Windows10、Windows11で会議などで使用することのあるTeamsで画面共有されているのに映らない、表示されない場合の対処法を紹介していきます。
自分だけ見えなかったり全員が見えなかったり様々な要因が考えられるので一つ一つ試していきましょう。
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Teamsの画面共有が自分だけ表示されないとき
このトラブルが起きる典型的な状況
Microsoft Teamsの会議中に、次のような状況でお困りではないでしょうか。
他の参加者は共有資料を見ながら話を進めているのに、自分の画面だけ共有が表示されない
共有画面が真っ黒のまま、いつまで経っても表示されない
共有画面が一瞬だけ表示され、その後「読み込み中」のような状態で止まってしまう
自分のPCから別の参加者の画面共有が見えないが、スマートフォンから参加すると問題なく見える
このような場合、多くは「Teamsの不具合」だけでなく、利用している端末・ネットワーク・ブラウザ・組織の設定など、複数の要因が組み合わさって発生しています。
本記事では、特に検索キーワード「teams 画面共有 表示されない 自分だけ」を想定し、「他の人には見えているのに、自分だけ見えない」ケースに絞って解説いたします。
まず確認したいポイント
詳細な解説に入る前に、次の3点を押さえておくと切り分けがしやすくなります。
本当に「自分だけ」か
他の参加者にも同じ症状が出ている → 発表者側・会議側の問題の可能性が高い
自分だけ見えない → 端末・アプリ・ネットワーク・権限などローカル要因の可能性が高い
参加方法ごとの違い
PCのTeamsアプリでだけ見えないのか
ブラウザ版だけ見えないのか
スマホアプリでは問題ないのか
別の端末や回線で再現するか
自宅PCでは問題なくて会社PCだけで発生する
社内ネットワーク経由ではNGだが、テザリングでは見える
この記事では、これらの観点を踏まえながら、原因と対処を整理していきます。
Teams画面共有の基本仕様と前提条件
対応OS・ブラウザとアプリの種類
Teamsの会議には、主に以下の方法で参加します。
Windows/Mac用 デスクトップアプリ版 Teams
Edge/Chromeなどを使った ブラウザ版 Teams
iOS/Androidの モバイルアプリ版 Teams
一般的に、画面共有を含めた安定性はデスクトップアプリ > 対応ブラウザ > モバイルブラウザの順と考えてよいです。
そのため、「古いブラウザ+拡張機能多数+会社独自のセキュリティ設定」といった環境では、共有画面だけ表示されないといった症状が出やすくなります。
画面共有の種類(画面/ウィンドウ/PowerPoint Liveなど)
Teamsの画面共有には、主に次の種類があります。
画面(デスクトップ):PC画面全体を共有
ウィンドウ:特定のアプリケーションウィンドウのみ共有
PowerPoint Live:PowerPointファイルをTeams上で直接表示・操作
Microsoft Whiteboard など:ホワイトボードツールの共有
発表者側がどの方法を選んでいるかによって、見え方やトラブルの起こり方が変わります。
例えば、PowerPoint Liveでは問題なく見えるが、画面共有のときだけ真っ黒になる、といった症状も発生し得ます。
画面共有が「自分だけ表示されない」主な原因
一時的なアプリ不具合・キャッシュの問題
最も多いのが、Teamsアプリ側の一時的な不具合やキャッシュの破損です。各種ナレッジでも、以下のような対処が推奨されています。
Teamsアプリを完全終了し、再起動する
それでもダメな場合は、Teamsのキャッシュフォルダを削除してから再起動する
改善しない場合は、一度アンインストールしてから再インストールする
長時間PCを起動し続けている場合や、スリープ復帰を繰り返している場合、メモリ不足やキャッシュの不整合によって表示不具合が発生しやすくなります。
ネットワーク・VPN・プロキシの影響
自分だけ共有が表示されない場合、ネットワーク品質やVPN経由接続が影響していることもあります。
典型的なパターン:
自宅のWi-Fiでは問題ないが、会社のVPN接続時だけ共有がカクつく/表示されない
他の参加者の映像は見えるが、共有画面だけ読み込みのまま進まない
動画やアニメーションを含む共有のときだけ真っ黒になる
この場合、以下のような切り分けが有効です。
一時的に別の回線(テザリングなど)に切り替えてみる
VPNをオフにした状態で試し(許可されていれば)、挙動が変わるか確認する
他のオンライン会議ツールや動画配信サービスで同様の現象が起きていないか確認する
Teamsのバージョン・設定の問題
次のような場合にも、画面共有の表示トラブルが発生することがあります。
古いバージョンのTeamsを使っている
「新しいTeams」と「従来のTeams」を頻繁に行き来している
ハードウェアアクセラレーションなどの設定が特定環境と相性が悪い
特に、新しいTeamsと特定のサウンド関連サービス(例:Nahimicなど)の相性で、共有画面が表示されない事例も報告されています。
OS側の権限・セキュリティソフトの影響
Macやセキュリティの厳しいWindows環境では、OSの権限設定やセキュリティソフトがTeamsの機能を制限している可能性もあります。
代表例:
Macで「画面収録」権限がTeamsに付与されていない
企業PCのファイアウォール設定で、画面共有用の通信がブロックされている
エンドポイントセキュリティソフトが動画ストリーミングを検査・ブロックしている
このような場合、ユーザー側で変更できる範囲と、管理者に依頼すべき範囲を切り分けることが重要です。
企業PC特有の制限・VDI環境
Azure Virtual Desktopやその他のVDI環境では、画面共有やビデオ通話に制限や既知の問題が存在する場合があります。
VDI環境では、ハードウェアアクセラレーションやデバイスリダイレクトに制約がある
テナント切替後の通話・共有が不安定になることがあり、クライアント再起動が推奨されている
この領域はユーザー側で調整できる範囲が限られるため、症状を整理したうえで管理者に相談するのが現実的です。
ゲストユーザーや別テナント参加時の仕様
外部組織のTeams会議にゲストとして参加している場合、その組織のポリシー設定によって、ゲストには画面共有が見えない・制限されることがあります。
また、複数のテナントを行き来している場合、テナント切り替え時にクライアントが不安定になり、共有画面の表示だけおかしくなるケースもあります。
この場合も、一度Teamsを完全終了してから再起動すると改善することがあります。
トラブルを素早く切り分けるチェックリスト
会議中にすぐ試せる6つの対処
会議中は時間との勝負です。まずは、次の順番で「軽い作業」から試すことを推奨いたします。
会議中の簡易チェックリスト
共有のピン留め・レイアウトを確認する
共有画面が小さく表示されていないか
別の参加者の映像をピン留めしていないか
一度会議から退出して再参加する
「退出」→ 同じリンクから再参加
これだけで改善するケースも多くあります
Teamsアプリを一度終了して起動し直す
タスクトレイやドックからも完全終了して再起動
別のデバイスで会議に入り直す
スマホアプリやタブレットから参加して共有を見る(会議中の応急処置として有効)
ネットワークを一時的に切り替える
可能であればテザリング・別Wi-Fiなどに切り替えて挙動を確認
発表者に共有方式を変えてもらう
画面共有 → PowerPoint Live、あるいはその逆
ブラウザ版から共有している場合はアプリ版から共有してもらう 等
上記を試しても改善しない場合、会議中はチャットで資料を送ってもらう・録画を後で共有してもらうなど、代替策を依頼しつつ、会議後に落ち着いて根本原因を調査するのがおすすめです。
会議後にじっくり確認すべき項目
会議が終わったら、次のような項目を一つずつ確認していきます。
会議後チェックリスト
□ Teamsアプリが最新バージョンか確認した
□ Windows/Mac OSの更新を確認した
□ Teamsのキャッシュを削除し、アプリを再インストールした
□ ブラウザ版で同じ会議に参加し、再現するか確認した
□ 別のネットワーク・別のPCでも同じ問題が起きるか確認した
□ 会社PCの場合、セキュリティソフト・プロキシ設定について管理者に相談した
□ ゲスト参加・別テナント参加時だけの問題であれば、相手組織の管理者と調整してもらった
Windows/Mac/ブラウザ別の具体的な対処手順
Windowsアプリ版Teamsの対処
1. Teamsキャッシュの削除
おおまかな流れは次のとおりです(詳細パスは環境により異なります)。
Teamsを完全終了(タスクトレイのアイコンも終了)
エクスプローラーでユーザープロファイル配下のTeamsキャッシュフォルダを開く
キャッシュフォルダ内のファイルを削除
PCを再起動し、Teamsを起動・再サインイン
キャッシュ破損の場合、これで画面共有表示の不具合が解消することがあります。
2. ハードウェアアクセラレーションを無効化
Teams右上のプロフィールアイコン → 「設定」
「一般」等の項目から「ハードウェアアクセラレーションを無効にする」をオン/オフ切り替え
Teamsを再起動
一部のPCでは、ハードウェアアクセラレーションが原因で画面共有に不具合が生じることが報告されています。
3. 特定サービスとの競合を疑う(例:Nahimic Service)
ASUSなどの一部PCでは、Nahimic Serviceが原因で新しいTeamsの映像や共有が出ない事例があります。サービスを停止・無効化すると改善したという報告もあります。
この操作はシステム設定に関わるため、社内のIT管理者の指示を仰いだ上で実施してください。
4. 症状別対処早見表(Windowsアプリ版)
| 症状 | まず試すこと | 改善しない場合に試すこと |
|---|---|---|
| 共有が真っ黒/読み込み中のまま | 会議から再参加、Teams再起動 | キャッシュ削除、別回線で試す |
| 共有が一瞬映って固まる | 他アプリを終了、ビデオOFFで負荷を下げる | ハードウェアアクセラレーション無効化、ドライバ更新 |
| 特定の会議だけで発生 | 会議リンクを貼り直して再招集 | テナント切替・アカウントを確認、管理者に相談 |
Macアプリ版Teamsの対処
1. 画面収録権限の確認
macOSの「システム設定」 → 「プライバシーとセキュリティ」
「画面収録」または類似メニューを開く
「Microsoft Teams」がオンになっているか確認
オフの場合はオンにし、必要に応じてMacを再起動
Macでは、この「画面収録」権限が付与されていないと画面共有機能に制限が出ることがよくあります。
2. セキュリティソフトやVPNの影響確認
会社指定のセキュリティソフトやVPNが常駐している場合、一時的に停止できるかどうかを管理者に確認
一時的に停止してもよいという判断が出た場合、停止後に再度Teamsの共有表示を確認
ブラウザ版Teams(Edge/Chromeなど)の対処
1. 対応ブラウザか確認
Edge・Chromeなどの最新版であるか
Internet Explorerなどのサポート外ブラウザを使っていないか
非対応ブラウザでは画面共有が正しく表示されない可能性があります。
2. 拡張機能の影響を確認
シークレットウィンドウ(拡張機能OFF)で会議に参加し、共有が見えるか確認
広告ブロッカーやセキュリティ系拡張機能を一時的に無効化
3. キャッシュ・Cookieの削除
ブラウザの設定画面から、キャッシュされた画像とファイル/Cookieを削除
削除後にブラウザを再起動し、再度Teamsにサインインして確認
ケース別トラブルシューティング
他の人は見えているが自分だけ真っ黒・読み込み中
この場合、ネットワークと端末性能・負荷に焦点を当てて確認します。
チェックポイント:
□ 他の動画サービス(YouTubeなど)は問題なく視聴できるか
□ Wi-Fiの電波強度が弱くないか/有線接続に変えられないか
□ Teams以外に重いアプリ(動画編集、仮想マシンなど)が起動していないか
□ ビデオをOFFにし、音声+共有画面のみにしても症状が変わらないか
これらを試しても改善しない場合、会社側のネットワーク設計やプロキシの問題の可能性もあるため、IT管理者にログとともに相談することを推奨いたします。
一部の共有(PowerPointや動画)だけ見えない
通常の画面共有では問題ないが、PowerPoint Liveだけ表示されない
静止画の資料は見えるが、動画を再生した途端に固まる
といったケースでは、次のようなポイントを確認します。
□ 自分の回線速度が十分か(上り・下りともに数Mbps以上が目安)
□ ブラウザ版を使っている場合、別のブラウザやデスクトップアプリで試してみたか
□ Teamsの設定で帯域を節約するモード等になっていないか
新しいTeamsだけで発生する・古いTeamsでは問題ない
新しいTeamsへの移行に伴い、新Teams+特定のドライバやサービスの組み合わせで画面共有が正常表示されない事例が出ています。
古いTeamsでは問題がない → 新Teams固有の不具合・相性の可能性
新Teamsでのみ共有画面が真っ黒 → 一時的に旧Teamsまたはブラウザ版で回避
このような場合、「どのバージョンで再現するか」を整理して管理者やMicrosoftにフィードバックすることで、今後の改善につながります。
応用編:管理者に相談すべき典型パターン
ポリシー設定・権限周りの確認ポイント
ユーザー側でできる対処を試しても改善しない場合、以下のようなケースは管理者の対応が必要な可能性が高いです。
ゲスト参加の会議に参加すると、常に共有が見えない
会社支給PCでは見えないが、個人PC・スマホでは問題ない
自分のアカウントでのみ、どの会議でも共有が見えない
管理者に依頼する際は、次の設定を確認してもらうとよいでしょう。
会議ポリシー(画面共有の許可・禁止)
ゲスト/外部ユーザー向けポリシー
ネットワーク/プロキシ/ファイアウォールのTeams向け設定
VDI環境でのTeams最適化設定
ログの取り方・問い合わせ時に伝えるべき情報
管理者へ相談するときは、次の情報を事前に整理しておくと調査がスムーズです。
発生日時・会議名・会議URL
使用した端末(メーカー・型番・OSバージョン)
Teamsのバージョン(新しいTeams/従来のTeams)
参加方法(デスクトップアプリ/ブラウザ/モバイル)
どの会議で再現するか(特定の相手の会議だけか、どの会議でもか)
本記事のチェックリストで「実施済み」の項目
Teamsの画面共有トラブルを防ぐための予防策
定期的なアップデートとキャッシュクリア
多くのトラブルは、定期的なアップデートと軽いメンテナンスで予防できます。
推奨される習慣:
月1〜2回、Teamsアプリの更新を確認する
OSの更新を定期的に適用する(企業ポリシーに従う)
長時間PCを再起動していない場合は、週1回の再起動を心がける
会議前セルフチェックリスト
重要な会議の前だけでも、次の項目をチェックしておくと安心です。
会議前セルフチェック
□ ネットワーク:Wi-Fiが安定しているか、有線接続が可能なら切り替えたか
□ アプリ:Teamsを一度終了して立ち上げ直したか
□ 不要アプリ:動画編集ソフトやオンラインゲームなど重いアプリを終了したか
□ バージョン:Teamsアイコンに更新通知が出ていないか
□ 予備手段:スマホアプリや別ブラウザなど、代替手段を用意しているか
よくある質問(FAQ)
Q1. 画面共有が見えないのが自分だけのとき、まず何をすればいいですか?
最優先で試していただきたいのは、次の3つです。
会議から一度退出して再参加する
Teamsアプリを完全終了し、再起動して参加し直す
可能であればスマホや別PCから会議に参加し、共有が見えるか確認する
これで改善すれば、一時的なアプリ不具合やキャッシュの問題である可能性が高いです。
Q2. ブラウザ版Teamsでだけ共有が見えないのはなぜですか?
非対応のブラウザを使用している
拡張機能(広告ブロッカーなど)が映像ストリーミングを妨げている
ブラウザ側のキャッシュ破損
といった要因が考えられます。まずはEdgeまたはChromeの最新版で、シークレットウィンドウから参加し、拡張機能の影響がない状態で確認することをおすすめいたします。
Q3. 会社支給PCだけで起こり、自宅PCでは起こりません。何が違うのでしょうか?
この場合、次のような会社PC特有の要因が考えられます。
セキュリティソフト・EDR・プロキシによる通信制限
画面共有や外部会議向けのポリシー制限
VDI/リモートデスクトップ環境の制約
ユーザー側での対処には限界があるため、この記事のチェックリストをもとに症状を整理し、管理者へ相談されることを推奨いたします。
Q4. ゲスト参加のときだけ共有が見えません。こちらの設定で直せますか?
ゲスト参加時の画面共有表示は、相手組織側のポリシー設定に強く依存します。
自組織側のTeamsやネットワークに問題がなくても、相手側がゲストに対する共有を制限している場合があります。
まずは自組織の管理者に相談し、必要に応じて相手組織の管理者同士で調整してもらうのが現実的です。
Q5. 管理者に連絡する前に最低限確認しておきたい項目は?
次の情報を整理しておくと、管理者が原因を特定しやすくなります。
どの会議で、何回中何回発生したか
参加方法(アプリ/ブラウザ/モバイル)ごとの再現状況
別ネットワーク・別端末での再現有無
本記事のチェックリストのうち「実施した項目」とその結果