「再生回数は伸びているのに、フォローが増えない」「伸びた動画の理由を聞かれても、うまく説明できない」——TikTok運用を続けていると、こんな壁にぶつかりがちです。
原因の多くはセンスではなく、見るべき指標の順番が曖昧なこと、そして数字を改善アクションに変換する型がないことにあります。
TikTokには、無料で使える公式インサイト(アナリティクス)があり、実は多くのアカウントはここを正しく見れば十分に改善できます。一方で、競合分析やトレンド把握、レポート作成の効率化が必要になったタイミングでは、外部の分析ツールが大きな武器になります。問題は「いつ」「どこから」「何のために」導入すべきかが分かりにくいことです。
この記事では、TikTok分析ツールを公式インサイトと外部ツールに分け、目的別に「何を見るべきか」「どう判断するか」「次に何を直すか」を一本道で整理します。さらに、兼務担当でも回しやすい週次・月次の分析テンプレと、導入で失敗しない選定チェックリストも用意しました。
読み終えたときには、数字の見方に迷わず、次の改善がスムーズに進められる状態を目指します。
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TikTok分析ツールでできることと選ぶ前の整理
TikTok運用が軌道に乗り始めると、次のような壁に当たりやすくなります。
再生回数は増えたのに、フォローや問い合わせにつながらない
伸びた動画が「なぜ伸びたのか」を説明できず、次の企画が当てにくい
上司やクライアントに報告するための“根拠のある数字”がそろわない
競合が急に伸びているが、どこを見て分析すればよいか分からない
こうした悩みは、センスの問題というより「見るべき指標の順番」と「判断→打ち手への変換」が曖昧なことが原因で起きます。そこで役に立つのが、TikTokの公式インサイトと外部の分析ツールです。
まず決めるべき目的とKPIの対応関係
分析で最初にやるべきことは「数字を見ること」ではなく、目的を1つに絞ることです。目的が混ざると、良し悪しの判定がぶれて改善が遅くなります。たとえば「認知を取りたい」と「問い合わせを増やしたい」は、同じ動画でも評価指標が変わります。認知なら視聴の広がりが正義ですが、問い合わせなら行動(プロフィール遷移・リンククリックなど)が重要です。
目的とKPIは、次のように整理すると迷いにくくなります。
| 目的 | まず見るKPI | 次に見るKPI | 改善の焦点 |
|---|---|---|---|
| 認知拡大 | 再生数、リーチ | 視聴維持、完了率、シェア | 冒頭の引き、テンポ、尺、話題性 |
| フォロー獲得 | フォロー増、フォロー率 | プロフィール遷移、保存 | 世界観、シリーズ化、プロフィール導線 |
| 集客・送客 | プロフィール遷移、リンククリック | 視聴維持、コメント | CTA設計、導線の分かりやすさ、ターゲット一致 |
| 採用 | プロフィール遷移、応募導線 | 保存、コメントの質 | 仕事内容の解像度、不安解消、社風訴求 |
| コマース | 商品クリック、購入、ROAS | 商品別CVR、返品率 | 訴求の刺さり、価格の見せ方、比較、レビュー提示 |
ここでのポイントは、KPIを増やしすぎないことです。特に運用初期〜中期は、見る指標を絞るほど改善が速くなります。おすすめは「最優先KPIを1つ」「補助KPIを2つ」までです。たとえばフォロー獲得なら「フォロー率」を最優先にし、補助として「プロフィール遷移」「保存」を見る、という具合です。
また、KPIは“動画そのものの評価”と“アカウント全体の評価”に分けると整理しやすくなります。
動画の評価:視聴維持、完了率、平均視聴時間、シェア、保存
アカウントの評価:フォロワー増、プロフィール遷移、リンククリック、問い合わせ数
動画が伸びてもアカウントが伸びないときは、動画評価は良いがアカウント評価が弱い状態です。逆に、動画が伸びなくても問い合わせが取れているなら、狙いがニッチで数は少ないが質が高い可能性があります。目的に沿って「どちらを見ているのか」を固定するだけで、判断が安定します。
公式インサイトで足りる範囲と限界
結論から言うと、多くの人はまず公式インサイトだけで十分に改善できます。理由はシンプルで、TikTokの成果の多くは「クリエイティブ(動画の構成・テンポ・訴求)」で決まるためです。公式インサイトは、自社動画のどこが落ちているか、誰に届いているか、どこから流入しているかを把握するのに必要十分な情報を持っています。
一方で、公式インサイトには限界もあります。特に次の領域は、外部ツールや別の仕組みがあると強いです。
競合の伸び方を定点観測し、伸びている企画の共通点を抽出したい
ハッシュタグや音源など、トレンドの移り変わりを効率よく追いたい
複数アカウントや複数SNSをまとめてレポート化したい
インフルエンサー候補を比較し、相性や過去傾向を見たい
ここで大切なのは、「最初から外部ツールを入れないと勝てない」と思わないことです。外部ツールは強力ですが、運用体制が整っていないと使い切れず、コストだけが残りがちです。逆に言えば、公式インサイトで“改善の型”ができたタイミングで外部ツールを入れると、投資が成果に結びつきやすくなります。
目的別に、公式と外部の役割をざっくり整理すると次の通りです。
| やりたいこと | 公式インサイト | 外部ツールが得意 |
|---|---|---|
| 自社アカウントの改善(伸びた理由の特定) | ◎ | ○ |
| 視聴維持・完了を見て構成を直す | ◎ | ○ |
| 競合比較・市場の伸び筋の把握 | △ | ◎ |
| トレンド探索(ハッシュタグ、音源、業界テーマ) | △ | ◎ |
| レポート自動化・共有・CSV蓄積 | ○ | ◎ |
| TikTok Shopや広告も含めた分析 | ○ | ○(目的次第) |
この表の見方は簡単です。自社改善中心なら公式、相対評価や効率化が必要なら外部。ここを押さえるだけで、ツール選びが急にラクになります。
TikTok公式インサイトの見方と重要指標
TikTokの公式インサイトは、ただ眺めるだけだと「数字があるのに何をすればよいか分からない」状態になりやすいです。そこで、この章では“見る順番”を固定し、指標を改善アクションに変換するための読み方を整理します。
おすすめの基本ルートは次の通りです。
期間を固定(直近7日・28日など)
全体推移で「伸びているか/停滞か」を把握
投稿別で「伸びた動画」を特定
視聴維持で「どこで離脱しているか」を把握
プロフィール遷移・フォローで「次の行動」を確認
オーディエンスで「誰に届いたか」を確認し、投稿設計に反映
この順番で見ると、数字が行ったり来たりせず、毎回同じ流れで判断できます。
成長推移とコンテンツの基本指標
まずはアカウント全体の成長推移です。ここでは「運用が積み上がっているか」だけを見ます。たとえば、直近28日で再生数やプロフィール閲覧が緩やかに上がっているなら、勝ち筋が育っている可能性が高いです。
次に投稿別(コンテンツ別)を見ます。ここで重要なのは、再生数だけで優劣を決めないことです。TikTokで改善のヒントが出やすいのは、むしろ次の指標です。
平均視聴時間:動画が“ちゃんと見られているか”
視聴維持:どのタイミングで離脱しているか
完了率:最後まで見られる設計になっているか
シェア:話題として人に渡したくなる価値があるか
保存:後で見返したい実用性や納得感があるか
プロフィール遷移:次の行動につながったか
フォロー:アカウントの継続価値が伝わったか
ここで覚えておきたいのは、目的によって“良い指標”が変わることです。認知ならシェアや再生の広がりが大切ですが、フォロー獲得ならプロフィール遷移とフォロー率が大切です。集客ならリンククリックや問い合わせが大切です。目的が定まっていれば、評価は迷いません。
さらに、投稿の比較は「上位だけを見る」よりも、上位3本と下位3本を見比べるのが効きます。上位からは勝ちパターンが、下位からは避けるべき落とし穴が見えます。特に下位は、冒頭が弱い・尺が長い・説明が回りくどいなど、改善のヒントが詰まっています。
視聴維持と完了率をどう読むか
視聴維持は、改善アクションに最も直結する指標のひとつです。再生数はアルゴリズムやタイミングでも上下しますが、視聴維持は“動画の設計”がそのまま反映されます。
視聴維持の読み方は、ざっくり次の3パターンに分けると分かりやすいです。
1. 序盤で一気に落ちる
原因として多いのは、冒頭で「見る理由」を出せていないことです。TikTokはスクロールの速度が速いため、序盤で興味をつかめないと離脱が起きます。
改善の方向性は次の通りです。
1秒目に結論やメリットを置く
何が分かる動画なのかをテロップで即提示する
前置きを削り、まず“変化”や“比較”を見せる
タイトルの言い回しを「悩み→解決」に寄せる
例:
「今日はTikTok運用について話します」より、
「再生は増えるのにフォローが増えない原因、これです」
のほうが“見る理由”が明確になります。
2. 中盤でじわじわ落ちる
原因として多いのは、情報密度が薄い、同じ画が続く、テンポが単調などです。中盤で落ちる動画は、テーマは良いのに構成がもったいないケースが多いです。
改善の方向性は次の通りです。
カット割りを増やし、同じ画を続けない
3点構成など、先に全体の枠を見せる
比較(良い例/悪い例)を入れて飽きさせない
“結論→理由→具体例”の順番を徹底する
3. 終盤で落ちるが完了率は悪くない
これは悪い状態とは限りません。最後まで見られているなら、CTAが長い、締めが冗長、同じ説明の繰り返しなどが原因になりがちです。完了率が取れているなら、むしろ“次の行動”の設計を改善する余地があります。
改善の方向性は次の通りです。
CTAは1つに絞る(フォローか、コメントか、プロフ誘導か)
CTAは短く、行動の理由を添える
終盤に「次回の予告」を入れて期待を作る
視聴維持の改善で最も大切なのは、一度に全部直さないことです。冒頭も中盤も終盤も同時に変えると、何が効いたか分からなくなります。「次の1本で直す点は1つだけ」と決めると、改善の速度が上がります。
オーディエンス情報と投稿時間の決め方
投稿時間は“気分”で決めるとブレます。オーディエンス情報を使って、まずは検証範囲を狭めるのが基本です。
おすすめは次の手順です。
オーディエンスの活動が多い時間帯の上位2つを選ぶ
2〜4週間、その2枠に投稿を寄せる
同じテーマでも時間帯を変えて反応差を見る
反応が良い枠を主軸にし、もう1枠を検証枠にする
投稿時間は「ゴールデンタイムはこれ」と決め打ちするより、自社のオーディエンスに合わせて最適化したほうが再現性が高くなります。特に、店舗や地域ビジネスは地域分布が重要です。採用アカウントなら、狙う職種の生活リズム(通勤前・帰宅後・休日)を想像して設計すると当たりやすくなります。
また、オーディエンス情報は「誰に届いているか」を検証する材料でもあります。たとえば、狙っている層と実際に届いている層がズレている場合、テーマや言葉遣い、冒頭の引きがズレている可能性があります。ズレを放置すると、再生は取れても成果に結びつかない状態になりやすいので、定期的に確認したいポイントです。
外部のTikTok分析ツール比較|無料と有料の違い
外部ツールを検討するタイミングは、「公式インサイトで改善しているが、次の伸びしろが“相対評価”や“効率化”に移ったとき」です。たとえば次の状態なら、外部ツールの価値が出やすくなります。
自社の勝ちパターンが見え始め、次は“競合の勝ちパターン”も取り込みたい
週次レポートが手作業で重く、分析より作業に時間が取られている
複数のアカウントを運用していて、横断比較が必要
インフルエンサー施策を始めるため、候補を比較したい
ここからは、無料と有料の違いを“使い方の差”として整理していきます。
競合分析が必要なら外部ツールを検討する理由
競合分析の価値は、単に「真似する」ことではありません。競合の伸び方を見ると、次のような判断が速くなります。
伸びているテーマが「一時的な流行」か「定着した需要」かを見極められる
業界で強いフック(冒頭の型)が見え、企画の精度が上がる
競合が伸びている導線(プロフィール設計、シリーズ化、CTA)が分かる
自社の弱点(投稿頻度、尺、ジャンルの偏り)が相対比較で明確になる
公式インサイトだけだと「自社の中での良し悪し」になりがちです。しかし運用の勝負は、同じユーザーの時間を奪い合う“相対評価”の側面もあります。競合の傾向を押さえることで、当たり企画を作る確率が上がります。
ただし注意点として、競合分析は“見すぎる”と迷いが増えます。見るべきは、次の3点に絞るのが安全です。
伸びた動画のテーマ(何を扱っているか)
構成の型(冒頭→展開→締めのパターン)
投稿頻度とシリーズ化(継続設計)
細かな編集技術やトレンドの追いかけすぎは、自社の軸を壊しやすいので、最初は「型を盗む」くらいがちょうど良いです。
目的別おすすめカテゴリ(競合・インフルエンサー・統合管理)
外部ツールは商品名よりも、目的に合う“カテゴリ”で選ぶのが失敗しにくいです。主に次の3カテゴリに分けられます。
競合・市場分析カテゴリ
競合アカウントの投稿傾向、伸びた動画、成長の変化を追いやすい
ハッシュタグやトレンドの探索がしやすい
業界の成功パターンを抽出し、自社企画に反映しやすい
向いている人:
「企画の当たりを増やしたい」「勝ちパターンを早く掴みたい」担当者
インフルエンサー分析カテゴリ
候補の過去投稿、反応、フォロワーの傾向などを比較しやすい
PR施策での相性やリスク(炎上傾向、案件不適合など)を避けやすい
施策後の成果検証をしやすい
向いている人:
「案件で外したくない」「候補選定を効率化したい」担当者
SNS統合管理・レポートカテゴリ
複数SNSや複数アカウントを横断して管理できる
レポートの自動化、共有、CSV蓄積がしやすい
チーム運用(権限、承認フロー)と相性が良い
向いている人:
「報告工数を減らしたい」「複数案件を横断したい」担当者や代理店
選び方のコツは、“最初の目的”を1つ決めて、そのカテゴリから選ぶことです。全部入りを選ぶと安心に見えますが、運用が追いつかず、結局使わなくなるケースが少なくありません。
料金で失敗しない見積もり観点
有料ツールは「高いか安いか」ではなく、効果が出る状態に持っていけるかが重要です。そこで、見積もりの観点を3つに絞って判断します。
1. 工数がどれだけ減るか
週次レポートを毎回手作業で作っているなら、レポート自動化は価値が出やすいです。たとえば、週2時間の作業が30分に減るなら、月に6時間以上の削減です。その時間を企画や制作に回せるなら、数字に直接効きます。
2. 意思決定がどれだけ速くなるか
競合比較やトレンド探索が速いと、企画の当たりが増えます。特にTikTokは流れが速いので、「気づいた時には遅い」を減らせるほど価値があります。
3. 社内共有がどれだけ楽になるか
ツール導入で地味に効くのが、共有のしやすさです。スクリーンショットでの共有が増えると、情報が散らばり、引き継ぎが難しくなります。リンク共有、閲覧権限、CSV出力、テンプレの有無など、運用面の便利さは長期的に効きます。
なお、料金はプランや仕様が変わることがあります。導入時は「価格」だけでなく、自社が欲しい機能がどのプランに含まれるか、契約単位(アカウント数、ユーザー数、月次か年次か)を確認し、使い切れる範囲で始めるのが安全です。
TikTok分析ツールの選定チェックリスト
ツール選定で失敗しやすいのは、「できることが多そう」で選んでしまうことです。重要なのは、自社の目的と体制で“必要な機能だけ”を選ぶことです。ここでは、導入前に必ず埋めたいチェックリストを用意します。
必須機能チェック(競合、ハッシュタグ、レポート、CSVなど)
まずは、Yes/Noで埋めてください。Yesが多い領域が、導入すべきカテゴリのヒントになります。
| チェック項目 | Yes/No | これが必要になる状況 |
|---|---|---|
| 競合アカウントを複数並べて比較したい | 市場把握、企画の当たりを増やしたい | |
| 伸びているハッシュタグやテーマを定点観測したい | トレンド探索、企画のネタ切れ防止 | |
| 音源や流行の変化を早めに掴みたい | 流れが速いジャンル(美容、グルメ等) | |
| 投稿別データをCSVで保存し、蓄積したい | 月次の振り返り、引き継ぎ、検証 | |
| レポートを自動生成して共有したい | 兼務で時間がない、上司報告がある | |
| 複数アカウントを横断して見たい | 複数ブランド、複数店舗の運用 | |
| チームで権限管理・共同作業したい | 企業運用、代理店連携 | |
| TikTok以外のSNSもまとめて見たい | 統合レポート、横断施策 | |
| インフルエンサー候補を比較して選びたい | PRやUGC施策を始める | |
| TikTok Shopや広告指標も同じ流れで追いたい | コマース、広告運用を本格化 |
埋め終わったら、次のように判断するとシンプルです。
Yesが少ない:公式インサイト中心で改善し、まず勝ち筋を作る
競合・トレンドのYesが多い:競合・市場分析カテゴリを検討
レポート・共有のYesが多い:統合管理・レポートカテゴリを検討
インフルエンサー関連のYesが多い:インフルエンサー分析カテゴリを検討
この整理を挟むだけで、「なんとなく便利そう」から「目的に合う」へ選び方が変わります。
社内運用で詰まりやすい注意点(権限、共有、継続)
ツール導入の失敗は、機能不足よりも運用不足で起きます。導入前に、次の落とし穴を潰しておくと定着しやすいです。
見る人が決まっていない
ツールは“誰かが見る前提”で価値が出ます。担当者を固定し、週次の確認時間をカレンダーに入れると続きます。数字が溜まらない
毎回バラバラに見ていると、学びが積み上がりません。週次レポートを同じフォーマットで保存し、月次でまとめられる形にします。共有が面倒で形骸化する
スクリーンショットの貼り付けが増えると、情報が散らばります。リンク共有、CSV、スライドテンプレなど、共有の導線を最初に用意します。権限が曖昧で止まる
誰が閲覧できるか、誰が編集できるかが曖昧だと運用が止まります。社内と代理店で役割を決め、閲覧権限と共有範囲を固定します。“見た気になる”問題が起きる
ツールは情報が多いほど満足感が出ますが、成果に直結しません。毎週見る指標を固定し、改善点を1つに絞る運用が最も強いです。
週次と月次で回す分析テンプレと改善アクション例
ここからが最重要です。ツールや指標は、結局「運用の型」がなければ成果になりません。特に兼務担当の場合、完璧を目指すより、短時間で回るテンプレを作った方が勝ちます。
おすすめは、次の二段構えです。
週次:勝ち筋のメモ化(伸びた理由を残す)
月次:再現性の設計(シリーズ化と投稿設計に落とす)
週次:伸びた動画の共通点を残す
週次の目的は「反省会」ではありません。伸びた動画の共通点を言語化して保存することです。これが積み上がると、企画が安定し、再現性が上がります。
週次テンプレは、次の最小構成で十分です。
週次レポート最小構成チェックリスト
期間(例:直近7日)
再生数上位3本(URLまたはタイトル)
平均視聴時間(上位3本)
視聴維持の特徴(どの秒で落ちたか、仮説)
プロフィール遷移(増減と要因仮説)
フォロー増減(増減と要因仮説)
次週の改善点は1つだけ
次週の検証投稿(同じ型で1本)
ここで“次週の改善点は1つだけ”を徹底すると、運用が急に強くなります。改善点を3つ出すと、次の動画で全部入れたくなり、何が効いたか分からなくなります。1つに絞ると、学びが積み上がります。
改善アクションの例もセットで持っておくとラクです。
序盤で離脱が多い:冒頭を結論先出しにする、テロップでベネフィット提示
中盤で離脱が増える:比較を入れる、カット割りを増やす、3点構成で先に枠を見せる
完了は取れるがフォローが増えない:シリーズ化の予告、固定投稿の整備、プロフィールの一貫性
保存が少ない:チェックリスト化、手順化、テンプレ提供で“残したい価値”を増やす
コメントが増える:返信動画で回収し、次のテーマに繋げる
週次は短時間で回すほど継続しやすいです。理想は10〜20分。数字を細かく追うのは月次に回し、週次は“次に何を直すか”だけを決めます。
月次:シリーズ企画と投稿設計に落とす
月次の目的は、週次で溜まった学びを「企画と投稿設計」に変換することです。月次でやることは、基本的に次の3つです。
伸びたテーマ上位を抽出する
伸びた型をテンプレ化し、シリーズを作る
投稿時間帯と頻度を固定し、検証枠を用意する
まず、伸びたテーマは上位3つに絞ります。たとえば「分析の型」「伸びる冒頭」「失敗例」などです。次に、それぞれをシリーズ化します。シリーズ化とは、同じ型で3本作ることです。理由は、TikTokは単発よりも“次も見たい”が強いアカウントが伸びやすいからです。
シリーズ化の例:
シリーズA:TikTok分析の改善ポイントを1つずつ
シリーズB:よくある失敗と直し方
シリーズC:伸びた動画の分解(冒頭、構成、CTA)
そして、投稿設計は“固定”が強いです。投稿時間を毎回変えると検証が終わりません。月単位で主軸時間帯を決め、検証枠を小さく残すと、学びが継続的に蓄積します。
最後に、月次では「プロフィールと固定投稿」の整備も見直すと効果が出やすいです。動画が伸びてもアカウントが伸びないときは、プロフィールの導線が弱いことが多いからです。月次のタイミングで次のチェックをします。
プロフィールで何者かが一目で分かるか
固定投稿が「初めて来た人向け」になっているか
フォローするメリットが明文化されているか
リンク先が分かりやすく、迷わないか
TikTok Shop/広告を使う場合の見方
TikTok Shopや広告が絡む場合、分析は少し複雑になります。理由は、オーガニック(通常投稿)と広告、そしてショップ(購買)が絡むためです。ここで大切なのは、“数字の流れ”を先に固定することです。
おすすめの流れは次の通りです。
商品別に、クリックと購入の偏りを見る
クリエイティブ別に、購入に寄与した動画を特定する
売れた訴求をオーガニック投稿に移植し、自然流入を増やす
逆に、オーガニックで反応が良かった構成を広告に移植する
コマース系は「売れた商品」だけでなく「なぜ売れたか」を分解できるほど強くなります。たとえば、同じ商品でも次の違いが結果を分けます。
価格の見せ方(最初に出す/最後に出す)
ベネフィットの順番(悩み→解決/比較→選択)
実演の有無(手触り、使用感、ビフォーアフター)
レビューの出し方(テロップ、口コミ風、数値提示)
そして、広告を回す場合は「広告で売れた」だけで満足せず、売れたクリエイティブの勝ち筋をオーガニックに戻すと、長期的な運用が強くなります。広告は即効性がある一方でコストがかかるため、勝ち筋を自社アカウントの資産に変える発想が重要です。
TikTok分析ツールのよくある質問
無料だけで十分ですか
多くの場合、最初の改善は無料の公式インサイトだけで十分です。特に、動画の構成改善や投稿設計の見直しは、公式の指標(視聴維持、完了率、プロフィール遷移など)で十分に進められます。
ただし、次の条件に当てはまるなら外部ツールを検討する価値があります。
競合比較が必要で、企画の当たりを増やしたい
レポート作成が重く、分析より作業に時間が取られている
複数アカウントを運用していて横断比較が必要
インフルエンサー施策を始め、候補選定を効率化したい
目安としては、公式で週次テンプレが回り、改善の型ができたら外部ツールが効きやすくなります。
競合分析はどこまで合法・安全ですか
競合分析は、基本的には公開情報の範囲で行うのが前提です。ツールによってはデータ取得の方法や利用規約が異なるため、導入前に次の点を確認してください。
取得しているデータは公開情報に限られているか
利用規約で禁止される行為(大量取得、再配布など)はないか
社内で共有してよい範囲(保存、配布、転載)を決めたか
また、競合分析の目的は「コピー」ではなく「型の抽出」です。具体的な表現や映像をそのまま模倣するのではなく、テーマや構成の型を自社の文脈に置き換えるのが安全で、成果にもつながりやすいです。
TikTok Shopの分析はどこで見ますか
TikTok Shopを運用している場合は、ショップ側の管理画面(Seller Centerなど)と広告側(広告マネージャー)で見る指標が分かれやすくなります。最初に「どの数字を誰が見るか」を決めると混乱しにくいです。
商品別の売上・購入:ショップ側での確認が中心
クリエイティブ別の広告成果:広告側での確認が中心
オーガニック投稿からの導線:アカウント側での確認が中心
運用のコツは、商品別に偏りを見て「何が売上を作っているか」を固定し、売れた訴求をオーガニックにも展開していくことです。
数字が良いのに伸びない原因は何ですか
「数字が良い」の定義によって原因が変わりますが、よくあるのは次の2パターンです。
1. 視聴は取れているが、次の行動が弱い
再生数や視聴維持は良いのに、プロフィール遷移やフォローが弱い状態です。原因は、アカウントとしての“継続価値”が伝わっていないことが多いです。
改善の方向性:
シリーズ化の予告を入れる(次も見たい理由を作る)
プロフィールと固定投稿を整備する(初見の人が迷わない)
CTAは1つに絞り、短く明確にする
2. フォローは増えるが、成果(集客・購入)に繋がらない
ファンは増えるが、導線が弱い状態です。原因は、リンク先や案内が分かりにくい、もしくは“行動の理由”が不足していることが多いです。
改善の方向性:
プロフィールで「何が得られるか」を一言で明文化
リンク先を絞り、迷わない導線にする
行動のメリットを動画内で一度だけ提示する
いずれの場合も、対策は多くありません。数字が良いのに成果が弱いときほど、動画ではなく“導線設計”が原因になりやすい点を覚えておくと、改善が速くなります。