VRChatをもっと快適に楽しみたい場合、Discordとの連携は最も効果の高い改善策のひとつです。
フレンドとの合流が簡単になり、ボイスチャットやテキストチャットが使いやすくなり、さらにはコミュニティ運営やイベント管理までスムーズになります。
しかし実際には、「どこまでが公式機能なのか」「どう設定すれば良いのか」「自分の目的に合った連携方法が分からない」といったお悩みを抱える方が少なくありません。
本記事では、VRChatとDiscordの連携方法を最新情報に基づき体系的に整理し、初歩的なログイン連携から、プレイ中のチャット表示、ロール連携やBot活用まで幅広く解説いたします。
この記事をお読みいただくだけで、必要な設定と最適な使い方を一気に把握できる内容に仕上げております。これから連携を始めたい方も、すでに使っている方も、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
VRChatとDiscordを連携すると何ができるか
VRChatとDiscordは、それぞれ単体でも便利なサービスですが、うまく連携すると「フレンドと合流しやすくなる」「コミュニティ運営が楽になる」など、快適さが大きく向上します。本章ではまず、VRChat×Discord連携の全体像を整理します。
公式連携でできること(ログイン・Rich Presence)
現在、公式に提供されている主な連携は次のとおりです。
-
Discordアカウントでのログイン
-
VRChatのWebサイトから「Discordでログイン」ボタンを使ってサインインできます。
-
初回ログイン時に、Discordの検証済みメールアドレスに基づいて既存VRChatアカウントとの紐づけが行われます。
-
パスワードを覚えておく必要が減り、アカウント管理がしやすくなります。
-
-
Discord Rich Presence
-
VRChatをプレイ中であることや、参加中のワールド名などをDiscordのフレンドに表示できます。
-
フレンド側からは「誰がどこで遊んでいるか」を把握しやすくなり、合流のきっかけになります。
-
設定ファイルやオプションで機能をオフにすることも可能です。
-
コミュニティ運営で役立つ連携事例
コミュニティやサークル運営では、公式機能に加えて次のような連携がよく利用されています。
-
VRChat用Discordサーバーを作成し、
-
イベント告知
-
ワールド更新のお知らせ
-
スクリーンショット共有
などを一元管理する。
-
-
VirtualDesktopなどのツールで、VR空間内にDiscordのテキストチャンネルを表示しながらプレイする。
-
BOOTHのVRChat向け新着アイテムをDiscordに自動通知するBotを導入し、アバターや衣装の新作情報を共有する。
-
Discordロールと連動して、「特定ロールを持つメンバーだけワールドの鍵が自動で開く」仕組みを導入する。
このような工夫により、VRChat内外でのコミュニケーションがスムーズになります。
どんな人にVRChat×Discord連携がおすすめか
次のような方には、特にVRChatとDiscordの連携をおすすめいたします。
-
フレンドとボイスチャットしながらVRChatを楽しみたい方
-
マイクが使えない・使いたくないが、テキストでしっかり会話したい「無言勢」「テキスト勢」の方
-
自作ワールドやコミュニティを運営しており、連絡手段を整理したい方
-
BOOTHやイベントのVRChat関連情報を漏れなく追いかけたい方
上記に当てはまる場合、Discordとの連携を進めることで快適さが大きく向上します。
まずはここから:VRChatとDiscordの基本連携パターン
ここでは、VRChat×Discord連携を大きく3つのパターンに分けて整理し、「自分はどこまでやれば良いか」をイメージできるようにします。
アカウント連携・ログイン連携の考え方
アカウント連携には、主に次の2つの目的があります。
-
ログインを簡単にする連携
-
Discordアカウントを利用し、VRChatのWebサイトやランチャーへのサインインを簡略化します。
-
パスワード管理の負担を減らしつつ、ログイン手順を統一できます。
-
-
外部サービス利用時の本人確認としての連携
-
Discord Botや外部Webサービスが、Discordの認証情報を使ってユーザーを識別します。
-
これは主に、鍵付きワールドや特定メンバー向け機能を提供する際に利用されます。
-
公式の「Discordでログイン」は1つ目の目的が中心で、2つ目はコミュニティ側がBotやサーバーを用意して実現しているイメージです。
プレイ状況を共有するDiscord Rich Presence
Discord Rich Presenceを有効にすると、Discord上のフレンド一覧に次のような情報が表示されます。
-
プレイ中のゲーム名(VRChat)
-
ワールド名やインスタンスの種類 など
メリット
-
「誰が今オンラインで、どのワールドにいるか」が一目で分かります。
-
イベントや定例会の参加状況を確認しやすくなり、合流がスムーズになります。
注意点
-
プライベートなワールド名や知られたくない活動内容も表示される可能性があります。
-
匿名性やプライバシーを重視する場合は、設定ファイルやオプションから機能をオフにすることをおすすめいたします。
VRChatプレイ中にDiscordチャットを見る・打つ方法の全体像
VRChatプレイ中にDiscordを使う方法は、ざっくり次の3パターンです。
-
デスクトップモードでAlt+Tabしながら使う
-
最もシンプルで、追加ツールが不要です。
-
-
VR内にDiscordウィンドウを表示して使う
-
VirtualDesktopなどのツールを利用し、VR空間内にPC画面を浮かべるように表示します。
-
-
Discordテキストを読み上げBotなどで音声化して流す
-
無言勢向けの高度な構成で、テキスト入力→音声読み上げ→VRChatへ送信、というルートを構築します。
-
初めて連携を行う場合は、まず①→慣れてきたら②→必要に応じて③と段階的に進めると、トラブルが少なく導入できます。
手順編①:DiscordアカウントでVRChatにログイン・アカウント連携する
Discordログイン対応状況と前提条件
2025年時点では、概ね次のような対応状況です。
-
VRChat公式サイト(Web):
-
「Discordでログイン」ボタンが利用可能。
-
-
VRChatクライアント:
-
ログイン画面にDiscordボタンが追加されているバージョンもあり、段階的な展開が行われています。
-
前提条件
-
有効なDiscordアカウントを持っていること。
-
Discordアカウントのメールアドレスが検証済みであること。
-
既にVRChatアカウントを持っている場合は、メールアドレスをDiscord側と揃えておくと紐づけがスムーズです。
Web版VRChatでDiscordログインを有効にする手順
-
ブラウザでVRChat公式サイト(
https://vrchat.com)を開きます。 -
ログイン画面で、「Sign in with Discord」または「Discordでログイン」に相当するボタンをクリックします。
-
Discordの認証画面が表示されたら、
-
未ログインの場合:メールアドレスとパスワードでログインします。
-
ログイン済みの場合:表示されているアカウントで認可するか確認します。
-
-
「認証」「Authorize」などのボタンを押して、VRChatへのアクセス権限を許可します。
-
初回の場合、Discordの検証済みメールアドレスをもとにVRChat側で既存アカウントを検索・紐づけします。
-
ログイン完了後、アカウント設定画面でDiscordとのリンク状態を確認します。
既存VRChatアカウントとDiscordアカウントを紐づける流れ
既にVRChatアカウントを持っている場合は、次の点を確認してください。
-
VRChatアカウントのメールアドレスとDiscordアカウントの検証済みメールアドレスが同じかどうか。
-
VRChat側でメール認証および2段階認証を設定済みかどうか。
もしDiscordログイン後に別アカウントが作成されたように見える場合は、メールアドレスが異なっている可能性があります。
その際は、VRChat側のメールアドレスをDiscordと揃えたうえで再度ログインを試していただくと改善する場合があります。
よくあるトラブルと確認ポイント
-
「Discordでログインしたら別キャラになった」
-
メールアドレスが一致しておらず、新規アカウント扱いになっている可能性があります。
-
-
「Discordでログインボタンが表示されない」
-
UIやロールアウト状況により表示が異なる場合があります。公式サイトの最新情報をご確認ください。
-
-
「メール認証が届かない」
-
スパムフォルダの確認、別ドメインのメールアドレスの利用、時間を置いて再送するなどを試してください。
-
手順編②:VRChatプレイ中にDiscordチャットを快適に使う
デスクトップモードでのDiscord活用の基本
デスクトップモードの場合、追加ツールを入れなくても比較的簡単にDiscordを併用できます。
-
ウィンドウ配置
-
VRChatをフルスクリーンではなく「ボーダーレスウィンドウ」または「ウィンドウモード」で起動します。
-
Discordは同じモニターの横に並べるか、サブモニターに表示します。
-
-
操作のコツ
-
Alt+TabでVRChatとDiscordを素早く切り替える。
-
Discordのショートカットキー(ミュートON/OFF、Push to talkなど)を設定しておく。
-
この構成だけでも、テキストチャットやボイスチャットは十分に利用できます。
VirtualDesktopを使ってVR内にDiscordを表示するコツ
VRヘッドセットを利用している場合、VirtualDesktopなどのツールを使うとVR空間にPC画面を表示できます。
基本的な利用手順の例
-
PCにVirtualDesktopをインストールし、ヘッドセット側にも対応アプリを導入します。
-
ヘッドセットからVirtualDesktopを起動し、PC画面をストリーミング表示します。
-
PC側でVRChatをウィンドウモードで起動し、横にDiscordウィンドウを配置します。
-
VirtualDesktop上でDiscordの部分を見やすい位置とサイズに調整し、必要であれば画面を固定します。
ポイント
-
テキスト中心の方は、Discordのフォントサイズを大きめに設定すると読みやすくなります。
-
不要な通知が多いと画面が散らかるため、通知するチャンネルを絞ると快適です。
無言勢・テキスト勢のための設定例と注意点
無言勢・テキスト勢の方には、Discordのテキストを読み上げる構成が利用されることもあります。
-
Discordテキスト入力
→ 読み上げBotまたは読み上げソフト
→ PCのオーディオルーティング
→ VRChatへマイク入力として送信
この構成により、他のプレイヤーからは「音声」として聞こえるため、ボイスチャットに近い感覚でコミュニケーションできます。
注意点
-
Botやオーディオルーティングツールの権限・設定を誤ると、不要な音声が流れたり、音量バランスが崩れることがあります。
-
初回は必ず身内だけのプライベートインスタンスなどでテストし、本番前に調整しておくことをおすすめいたします。
手順編③:コミュニティ運営での連携(ロール・Bot・通知)
VRChatワールドとDiscordロールを連携する仕組みの全体像
DiscordロールとVRChatワールドの状態を連携する場合、直接VRChatとDiscordが繋がっているわけではありません。一般的には、次のような構成になります。
-
Discord側
-
メンバーごとにロールを付与・削除する(例:メンバー、常連、スタッフなど)。
-
-
中間サーバー・Bot
-
Discord APIを使って、特定ロールを持ったユーザーの一覧を取得します。
-
VRChatの表示名などを基に「入室許可リスト」を生成します。
-
-
VRChatワールド(Udonなど)
-
許可リストをもとに、該当プレイヤーのみドアやギミックを開錠するように処理します。
-
このように、Botや外部サーバーが「橋渡し役」となっているイメージです。
「Discordメンバーだけ自動開錠」ギミックの概念と参考イメージ
代表的な運用イメージは次のとおりです。
-
Discordサーバー側で、メンバーに「VRChatのユーザー名」を登録してもらう。
-
入室を許可したいメンバーに特定ロールを付与する。
-
Botが一定間隔でロール情報を取得し、許可リストを更新する。
-
VRChatワールド側で、許可リストに含まれるユーザーだけ自動で扉が開く。
この記事では、具体的なスクリプトやコードまで踏み込みませんが、
「実現したい場合は、Udon+外部サーバー+Discord Botという3要素が必要になる」
という前提を押さえていただければ十分です。
BOOTH新着やイベント情報をDiscordに通知するBot活用例
VRChat向けのBOOTH新着アイテムやイベント情報をDiscordに通知するBot・Webサービスも存在します。
-
BOOTHのVRChatカテゴリを監視し、新着アイテムを特定のDiscordチャンネルに自動投稿する。
-
アバター・衣装・ギミック素材の更新をコミュニティ全体で共有できる。
-
メンバー同士で「このアバター良いね」といった会話が生まれ、サーバーの活性化につながります。
運営者としては、話題作りの種を自動で供給できるため、手間に対して得られるメリットが大きい連携です。
自作Bot・外部サービスを使う際の権限設定の考え方
Botや外部サービス導入時は、次の3点を必ず確認してください。
-
Botに付与する権限は最小限か
-
「管理者権限」や「すべてのメッセージ閲覧」など強い権限は、本当に必要な場合にだけ付与します。
-
-
開発者・配布元の信頼性
-
GitHubや公式サイト、コミュニティでの評判を確認し、不明瞭なBotは招待しない方が安全です。
-
-
トラブル時にすぐ切り離せるか
-
何か問題が発生した際、Botをサーバーから削除し、権限を取り消せる体制をあらかじめ確認しておきます。
-
セキュリティとプライバシー:連携前に知っておきたいポイント
アカウント保護:2段階認証とメール認証の設定
VRChat・Discordの両方で、2段階認証を有効化しておくことを強くおすすめいたします。
-
VRChat側
-
メール認証の完了。
-
必要に応じて2段階認証アプリを利用し、ログイン時に追加コードを要求するよう設定。
-
-
Discord側
-
メールアドレスの認証。
-
SMSまたは認証アプリによる2段階認証を有効化。
-
これにより、パスワードが漏洩した場合でも不正ログインのリスクを大きく下げられます。
Discord Rich Presenceで公開される情報とオフにする方法
Rich Presenceを有効にしている場合、次のような情報がフレンドに見える可能性があります。
-
プレイ中のゲーム(VRChat)
-
参加中のワールド名
-
インスタンスの種類 など
オフにするための一般的な考え方
-
VRChatの設定ファイル内にあるRich Presence関連の項目を無効化する。
-
Discordの「アクティビティステータス」設定から、アクティビティを非表示にする。(UIはアップデートにより変わる可能性があります)
プライベートな時間を重視したい場合は、これらの設定を確認したうえで、自分に合った公開範囲に調整してください。
Bot・外部サービス連携時のリスクチェックリスト
Botや外部サービスを導入する前に、次の項目を確認しておくと安心です。
-
招待URLやダウンロード元が公式または信頼できるサイトか。
-
どの範囲の情報を取得・保存・投稿するかが明記されているか。
-
利用規約やプライバシーポリシーが公開されているか。
-
不具合や不審な動作があった場合に報告できる窓口があるか。
これらを満たしていないBotは、便利そうに見えても導入を控えることを推奨いたします。
目的別おすすめセットアップ例
ここでは、「結局自分は何をすればいいのか」をイメージしやすいように、目的別のおすすめ構成をまとめます。
友人と気軽に遊びたい人向け「最小構成」
-
Discord
-
友人と共通のサーバー、またはグループDMを用意。
-
ボイスチャット用チャンネルを1つ用意。
-
-
VRChat
-
必要に応じてRich Presenceをオンにし、合流しやすくする。
-
-
連携イメージ
-
Web版でDiscordログインを有効化(必須ではありませんが便利です)。
-
あとは「Discordで通話しつつ、VRChat内で遊ぶ」というシンプルな運用です。
-
VRChatクラン・サークル運営向け「コミュニティ構成」
-
Discord
-
お知らせチャンネル(告知専用)
-
雑談チャンネル
-
スクリーンショット・作品投稿チャンネル
-
VCチャンネル(大人数用と少人数用の2種類があると便利です)
-
-
VRChat
-
定例会用ワールドやお気に入りワールドを決めておく。
-
-
連携イメージ
-
Rich Presenceで参加状況を把握しやすくする。
-
BOOTH新着通知Botなどを導入して、話題を自動的に供給する。
-
これにより、運営側の負担を増やしすぎずに、コミュニティを自然に活性化しやすくなります。
配信者・イベント主催者向け「通知・管理強化構成」
-
Discord
-
お知らせチャンネル(配信予定・イベント案内)
-
視聴者用の質問・要望チャンネル
-
スタッフ用の非公開チャンネル
-
ロールで「一般」「常連」「スタッフ」「出演者」などを区別。
-
-
VRChat
-
イベント専用ワールド
-
必要に応じて、Discordロールと連動した入室管理ギミックを導入。
-
-
連携イメージ
-
Botを使ってイベントリマインダーや配信開始通知を自動投稿。
-
特定ロール向けのワールド開錠ギミックなどで、運営の手間を削減。
-
このような構成を取ることで、大規模イベントや定期配信でも管理しやすい環境を整えられます。
まとめ:VRChat×Discord連携を長く安全に使うために
仕様変更への備え方と情報収集のコツ
VRChatとDiscordはいずれもアップデートが頻繁なサービスです。
そのため、連携機能の仕様も今後変わる可能性があります。
-
VRChat公式サイト・公式フォーラム
-
Discordの公式ヘルプ・開発者向け情報
-
日本語のアップデート解説ブログやニュースサイト
-
利用中のBotやツールの公式ドキュメント・GitHub
などを定期的に確認しておくと、「気付いたら仕様が変わっていた」という事態を防ぎやすくなります。
次に挑戦したい応用的な連携アイデア
本記事では、主に「基本的な連携パターン」と「導入の考え方」を中心に解説しました。
さらに踏み込んでみたい場合は、次のようなアイデアもあります。
-
自作のDiscord Botを開発し、自分のワールド専用の機能(出席管理、投票、ログ管理など)を実装する。
-
IFTTTやWebhook、クラウドサービスを組み合わせて、VRChat内のイベントと外部サービス(カレンダー、タスク管理、通知システムなど)を連携する。
-
配信環境やLinux環境など、特殊な構成での音声・映像ルーティングを最適化し、Discordや他の配信ツールと高いレベルで統合する。
いずれの場合も、「何を実現したいか」を明確にし、必要な範囲から少しずつ試していくことが重要です。