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USBでWindows10をクリーンインストール|UEFI/BIOS設定ガイド

PCが重い、謎のエラーが増えた、起動にやたら時間がかかる──そんな“もやもや”を一気に解消する最短ルートが、USBからのWindows 10クリーンインストールです。
とはいえ、UEFI?BIOS?GPT?MBR?と専門用語が並ぶと、最初の一歩でつまずきがち。
そこで本記事では、起動USBの作成 → UEFI/BIOS設定 → パーティションの選び方 → 初期設定とドライバまでを、やる順番どおりに“迷わず進める言葉”で解説します。
要点はたった3つ――USBで起動する、インストールは「カスタム」、GPT/MBRは起動モードに合わせる
トラブル時の切り抜け方も添えているので、はじめてでも失敗しない再出発ができます。作業前にバックアップと回復キーだけ確認したら、さっそく“生まれ変わった一台”を迎えに行きましょう。

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この記事のまとめ

USBでのクリーンインストールは、むずかしそうに見えてやることは一直線です。
① USBを作る → ② UEFIでUSB起動 → ③ 「カスタム」で未割り当てを選択 → ④ Windows Updateとドライバで仕上げる。
この流れに、起動モード(UEFI/Legacy)とディスク方式(GPT/MBR)を一致させる意識を添えるだけで、ほとんどの失敗は回避できます。もしつまずいても、Shift + F10のDiskPartやSecure Bootの一時無効化など現場で効く処方箋を本文に用意しました。最後にSecure Bootを戻し、復元ポイントと回復USBを整えておけば、次に何かあっても怖くありません。PCの中身を一度まっさらにして、速く・静かに・気持ちよく動く環境を取り戻しましょう。

事前準備(バックアップ・要件・注意)

データのバックアップ

  • システムドライブ(C:)は完全に消去される前提です。外付けSSD/クラウドへユーザーデータを待避。

  • BitLocker有効の場合:回復キーが必要です。Microsoftアカウント/印刷/USB保存のいずれかで必ず保管。

  • アプリ一覧の控え:Win + R → appwiz.cplで主要アプリをスクショ保存しておくと復元が楽。

ライセンスとアカウント

  • 近年のPCはデジタルライセンス(マザーボード紐づけ)が主流。同一エディション(Home/Pro)が入れば後から自動認証されることが多い。

  • 不明な場合はプロダクトキーを保管(デバイス裏/メール/購入記録等)。インストール時は「プロダクトキーがありません」を選んでも進められます。

必要なもの

  • 8GB以上のUSBメモリ(中身は消去されます)

  • 安定電源(ノートPCはAC接続)

  • 有線/無線ネット環境(初期更新やドライバ取得に使用)

ハード構成チェック

  • 目的のSSD/HDDの種類:NVMe / SATA、容量、既存パーティションの有無。

  • UEFI対応の有無(2013年以降の多くはUEFI)。レガシー機はLegacy/CSMしかない場合あり。

  • RAID/VMDが有効な機種(主に一部ノート/メーカー機)はインストール時にストレージが見えないことがある → 後述の対処へ。


起動USBの作成(公式推奨:Media Creation Tool)

公式ツールで作る手順

  1. Windows PCでMicrosoftのMedia Creation Toolを起動。

  2. 別のPC用にインストール メディアを作成」を選択。

  3. 言語 / エディション(Windows 10) / **アーキテクチャ(64 ビット)**を確認。

  4. メディアは「USBフラッシュドライブ」を選択 → 指示に従って作成完了。

TIP:作成後のUSBの中にsetup.exeが見えれば成功。万一エラーが出たら、USBをFAT32でクイックフォーマットして再実行。

代替:ISO+Rufus(柔軟設定向け)

  • ターゲットシステム

    • 近年PCでUEFI利用 → **UEFI(非CSM)**を選択

    • 旧機種や互換優先 → BIOS/UEFI-CSM

  • パーティション構成

    • UEFIに入れる → GPT

    • Legacyに入れる → MBR

  • ファイルシステム:基本はFAT32(Secure Boot互換)。4GB超のinstall.wim問題がある場合はRufusが自動で分割/NTFS活用を提案。

よくあるミス:エディション/言語違い、32bit選択、ターゲットシステムの取り違え(UEFI機にMBR/Legacyで作る 等)。


UEFI/BIOSの基本(超速で要点整理)

  • UEFI vs Legacy(BIOS):UEFIは高速起動・Secure Bootに対応。新規インストールは原則UEFI推奨。

  • GPT vs MBR:UEFIはGPTが基本。2TB超パーティション数で有利。LegacyはMBRで互換性重視。

  • Secure Boot:署名済みのOSのみ起動。公式USBなら通常ONで可。トラブル時は一時的にOFF → インストール後ONに戻す

  • CSM:旧ブート互換。必要時のみON。

  • TPM:Windows 10自体は必須ではない(11で要件化)。有効/無効は基本影響なし。


UEFI/BIOS設定:USBから起動する

よく使うキー

メーカー設定画面ブートメニュー
自作系(ASUS/MSI/ASRock/GIGABYTE)Del / F2F8 / F11 / F12
DellF2F12
HPF10F9
Lenovo(ノート)F2F12
AcerF2F12
NEC/富士通 などF2/F12F12/Esc

※起動画面が出たら連打がコツ。タイミングがシビアなら再起動 → 連打を繰り返す。

推奨設定例(UEFIで入れる場合)

  • Boot Mode / UEFI(Legacy/CSMは無効)

  • Secure Boot / Enabled(起動不可時のみ一時的にDisabled)

  • USB Boot / Enabled

  • Boot PriorityでUSBメモリを最上位、またはブートメニューからUSBを選択して一時起動

WARNING:設定変更後は保存(Save & Exit)しないと反映されません。Exit時にDiscardを選ばないように。


インストールウィザード全手順

  1. USBから起動 → Windowsロゴ → 言語/時刻/キーボードを選択 → 次へ

  2. 今すぐインストール」→ エディション選択(表示される場合)

  3. プロダクトキー:不明なら「プロダクトキーがありません」でOK

  4. ライセンス同意 → インストールの種類はカスタム(詳細設定)を選択

  5. ドライブの選択とパーティション(次節を参照)

  6. ファイルコピー → 再起動

  7. 初期設定(OOBE):地域/キーボード/ネット/アカウント/プライバシー項目


ドライブ選択とパーティション操作(失敗しない基本形)

UEFI(GPT)でクリーンインストールする王道手順

  1. 対象ディスクの既存パーティション(システム/MSR/回復/プライマリなど)をすべて削除

  2. 未割り当て領域を選択して次へ
    → Windowsが最適なEFI/回復パーティションを自動作成します。

TIP:データ用の他ドライブは物理的に一時取り外し(またはSATA/NVMeケーブルを外す)すると誤削除リスクを避けられます。

「GPT/MBR不一致」エラーへの即対処

症状:「このディスクにWindowsをインストールできません。選択したディスクは…」
対処:起動モードとディスク方式を揃える

  • UEFIで起動している → ディスクをGPTへ変換

  • Legacyで起動している → ディスクをMBRへ変換

DiskPartでの変換(※全消去)

Shift + F10でコマンドプロンプト → 下記を正確に実行

diskpart
list disk
select disk 0 ← 対象ディスク番号に置き換え(誤選択厳禁)
clean ← すべてのパーティションとデータを削除
convert gpt ← UEFIで入れる場合(Legacyなら convert mbr)
exit

WARNINGclean取り消し不可の全消去です。バックアップと対象ディスク番号の確認を二重に。

NVMe SSDが表示されない場合

  • BIOSでSATAモード:RAID/VMD → AHCIに変更(再起動時にブルースクリーン対策としてクリーンインストール前に切り替える)

  • もしくはメーカー提供のストレージドライバを読み込み(「ドライバの読み込み」からUSB経由で適用)


初期設定(OOBE)とネット接続のコツ

  • ネット接続は可能なら有線LANが安定。Wi-Fiは後からでも可。

  • アカウント:業務PCはMicrosoftアカウント紐づけでデジタルライセンス/設定同期が楽。ローカル運用したい場合はセットアップの誘導に沿ってオフライン選択。

  • プライバシー設定:不要な診断/広告IDはオフに。必要になったら後からオンにできます。


ドライバ導入・Windows Update・最適化

  1. Windows Update複数回実行(再起動→再確認を2〜3セット)

  2. デバイスマネージャで「!」や不明なデバイスが無いか確認

  3. 下記はベンダー最新版推奨

    • チップセット(Intel/AMD)

    • グラフィックス(Intel/AMD/NVIDIA)

    • ストレージ/IRST/VMD(必要機種のみ)

    • 無線LAN/Bluetooth/有線LAN

  4. ストアアプリは必要最小限に整理。自動起動(スタートアップ)も見直し。


セキュリティ整備と復元体制

  • Secure BootをONへ戻す(無効化していた場合)

  • BitLocker:要件満たすならシステムドライブを有効化し、回復キーを安全に保管

  • 復元ポイント:システム保護を有効化し、初期スナップショットを作成

  • 回復USB/システムイメージ:万一の復旧用に作成して保管


よくあるエラーと実践的な対処

USBから起動しない

  1. 別ポート(可能ならUSB 2.0)を試す

  2. 別PCでUSBがブート可能か検証(USB自体の不良切り分け)

  3. UEFI Onlyで起動不可 → CSMを一時有効

  4. Secure Bootを一時無効化し、再度試行

「このディスクにインストールできません(GPT/MBR)」

  1. 起動モード(UEFI/Legacy)とディスク方式(GPT/MBR)を一致させる

  2. 必要に応じてDiskPartでconvert gpt / convert mbr

ネットに繋がらない(初期設定で詰む)

  1. 有線LANを接続 → 数十秒待つ → 次へ

  2. ドライバが無い機種:OOBEをオフラインで進め、デスクトップ到達後に別USBでドライバ導入

ライセンス認証されない

  1. エディション不一致(Home/Pro)を確認

  2. Microsoftアカウントで「このデバイスは所有しています」のトラブルシューティングを実行

  3. 大幅なハード変更後はサポートに電話認証が必要な場合あり