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隣の土地は買ってはいけない?後悔を防ぐ判断基準と撤退ライン完全ガイド

隣の土地が売りに出た。あるいは、隣人から「買わない?」と声をかけられた。
この瞬間、頭に浮かぶのは「今しかないかもしれない」という焦りと、「でも損をしたら怖い」という不安です。

隣地の購入は、条件が揃えば駐車場が増えたり、庭が広がったり、土地の形が整ったりと、暮らしの質と資産価値を同時に押し上げる“強い一手”になります。
一方で、境界が曖昧なまま契約してしまったり、越境の扱いが口約束のまま進んだり、通行や暗黙のルールが残ったままだったりすると、買ったあとに「こんなはずじゃなかった」と後悔しやすいのも事実です。さらに、税金や造成費などの“静かに効いてくるコスト”を見落とすと、家計への負担がじわじわ増えていきます。

この記事では、「隣の土地は買ってはいけない」と言われる理由を整理したうえで、買うべきケース・見送るべきケースをはっきり切り分けます。加えて、上限価格の決め方、撤退ラインの作り方、境界・越境・通行・税金の確認リスト、そして近隣関係を壊さない交渉の進め方まで、判断に必要な要素をチェックリスト形式でまとめました。

読み終えたときに、感情や勢いではなく「自分の状況ならこう判断できる」と腹落ちし、次に取るべき行動が見える状態を目指します。

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目次

隣の土地は買ってはいけないと言われる理由

相場より高くなりやすい増分価値の落とし穴

隣地が相場より高くなりやすい理由はシンプルで、「あなたにとっての価値」が上がるからです。
同じ土地でも、一般の買い手から見れば“ただの小さな土地”でも、隣の家にとっては「駐車スペースが増える」「庭が広がる」「間口が広くなる」「土地の形が整う」などの効果が出ることがあります。これがいわゆる“増分価値”です。

ここで失敗しやすいのが、増分価値を感じた瞬間に上限価格を決めず、気持ちで交渉を進めてしまうことです。
隣地は「唯一の買い手」になりやすく、売主側もその心理を理解しています。結果として、相場より高い金額でも「仕方ない」と飲んでしまい、あとから冷静になって後悔します。

増分価値は悪者ではありません。問題は、増分価値が“便利さ”として感覚的にしか語られず、数字に落ちないまま値段だけが上がっていくことです。後悔しないためには、後半で紹介する「上限価格の決め方テンプレ」で、先にブレ止めを作っておくことが欠かせません。

境界未確定が後から効く

隣地購入で一番厄介なのは、境界です。
土地の境界は、日常では意識しません。しかし、売買・増改築・外構工事・将来の売却や相続のタイミングで、急に“現実の問題”になります。

  • 境界標が見当たらない

  • 古い図面しかない

  • 近所が境界確認に協力してくれない

  • そもそも過去に揉めた歴史がある

こうした状態で買うと、購入後に「ここはうちの土地だ」「塀が越境している」「その木は切るな」といった争いが表面化しやすくなります。
さらに、境界が曖昧なままだと、融資や将来の売却でも不利になりやすく、生活の安心が削られます。

境界は「買ってから何とかする」より、「買う前に条件にする」が鉄則です。契約前に測量や境界確認の段取りを組み、合意できない場合の撤退条件(解除条件)を準備しておくと、後戻りが効きます。

越境物は買った瞬間に自分の問題になる

越境とは、隣地との境界をまたいで、塀・フェンス・樹木・屋根・雨樋・配管などが出ている状態です。
越境は、当事者同士が仲良しなら黙認されていることもありますが、売買で当事者が変わると、急に揉めます。

特に怖いのは、越境が「感情の争い」になりやすいことです。
「昔からこうだった」「先代が許した」「言われても困る」
このやり取りが始まると、解決までの時間もコストも膨らみます。

越境は、買うかどうか以前に、“是正できるのか”“是正できないなら将来どうするのか”を、書面で残せるかが判断ポイントです。口約束は相続や売却で崩れます。後半で「特約・覚書の入れ方」を具体例つきで解説します。

通行や暗黙のルールが地雷になる

隣地が絡むと、通行(出入り)や“暗黙のルール”が出てくることがあります。
「ここは昔から通っていい」
「車の切り返しで一瞬だけ入る」
「工事のときはお互い様」

こうしたルールは、平時は機能しますが、売買・工事・相続で前提が壊れた瞬間に揉めます。
通行が必要なケースでは、法律上の通行権が関係することもありますが、現場では「どこをどの幅で」「車は通れるか」「維持費は誰が」「補償はどうするか」で摩擦が起きがちです。

「買えば解決」ではなく、買っても揉める可能性があるのが通行の怖さです。だからこそ、通行が論点になるなら“買わない代替策”も含めて選択肢を持っておく必要があります。

税金と維持費が静かに効いてくる

隣地を買うと、当然ながら土地が増えます。すると固定資産税などの保有コストも増えます。
購入時も、契約書の印紙税、登記費用、測量費、仲介手数料(仲介の場合)などが重なります。

税金は「知っているつもり」になりやすいのが落とし穴です。
とくに住宅用地の特例は、敷地面積や使い方で扱いが変わるため、隣地購入が“じわっと負担増”につながることがあります。
この点は後半で「時系列の費用表」と「自治体確認のチェックリスト」で、見落としが出ない形に整理します。


隣の土地を買うべきケース

隣地購入は“やめたほうがいい”というより、買う価値が出るパターンが限られると考えると判断しやすくなります。
ここでは「買うべき」と言いやすい代表例を、生活者の目的別に整理します。

駐車場や庭が増えて生活課題が解決する

最も強いのは、買った瞬間から生活が改善するケースです。

  • 車の台数が増えて、毎日のストレスが消える

  • 出入りが楽になって、擦る心配が減る

  • 子どもの遊び場・家庭菜園・物置スペースができる

  • 隣家との距離が取れて、音や視線のストレスが減る

ポイントは「買った瞬間から使う」ことです。
「いつか増築するかも」「そのうち庭にするかも」という曖昧な目的だと、税金だけ払い続けることになりやすく、判断がブレます。

不整形地が整形地になり、家の価値が上がる

土地の形が悪い(旗竿地・三角地・極端に間口が狭いなど)と、建物プランが制限され、将来の売却もしづらくなります。
隣地を取り込むことで形が整うと、次のようなメリットが出やすくなります。

  • 建物配置が自由になる

  • 駐車計画が通りやすい

  • 外構工事費を抑えられることがある

  • “売りにくさ”が改善し、出口が見えやすくなる

「面積が増える」より、「使える形になる」ほうが価値に直結します。

接道や出入りが改善する

道路付けが悪いと、生活のストレスだけでなく、将来の建て替えや売却にも影響します。
隣地購入で間口が広がったり、出入り口を変えられたりするなら、増分価値は大きくなります。

ただし、接道は自治体の取り扱いや個別条件が絡むため、購入前に“計画が成立するか”を確認しておくと安全です。

将来の建て替え・増築の自由度が上がる

将来の家族構成の変化(同居・子ども部屋・親の介護・在宅ワーク)に備え、建て替えや増築の余地を確保したい場合、隣地購入が「選択肢の保険」になります。
ただし保険として買うほど、目的が曖昧になりがちです。必ず「撤退条件」を先に決め、条件が揃わないなら見送るほうが安全です。


隣の土地を買ってはいけないケース

ここからが本題です。隣地購入の失敗は、ほとんどが次のどれかに当てはまります。

目的が曖昧で、使い道が具体化できない

「取られるのが嫌」「知らない人が来るのが不安」だけで買うと、判断が感情に寄り、価格が上がりやすくなります。
不安を減らす方法は購入だけではありません。後半で“買わない代替策”を比較します。

最低でも、目的を次のどれかに言い換えられないなら危険信号です。

  • 今日から使う(駐車・庭・物置・通路)

  • 形を整えて価値を上げる(整形化・間口改善)

  • 制約を解消する(動線・工事計画の成立)

このどれにも当てはまらない場合、価格交渉の根拠も作れず、後悔しやすくなります。

境界が確定できない、または合意の見込みが薄い

境界問題は、買った後に片付けようとすると一気に難易度が上がります。
隣地購入は近隣関係も絡むため、「揉めたら裁判で勝てばいい」と割り切れる人は多くありません。だからこそ、買う前に整理できる見込みが重要です。

  • 測量の段取りが組めない

  • 隣地所有者(周囲)が協力しない

  • 過去の経緯がややこしい

  • そもそも話し合いが進まない

この場合は「条件不成立なら解除」の形にできなければ、基本は見送る判断が堅いです。

越境が整理できない、書面に落ちない

越境があっても買えるケースはあります。問題は、越境の扱いを合意して書面にできるかです。

  • いつまでに是正(撤去・移設)するか

  • 是正できない場合はどうするか(承諾・将来撤去・費用負担)

  • 工事時の立ち入り、損害が出た場合の責任

これが曖昧なままだと、購入後に“爆弾を引き取る”ことになります。

法規制・高低差・造成費で「使えない土地」になる

隣地を買っても、思ったように使えないことがあります。

  • 高低差が大きく、擁壁が必要

  • がけ条例などで工事が高くつく

  • 駐車場にしたいが勾配が厳しい

  • そもそも車が入れない動線

“面積が増える”というメリットより、造成や安全対策の負担が勝つなら、買って後悔しやすいパターンです。
買う前に、現地で「何に使えるか」を確定させることが重要です。

価格が撤退ラインを超えている

隣地は唯一性が高いため、相場より高い提示が出るのは珍しくありません。
だからこそ、交渉で大事なのは「安く買う」より「撤退ラインを守る」ことです。

撤退ラインの例は次の通りです。

  • 境界が合意できないなら撤退

  • 越境の扱いが書面化できないなら撤退

  • 目的(駐車台数増・間口増など)が達成できないなら撤退

  • 税・造成・測量など総コストが許容を超えるなら撤退

  • 近隣関係が壊れそうなら撤退(買っても暮らせなくなる)

撤退ラインがあると、交渉がブレません。隣人相手でも、角が立ちにくくなります。


後悔しないための判断フレーム 上限価格と撤退条件の決め方

「買う/買わない」を決めるために、ここからは“テンプレ”に落とします。
ポイントは、感情(不安・期待)を否定せず、判断材料に変換することです。

目的を4タイプに分類する

隣地購入の目的は、ほとんどが次の4つに分けられます。

  1. 駐車・庭・物置など、生活スペースの拡張

  2. 土地の形を整える(整形化・間口改善)

  3. 接道・出入り・工事計画の成立

  4. 将来の選択肢の保険(建て替え・増築・同居)

この分類ができると、「いくらまで払えるか」「何が揃わないと撤退か」が決めやすくなります。

上限価格を決める3ステップ

上限価格は「相場に上乗せしてもいいか」ではなく、次の式で考えるとブレません。

上限価格=得られる効果(便益)−追加コスト(買って増える負担)

ステップ1:得られる効果を“できるだけ数字”にする

  • 駐車台数が1台増える → 月極換算、外部駐車場代、生活価値

  • 間口が広がる → 外構工事費が下がる可能性

  • 整形化 → 将来売却時の“売りやすさ”改善

  • 距離が取れる → 騒音・視線ストレス減(数字化しづらい)

数字化しにくいものは無理に数字にせず、「撤退条件」で守ります。

ステップ2:追加コストを“漏れなく”積む

  • 測量費(確定測量が必要なら大きい)

  • 登記費用(所有権移転など)

  • 造成・外構(整地、フェンス、擁壁など)

  • 税金(固定資産税の増、購入時諸税)

  • 将来の維持費(草刈り、除雪、管理)

ステップ3:撤退条件を先に決める

撤退条件は“価格”より重要です。典型例は次の通りです。

  • 境界が確定できない/境界確認が取れない

  • 越境の是正または承諾が書面化できない

  • 通行や使用の暗黙ルールが整理できない

  • 法規制・高低差で目的を達成できない

  • 条件付き契約(特約)が入れられない

撤退条件があると、交渉で不利になりにくく、関係も壊れにくくなります。

判定 目的が明確 境界の段取り 越境の整理 使える確度 税・造成の見込み 撤退条件
買うべき 今日から使う/形が整う 測量・確認書の道筋あり 書面化できる 目的達成が高い 受け入れ可能 契約に入れられる
慎重 将来の保険中心 一部不確実 小さい越境が残る 追加工事が必要 試算が粗い 条件を詰める
見送る 曖昧 合意の見込み薄 口約束 使えない可能性 コスト不明 入れられない

買わない選択肢もある 隣地問題の代替策比較

「買わないと不安」という気持ちは自然です。ですが、買う以外の方法で問題が解決することもあります。
ここを持っておくと、交渉が強くなります。なぜなら、“買うしかない”と思った瞬間に価格が上がるからです。

代替策 できること 向くケース デメリット 注意点
使用貸借(無償で借りる) 一時利用(通行・作業) 近隣関係が良い 解除されやすい 書面化が必須
賃貸借(地代を払う) 中長期利用 駐車場・菜園など 地代負担 期間・更新条件
覚書(通行・越境の合意) ルール明確化 暗黙ルール整理 法的強度は内容次第 具体条件を明記
地役権設定 通行・配管など権利化 出入りが本質 設定手続きが必要 登記の検討
一部買い取り(分筆) 必要な部分だけ取得 小さく欲しい 測量・手続き増 分筆条件を詰める
まとめ買い(合筆前提) 一体利用 整形化・増築 後戻り設計が難しい 将来の売却設計

代替策を検討しても、最終的に買う結論になることはあります。
それでも価値があります。なぜなら、買うにしても「買わないならこの案」という比較軸ができ、交渉が冷静になるからです。


隣地購入の確認リスト 境界 越境 通行 権利 税金を一気に点検

ここからは、購入前にやるべきことを“漏れなく”整理します。
大事なのは、資料で確認できることと、現地でしか分からないことを分けることです。

購入前チェックリスト表

確認項目 見るもの 相談先 NGサイン 先に入れる条件
境界 境界標、測量図、境界確認の状況 土地家屋調査士 境界標なし/協力拒否 確定測量+確認書
越境 塀・樹木・屋根・配管・地中 調査士/司法書士 口約束/是正拒否 是正期限or承諾書
通行 通路の実態、権利関係 司法書士/弁護士 “昔から”のみ 覚書・地役権検討
登記 所有者、共有、抵当権 司法書士 抹消段取り不明 抹消を停止条件
法規制 用途地域、接道、条例 自治体/不動産会社 目的が成立しない 事前相談で確認
税・費用 税・登記・測量・造成 自治体/税理士 試算できない ざっくり総額把握

境界の確認は「確定測量」と「境界確認」が肝

境界を整理するとき、キーワードは次の2つです。

  • 確定測量:測量して境界を明確にする(ケースにより周囲の立会い等)

  • 境界確認:隣地所有者と境界の位置について確認書等で合意する

ここが整うと、越境の話も、外構の話も、将来の売却も一気に楽になります。
逆に、ここが曖昧なまま契約すると、後から詰みやすくなります。

越境は「是正できるか」「できないならどうするか」を書面化

越境が出た場合の整理は、次の二択です。

  1. 是正(撤去・移設)できる → 誰が、いつまでに、費用は、工事の方法は

  2. 是正が難しい → 承諾(使用許可)、将来撤去の条件、損害時の責任、承継

“今はいい”は、将来の当事者変更で崩れやすいので、必ず書面に落とします。

通行が論点なら「ルール化できるか」を先に見る

通行は揉めやすい論点です。
買う/買わないの判断以前に、次を確認します。

  • 通る場所はどこか(図面化できるか)

  • 幅はどれくらい必要か(車両可否)

  • 維持管理は誰がやるか(舗装・除草・除雪)

  • 補償の考え方(必要なら)

  • 当事者が変わっても守られる形か(書面・登記の検討)

通行が整理できないなら、買っても揉める可能性が残ります。
逆に、ルール化できるなら「買わない代替策」でも安心が作れます。

登記簿で抵当権と共有を必ず確認

登記簿で見るべきポイントは次です。

  • 所有者は誰か(相続未了でないか)

  • 共有になっていないか(意思決定が難しくなる)

  • 抵当権など担保が付いていないか(抹消が必要)

抵当権が残ったままの売買は原則避け、抹消の段取りを停止条件にするなど、安全な形にします。

法規制は「目的が成立するか」を確認してから交渉する

隣地を駐車場にしたい、増築したい、門を動かしたい。
こうした“やりたいこと”は、法規制や現地条件で潰れることがあります。

  • 高低差、がけ、擁壁

  • 接道条件

  • 自治体条例

  • 用途地域・地区計画

「買ってから考える」だと、買った後に目的が成立しないことがあります。
自治体窓口や不動産会社に、簡単でも良いので事前相談しておくと安全です。


隣の土地を買う手順 交渉 契約 測量 登記までの流れ

ここからは、実際に動くときの段取りを、近隣関係が壊れにくい順番で整理します。

最初の一言で関係を壊さない

隣人相手にいきなり「いくらなら売る?」「高い」と言うと、感情が先に立ちます。
おすすめは、価格より先に“整理の目的”を共有することです。

言い回し例

  • 「将来の工事や相続で揉めないように、先に境界や越境を整理しておきたいのですが、一緒に測量の段取りを相談できますか」

  • 「急いで結論を出す前に、資料を揃えてから判断したいので、測量や登記の確認を進めてもよいでしょうか」

価格交渉は最後で構いません。まずは“整える”流れを作ると、話が進みやすくなります。

交渉前に用意するもの

交渉の前に、最低限これだけは揃えると判断が速くなります。

  • 目的(駐車・整形化など)を一文で言える

  • 撤退条件を決めている

  • 追加コスト(測量・登記・造成・税)の概算がある

  • “買わない代替策”の目星がある(使うかどうかは別)

ここまで揃うと、交渉で気持ちが揺れにくくなります。

上限価格の作り方 目的別の考え方

目的別に、上限価格の考え方の例を示します。

駐車目的

  • 1台増えるなら、外部駐車場代や生活価値がベース

  • 車の出入りが改善するなら、事故・擦りの不安軽減も加味

  • ただし造成が必要なら、その費用を引く

整形化目的

  • “売りやすさ”の改善が主な便益

  • 外構工事費が下がる可能性もある

  • ただし効果が曖昧なら、撤退条件を強めに設定

接道・出入り目的

  • 生活価値が大きい一方で、法規制と現地条件が絡む

  • 目的が成立する見込みが立つまで、価格を詰めすぎない

測量と契約特約の入れ方 これができないなら撤退

隣地購入の安全装置は、契約書に入れる「条件」です。
特に次の条件が入れられない場合、撤退を検討する価値があります。

  • 確定測量の実施(期限・費用負担)

  • 境界確認書の取得(取得できない場合の解除)

  • 越境が見つかった場合の是正または承諾の取り決め

  • 抵当権抹消を引渡し条件にする

  • 通行や使用の覚書を条件にする(必要な場合)

“口約束で大丈夫”と言われたときこそ、書面に落とすのが安全です。

引渡し後の選択 合筆 分筆を急がない

隣地を買った後、一体で使うなら合筆を検討することがあります。ただし、合筆・分筆は将来の売却や相続の設計にも影響します。
迷うなら「急がない」も立派な選択です。

  • 将来、土地を分けて売る可能性はあるか

  • 相続で分けやすい形にしたいか

  • 税の扱いが不利にならないか

ここは司法書士や税理士に相談しながら、ライフプランとセットで決めるのが安全です。


税金と費用の全体像 取得時 保有時 将来を時系列で把握する

隣地購入は、価格だけ見ていると失敗します。
「買うとき」「持っている間」「将来手放すとき」で、コストを時系列に並べると判断が安定します。

費用の時系列表

タイミング 主な費用 見落としやすい点
契約時 契約書の印紙税 契約金額で税額が変わる/最新の税額表確認
引渡し前後 登記費用(登録免許税等)、司法書士報酬 抵当権抹消、住所変更登記などが出ることも
購入前後 測量費、境界確認 周囲の立会いが必要だと時間が伸びる
整備 造成・外構(整地、フェンス、擁壁等) 高低差・がけ・水はね対策で増えがち
保有 固定資産税、都市計画税(地域による) 住宅用地特例の扱いが変わる可能性
将来 売却時の諸費用、相続設計 合筆・分筆で出口が変わる

固定資産税は「住宅用地特例の扱い」が変わることがある

住宅敷地には税負担を軽くする特例があり、一般に敷地面積の区分によって扱いが変わります。
隣地を買い足すと、敷地全体の面積や使い方が変わり、結果として税負担が増えることがあります。
ここは自治体での取り扱いも絡むため、購入前に資産税担当へ確認すると安心です。

印紙税や登記費用は「最新情報で」確認する

税制は更新されることがあります。契約前に国税庁などの公的情報で確認し、仲介会社任せにしないほうが安全です。
特に印紙税は契約金額で税額が変わるため、契約書の作り方(通数、金額変更時の扱いなど)も含めて一度整理しておくと安心です。


どこで誰に頼ると損しないか

隣地購入は、専門家の守備範囲が分かれる典型例です。
最短で安全に進めるには、最初に「誰が何を担当するか」を整理しておくと迷いません。

相談先 主な役割 依頼タイミング 相談のコツ
土地家屋調査士 測量、境界確認、図面 早いほど良い 境界標の有無・過去資料を共有
司法書士 登記、権利関係、抵当権 契約前〜引渡し 抵当権・共有・相続未了を確認
弁護士 紛争、交渉代理、訴訟 こじれたら早めに 感情対立が強い時ほど有効
税理士 税の整理、将来の設計 判断前〜購入後 相続・売却も含めて相談
自治体窓口 税・条例・規制 目的が固まったら 計画が成立するか事前確認

「全部を一人に丸投げ」ではなく、要所で適切な専門家に当てるのが、結果的に早くて安くなります。


よくあるトラブルと回避策 ここで詰まる人が多い

最後に、現場で起きやすい詰まりポイントと回避策をまとめます。

境界確認書に署名してもらえない

理由は様々です。相手が疑っている、家族が反対している、過去に揉めた、など。
回避策は「当事者同士のぶつかり合い」を避けることです。

  • 土地家屋調査士に説明役に入ってもらう

  • “売買のため”ではなく、“将来のための整理”として提案する

  • 期限を決め、合意できない場合は条件を見直す(撤退も含む)

越境物が撤去できない

撤去が難しい場合は、揉めない形に“固定化”します。

  • 将来撤去する条件(建て替え時、更新時)

  • 維持管理の責任

  • 損害が出た場合の負担

  • 当事者変更(相続・売却)時の承継

ここを曖昧にすると、次の世代で爆発します。

通行や駐車の暗黙ルールがある

暗黙ルールは、当事者が変わると崩れます。
通行場所、幅、車両可否、維持管理、補償などを、できる範囲で書面に落とします。

買った後に税負担が思ったより増えた

原因は「敷地の扱い」「使い方」「面積区分」「評価額」などです。
購入前に、自治体の資産税担当に「買い足した場合の見込み」を確認し、見落としを潰しておくと安心です。


よくある質問

隣地は相場よりどれくらい高くなるのが普通ですか

一概に「何割」とは言えません。増分価値がどれだけ出るか(駐車台数、整形化、接道改善など)で変わります。大事なのは“相場”より“あなたの上限価格”です。目的別の便益と追加コストから上限を決め、撤退条件を先に設定するとブレません。

境界が曖昧でも買える場合はありますか

買える場合はありますが、後から揉める確率が上がります。買うなら、確定測量・境界確認、合意できない場合の解除など、条件付きで安全装置を入れることが重要です。

「買わない」選択肢は現実的ですか

現実的です。使用貸借・賃貸借・覚書・地役権などで、通行や利用の不安が軽減することがあります。買うしかないと思う前に、代替策比較を一度当てると判断が安定します。

測量費は誰が払うべきですか

ケースによります。一般的には売買条件として交渉し、どちらが負担するか、どこまでの測量か(確定測量か)を決めます。費用負担・期限・不成立時の取り扱いを契約条件に落とすのが安全です。

隣地を買ったら合筆した方がいいですか

目的次第です。一体利用が明確なら合筆が便利な場合がありますが、将来の売却・相続で分けにくくなることもあります。迷うなら急がず、まずは利用してから専門家と出口を設計するのが安全です。


まとめ 隣の土地で後悔しないための最短ルート

隣の土地は、条件が揃えば「生活の質」と「資産価値」を同時に上げる強い選択になります。
一方で、境界・越境・通行・税・造成のどれかが欠けたまま買うと、後から取り返しがつかないストレスになります。

最後に、要点だけをチェックリストで整理します。

最終チェックリスト

  • 目的が明確で、買った瞬間から使えるか

  • 上限価格を、便益−追加コストで説明できるか

  • 撤退条件(境界・越境・通行・法規制・関係悪化)を決めているか

  • 境界は買う前に整える段取りがあるか(測量・確認書・条件不成立時解除)

  • 越境は是正か承諾か、書面に落とせるか

  • 税・造成・登記など総コストを時系列で把握しているか

  • 買わない代替策を一度検討し、“買うしかない”状態から抜けられているか

ここまで揃えば、「隣の土地は買ってはいけない」という不安は、かなりの確度で“納得して決められる安心”に変わります。


参考情報