「宿題はやった」と言ったのに、実は手つかず。片付けたはずの部屋はそのまま。子どもの嘘に気づいた瞬間、親は驚きや怒りより先に、「このまま癖になったらどうしよう」「私の叱り方が悪かったのかな」と不安になるものです。
けれど、子どもの嘘は“性格の問題”とは限りません。年齢による発達の途中で起こることもあれば、怒られたくない気持ちや、うまく言葉にできない混乱、友達関係の不安が背景にあることもあります。だからこそ大切なのは、嘘を力でねじ伏せることではなく、「なぜそう言ったのか」を見立て、真実を言いやすい環境を家庭の中に作ることです。
本記事では、嘘をつく子供の行動を「年齢×理由×場面」で整理し、今日から使える声かけテンプレ、嘘が減っていく家庭の仕組み、そして心配なときの相談目安までを具体的にまとめます。読み終えたときに、次の一言に迷わず、落ち着いて子どもと向き合える状態を目指しましょう。
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嘘をつく子供は珍しくない 年齢で変わる嘘の意味
嘘が始まる時期と上手になる時期の目安
子どもの嘘は、言葉の発達だけでなく「相手は自分と違う考えを持つ」という理解(いわゆる心の理論)や、衝動を抑える力(実行機能)とも関係します。国内でも、嘘と心の理論に関する研究や解説があり、発達的な段階差が示されています。
あくまで目安ですが、よくある流れは次の通りです。
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2〜3歳ごろ:とっさの否定や言い逃れに近い形(本人の中では“嘘の自覚が薄い”ことも)
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3〜4歳ごろ:相手の反応を意識し始め、意図的な嘘が混ざりやすい
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4〜5歳ごろ:場面に応じて言い方を変えたり、隠したい情報を扱おうとする(ただし限定的なことも多い)
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小学校低学年:言い訳、都合の良い説明が増える。叱責が強いと「隠す」が癖になりやすい
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小学校中学年以降〜思春期:友人関係・面子・プライバシーが絡み、嘘が複雑化することがある
大切なのは、年齢相応の範囲では「嘘をついた=人格が悪い」と直結させないことです。嘘は“行動”であり、背景を見立てて介入すると減っていく余地が十分にあります。
嘘と想像遊びの違いを見分けるポイント
未就学児では、空想・願望・記憶の取り違えが混ざり、結果的に“嘘のように聞こえる”発言が起こりやすいです。医療監修系の子育て相談でも、否定や詰問より、質問の仕方を変えて会話を伸ばす工夫が紹介されています。
見分けのヒントは次の5点です。
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だます意図があるか:質問に対して隠す・ごまかす・話題を変える動きがあるか
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叱られそうなときだけ出るか:失敗や禁止事項に関わる場面で偏っているか
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注目が集まるときに盛られるか:特別な話題や自慢話で誇張が増えるか
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説明が整理できていないだけか:時系列が飛び、本人も混乱しているか
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話し方が“楽しげ”か“防衛的”か:嬉しそうに語るのか、固まるのか
“嘘かどうか”の確定にこだわるほど、親子関係が擦り減ることがあります。迷ったら、まずは「この子は今、何を守ろうとしているのか」「何が怖いのか」に焦点を移すと、対応が選びやすくなります。
嘘が増える家庭の共通点 怒られ回避が強いとき
嘘が増えやすい典型は、子どもが「本当のことを言う=大きく怒られる」と学習してしまったときです。
小児科領域の保護者向け情報では、嘘が発覚したときに厳罰を強めるより、落ち着いて“真実を話す方がトラブルが小さい”と伝える姿勢が示されています。
家庭で嘘が増える“よくあるパターン”は次の通りです。
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事情を聞く前に結論を出す(「またやったの?」「どうせあなたは…」)
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詰問が長い(本人が途中で防衛モードになり、さらに嘘を重ねる)
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謝罪を先に求める(何をどう直すかに進めない)
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ルールが多すぎる(守れない→隠す、になりやすい)
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親の対応が日によって違う(子どもが“試す”ようになる)
ここから先は、「嘘をやめさせる」よりも、真実を言いやすい家庭の設計に変えることが中心になります。
嘘をつく子供の理由を見立てる よくある5つの動機
嘘への対応が難しいのは、嘘が“ひとつの理由”で起きないからです。ここでは、家庭で最も頻出する動機を5つに整理し、「見立て→一言→次の行動」までセットで示します。
叱られたくない その場を切り抜けたい
最も多いタイプです。宿題、片付け、ゲーム時間、持ち物、学校の出来事など、「バレると叱られる」場面で出やすいです。
このタイプは、嘘が“悪意”というより恐れへの反応です。厳しく追及するほど嘘を重ねることがあります。
見立てサイン
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目をそらす、固まる、声が小さい
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質問が増えるほど「知らない」「やった」の一点張り
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バレた瞬間に泣く・怒る・黙る
最初の一言(5秒で言う)
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「怒るためじゃなくて、一緒に直すために聞くよ」
次の行動(後始末)
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やっていないなら、今からできる最小ステップ(10分だけ、机の上だけ)を一緒に決める
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“嘘そのもの”より、“行動を直す”に焦点を移す
注目されたい かまってほしい
「すごいことがあった」「先生に褒められた」「大事件」など、反応が大きくなる内容で嘘が出るタイプです。
背景は「関心を取り戻したい」「寂しい」「自分の価値を確かめたい」であることが多いです。
見立てサイン
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親が忙しいときに限って話が大きくなる
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大人の反応を見て内容を変える
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嘘を指摘すると、さらに話を盛る
最初の一言(5秒で言う)
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「話してくれてうれしい。いまは本当のことだけ教えて」
次の行動(後始末)
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“事実の確認”は短く、別の時間で「一緒の時間」を確保する(10分の散歩、絵本、ゲーム)
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嘘で注目を得ない代わりに、正直な話をしたときに反応を厚くする
友達に合わせたい 見栄を張りたい
小学校以降で増えやすい動機です。「持っている」「行った」「できる」といった誇張が出ます。
ここで叱りつけるほど、子どもは面子を守るために嘘を固定化しやすくなります。
見立てサイン
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友達の話題の直後に嘘が増える
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持ち物・流行・能力の自慢が中心
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「みんな言ってる」「あの子も」と巻き込みやすい
最初の一言(5秒で言う)
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「大きく言いたくなる気持ちは分かる。事実だけ一緒に整えよう」
次の行動(後始末)
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“どう見られたいか”を言語化する時間を作る
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得意なこと・努力したことを家庭で評価して、所属不安を下げる
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学校での発言が問題化している場合は、先生と“事実ベースのフォロー”を相談する
うまく言葉にできない 混乱している
本当は説明したいのに、記憶の手がかりが弱かったり、時系列が整理できずに“嘘っぽい”説明になるケースです。特に疲れているとき、焦っているとき、叱られそうなときに起きます。
この場合は「嘘をやめなさい」より、整理の支援が有効です。
見立てサイン
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話が飛ぶ、途中で内容が変わる
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「わからない」「忘れた」が増える
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言い直しの機会を出すと落ち着く
最初の一言(5秒で言う)
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「順番が難しいね。最初に起きたことから一緒に並べよう」
次の行動(後始末)
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3つだけ質問する(いつ/どこ/だれ)
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“白か黒か”の追及ではなく、思い出しやすい質問に変える
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必要なら紙に「出来事→気持ち→次にすること」を書いて見える化
不安や衝動性が強い 背景に特性やストレスがある
不安が強い子は「責められる恐れ」から隠しやすくなります。衝動性が強い子は、その場で言ってしまい、後から辻褄が合わなくなることがあります。
児童精神医学領域の家庭向け情報では、反復的で深刻な嘘の背景に別の問題が隠れている可能性もあり、必要に応じた相談が示されています。
見立てサイン
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嘘以外にも困りごとが増えている(睡眠、登校、癇癪、落ち込みなど)
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嘘の内容が重大化している
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叱るほど悪化する、家庭が疲弊している
最初の一言(5秒で言う)
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「責めたいわけじゃない。困っていることを一緒に減らしたい」
次の行動(後始末)
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生活(睡眠・食事・学校負荷)を整える
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家庭だけで抱えず、学校・自治体相談・医療につなぐ
嘘をつく子供への声かけ その場で効く対応テンプレ
嘘が発覚した瞬間は、親も子も感情が上がっています。ここで勝負を決めようとすると、追及と否認の応酬になりやすいです。
小児科領域の保護者向け情報でも、嘘に気づいたら落ち着いて伝え、厳罰に頼りすぎない姿勢が示されています。
まず落ち着かせる 事実確認は短く
“言い勝つ”より、“真実に戻る通路”を作るのが目的です。
嘘発覚時の5ステップ
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親が深呼吸し、声量を下げる(先に親が落ち着く)
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「嘘だ」と決めつけず「違っている気がする」と短く伝える
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事実確認は1〜2問で止める(長い詰問は逆効果)
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“言い直し”のチャンスを出す
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次の行動(やり直し・謝罪・後始末)を一緒に決める
声かけ例(共通)
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「今の話、違っている気がする。落ち着いて話そう」
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「怒るためじゃなくて、どう直すか決めたいから聞くね」
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「本当のことを言ってくれたら、一緒に解決できる」
真実を言いやすくする 言い直しのチャンスを出す
“嘘を罰する”のではなく、“正直のメリット”を作るのがコツです。
AAPの保護者向け情報でも、「真実を言う方がトラブルが小さくなる」趣旨の伝え方が示されています。
年齢別テンプレ(そのまま使える)
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未就学児:
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「言い直していいよ。いま言えたら一緒に直せる」
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「ほんとのこと、どっち? こっちでも大丈夫だよ」
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小学校低学年:
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「正直に言ったら、どう直すかを一緒に考えよう」
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「本当のことを言ったら、次の一手が早くなる」
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小学校中学年以降:
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「事実と気持ちは分けて聞く。まず事実を教えて」
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「言い直しは責めない。次を決めるために必要」
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ここがポイント
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「正直に言ったら罰ゼロ」にするとルールが揺れます。
代わりに、-
正直に言えたことは評価する
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起きたことの後始末は必要ならやる
という二段構えが安定します。
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嘘を責めずに行動を正す 謝罪と償いの進め方
嘘が誰かを巻き込んだ場合は、行動を正す必要があります。ただし、人格攻撃は避けます。焦点は信頼を回復する行動です。
進め方(4段階)
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何が起きたか(事実)を短く確認
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影響を考える(相手がどう困るか)
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償いを選ぶ(謝る、直す、返す、やり直す)
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次回の予防策を一つだけ決める(増やさない)
声かけ例
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「嘘を言ったことより、今どう直すかを決めよう」
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「相手が困ったところを直したら、信頼は戻せる」
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「謝るのが難しければ、短い言葉でいい。一緒に考えよう」
やってはいけない対応 犯人探しと追及
嘘の場面で避けたい行動は、家庭の空気を悪化させ、嘘を固定化しやすいです。
NG対応チェック
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□ 証拠を積み上げて追い詰める
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□ 長時間の説教
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□ すぐに謝罪を強要する
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□ 「嘘つき」「信用できない」など人格ラベリング
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□ 兄弟や友達と比較する
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□ 親が感情で罰を上乗せする
代わりに、「短く・落ち着いて・次の行動に進む」を徹底すると、嘘は減らしやすくなります。
嘘をつく子供を減らす 家庭でできる再発防止の仕組み
嘘は“その場”で終わらず、繰り返すほど家庭の信頼を削ります。だからこそ、再発防止は「叱り方」より「仕組み」です。ここでは、家庭で回る形に落とします。
ルールは少なく具体的に 記録と見える化
ルールが多いほど、守れないときに隠したくなります。まずは3つまでに絞り、「いつ・どこで・何を・どれだけ」を決めます。
良いルール例(具体)
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「宿題は夕食前に10分だけ着手する」
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「片付けは寝る前に机の上だけ」
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「困ったら、まず『手伝って』と言う」
見える化の例
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カレンダーに○(できた日だけ)
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タイマー10分(短く始める)
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付箋チェック(机・ランドセルなど場所固定)
見える化は「できていないのに、できたと言いたくなる」状況を減らします。つまり、嘘の“必要性”が薄くなります。
罰よりも結果 自然な結果と論理的な結果
嘘を減らすには、「怒りの罰」より「行動とつながった結果」が学びになります。
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自然な結果:片付けない→探し物に時間がかかる
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論理的な結果:やったと言ったのにできていない→最初から一緒にやり直す
注意点
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論理的結果は“長期の取り上げ”になりすぎない(1週間禁止などは感情罰になりやすい)
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その日のうちに収束する、短い結果にする
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親が怒っている状態で決めない(後からブレる)
親の対応ブレを減らす 家庭ルールを紙にする
嘘の対応が日によって違うと、子どもは「今日は通るかな?」と試しやすくなります。そこで、家庭の“定型”を紙にして貼ります。
家庭の定型(例:冷蔵庫に貼る)
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① 落ち着く(深呼吸)
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② 事実は短く確認
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③ 言い直しOK
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④ 後始末を一緒に決める
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⑤ 次の約束は1つだけ
この紙があるだけで、親も「感情で追及」しにくくなります。
親が見本になる 白い嘘と約束破りを減らす
子どもは「嘘はだめ」と言葉で教わる以上に、家庭のふるまいから学びます。
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親が約束を守る
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無理な約束をしない
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できなかったら「できなかった」と修正する
この積み重ねが“正直に戻る文化”になります。
親の修正の言い方(短いほど効果的)
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「さっきの言い方は違った。正しくはこうだね」
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「今日は予定が変わった。ごめん、こうしよう」
親が修正できる姿は、子どもにとって“言い直し”のモデルになります。
先生や園との連携 共有すべき情報
学校や園が絡む嘘は、家庭だけで抱えるほどこじれやすいです。連携は「責任追及」ではなく「状況共有」が基本です。
行政文書でも、園・学校と家庭の連携や支援資源の把握の重要性が述べられています。
共有するとよい情報
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嘘が出やすい場面(宿題、持ち物、友人関係)
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家庭の対応方針(言い直しを促す、追及しない、後始末を重視)
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最近の変化(睡眠、食欲、登校しぶりなど)
連携の言い方(例)
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「叱って直すより、正直に言いやすい形にしたいです。学校でも事実確認を短くしていただけますか」
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「家庭ではこういう手順で対応しています。学校の様子を教えてください」
嘘をつく子供が心配なとき 相談の目安チェックリスト
嘘はよくある行動でも、内容・頻度・併存症状によっては、家庭の工夫だけで難しいことがあります。児童精神医学領域でも、反復的で深刻な嘘の背景に別の問題が隠れる可能性が示されています。
量と質で見る 危険サイン
次に当てはまるほど、早めの相談が安心です。
頻度
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□ ほぼ毎週のように繰り返す
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□ 家庭の対応を2〜4週間続けても改善が乏しい
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□ 嘘が増えて家庭が疲弊している
内容の重大さ
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□ 金銭・万引き・危険行為の隠蔽がある
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□ 他人を強く傷つける嘘(冤罪、いじめの巻き込み等)がある
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□ トラブルの“責任回避”が強く、学習が進まない
併存するサイン
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□ 睡眠の乱れ、食欲低下
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□ 登校しぶり、頭痛・腹痛の訴え
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□ 強い不安・落ち込み、癇癪の増加
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□ 集中困難、忘れ物の増加
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□ 友人関係のトラブルが頻発
複数チェックがつく場合は、家庭だけで抱えず相談を検討してください。
相談先の選び方 小児科 心理 児童精神科 学校
迷ったら、現実的な順番は次の通りです。
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園・学校(担任・養護教諭・スクールカウンセラー):現場の様子を把握
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自治体の子育て相談・教育相談:継続支援につながりやすい
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かかりつけ小児科:体調・睡眠・ストレス反応の確認
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心理相談・児童精神科:反復的で深刻、背景要因が疑われる場合
「相談=大ごと」ではありません。早期に外部の視点が入るほど、親子ともに消耗しにくくなります。
嘘をつく子供への対応 具体シーン別の会話例
ここからは、家庭で頻発する場面を取り上げ、「やりがちな失敗」と「推奨対応」をセットで示します。読者が“そのまま使える”ことを目的に、短い台詞を多めにします。
宿題をやったと言ったのにやっていない
やりがち(逆効果)
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「また嘘? 何回言ったら分かるの!」
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「見せて。ほら、やってないじゃない!」
推奨対応
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「怒るためじゃなくて、一緒に直すために聞くよ。宿題は、いまどこまでできてる?」
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「言い直していいよ。やってないなら、10分だけ一緒に始めよう」
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(低学年)「正直に言えたら、次が早くなる。まずは1問だけやろう」
ポイント
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事実確認は短く
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“やっていない”ことを責めるより、“今から最小で始める”に移す
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できた部分を見つけて評価(ゼロ扱いは嘘を増やしやすい)
片付けたと言ったのに片付いていない
推奨対応
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「片付いたって言ったけど、まだ机の上にあるね。言い直して大丈夫」
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「机の上だけ、3分で一緒に終わらせよう」
ポイント
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“論理的結果”として「やり直し」を短時間で
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長期の罰ではなく、行動の修正で収束させる
友達関係のトラブルを隠す・話を変える
推奨対応
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「本当のことを言っても、全部責めたりしない。助けるために知りたい」
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「事実だけ先に教えて。気持ちは後でいい」
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「どうしたら安全に過ごせるか、一緒に作戦を立てよう」
ポイント
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子どもが守りたいのは“面子”や“所属”の場合が多い
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事実→安全→支援(学校連携)の順で進める
お金・物に関する嘘がある
金銭や物に関する嘘は、内容次第で早めの相談が安心です。家庭内で扱うときは、感情罰を強めすぎず、事実と後始末を軸にします。
推奨対応
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「まず事実を教えて。責めるより、返す・謝るを一緒にする」
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「次に同じことが起きないように、仕組みを作ろう(財布の管理、約束の明文化)」
ポイント
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“取り返しのつく行動”に戻す
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反復・重大なら、学校や相談機関も含めて対応する
嘘をつく子供への対応を整理する 2つの比較表
年齢別の嘘の特徴と親の対応
| 年齢帯 | 起こりやすい嘘・見え方 | 背景の例 | 親の一言(最初の5秒) | 次の行動(後始末) |
|---|---|---|---|---|
| 未就学 | 空想・記憶違い、否定 | 質問意図の誤解、恐れ | 「言い直していいよ。助けるために聞くよ」 | 質問を変えて話を引き出す/最小ステップでやり直し |
| 低学年 | 叱責回避、言い逃れ | 失敗が怖い、ルール過多 | 「正直に言ったら次が早くなる」 | 10分だけ着手/机の上だけ片付け等 |
| 中学年以降 | 見栄、面子、プライバシー | 所属不安、自己評価 | 「事実と気持ちは分けて聞く。事実を教えて」 | 影響の整理→償い→再発防止を一つ決める |
動機別の見立てと声かけ例
| 動機 | 見立てサイン | 最初の一言(短く) | 具体的声かけ例 | 次の行動 |
|---|---|---|---|---|
| 叱られ回避 | 固まる、否定連発 | 「怒るためじゃない」 | 「言い直してOK。今なら一緒に直せる」 | 最小でやり直し |
| 注目欲求 | 盛る、反応を見る | 「本当のことだけ」 | 「話してくれてうれしい。事実を教えて」 | 正直を褒める+一緒時間 |
| 見栄・同調 | 自慢、巻き込み | 「気持ちは分かる」 | 「大きく言いたくなるよね。事実に戻そう」 | 自己肯定感の補強 |
| 言語化困難 | 話が飛ぶ | 「順番に並べよう」 | 「いつ→どこ→だれ、だけ教えて」 | 紙に整理 |
| 不安・衝動 | 併存サイン | 「困りごとを減らす」 | 「責めない。助けたいから教えて」 | 生活調整+相談導線 |
嘘をつく子供に関するよくある質問
嘘をついたらすぐ叱るべきですか
すぐ叱るより、まず落ち着いて短く確認し、“言い直し”のチャンスを出す方が効果的なことが多いです。厳罰は有効性が限定的になりやすく、真実を言う方がトラブルが小さいと伝える考え方が示されています。
ただし危険行為や他人を傷つける嘘は、落ち着いたトーンで「止める」を明確にし、償いと再発防止までセットで進めてください。
本当のことを言ったら甘やかしになりますか
甘やかしにはなりません。「正直に言えた」ことは評価しつつ、「起きたことの後始末」は必要なら行う、が基本です。正直が損にならない環境が整うほど、嘘は減りやすくなります。
嘘を認めないときはどうしますか
追及して認めさせようとすると、対立が深まりやすいです。
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「今は答えなくていい。落ち着いたら話そう」
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「必要なのは、次をどうするか」
と軸を移し、論理的結果(やり直し等)を淡々と適用します。親の目的は“自白”ではなく“改善”です。
親が信じられなくなったと言われたらどうしますか
まず受け止めます。
「そう感じたんだね。信じたいから、話せる形を一緒に作りたい」
その上で、家庭の運用(詰問の長さ、決めつけ、罰の重さ、約束の現実性)を点検し、“短く・落ち着いて・行動を直す”に戻します。信頼は一度の説教ではなく、日々の一致で戻ります。
参考情報源
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American Academy of Pediatrics(HealthyChildren.org)When Children Lie: What Parents Can Do
https://www.healthychildren.org/English/family-life/family-dynamics/communication-discipline/Pages/When-Children-Lie.aspx -
American Academy of Child & Adolescent Psychiatry(AACAP)Facts for Families: Children and Lying(No.44)
https://www.aacap.org/AACAP/Families_and_Youth/Facts_for_Families/FFF-Guide/Children-And-Lying-044.aspx -
稲盛財団 3S研究者探訪 #07 林 創(嘘と心の理論・実行機能の解説を含む)
https://www.inamori-f.or.jp/220322 -
CiNii(論文情報)幼児の嘘と心の理論の発達に関する研究(書誌)
https://cir.nii.ac.jp/crid/1050564287949338112 -
岐阜大学 教育関連(PDF)幼児における嘘と多面的な心の理論との関連について
https://www.ed.gifu-u.ac.jp/file/0430a9df2d47108eaf6b727c382194d5.pdf -
Benesse たまひよ 相談系ページ(嘘に見える発言への対応例を含む)
https://benesse.jp/kosodate/clinic/life/08/post-557.html