときの典型原因

• 保存されている資格情報が古い（以前のパスワード）

• NAS側で権限が不足している

• NAS側のSMB設定が古すぎて、互換性が厳しい

この場合、NASのファームウェア更新や、SMB設定の見直しが必要になることがあります。

次善：どうしても必要な場合のみ、ゲスト接続を検討する

古い機器の都合で“認証が用意できない”場合、設定でゲスト接続を許容する案が紹介されることがあります。ただし、これはセキュリティ面で不利になり得ます。
そのため、実施するなら次の方針が必須です。

• 期間を限定する（復旧のための一時措置）

• 可能なら家庭内LANに限定し、外部公開はしない

• 将来的に認証運用へ移行する（NAS更新を含めて検討する）

本記事では、安易に設定を緩める手順を推奨しません。まずは認証運用へ寄せるのが安全です。

更新プログラムが入らない・失敗する対処

更新失敗は原因の幅が広いので、次のように“確率の高い順”で潰します。

1）基本チェック

• 空き容量が十分か（目安として数十GBの余裕があると安全です）

• 再起動を実施したか（保留処理が残ることがあります）

• 電源（ノートPCはAC接続）とネットワークが安定しているか

2）トラブルシューティングと更新コンポーネントの整理

• Windows標準のトラブルシューティングを実行します

• 一時ファイル整理（ストレージセンサー等）で不要物を削除します

3）周辺機器と常駐の影響を排除

• 外付け機器を外して更新します

• セキュリティソフトが影響していそうなら、一時的に停止できる範囲で検討します（企業PCは不可の場合があります）

4）エラーコードを控える
更新失敗の画面にエラーコードが出る場合、控えておくと原因究明が進みます。少なくとも「いつ」「どの更新が」「どの段階で」失敗したかをメモしてください。

5）成功後の確認
更新が通ったら、次を確認します。

• 再起動後に不具合が改善しているか

• 新たな不具合が出ていないか

• ドライバー更新が追加で必要になっていないか

更新に成功しても、その後に別の影響が出ることがあります。成功＝完了ではなく、安定性の確認までをセットにしてください。

Windows11 24H2不具合を避ける更新運用

トラブルが一度起きると、「もう更新したくない」と感じがちです。ただし、更新にはセキュリティの意味もあります。大切なのは、更新を止めることではなく、更新しても困りにくい運用へ寄せることです。

アップデートを急がない判断基準

次に当てはまる場合は、24H2への更新や、その直後の更新適用を急がない判断が現実的です。

• 仕事・学習でPCを止められない

• 周辺機器が多い（ドック、特殊なプリンタ、オーディオ機器など）

• NAS共有や古い機器との接続が必須

• 直近のアップデートで何度も不具合を経験している

一方で、アップデートを長期的に止めるとセキュリティ面の不安が増えます。したがって「一時停止」「段階的に適用」「バックアップ前提で適用」という形が無理のない着地点です。

ドライバーと周辺機器を更新前に整える

更新トラブルの多くは、OS本体だけでなく周辺要因の組み合わせで起きます。更新前に以下を整えるだけで、失敗率は下がります。

• GPUドライバー：メーカー推奨版を把握する

• チップセット・ネットワーク：PCメーカーの提供更新を確認する

• BIOS/UEFI：メーカー推奨がある場合のみ、慎重に更新する

• 周辺機器：更新直後は最小構成で検証する

特に「更新後だけ不安定」「画面や操作が変」という症状は、GPUやドックなどの影響が混ざりやすいです。

ロールバックとバックアップの準備

更新前に“戻せる状態”を作っておくと、精神的な負担が大きく減ります。次のチェックリストを、可能な範囲で整えてください。

更新前・復旧前の安全チェックリスト

• 重要データを別媒体へバックアップ済み（外付け・クラウド等）

• Microsoftアカウントのサインイン手段（パスワード・認証）を確認済み

• BitLockerが有効なら回復キーを確認できる

• 復元ポイントが有効（必要なら手動作成）

• NASや共有フォルダは認証情報（ユーザー/パスワード）を用意できる

• ドライバーの入手先（メーカー公式）を把握している

この準備があるだけで、「何かあっても戻せる」状態になります。

Windows11 24H2不具合のよくある質問

25H2に上げれば改善するのか

「次の大型アップデートにすれば全部直るのでは」と期待されることがありますが、必ずしもそうではありません。理由は2つあります。

• 不具合の原因がOS本体ではなく、ドライバーや常駐ソフト、周辺機器の相性にある場合、上げても再発する可能性がある

• 逆にOS側の修正が積み上がって改善するケースもあるが、それは“次の大型アップデート”に限らず、月例更新などで改善することもある

判断のコツは、「自分の症状が更新直後に始まり、特定のKBや条件で再現するか」「クリーンブートで止まるか」を見て、OS側か周辺要因かを分けることです。

不具合の多いKBはどう扱うべきか

基本方針は、次のように“目的別”に扱うと安全です。

• 原因の切り分け：起点のKBを一時的に外して、改善するか確認する

• 暫定対応：改善した場合は、問題が落ち着くまで一時停止や延期を検討する

• 恒久対応：修正が入った更新が出たら、バックアップ前提で適用し直す

重要なのは、KBを外して終わりにしないことです。セキュリティ更新を外した状態が長引くと別のリスクが増えるため、必ず「次にどう戻すか」まで計画してください。

共有フォルダ対策でセキュリティは下がるのか

結論として、ユーザー名・パスワードによる認証で運用する限り、セキュリティは下がりにくいです。問題になりやすいのは、ゲスト（匿名）での共有を続けるために、端末側の制限を緩める方向の対処を取る場合です。

• 認証運用：基本的に安全側（推奨）

• ゲスト運用：利便性は高いが、侵入や情報漏えいの面で不利になり得る

したがって、共有フォルダの不調に直面したら、まず「認証運用へ移行できないか」を検討し、どうしても難しい場合のみ、短期間の暫定策を慎重に扱うのが望ましいです。