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WindowsでWi-Fiアナライザーを使う|無料ツール比較と選び方

家のWi-Fi、場所によってだけ遅くありませんか? その原因、回線よりも電波の混雑にあるかもしれません。
買い替えの前に、まずはWindowsで無料のWi-Fiアナライザーを使って“見えない電波”を見える化。
混雑チャンネルの回避や設置位置の見直しは、環境によって体感の改善につながる可能性があります。
本記事では、初心者でも迷わない無料ツールの選び方と、最短で試せる手順をまとめました。

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この記事のまとめ

買い替えは最後でOK。まずは無料ツールで現状を可視化し、

1) 混雑の少ないチャンネルへ、2) 必要ならチャンネル幅を調整、3) 設置位置を最適化。
この3手順だけでも、環境によって体感の変化が得られる可能性があります。
記録(スクショやCSV)を残し、変更前後を比べることが再現性のある改善への近道です。

WindowsでWi-Fiアナライザーを使える無料ツール比較と選び方

  • 初めて&日本語UI重視WiFi Analyzer(Microsoft Store)
    → チャンネル混雑のグラフ表示と“推奨チャンネル”が分かりやすい。

  • 6GHz/6E/7表記も見たい&軽量Homedale
    → 2.4/5/6GHzの一覧、ポータブル版でインストール不要。

  • 情報をCSVで残したいNirSoft WifiInfoView
    → SSID/BSSID/チャンネル/信号強度などを一括出力。

  • 混雑の可視化をしっかりinSSIDer(要無料アカウント)
    → グラフとガイダンスが充実。

  • OSS・GPSでAPマップ化Vistumbler
    → 開放的な運用・ログ収集に。

  • 無料からヒートマップへ拡張NetSpot(Free)
    → 基本スキャンは無料、将来のサイトサーベイに拡張しやすい。

注:6GHz/6E/7の検出はPCの無線LANアダプタが対応していることが前提です。ツールが対応でも、アダプタ/ドライバ/地域設定が非対応だと表示されません。


仕組みを:何が“見える化”される?

Wi-Fiアナライザーは、PCの無線アダプタを使って周囲のアクセスポイント(AP)をスキャンし、以下を一覧化します。

  • SSID(ネットワーク名)/BSSID(APの識別子)

  • バンド(2.4/5/6GHz)とチャンネル

  • 信号強度(RSSI, dBm):0に近いほど強い(例:−35dBmは強い、−80dBmは弱い)

  • チャンネル幅(20/40/80/160MHzなど)や暗号化方式 など

この“混雑状況+電波の強さ”を基に、干渉が少ないチャンネル置き場所の最適化を判断できます。


無料ツールの比較

ツールここが強い6GHz表記配布形態
WiFi Analyzer(MS Store)初心者に優しいUI、推奨チャンネル提示ストアアプリ
Homedale2.4/5/6GHz表示・軽量・ポータブルZIP展開で即起動
NirSoft WifiInfoView詳細一覧とCSV出力ポータブル
inSSIDer混雑の可視化とガイダンスインストーラ(無料アカ登録)
VistumblerOSS・GPSでAPマップインストーラ/ポータブル
NetSpot(Free)将来ヒートマップへ拡張可◯(表示は環境依存)インストーラ

選び方の軸

  • UIの分かりやすさ:WiFi Analyzer / inSSIDer

  • 軽量・持ち運び:Homedale / NirSoft

  • 将来の拡張:NetSpot

  • ログやマッピング:Vistumbler


かんたん選定フローチャート

目的は? → チャンネル最適化したい
└→ UI重視なら WiFi Analyzer / inSSIDer
└→ CSVなど記録重視なら NirSoft
目的は? → 電波の強弱を部屋ごとに見たい
└→ 軽量で十分なら Homedale
└→ 将来ヒートマップも視野 → NetSpot(Free→有料拡張)
6GHz/6Eを確認したい?
└→ PCアダプタが6E対応か確認 → 対応なら Homedale/NetSpot

実践:最適チャンネルを見つける(所要10〜15分)

準備

  1. PCをWi-Fiに接続(普段どおり)

  2. ルーターの管理画面の場所をメモ(「192.168.0.1」等。機種の底面に記載されがち)

  3. アダプタの対応を把握(Wi-Fi 5/6/6E、チャンネル幅80/160MHzなど)

Step 1:周囲の混雑をスキャン

  • ツールを起動し、2.4GHz5GHz(対応すれば6GHzも)を別々に確認

  • それぞれで

    • 自宅SSIDチャンネルRSSI(dBm)

    • 近隣の重なり具合(同じor隣接チャンネルに強いAPがいるか)

    • チャンネル幅(20/40/80/160MHz)
      をチェック

Step 2:チャンネルの当たりをつける

  • 2.4GHzは基本的に1/6/11のいずれかが重なりにくい定番

    • 例:6番に強い近隣APが集中 → 1番または11番を候補に

  • 5GHzはDFS(気象レーダー等と共用)あり

    • DFSを避けたい場合は非DFSチャンネル(例:36/40/44/48や149/153/157/161など)で混雑が少ない所

  • 6GHz(6E)は比較的すいていることが多いが、PC/スマホの対応状況に注意(非対応端末は接続できません)

Step 3:ルーター設定を変更

  • 管理画面で該当のバンド(2.4/5/6GHz)を開き、チャンネルとチャンネル幅を設定

    • 2.4GHz:20MHz固定が安定しやすいケースが多い

    • 5GHz:80MHzが一般的。混雑がひどければ40MHzに落として安定性を優先

    • 6GHz:環境により80/160MHzが選択肢。対応端末の有無で判断

  • 設定を保存→ルーター再起動(自動再起動される場合あり)

Step 4:再スキャン&実測

  • ツールで再スキャンし、

    • 自宅SSIDのRSSIが改善(例:−72dBm → −60dBm前後)

    • 近隣との重なりが減っているか
      を確認

  • 速度は同室/隣室/遠い部屋の3点で同条件の端末・サーバを使って簡易計測(例:ISPの速度テスト、NASや同一LAN内の速度計測ツールなど)

  • 改善が感じづらい場合は設置位置(床置き→棚上・中央寄せ)やチャンネル幅の調整も試す


dBmの目安(覚えやすい版)

  • −30 〜 −50dBm:非常に強い(同室・至近距離)

  • −51 〜 −67dBm:実用的に十分(動画・オンライン会議も安定しやすい)

  • −68 〜 −75dBm:軽い作業は可。壁や干渉の影響を受けやすい

  • −76dBm以下:切断や速度低下が起きやすい。設置位置やチャンネル再検討

dBmは環境で上下します。上の範囲は判断の目安であり、必ずしも結果を保証するものではありません。


ツール別:最初の一歩(ミニ操作ガイド)

WiFi Analyzer(MS Store)

  1. インストール→起動

  2. 「分析」や「ネットワーク」タブでチャンネルグラフを確認

  3. 「推奨チャンネル」を参考に候補をメモ → ルーター側で設定変更 → 再スキャン

Homedale

  1. ZIPを展開して実行(インストール不要)

  2. Access Pointsで周辺AP一覧、Monitorで自宅SSIDのRSSI推移を確認

  3. 2.4/5/6GHzごとにチャンネルの空きを見て設定変更→再スキャン

NirSoft WifiInfoView

  1. 実行して詳細リストを表示

  2. チャンネル・信号強度・PHYタイプなどをCSV出力して記録

  3. 変更前後でCSVを比較し、重なりの減少を確認

inSSIDer

  1. 無料アカウントでログイン→スキャン

  2. Networkビューで自宅と周辺のチャンネル重複を可視化

  3. アプリのガイダンスを参考にチャンネル/幅を調整→再スキャン

Vistumbler

  1. スキャン→地図(GPS)連携でAPの位置傾向を把握

  2. 大きなオフィスや多層フロアで弱い地点の傾向をつかむ

NetSpot(Free)

  1. Discoverモードでスキャン(無料)

  2. 将来、必要に応じてSurveyモード(有料)でヒートマップ化を検討


トラブル別チェックリスト

「2.4GHzだけ遅い」

  • 電波が遠くまで届く一方、混雑&干渉に弱い

  • 1/6/11のどれかへ固定し、20MHz

  • 電子レンジ・Bluetooth・古い端末の同時利用状況も確認

「5GHzが不安定」

  • DFSチャンネルで干渉検出→一時停止することがある

  • 非DFSチャンネル(36/40/44/48や149/153/157/161など)で空いている帯

  • 80MHz→40MHzに落として安定を優先するのも選択肢

「6GHzが表示されない/接続できない」

  • アダプタ(PC側)が6E対応か、ドライバが最新か

  • ルーターの地域/国設定が適切か

  • 6GHzは対応端末でのみ接続可能(非対応端末は見えない/繋がらない)

「RSSIが改善しない」

  • ルーターの設置位置:床置き→腰〜胸の高さ、壁から離す金属棚の近くを避ける

  • アンテナの向き(外付けなら垂直+必要に応じて角度を変えて様子を見る)

  • 中継器/メッシュは最後の手段。まずはチャンネル・幅・位置で様子見

ミニ用語解説

  • チャンネル幅:一度に使う“道路の広さ”。広いほど速くなりうるが、混雑に弱く干渉しやすい

  • DFS:レーダー等と共用の周波数帯。干渉検出時に回避動作を行う

  • RSSI(dBm):電波の強さ。−60dBm前後が快適の目安


よくある質問(FAQ)

Q. 推奨チャンネルって、そのまま信じてOK?
A. 出発点として有用ですが、壁材・距離・設置位置で体感が違います。推奨を起点に実測で微調整しましょう。

Q. チャンネル幅は広いほど良い?
A. 混雑が少なければ恩恵が出やすい一方、干渉に弱くなる面も。80MHzで不安定なら40MHzへ、2.4GHzは基本20MHzを推奨。

Q. ルーターを再起動したら速くなったけど、理由は?
A. キャッシュ解放やチャネル再割り当て等で一時的に改善する場合があります。根本対策は混雑回避と設置最適化です。

Q. 6GHzのメリットは?
A. 混雑が少なく干渉が起きにくい一方、到達距離は短めで対応端末が必要。自宅の端末構成で判断しましょう。