PCの「バージョン 1903」という表示を見て、「古いのは分かるけれど、このまま使っても大丈夫なのだろうか」「更新しようとしても失敗して先へ進めない」と不安になっていないでしょうか。Windows10 1903はすでにサポートが終了しており、セキュリティ更新が届かない状態で使い続けることになります。仕事で使っている場合は、情報漏えいリスクだけでなく、取引先の要件や社内規程の面でも見過ごせません。
本記事では、Windows10 1903がどの位置づけのバージョンなのかを整理したうえで、更新前に必ず行うべきバックアップと確認事項、Windows Updateで進める方法、うまくいかないときにISO更新へ切り替える手順、更新後のチェックポイントまでを一気通貫で解説します。途中で詰まっても戻れる準備を整えながら進められる構成ですので、初めての方でも安心して「サポート中の状態」へ戻す道筋が分かります。
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Windows10 1903とは何かと現在のサポート状況
1903の位置づけと確認方法
Windows 10の「1903」は、Windows 10の機能更新プログラム(Feature Update)の一つで、バージョン番号は「年(19)+月(03)」を目安に付けられています。つまり1903は、2019年頃に提供された世代のWindows 10であり、現在の基準で見るとかなり古い部類に入ります。古いから即座に壊れるわけではありませんが、更新の配布やサポートの観点では“止まったままの状態”になりやすく、気づかないうちにリスクが積み上がります。
まずは本当に1903なのかを正確に確認してください。Windows Update画面の表示だけでは判断がつきにくいことがあるため、OSが持つ正式なバージョン表示を見ます。
バージョン確認手順
キーボードで「Windowsキー + R」を押します。
表示された「ファイル名を指定して実行」に
winverと入力してEnterを押します。「Windows のバージョン情報」が開き、「バージョン 1903」などと表示されます。
ここで1903と出る場合、考えられる状況は大きく3つです。
更新を意図的に止めていた(帯域や不具合を避けるために延期設定をしていたなど)
途中で更新が失敗して止まった(再起動ループ、ダウンロード失敗、互換性ブロックなど)
端末側の条件で更新が進みにくい(空き容量不足、ストレージ不調、古いドライバー、破損したシステムファイルなど)
業務利用のPCでは、社内の更新管理(WSUS、Intune、管理ツール、グループポリシー)により、意図せず止まっているケースもあります。個人利用のPCでも、数年単位で電源投入頻度が低い端末や、容量がギリギリの端末は更新が“進みかけて止まる”状態に陥りがちです。
次に、現在の状態を掴むうえで重要なのが「エディション」と「ビルド」です。winver画面には「OS ビルド」が表示されます。更新の失敗原因の切り分けや、ISO更新(後述)を検討する際の参考になります。
追加で確認したい項目
エディション:Home / Pro / Enterprise など
OS ビルド:例)18362.xxxx など
Windows Updateの状態:更新の一時停止、エラー履歴
「設定」→「システム」→「バージョン情報」でも、エディションやバージョンは確認できます。業務PCで管理者権限が限定されている場合は、ここで見られる範囲をまず押さえ、必要なら社内管理者へ共有できるようにメモを残しておくとスムーズです。
サポート終了で起きるリスク
1903が問題になりやすい最大の理由は、サポート(サービス提供)が終了していることです。サポートが終わると、セキュリティ更新を含む重要な更新が提供されません。これは「今すぐ何かが起きる」というより、「危険な穴が見つかっても塞がらない状態で使い続ける」ことを意味します。
具体的に起きうるリスクは次の通りです。
セキュリティ面のリスクが増える
OSの脆弱性は日々見つかります。サポート中であれば修正が配布されますが、サポート切れでは修正が期待できません。結果として、同じ操作をしていても被害に遭う確率が上がります。不具合が解消されにくい
既知の不具合や互換性問題があっても、品質更新で改善される見込みが薄くなります。特にネットワーク、ストレージ、印刷、ディスプレイなど、ドライバーと密接な領域は影響が出やすいです。新しいソフトや機器が対応しなくなる
ブラウザや業務アプリ、セキュリティソフトは、一定以上のOSバージョンを前提に開発されます。古いOSではインストールできなかったり、動作保証外になったりします。取引・監査・社内規程で問題になる
小規模事業者でも、取引先のセキュリティチェックで「サポート切れOSの利用」が指摘されることがあります。個人情報や顧客情報を扱う業務ほど、更新は“できればやる”ではなく“必須の保守”に近づきます。
ここで重要なのは、「1903をどうにかする」という発想だけで終わらせないことです。Windows 10は全体としてもサポート期限が決まっているため、最終的には「Windows 10をどこまで使うか」「Windows 11へ移行するか」を判断する必要があります。ただし、いきなりWindows 11へ移行しようとして詰まるよりも、まずはサポート中の状態へ戻し、安定させたうえで移行判断をするほうが安全です。
本記事では、まずはWindows 10を継続する場合の到達点(22H2など)を見据えて更新ルートを整理し、次にWindows 11へ移行する判断軸を提示します。焦って大きく変えず、確実に“危険な状態から脱する”ことを優先してください。
Windows10 1903から更新する前の準備
バックアップと復元の作り方
更新作業で一番大切なのは、手順そのものよりも「万一のときに戻せる状態」を作ることです。特に1903のように古いバージョンから大きく更新する場合、途中で想定外のエラーや互換性問題が出ることがあります。だからこそ、更新前に必ずバックアップと復旧手段を整えます。
まず、守るべきデータを洗い出してください。一般的には次が対象です。
個人データ
デスクトップ、ドキュメント、ダウンロード、画像、動画
ブラウザのブックマーク(Chrome/Edgeなど)
メール(OutlookやThunderbirdのデータファイル)
業務データ
顧客データ、見積・請求、会計データ
共有フォルダ外に置かれているデータ(ローカルにあるものが危険です)
業務アプリの設定ファイル、テンプレート、マクロ
バックアップ先は、可能なら複数用意します。最低でも「外付けHDD/SSD」「社内サーバー」「クラウド(OneDrive等)」のいずれかに退避してください。業務上の規程がある場合は、そのルールに従います。
次に、復旧手段を確保します。データのバックアップだけでは、OSが起動しなくなった場合に困ります。以下の準備を行うと安心です。
システムの復元ポイントの作成
スタートで「復元ポイントの作成」を検索して開きます。
システムドライブ(通常C:)を選び、「構成」で保護を有効にします。
「作成」から復元ポイントを作成します。
回復ドライブ(USB)の作成(可能なら)
スタートで「回復ドライブ」を検索し、作成ツールを開きます。
USBメモリを挿し、画面の指示に従います。
※社内PCで制限がある場合は無理に行わず、管理者へ相談してください。
さらに業務PCで見落としがちなのがBitLocker(ドライブ暗号化)です。BitLockerが有効な場合、更新や修復の過程で回復キーの入力が求められることがあります。回復キーが見つからないと、最悪の場合データにアクセスできなくなります。次を必ず確認してください。
BitLocker回復キーがどこに保管されているか
社内台帳、管理者保管、Microsoftアカウント、AD/Intune等
OS更新前に回復キーを取り出せる状態か
更新作業は「バックアップが取れている」だけで心の負担が大きく下がります。焦りが減ると、操作ミスも減ります。更新の成否を分けるのは、意外とこの準備段階です。
空き容量と周辺機器の事前チェック
1903から大きく更新するときに詰まりやすい原因の一つが「空き容量不足」です。機能更新は、ダウンロードだけでなく、展開・一時ファイル・復元用ファイルなどで容量を大きく使います。目安としては次を確保してください。
目標:空き容量20GB以上
どうしても難しい場合:最低10GB以上(ただし失敗率が上がります)
空き容量を確保する手順としては、次が定番です。
「設定」→「システム」→「ストレージ」から一時ファイルを削除
不要なアプリのアンインストール
大きい動画や不要なインストーラーの移動
「ディスク クリーンアップ(管理者)」でWindows Updateのクリーンアップ(状況による)
次に重要なのが周辺機器です。更新時に外付け機器が接続されていると、ドライバーが絡んで失敗することがあります。更新を始める前に、次を外しておくと切り分けが簡単になります。
外しておくとよいもの
USBメモリ、外付けHDD/SSD
使っていないプリンタ、スキャナ、Webカメラ
ドングル類(必要なものを除く)
複数モニター構成の場合、まずは最小構成にする(可能なら)
ノートPCの場合は電源も重要です。更新中にスリープやシャットダウンが走ると失敗します。
更新時の基本
ACアダプタ接続
省電力設定でスリープを一時的に避ける
更新中は蓋を閉じない
また、ネットワークが不安定だと更新が失敗しやすくなります。可能なら有線LANや安定したWi-Fi環境で行い、会社のネットワーク制限がある場合は管理者に相談してください。
ドライバー更新の考え方
更新の成否や更新後の安定性に直結するのがドライバーです。ただし、ドライバーは「新しいほど正義」ではありません。むしろ古い端末や業務用途の端末では、メーカーが検証した推奨版のほうが安定することもあります。基本方針は次の通りです。
更新前にやること
PCメーカーのサポートページで機種別のドライバー提供状況を確認
特に重要:チップセット、ストレージ(SATA/NVMe)、GPU、無線LAN
既存ドライバーのバージョンを控えておく(後で戻すため)
更新前に避けたいこと
出どころの不明な自動ドライバー更新ソフトを使う
ベータ版ドライバーを入れる
問題が起きていないのに大規模に更新する(検証なしで一気に変えない)
更新後に不具合が出た場合は、まず「デバイス マネージャー」で該当デバイスのドライバーを戻す(ロールバック)や、メーカー推奨版に入れ替える対応を検討します。特にプリンタや業務用スキャナなどは、OS更新の影響を受けやすいので、メーカーサイトの対応状況を確認してから更新に入ると失敗が減ります。
Windows10 1903を安全に22H2へ上げる手順
Windows Updateで進める手順
最初に試すべき基本ルートは、Windows Updateです。成功すれば手間が最も少なく、操作も簡単です。ただし1903のように古い状態からだと、途中で詰まることもあります。詰まった場合は、後述のISO更新へ切り替える前提で進めると迷いません。
Windows Updateの基本手順
「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を開きます。
「更新プログラムのチェック」を押します。
表示された更新をすべて適用します(累積更新、.NET、ドライバー等が出る場合があります)。
再起動が求められたら、必ず再起動します。
再起動後、再度「更新プログラムのチェック」を行い、残りがない状態まで繰り返します。
ここで重要なのは、いきなり機能更新(バージョン更新)だけを狙わず、先に出ている更新をきれいに当てて土台を整えることです。更新が渋滞している端末は、再起動を挟むだけで状況が改善することがあります。
次に、機能更新が提示されたら進めます。
機能更新の進め方
「Windows 10, version xxxx の機能更新プログラム」などが表示されたら「ダウンロードしてインストール」を選びます。
途中で長時間止まっているように見えても、ディスクアクセスが続いている場合は待ちます。
完了後、
winverでバージョンが更新されたことを確認します。
更新後は、最低限次を確認してください。
更新後チェック
インターネット接続が正常か(有線/無線)
印刷ができるか(業務PCなら特に重要)
業務アプリが起動するか
サウンド、カメラ、VPNなど主要機能
もしWindows Updateで失敗が続く場合は、同じ操作を延々と繰り返さず、原因切り分け(次章)かISO更新に進むほうが早いです。「Updateが通らない端末は通らない」ということが実際にあります。
ISOを使った更新手順
Windows Updateが詰まりやすい端末では、ISOを使った更新(インプレースアップグレード)が有効です。インプレースアップグレードは、環境(アプリやデータ)をできるだけ保持しながら、OSの中身を入れ替えるイメージです。1903のように古い状態で更新コンポーネントが不調な場合でも、成功率が上がることがあります。
ISO更新を選ぶ目安
Windows Updateが何度も失敗する
エラーコードが出て先へ進まない
更新が途中で必ず止まる/再起動ループになる
更新に時間がかかりすぎて業務に支障が出る
事前に必ず行うことは、前章のバックアップと復元です。ISO更新は比較的安全な方法ですが、絶対ではありません。準備ができたら進めます。
ISO更新の手順(一般的な流れ)
Microsoft公式のWindows 10ダウンロードページからISOを入手します。
ダウンロードしたISOファイルを右クリックし、「マウント」を選びます。
仮想ドライブが開くので、
setup.exeを実行します。更新プログラムのダウンロードに関する選択が出た場合、環境に応じて選びます(ネットワークが安定しているならオンライン、制限があるなら後で適用など)。
「引き継ぐものを選択」で「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」が選べるなら、それを選択します。
画面の指示に従って進め、完了後に
winverでバージョンを確認します。
ISO更新は、途中で数回再起動し、黒い画面で進捗が止まっているように見えることがあります。ディスクアクセスが続いている場合は、無理に電源を切らないことが重要です。
完了後は、Windows Updateを開いて累積更新を当て、最終的にサポート中の状態へ整えます。ここまでできると、セキュリティ面でも運用面でも落ち着きます。
クリーンインストールが必要なケース
クリーンインストールは、OSを新規に入れ直す方法です。インプレースアップグレードよりも“環境がきれい”になり、長期的な安定性が得られる場合があります。一方で、アプリ再インストールや設定復元の手間が大きいのが難点です。
クリーンインストールを検討したいケース
更新が何度も失敗し、ISO更新でも改善しない
OSの破損が疑われ、動作が全体的に不安定
不要なアプリや設定が積み上がり、整理したい
会社の標準イメージやセキュリティ要件で入れ直しが必要
クリーンインストールを選ぶ場合、事前準備は“データ退避”だけでは足りません。特に業務PCは、復旧項目が多いです。
クリーンインストール前の棚卸し例
必要アプリ一覧(インストーラーの保管場所、ライセンス情報)
プリンタ設定、スキャナ設定
VPN、証明書、業務システムの接続情報
ブラウザ設定、ブックマーク、パスワード管理
Officeや会計ソフトの認証方法
「入れ直せば解決する」は正しい一方で、「入れ直したあとに業務が戻らない」リスクもあります。クリーンインストールは最終手段として、必要な道具と情報を揃えてから着手してください。
Windows10 1903の更新が失敗するときの原因と対処
容量不足とシステム破損の確認
更新失敗の原因として最も多いのは、空き容量不足とシステムの破損です。まずはここから潰します。容量は前章で触れた通り、できれば20GB以上確保します。
次に、システム破損の確認・修復です。Windowsには、システムファイルの整合性を確認して修復する仕組みがあります。代表的なのがSFCとDISMです。
システム修復の基本(概念)
SFC:Windowsの保護されたシステムファイルを検査し、破損があれば修復します。
DISM:Windowsイメージの修復を行い、SFCの修復元を整えます。
操作としては、管理者権限のコマンドプロンプト(またはPowerShell)で実行します。業務PCで権限制限がある場合は、管理者へ依頼してください。
修復を行った後は、必ず再起動し、Windows Updateを再試行します。それでも改善しない場合は、Windows Updateのトラブルシューティング機能を試す、更新キャッシュのリセットを検討する、そしてISO更新へ切り替える、という順で考えると整理できます。
また、ストレージ自体の不調も見逃せません。特に古いHDD搭載機や、劣化したSSDでは、更新中の展開処理でエラーが出ることがあります。
ストレージ不調のサイン
普段から動作が極端に遅い
ディスク使用率が100%に張り付く
イベントビューアにディスク関連エラーが頻発
ファイルコピーでエラーが出る
この場合、更新を続ける前にストレージ診断や交換を検討したほうが、結果的に早く安定します。
互換性とドライバー問題の切り分け
次に多いのが互換性とドライバー問題です。更新はOSだけで完結せず、ハードウェアやドライバー、常駐ソフトとの相互作用で失敗します。切り分けの基本は「構成を単純にする」ことです。
最小構成での再挑戦チェックリスト
外付け機器をすべて外す(必要最小限のキーボード/マウスのみ)
使っていない常駐アプリを終了する
サードパーティ製セキュリティソフトがある場合は、会社ルールの範囲で一時的に影響を減らす(無断で削除しない)
ドライバーはPCメーカー推奨版を優先する
BIOS/UEFI更新が必要な機種は、メーカー手順に従って実施(無理はしない)
更新が失敗する際に表示されるエラーコードや履歴は、原因の手がかりになります。「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「更新の履歴を表示」から確認できます。エラーコードをメモし、社内管理者や保守ベンダーへ相談する際の材料にしてください。
互換性問題の特徴として、「一定のパーセンテージで止まる」「再起動後に元のバージョンへ戻る」といった動きがあります。この場合、無理に同じルートで繰り返すより、ISO更新で突破できることがあります。逆に、更新後に不具合が出た場合は、ドライバーのロールバックや、メーカー提供の安定版への切り替えが効果的です。
インプレース修復で立て直す
「更新が進まない」「Updateの仕組みが壊れているかもしれない」というとき、インプレースアップグレード(ISOを使った更新)は、単なる更新手段以上に“修復手段”として役立つことがあります。Windows Updateを通じて積み重なった問題を、OSの入れ替えで整理し、更新基盤を立て直すイメージです。
インプレース修復的に進めるポイントは、次の順番を守ることです。
立て直しの推奨順
データバックアップと復元手段を確保する
最小構成にする(外付け機器を外す)
ISOから
setup.exeを実行し、引き継ぎを選ぶ完了後にWindows Updateで累積更新を当てる
業務アプリ・周辺機器を順に戻し、問題が出た箇所を特定する
更新に失敗し続けると、焦って手当たり次第の対策を試しがちです。しかしそれでは原因が見えなくなります。インプレース修復は、試行錯誤を整理し、成功確率を上げるための「強い一手」になり得ます。特に1903のように古い世代から一気に進めたい場合、Updateに固執せず、適切な段階でISO更新へ切り替える判断が重要です。
Windows10 1903からWindows 11へ移行する判断基準
Windows 10を継続する場合の到達点
Windows 11への移行を考えるにしても、まずは現状をサポート中へ戻すことが先決です。1903のままでは、土台が脆く、トラブルが起きたときの切り分けも難しくなります。Windows 10を継続する場合は、到達点(最新のサポート中バージョン)へ上げ、安定させてから判断するのが安全です。
Windows 10を継続するメリットは、既存の業務アプリや周辺機器との互換性が保ちやすい点です。特に古い業務システムや専用機器がある場合、Windows 11へ急いで移行すると想定外のコストや停止が発生することがあります。
Windows 10継続を選ぶ場合でも、次の観点で“いつまで使うか”を設計しておくと安心です。
継続計画で考えること
端末の寿命(バッテリー劣化、SSD寿命、故障率)
ソフトの対応方針(今後Windows 11前提になるか)
セキュリティ要件(取引先、監査、社内ポリシー)
端末更改の予算と時期
「今すぐWindows 11へ」は難しくても、「まずWindows 10のサポート中へ復帰し、計画的に移行する」という道筋なら、現実的に進められます。
Windows 11へ行く場合の注意点
Windows 11へ移行する場合に多い詰まりポイントは、ハードウェア要件です。Windows 11は、TPMやCPU世代などの条件があり、端末によっては正規手順でアップグレードできません。ここを無理に突破しようとすると、将来的な更新や安定性に影響が出る可能性があります。
移行判断では、「移行できるか」だけでなく「移行した後に困らないか」を確認してください。
Windows 11移行前に確認したい項目
端末が要件を満たすか(PC正常性チェック等で確認)
メーカーがWindows 11対応ドライバーを提供しているか
業務アプリがWindows 11対応か(動作保証、サポート窓口の可否)
周辺機器(プリンタ、スキャナ、会議機器など)の対応状況
データ移行とユーザー教育(操作感が変わるため)
ここで、迷ったときの考え方として「業務停止が許されない端末ほど、段階的に進める」が基本です。つまり、まずWindows 10を最新のサポート中へ上げて安定させ、移行可能な端末からWindows 11へ進めます。一台で全てを背負う端末は、いきなり大変更を入れないほうが安全です。
判断の目安として、次の表のように整理すると、社内説明もしやすくなります。
| 観点 | Windows 10を継続(到達点へ更新) | Windows 11へ移行 |
|---|---|---|
| 互換性 | 既存資産と合いやすい | 要件・対応状況の確認が必要 |
| 手間 | 小〜中 | 中〜大(検証が増える) |
| トラブル時の復旧 | 既存ノウハウが活きる | 新しい要素が増える |
| 向いている状況 | 古い機器や業務アプリが多い | 端末更改済み、将来を見据える |
Windows10 1903でよくある質問
1903のまま使い続けてもよいか
おすすめできません。最大の理由は、セキュリティ更新を含む重要な更新が提供されない状態で使い続けることになるためです。日々発見される脆弱性に対して、保護が追いつかなくなります。家庭利用でも、ネットに繋ぐ端末である以上、リスクはゼロになりません。業務利用であればなおさらで、取引先の要件や監査の観点からも不利になります。
どうしてもすぐ更新できない事情がある場合でも、次の対策だけは最低限行ってください。
暫定対策(更新までのつなぎ)
重要データを端末に置きっぱなしにしない
ブラウザや主要アプリは可能な範囲で最新化する
不審な添付ファイルやダウンロードを避ける
管理者がいる場合は、更新計画を早期に相談する
ただし暫定対策は「延命」であり、根本解決ではありません。更新する前提で段取りを組むことが重要です。
ISOは安全か
ISO自体は、入手元が重要です。公式の提供元から入手し、改変された可能性のある第三者配布物を避けることで、安全性は大きく高まります。検索結果で出てくる“便利ツール”や“軽量版”のようなものは、リスクが読めないため避けたほうがよいでしょう。
また、ISO更新は便利ですが、失敗時の復旧を考えると、バックアップと復元手段の確保は必須です。安全性は「手段」だけで決まらず、「備え」とセットで成立します。
業務PCで注意することはあるか
業務PCは、個人PCと比べて注意点が増えます。特に次は見落としがちです。
暗号化(BitLocker)
回復キーの所在を必ず確認し、更新前に取り出せるようにします。管理ツール・グループポリシー
更新が止まる原因が端末側ではなく管理側にあることがあります。勝手に設定を変えず、管理者へ相談してください。業務アプリ・周辺機器
更新後に止まると困るものから順に確認し、可能なら検証端末で先に試します。プリンタ、会計、販売管理、VPN、会議ツールなどは優先順位が高いです。更新作業のタイミング
営業時間中の実施は避け、業務影響が出ても対応できる時間帯に行います。更新後の動作確認時間も確保してください。
最後に、業務PCで一番大切なのは「作業手順を残すこと」です。何をいつ行い、どこで詰まり、どの対策で改善したかをメモしておくと、他の端末にも展開しやすくなります。小規模事業者ほど属人化しやすいため、簡単な記録が大きな助けになります。