マウスの動きが“今日は速い、昨日は遅い”。その小さな違和感が、仕事の段取りやゲームのエイム精度をじわじわ削ります。
原因の多くは、Windowsの速度・加速・DPIがバラバラに最適化されていないこと。
この記事では、まず「速度6/11・加速OFF」という揺るがない土台を築き、そこからDPIとアプリ内感度で自分の手に合わせていく手順を、用途別プリセット付きで解説します。表計算を速く回したい人も、4Kの広大な画面を走り回る人も、FPSで“止めたい”人も——再現性の高い設定に整えるだけで、操作は静かに安定します。読み終えるころには、明日も来週も“同じ動きで同じ結果が返ってくる”環境が手に入ります。
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Windows11のマウス設定|感度・速度・加速の最適解
Windowsのポインター速度:6/11(中央)
「ポインターの精度を高める(加速)」:OFF
細かい速さ調整は「マウスのDPI」と「アプリ側の感度」で行う
なぜこの設定?
再現性:6/11は“入力1に対して出力1”に近い基準。手の動き=画面上の移動量が読みやすくなります。
一貫性:加速ONは“速く振ると余計に進む”可変ルール。
学習しにくく、タスクやゲームをまたぐと感覚が崩れやすい。
オフにして、DPI(ハード)+アプリ内感度(ソフト)の2軸で合わせると、環境が変わっても再現しやすい。
用途別プリセット(まずはここから)
すべて共通で「Windows速度=6/11」「加速=OFF」。ここから±10〜20%を目安に微調整。
| 用途 | 推奨DPI | アプリ内感度の目安 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 仕事・学習(表計算/ブラウジング) | 1200–1600 | 1.0倍 | 広い移動を少ない手首移動で。カーソル追従が自然。 |
| デザイン/写真/動画 | 800–1200 | 1.0倍 | 細部作業での止めやすさと移動量のバランス。 |
| FPS(ローセンシ寄り) | 400–800 | 低め(eDPI一定) | 微調整の誤差が出にくい。トラッキング安定。 |
| MOBA/RTS | 1000–1600 | 1.0倍 | マップ全域移動のテンポを確保。 |
| 4Kやマルチモニタ | 1200–2000 | 1.0倍 | 物理移動距離を確保して端から端へ素早く。 |
eDPI:ゲーム向けの総合感度。eDPI = DPI × ゲーム内感度。複数タイトルでeDPIを揃えると手が覚えます。
具体的な設定手順(Windows 11)
1) ポインター速度(6/11に)
設定 → Bluetooth とデバイス → マウス
ポインター速度のスライダーを中央に(おおよそ6/11相当)。
2) 加速(“ポインターの精度を高める”)をOFF
設定 → Bluetooth とデバイス → マウス → 関連設定 → 追加のマウス設定
ポインター オプションタブ → ポインターの精度を高めるのチェックを外す → OK。
3) スクロール量(作業用の快適化)
設定 → Bluetooth とデバイス → マウス → 一度にスクロールする量=2〜5行で好みへ。
表計算多め:2–3行、情報収集多め:3–5行が目安。
4) 応答性(ゲーミング向けの基本)
マウス本体ソフトでポーリングレート(125/250/500/1000Hz)を設定。基本は1000Hz、不安定なら500Hz。
角度補正/スムージングがある場合はOFFを基準に。
自分に最適化する3ステップ
ステップ1:DPIの仮決め(机×画面×用途)
机が狭い → 高DPI寄り(1400–2000)
机が広い → 低DPI寄り(400–1000)
4K/マルチ → 高DPI寄りで端から端まで素早く
迷ったら1200DPI(仕事)/800DPI(クリエイティブ)/400〜800DPI(FPS)から開始。
ステップ2:Windows速度を固定(6/11 & 加速OFF)
Windows速度を6/11 & 加速OFFで固定。
ここは“土台”。以後いじらないことで身体の学習が進みます。
ステップ3:アプリ/ゲーム内で微調整
作業系アプリ:基本は1.0倍。細作業時はアプリ内のズームや一時的に低DPIプロファイルに切替える。
ゲーム:同ジャンルでeDPIを統一。1日で大きく変えず、±5〜10%刻みで。
精度を上げる“検証メニュー”
A. ポインタ往復テスト(再現性チェック)
画面左端のフォルダアイコンなど固定目標にカーソルを合わせる
右端の時計まで“同じ速さ”で移動 → すぐ同じ動作で左端へ戻す
ぴたり戻れば良好。ズレる場合は加速ONやDPI過多の疑い
B. 90°ターン & トラッキング(ゲーム)
同じ手の振りで視点90°を出す練習を10回。ブレが小さい設定ほど安定。
可動域に合わせ、肘主体(ローセンシ)/手首主体(ハイセンシ)のどちらで安定するかを見極める。
C. cm/360 と eDPIの記録(ゲーム)
cm/360:マウスを机上で何cm動かすと視点が360°回るか。
ローセンシ:25〜35cm/360
ミドル:20〜25cm/360
ハイ:15cm/360以下
テンプレ(コピペしてメモ)
日付:______
DPI:______ / Windows速度:6/11 / 加速:OFF
タイトル:_______
ゲーム内感度:_______
eDPI(DPI×感度):_______
cm/360:_______cm
体感:速い□ 遅い□ ちょうど□ 追従性:1〜10 = ___
変更履歴:+___% or −___%
よくあるつまずきと対処
動きが速すぎる/飛ぶ
DPIを一段下げる → 2) それでも速ければアプリ内感度を下げる
遅すぎて手が疲れる
DPIを上げる → 2) それでも遅ければアプリ内感度を上げる
ノート+4K外部モニタで感覚がズレる
DPIを上げる、または表示スケールを見直す(例:150%→175%)。
デザインで微ブレが出る
マウスのサブDPIプロファイルを作る(例:通常1200/細作業800)。
ポーリング1000Hzで不安定
500Hzに落として挙動を安定化。遅延差は軽微で体感しにくいことが多い。
ラップトップの省電力で遅延
電源プラン:高パフォーマンス、USB省電力を無効に。